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神聖グリニア

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神聖グリニア

神聖グリニアとは、神聖暦322年までスラダ大陸北東部に存在した国家。一時は大陸全土を支配下に置いたが、終焉戦争を経て最終的には滅亡した。

歴史

起源と初期史

神聖グリニアおよび魔神教の起源は、古代ディブロ大陸に存在したエデン文明に求められる。神聖暦前1300年頃、トレスクレアの脅威により人類は現スラダ大陸へ移住した。この際、アスモデウスの精神魔法によりエデン文明やトレスクレアに関する多くの記憶が封印された。残存した伝承は魔神エル・マギアの信仰へと形を変え、魔装を魔神から授かった祝福と位置づけ、魔物の根絶を教義とする宗教体系「魔神教」を形成。都市マギアの大聖堂を中心に神聖グリニアが成立した。

神聖暦前300年頃には蟲系魔物の大規模侵攻「蟲寇」が発生し、大陸東部の諸都市は壊滅したが、当時の教皇の指揮により都市マギアのみが生き残った。この頃までに、魔装士を聖騎士として登用する制度が整い、西方スバロキア大帝国との緊張も芽生えていたとされる。

神聖暦前22年頃までには、神聖グリニアを宗主国とする魔神教同盟圏が大陸東部全域に確立した。聖騎士制度の普及と、未来視・過去視の魔装を持つ「神子」の情報により脅威を予知・対処する体制が機能し、各地の魔物討伐と同盟内の結束強化が進んだ。

大陸統一の動き

神聖暦前4年頃、西方のスバロキア大帝国の属国で反乱が発生すると、神聖グリニアは騎士団を派遣して支援した。やがて帝国の指導体制は崩壊し、属国を含む旧領域には魔神教会が置かれて神聖グリニアの実効支配下に入った。これを受け、神聖グリニアは魔神教による大陸統一を宣言し、新たに神聖暦を制定した。

統一後、神聖グリニアは魔神教を通じて制度・経済面で大陸全土を掌握した。大陸西部で流通していた貨幣は廃止され、神聖グリニアの紙幣が唯一の通貨となった。魔装の使用は軍か教会への所属者に限定され、それ以外は違法とされたため、各国は安全保障面で魔神教への依存を強めた。

技術についてはすべて魔神教の審査を経る制度が敷かれ、違法と認定された技術は取り締まられ、認可技術はグリニア国内に還元された。これにより科学技術の成果は宗主国へ集約し、東西格差の拡大を招いた。さらに、魔神教は人類に功績を挙げた者に蘇生魔術の使用権を与える制度を設け、信仰と実利の両面で求心力を維持した。通貨統一・魔装統制・技術集積・蘇生権付与を通じ、神聖暦240年頃までに神聖グリニアと魔神教の支配体制は盤石化した。

ディブロ大陸遠征

魔神教の最終目標は魔物の根絶であり、その第一段階としてスラダ大陸からの魔物駆逐が掲げられていた。最大の障壁は王の魔物と総称される存在で、覚醒魔装士をもってしても討伐は困難とされた。しかし、神聖暦244年には不死王・緋王の討伐が確認され、冥王も撃退されたと伝えられる。これによりスラダ大陸の脅威は後退したと判断され、七大魔王が潜むとされたディブロ大陸への進出が決定された。

神聖暦256年、神聖グリニアは遠征を正式に宣言し、ハデス・オルハ・カーラーン・ルーメンの四大企業を含む第一次調査隊を編成。港湾建設や通信網整備、万能薬エリュトの発見と栽培化、古代人アゲラ・ノーマンの蘇生などの成果を挙げ、拠点たる第一都市を人口数万人規模へ拡張した。この成功を受け、本格調査と王の魔物討伐が目標に掲げられた。

神聖暦300年には永久機関殲滅兵を投入して暴食王・強欲王を討伐したが、数万人規模の死者を出した。続く南ディブロ遠征では、神聖暦314年に怠惰王との戦闘で大敗し、死者は100万人超、経済的損失は20兆マギを超えたとされる。さらに神聖暦320年の東ディブロ海遠征は各国に兵力を強制徴発して実施されたが、帰還者すら出ない壊滅的結果に終わった。

これらの失敗は神聖グリニアと魔神教の威信を大きく損ない、とりわけ西方諸国の反発を決定的なものとした。やがて旧スバロキア領を中心にスバロキア大帝国の復活と大帝国同盟圏の結成が宣言され、終焉戦争へと発展する。

終焉戦争と滅亡

神聖暦320年にスバロキア大帝国の復活が宣言されると、神聖グリニアをはじめとする東方諸国は強い警戒を示した。同年、大陸中央部のコントリアスおよび天空都市が中立を表明したが、神聖グリニアは非協力的と判断して武力介入を決定し、最終的に両都市を消滅させた。

神聖暦321年2月20日、教皇の命を受けた魔神教異端審問官による皇帝アデルハイト暗殺は失敗し、関与が露見したことで両国の対立は不可逆となった。翌21日、スバロキアが宣戦を布告し、開戦直後に首都マギアが戦略爆撃を受ける「惨劇の宣告日」事件が発生した。

以後、大陸全土を戦場とする大規模戦争が続いたが、神聖暦322年1月2日に首都マギアが崩壊し、神聖グリニアは事実上の滅亡に至った(詳細は「終焉戦争」を参照)。

地理

神聖グリニアはスラダ大陸北東部に位置する。東方には海を挟んでディブロ大陸があり、その沿岸部にある第一都市から第四都市は神聖グリニアの植民地となっている。
国境の大部分を同盟国のバロム共和国・ラムザ王国・ファロンおよびいくつかの小国と接し、中立国コントリアスとも隣接する。

首都マギアは国土の北部に位置する。マギア大聖堂は魔神教の総本山であると同時に、国家運営とエネルギーインフラの中枢として機能する。

主要都市としては以下が挙げられる。
  • メンデルス - マギアに次ぐ規模を持つ大都市で、かつては第二首都とする計画もあった。
  • メラニア - 南部に所在する学園都市で、教育・研究の拠点。
  • レオダール - 中央部に位置する都市。

政治と経済

神聖グリニアは、魔神教の教皇および司教によって直接的に運営される神政国家である。

スラダ大陸各地には魔神教の聖堂が設置され、対魔物への安全保障の提供や、技術および思想の審問を通じた統制が行われた。これにより、同盟諸国は神聖グリニアの影響下に組み込まれた。

通貨は神聖グリニアが発行する紙幣であり、単位はマギである。魔神教同盟圏では早い時期から流通していたが、大陸統一後はスラダ大陸全域に拡大した。

軍事

神聖グリニアの軍事力は、国内外から集められた魔装士を聖騎士として編成する制度に支えられていた。とりわけ、二つ名を持つSランク聖騎士とその配下による複数の聖騎士団が主戦力とされた。

神聖暦300年以降には、機械生産と自律稼働が可能な殲滅兵が実用化され、軍の中核戦力となった。これにより聖騎士は戦闘そのものよりも監督や指揮に回る場面が増えた。

また、アポプリス式魔術の保有数は大陸内で最大規模を誇り、黄金要塞をはじめとする多数の大型兵器を備えていた。

評価

神聖グリニアは、その成立初期においては人類の守護者としての性格が強く、属国との関係も比較的緩やかであった。弱者を救済し、人類共通の脅威である魔物の討伐に尽力する姿勢は高く評価され、大陸から魔物をほぼ一掃するという偉業を成し遂げた。末期には、人々にとって魔物は教科書で学ぶ存在に過ぎなくなるほどであった。

しかし、大陸統一後には魔物殲滅の使命感が過剰に強調され、全土への統制を強めるようになった。魔神教の権勢が拡大する一方、地方の聖堂では腐敗や拝金主義が見られるようになった。

最終的には、ディブロ大陸の遠征による人的・経済的損耗と、支配の強権化に対する反発が重なり、大陸全体を巻き込む戦争の果てに滅亡した。
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