トリオ・ザ・パンチ

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トリオ・ザ・パンチ - (2012/06/01 (金) 19:37:06) の編集履歴(バックアップ)



NEVER FORGET ME...

概要

兎に角変なゲームを出す事で知られたDECOことデータイーストのゲームの中で、一際異彩を放つ「問題作」。
カルノフ』&『チェルノブ』と合わせて「デコ三大奇ゲー」と呼ばれているが、
」という一点においては同列に並べられている前者二作品ですら及びもつかないと言える。

設定もストーリーも不明、むさ苦しい三人の男を選んで敵を倒していく横スクロールアクションなのだが、
使えるプレイヤーも「剣士(ローズさぶ)」「忍者(カマクラくん)」「タフガイ(サントス)」と統一感がなく、
その風貌も一般的に想像しうる造形とは離れてしまっていたりとカオス度も半端ない。
三人には性能に違いがある他、それぞれ固有のBGMがあり、ゲーム開始から終了まで一瞬も途切れずに流れ続ける。
どんなステージでも、ステージクリアから次のステージに移る間も、ゲームオーバーのコンティニュー待ちカウントダウンの間も
それぞれのBGMがひっきりなしに鳴り続けるのである。*1
特に使用率の高い忍者カマクラくんのBGMは非常に洗脳性が高く、気がつくとエンドレスで頭に響いているほど。

ステージや敵の内容も形容しがたいものばかりで、巨大な拳がボスの「にょき」を筆頭に、
序盤の雑魚全員がカルノフ だったり(大量に沸いてくる。攻撃方法は結構多彩)、*2
和風の城で忍者と戦いながら天守閣に登り、城主らしい敵を倒すと 本当のボスは飛行するシャチホコ だったり、
現代日本風の場面で出てくる雑魚が世紀末風のチンピラたちに混ざって やたらグロいゾンビ がいたり、
中ボスで何の脈絡もなく チェルノブ が巨大ハンマーを得物に襲いかかってきたり、
「浦島太郎か」とタイトルが出るステージではカルノフが亀をいじめており、そのカルノフを倒して亀を救出……と思ったら
いつまで経っても何も起こらず、仕方がないので亀を攻撃すると、
甲羅の中から「 よくぞ見破った 」とルーレット画面で出てくる老人(チンさん)が襲いかかってきて
倒すと「強くなったな」負けると「甘いな」と言ってきたり、結構先のステージに進んだら「修行ぢゃ」と懲りずに襲いかかってきたり、
「だるまさんが転んだ」をやらされて、味方ばかりか 敵まで行動停止する ため何の意味もなかったり、
とあるステージのボスが某ファストフード店のお爺さんの像で、破壊すると鳥がフライドチキンを放ってきたり、
ステージボスの羊を倒すと「 呪ってやる 」と告げられ、次のステージを羊の姿で進む羽目に陥ったり(後述)、
終盤では硬くて手強いスライムと戦わされるだけのステージがうんざりするほど繰り返されたり、
コンティニュー待ち受け画面に何の脈絡もなくミケランジェロの奴隷像が表示され、コンティニューすると像の顔が
やけに前衛的な絵柄に変わったり ラスボスが本気で意味不明 だったり、
兎に角ありとあらゆる観点から「破綻」しまくっている世界観である。
一応、古代:剣士(ローズさぶ)、江戸時代:忍者(カマクラくん)、現代:タフガイ(サントス)と
三人のキャラクターに対応しているとおぼしきステージの作りになっているが、
どのキャラクターも全てのステージを攻略するため、必ず 存在自体が不自然 な場面を突破する事になる。
あと 存在自体が不自然な敵が頻発する のでプレイヤーが場面に合っていたとしても違和感がなくなる訳ではない。

そしてこのゲーム最後のボスは…… 最後の最後 の項を参照。

……と、ここまで強烈な部分が列挙されているが、実はこれでも全体像の一部に過ぎない。
このゲームの異様な部分を全部挙げていたらゲーム開始前のタイトル画面からエンディングまで、
ゲーム全ての紹介になってしまう。

まさにサブタイトルの「NEVER FORGET ME」が示す通り、 忘れたくても忘れられない 逸品だろう。

元々このゲームの企画発端は「アーケードでプレイ出来るすごろくゲーム」だったそうなのだが、
二転三転してこのような形になってしまったのだという。
ステージクリア後にあるパワーアップルーレットが、その唯一の名残という。
ただし、ルーレットでありながら名前は「クリアーたからくじ」。どこが宝くじなのかは不明。
プレイヤーはこのルーレットでライフを回復したり、武器を強くしたり 弱くしたり できる。
ここから先は噂でしか無い話だが、デコに勤めていた人が「会社を辞めさせてください」と申し出たところ、
じゃあ、ゲームを一本作ってから辞めろ 」と返されて作られたのがこのゲームだと言われている。

ゲームバランスや単調な内容で人気は無かったが、そのあまりにも形容しがたい作りで、中毒的なファンは今でも多い。
そのためか本作のパロディも割と見受けられ『ぷよぷよ通』に「トリオ・ザ・バンシー」なるキャラがいたり、
雲居一輪&雲山にょきの拳の動きを模した「入道にょき」という技を使ったりする。

また、本作はPS2で『オレたちゲーセン族』というアーケード復刻シリーズの1本としてリリースされているが、
エミュレーターの精度が低いため、完全な移植とは言えない。
ちなみに携帯アプリでも配信されているのでガラケー所持者はぜひ遊んでみよう!!!


原作における性能

主人公は三人。この中から一人を選択する。


忍者

本名「カマクラくん」。デスタリアンから逃亡中のチェルノブが変装しているとの未確認情報あり。
地上の攻撃はリーチの短い刀だが、空中での攻撃が手裏剣。
クリアーたからくじでパワーアップすると手裏剣がパワーアップしていく。
初期状態で飛び道具を使える事に加えて移動スピードが速いので使用するプレイヤーが多く、
最も洗脳性の高いBGMが一番よく聞かれるという事態を引き起こした。

タフガイ

本名「サントス」。同社のアクションゲーム『ドラゴンニンジャ』の主人公という未確認情報あり。
サントスを使っていた者は通例として、ゲームをクリアした後にレバーを左右に振る作業が待っている。
これで何が起きるかというと 顔がでかくなる。 それだけ。
このゲームの紹介画像を出される時は十中八九これ。
異様に濃いツラで「」をかましているゲーム画面を見たことがある人も多いだろう。

初期状態は素手だが、パワーアップ二段階目の「砂袋」が判定が広くて使いやすく、
以降のパワーアップを回避して砂袋のまま進めるのが定石。
飛び道具は無いが、近接攻撃では一番使いやすいキャラになっている。
ゲーム中でも貴重な上方への攻撃判定を持つ武器だが、サンドバッグを担ぎ上げながらステージを闊歩し
どう見ても武器ではない物体を得物にわけの分からん敵を殴り倒す様は異様にシュール。
プレイ人口でのメインキャラはカマクラくんだが、『トリオ・ザ・パンチ』を一目で体現するキャラとしてはサントスが一番であろう。
ここ一番(メガクラッシュ)は有名な「かつ」。ステージに一度だけ使える画面全体攻撃。
なお、パワーアップの最高ランクで突進ストレート「風拳」なる技を習得するが
カプコンがファイターズヒストリー訴訟の腹いせにSFシリーズ最高技をトリオ・ザ・パンチからパクった
とかいう経緯があるはずも無く名前が似ているのは全くの偶然であろう。
特に 対空版風拳は真・昇龍拳そっくり だが関連性などあるはずもない。
単なるダッシュストレートとジャンピングアッパーである。そもそも本作は『RYU FINAL』どころか『ストII』より古い。
選択画面の顔が某芸人にそっくりなのもやはり偶然であろう。
BGMは熱い。文句なく名曲と言える。他二人に比べて戦闘能力に欠けるサントス使用時の大きな魅力である。

剣士

本名「ローズさぶ」。危険すぎる。由来的に)
彼のみ同社の作品からの出演という噂が無いが、別会社のアクションゲーム『ラスタン』シリーズの主役・ラスタンに異様に似ている。
剣の構え方なんてもう疑いようもなくラスタン。 だが初期装備はたいまつ。 何故だ。
古典TRPG『D&D』の開始時点の最強武器が「火が付いたたいまつ」というのをもじったネタだろうか?
パワーアップすると「ショートソード」「ロングソード」「モーニングスター」と強くなり、
最強段階では「 スーパーたいまつ 」と再びネタ装備に戻るが飛び道具を発射することができるようになり、やっぱりラスタンである
地上で飛び道具による攻撃が可能な唯一のキャラクターとして「育てるのが大変だが最終的には最強になる」という位置づけ。
ここ一番は「じしん」。地震なのになぜか空中の敵にも命中する。
パワーアップしていくと、四方向へ弾を飛ばす「スーパーじしん」を経由し、八方向に進化した「 ブラボー 」となる。何故ブラボー。
使用率の高いカマクラくん、ゲームのでかい顔として有名なサントスと比べていまいち知名度に欠け、
ついでに専用BGMまで評価が芳しくない傾向にあるが、彼のBGMもまた名曲。
エンドレスで流すだけの魅力は十分にあると言っていいだろう。

+ 呪ってやる
勝ち

呪ってやる

ステージ5『羊の呪い』に登場する敵ボス。子羊を放って攻撃する。
これに勝利すると「 呪ってやる 」と告げられ、次のステージを羊の姿で進む羽目に陥ってしまう。
この羊の姿にされた状態だが 攻撃性能が極めて強く、しゃがむだけで無敵状態が永続する という
無茶苦茶な性能であり「羊のまま最後までプレイさせてくれ」という冗談混じりの要望も続出した。
終盤のステージは中々きついので「羊だったら楽に勝てるのに……」と思う事も一因である。

ただし真正面に攻撃できない、足が非常に遅い等のデメリットもあり、しゃがみ無敵も空中で使えないのは勿論、
プレイヤーを追いかけるタイプの敵はこちらが無敵になってる間ずっとプレイヤーに重なって右往左往するので
無敵を解除した瞬間確実にダメージを受けてしまう等、羊だから確実に簡単にクリアできるという保証はどこにもない。
特にステージ11のタロスの足は羊の足の遅さや攻撃の当てにくさ、足の裏の攻撃判定で子羊が相殺される等
チートで無理やり羊化すると何故か無敵時間が一切無くなるのも相まって
通常の三人で戦うよりも非常に難易度が高くなってしまう。

この羊の呪いは『水滸演武』における溝口誠の超必殺技としても採用されている。
MUGENでも、とけい氏製の溝口で再現されており、アフロン氏の裏骸の羊の演出の元ネタもコレ。
また『KOF MIA』でも没ボイスで「呪ったれや」なる台詞が存在していたりする。

プレイ動画(カマクラくん)
プレイ動画(サントス)
プレイ動画(ローズさぶ)


MUGENにおけるトリオ・ザ・パンチ

mass氏がプレイヤーキャラクター3人と「羊の呪い」で変身させられた羊状態をセットで公開。
4キャラとも、AIは搭載されていない。
上方向でなくボタンでジャンプする、敵を踏んで跳ねることができる、
ガードできないが被ダメ無敵がある(投げやワイヤーダメージロック系必殺技は食らう)など、
原作のアクションゲーム仕様を忠実に再現している。

羊以外は原作BGMが鳴りっぱなしになる洗脳仕様だが、オプション設定で解除可能なので安心。
また、効果音という形で演奏しているため、ラウンドをまたいで演奏し続けることがMUGENの仕様上できず、
後述の忍者の岩がハイパーアーマーの相手に当たるなどして大量の効果音が同時に鳴ると、
チャンネル数不足でBGMが途切れてしまうことも。

  • x/aで「ビシバシ攻撃」(通常攻撃 タフガイのみ8+x/aでアッパーが出せる)
  • y/bで「パッとジャンプ」(ジャンプ)
  • z/cで「ここ一番!」(メガクラッシュ 1ラウンド中1回のみ)
を繰り出す。

パワーアップ制度はなく、初期状態のままで戦う。
そのため「砂袋」が主力のタフガイ、「スーパーたいまつ」が頼りの剣士は貧弱なまま戦わなければならない。
忍者も手裏剣は単発のままで、MUGENではジャンプしながら戦うことが可能な相手ばかりでないので、
格ゲーしてる相手(特に単発火力の高いレトロ勢など)に勝ち抜くのは中々難しいかもしれない。
一方自分達と同じアクションゲーム勢に対しては、通常技の威力が100(忍者と羊の飛び道具は50)と高く、
食らい無敵で多段攻撃を無効化できることもあってゴリ押しが可能。
また、原作で食らい無敵の無いボスに猛威を振るった忍者の「いわおとし」は原作通りアーマー殺し技となっている。

羊はパワーアップしなくても放物線で飛んでいく弾を連射でき、これだけで永久ができるのに加え、
原作通りに しゃがむだけで無敵 なので別次元の強さを持つ。

また、トリオ・ザ・パンチからはステージ2「にょき」と最終ステージ「最後の最後」がボーナスステージとして作製されている。


出場大会

サントス

カマクラくん

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ローズさぶ

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*1
クリアーたからくじでキャラクターチェンジが選ばれた時のみ、キャラクターセレクト時のBGMが再生される。
しかし、このキャラクターチェンジというのはランダムで選ぶ訳でもなく、
これまで使っていたキャラ以外から選べという制約もないので、結局さっきまで使っていたキャラがもう一度選ばれるだけ。
かくして、また同じBGMが流れ始める……。

*2
このゲームでは出てこないが、溝口誠もDECOの別ゲーム『JOE&MACリターンズ』の雑魚敵として登場している。
一画面の敵全てが溝口という状況に『トリオ・ザ・パンチ』の状況を思い出したプレイヤーも多いだろう。
また、同ゲームでは 敵全員カルノフ というステージも存在する(ちなみにチェルノブはアイテム扱い)。