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魔神教団
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魔族篇 4章までのネタバレを含みます。
魔神教団
概要
魔神教団は、魔神を信仰する魔族の集団、あるいは魔族化を志向する人間によって構成される宗教組織である。
魔族から成る教団は、スラダ大陸西部の迷宮山水域を本拠地とし、魔神の居する黒夜宮を中枢とする。彼らは魔神のもとで魔族社会の繁栄を築くことを目的とし、人間の拉致・飼育などを主な活動とした。
一方、人間社会における教団は、九尾魔仙アンヘルを教主として組織され、人類の救済を掲げて魔族化を勧めるとともに、各地で拠点の破壊工作や組織の掌握を行った。本項では主に、この人間社会に浸透した教団について述べる。
発祥
魔神教団の起源は、暗黒暦1340年代の旧西グリニアに求められる。原初の魔族アリエットは、聖守スレイへの復讐を目的として西グリニアを滅ぼし、その住民の多くを魔装契約の鎖によって魔族化した。これにより、同地の魔神教信仰が変質し、魔族たちはアリエットを新たな魔神として崇めるようになった。
その後の魔神戦役でアリエットは討たれたものの、彼女の遺した呪いは聖守スレイに受け継がれる。スレイは人類を守るために自己を封印したが、やがて魔神スレイとして解放され、全人類を魔族化によって救済・繁栄へ導くことを志すようになった。この理念を継いだ九尾魔仙アンヘルが教主となり、魔族の繁栄のため人間社会への浸透を目的として、魔神教団の組織的活動が始まった。
教義
魔神教団の教義は、人間を脆弱かつ不完全な存在とみなし、魔族化によってその限界を超越する力を得ることを旨とする。
また、魔神の意志と一体化し、同族間の争いなき理想の世界を実現することを最終目標とする。
また、魔神の意志と一体化し、同族間の争いなき理想の世界を実現することを最終目標とする。
儀礼
教団において目覚ましい功績を挙げ、教主アンヘルの認可を受けた信徒は、黒夜宮に鎮座する魔神スレイのもとで魔族化の儀式を授けられた。
この制度には二つの意義があった。一つは、魔族化を人類の救済であり最大の栄誉と位置づけることで、信徒に教団活動への積極性と献身を促す点である。もう一つは、魔族化の適性において本人の強い意志が重視されるため、その過程が信仰心の育成と資質の選別を兼ねる点である。しかし、暗黒暦1759年に聖守ロールズによって魔神スレイが封印されて以降、長らく新たな魔族を生み出すことはできなかった。
一方で、三導師の一人ミリアムは研究と実験を重ね、迷宮神器 ・聖杯を用いることで魔神の力を介さずに魔族化を実現する技術を確立した。彼女は自らも魔族化し、多くの信徒や捕虜に同様の儀式を施した。だが、暗黒暦1809年に彼女は「魔神ミリアム」として討たれ、聖杯も教団の手を離れた。
さらに1836年には魔神スレイが討伐され、次代の魔神となるはずのネオンが長期封印状態にあったため、1999年の魔神バアル・ゼブル解放まで、信徒に対する新たな魔族化は行われなかった。
組織
魔神教団は四瞳印を紋章に掲げ、以下の階級によって構成される。
- 教主 - 九尾魔仙アンヘルがこれを務める。魔神と直接に結びつく七仙業魔の一体であり、教団における唯一絶対の指導者として君臨する。
- 元老 - 四瞳印の衣をまとうことを許された魔族の集団。かつて教団に大きな功績を残し、教主の許しを得て魔神のもとで魔族化の儀式を受けた元人間によって構成される。権力からは退きつつも、魔族化の本懐を遂げた聖者として信徒から崇敬を受けた。
- 三導師 - 教団の実務を統括する三名の人間。信徒を導き、教義の伝達および布教活動を担う。
- 七衆 - 三導師によって任命され、それぞれに仕える七名の幹部。
主な活動
- エルムレア事件（暗黒暦1794年）
シュリット神聖王国が迷宮蟲魔域に対する防衛拠点として築いた要塞都市エルムレアが壊滅した事件。
当時、聖石寮エルムレア支部長の地位にあった人物が魔神教団に通じており、迷宮神器 ・聖杯を用いて災禍級の蟲系魔物七体を召喚した。
最終的に、聖守ボウローフを含む多くの術師、および戦闘に巻き込まれた大勢の民間人が死亡し、都市は完全に崩壊した。 - 探索者ギルド掌握（暗黒暦1801年）
サンドラ帝国の探索ギルド本部が魔神教団の影響下に置かれた事件。
探索ギルドで古代研究を行っていた黒猫幹部『幻書』エリクが魔神教団に通じており、その手引によって三導師の一人ノードンがギルド長の座を奪取し、以後、ギルドは同国における教団活動の本部となった。
しかし、暗黒暦1809年に両名は殺害され、ギルドは『黒猫』レイによって奪還された。
