イージスガンダム

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イージスガンダム - (2020/08/03 (月) 19:43:34) の編集履歴(バックアップ)



「次に会う時は…俺が、お前を撃つ!」

機動戦士ガンダムSEED』に登場するモビルスーツ(MS)。
名前はギリシャ神話の女神アテナが持つ盾「イージス(アイギスエイジスとも)」に由来。
アスラン・ザラがパイロットを務めており、彼の初の愛機であると共に本編に於ける前半のライバル機として活躍した。

地球連合加盟国の1つ大西洋連邦が、オーブ連合首長国公営企業モルゲンレーテ社の技術協力を受け、
オーブ管轄の資源コロニー「ヘリオポリス」で極秘開発した5機の試作型MSの1機。
他の4機との連携行動における指揮官機として開発されており、
頭部に大型の多目的センサーユニットを搭載する等、他の機体より高度な通信・分析能力を持つ他、
他の機体に採用されたX100番台・X200番台フレームとは根本的に構造が異なるX300番台の可変フレームが採用され、
これにより、モビルアーマー(MA)形態に変形する機能を備えるに至っている。

MA形態では手足を前面に展開して怪物の爪のような形となり、
アームを前方に伸ばす事でMS形態より面積を削減し、高い推進力を実現する「巡航形態」、
更にアームを開いてMSや小型の戦艦の捕獲をも可能にする「砲撃形態」を使い分ける事が出来る。
また、「砲撃形態」では胴体メインフレーム部分に内蔵されている大口径ビーム砲「スキュラ」が使用可能になり、
その威力はMSのみならず戦艦すら撃墜出来る威力を誇る。
一応、胸の部分を展開することで完全変形せずともスキュラの砲口を露出させる事が可能だが、
その状態で発射可能かは不明。
ビームサーベルは他の機体のように手持ち式ではなく手足に直結しており、
MS形態では前腕、MA形態では爪先に設置されたクローから発生させる。
これにより高い出力を維持出来るだけでなく、形態問わず高い近接攻撃能力を持つ。
ただし、MA形態は加速性に優れ機動力に長けるが、あくまで宇宙空間での運用を想定した形態であるため、
大気圏内では変形しても単独飛行するほどの推進力は無い。


5機のなかでは最高の火力と機動力を持ち、MA形態への変形機能によって接近戦・射撃戦共に穴のないコンセプトで作られたものの、
パイロットに、こうした”使い分け”に高度な状況判断能力・操縦技術を要求する仕様になってしまった。
多局面対応という点において、汎用性では換装式のストライカーパックシステムの方が上であり、
『SEED』劇中の活躍は、非凡なパイロットであったアスランにより実現したところが大きい。
おまけに、複雑な変形機構のために整備性が劣悪だったらしく、派生機が他のGAT-Xシリーズと比べ極端に少ない。
MA形態への可変機構というコンセプト自体は評価されており、後続機のレイダーやセカンドシリーズにも採用されているが、
いずれもイージスと比較して、機体の変形が簡略化された設計となっている。
漫画『機動戦士ガンダムSEED ASTRAY R』では、イージスの変形機構を採用したリジェネレイトがザフトによって開発された。

+ 劇中での活躍
中立のコロニー、ヘリオポリスにて研究・開発されていた所を、
ザフト軍クルーゼ隊の一人にして本作のもう一人の主人公「アスラン・ザラ」によって強奪され、
そのままアスランの機体としてデュエル、バスター、ブリッツら三機のガンダムと共に運用された。
唯一強奪を免れたストライクガンダム及び戦艦アークエンジェル追撃の任を受け、キラ・ヤマトらと何度も激闘を繰り広げる事になる。
が、アスラン自身は親友のキラと戦う事に迷いがあり、いつも今一歩及ばず、であった。
アークエンジェルらの地球降下後も追い回すが、オーブ近海における戦闘でイージス(アスラン)を庇って乱入してきたブリッツガンダムが、
ストライクに撃墜されパイロットのニコル・アマルフィが戦死*1
自らの優柔不断さで戦友が死んだ事を悔やんだアスランは、遂にキラを本気で殺す事を決意。
その後、ストライクガンダムとの戦闘中にストライクを援護しようとやってきたキラの友人トール・ケーニヒを殺害した事で、キラも激昂。
お互いにSEEDを覚醒させた状態での激しい一騎討ちの末、MA形態に変形して組みついてからのスキュラでトドメ……とはならず、
エネルギー切れ(フェイズシフトダウン)を起こした事で失敗。
その状態から最後に残された攻撃として機体を自爆させる事でストライクを討ち、イージスも四散。
アスランは直前に機体から脱出、イージスの自爆の余波で吹き飛ばされ、片腕の骨折や打ち身などを負ったが命に別状はなく無事であった。
ストライクはコクピットの外壁が破壊され脱出も出来ない状態にも関わらず、セーフティシャッターなる安全装置のお陰でキラは一命を取り留めた。
セーフティシャッター凄過ぎる
まぁ、どちらにせよロウに助け出されず、そのまま放置されていたら確実に蒸し焼きになって死んでいたし、実際そこそこ傷を負ってはいたのだが。

後にジャスティスガンダムを受領したアスランが島を訪れた際には、イージスの頭部が砂浜に残されていた。

他、『ASTRAY』のプロモーションOVAでは、ジャンク屋組合のオークションに出品されているという形で、イージスガンダムのシールドが登場。
劇中では「連合のMSが落としていった盾」と説明されているが、トール殺害に使われたものかは不明。
前半のライバル機ということで、赤さと頭の長さはシャアザクがモチーフだとか。

+ 『ガンダムVSシリーズ』での活躍
初出は『連合vsZAFT』(連ザ)。
原作通りの変形機体で、癖の強いレイダーガンダムや家庭版追加機体のアビス、カオスと比較すると万能機寄り。
ただし、『連ザ』時代の変形機体には共通して「ブーストダッシュを行うと変形する」という仕様があり、
変形中はMS形態と違って機体の正面にしかメイン射撃(スキュラ)を撃てず、変形開始・終了時に若干のスキが生まれてしまう。
このため評価は低めで、使用率も低かった。

次回作『連合vsZAFTⅡ』(連ザⅡ)ではタイムリリース機体として登場。
全変形機体共通でブーストダッシュと変形を使い分けられるようになった結果、「他の万能機体よりも若干高い耐久力」「ダメージ・初段性能ともに優秀な格闘」といった長所が目立つようになった。
また、変形時の「機体の正面にしか射撃(スキュラ)が出ない」という弱点も、「あえて敵機の左右を狙って撃ち、相手の横移動を狙う」というテクニックに昇華され、
非変形の万能機に比べると若干使用難度は高いものの、『連ザⅡ』の中コスト帯の中でも優秀な万能機4機、所謂「ARFG」*2の一機に前作ARFの「A」担当だったエールストライクを蹴落として数えられるほどの高評価を得た。
弱点は若干各種挙動が重たいことと、サブ射撃のスキュラ照射が強制的に変形して足を止めてしまう、扱いにくい技であることぐらい。

ガンダムシリーズオールスターに舵を切った『ガンダムVS.ガンダムシリーズ』シリーズにも登場。初出は『vsガンダム』。
こちらでは最低コスト枠のコスト1000に配置され、癖の強いコスト1000帯の中では汎用キャラの立ち位置。
スキュラ照射や変形の捕縛攻撃などを連ザから受け継ぎつつも、新技としてトールのスカイグラスパーを撃墜した原作再現技「シールド投擲」を得た。
だが、本作のイージスと言えば外せないのが特殊格闘の捕縛攻撃から派生できる 自爆攻撃
後のシリーズにおけるヅダ、ザクⅢ、スサノオなどが持つ自爆・自傷技の開祖と言える存在であり、
発動すると若干の硬直の後、文字通り 自爆 して相手に大ダメージを与えつつ、広範囲に爆風を発生させる。
そしてイージス自身は 撃墜扱いとなり 、戦力ゲージが減少してしまう。
このゲームの中でも屈指の火力を誇るロマン技…ではあるのだが、そもそも始動技である特殊格闘がそのままでは当てにくく、
安定したヒットを狙ってコンボに組み込むとコンボの過程でダウン値が入ってしまい、特殊格闘を直接当てて派生した時よりかなりダメージが落ちてしまう
(それでも格闘コンボとしては破格のダメージが入るのだが)。
よって、現実的に考えればほぼ封印安定ではあるのだが、他の機体には出せない一撃必殺のロマンを求めて、
カジュアルな対戦の場では きたねえ花火と化すイージス使いが続出したとかしなかったとか…。

また、非現実的極まりないが、『vsガンダム』ではイージス2機で「1機目の自爆で打ち上がった的に再度自爆を決める」という協力コンボをすることで、
続編『NEXT』ではΖガンダムの変形突撃(覚醒突撃)の仕様(ダウン値、補正値がない)を利用することで「覚醒突撃→自爆」の協力コンボで、
すべての機体を即死させることが可能。

余談だが、『vsガンダム』とその続編『NEXT』では親友のキラの乗機がコンプリートされる一方で、アスランの乗機は最後までイージスしか実装されなかったため、
SEED系のキャラクターと組ませると、各種掛け合いでは大抵「旧型機」扱いをされたり、乗っているアスランが心配されてしまう。
  • ラウ(プロヴィデンス)「ん?アスラン、トップガンとして与えられた君の最新鋭機はどうしたのだ?」
  • キラ(ストライクフリーダム)「アスラン… まだイージスに乗ってたんだ
  • ムウ(アカツキ)「イージスって…!お前どこから そんな代物 引っ張ってきたんだ?」

次なるシリーズ『EXTREME VSシリーズ』では、インフィニットジャスティスガンダムの参戦と引き換えにイージスはリストラ。
シリーズ3作目『マキシブースト』では、ブリッツガンダムのアシスト攻撃として実装されている。
このイージスはコマンド入力で2種の技を繰り出し、特殊射撃では変形してスキュラを照射、レバー入れ特殊射撃では突撃して相手に組み付き 自爆する アスランは投げ捨てるもの。
ちなみに、後者の特殊射撃の発動時のニコルのセリフの一つに「アスラン! 今です! 」というものがあり、 ニコルが命じてアスランを自爆させているように見えてしまっている
…さすがにニコルの性格的におかしいからか、最新作『EXVS2』では「道連れにするつもりですか!」と自爆はニコルの本意ではないとはっきり示すセリフが追加されている。

家庭版で登場した『ガンダムバーサス』及びアーケード版最新作『EXVS2』ではカムバック参戦。
コストは『連ザ』以来の中コスト帯(バーサスでは300、EXVS2では2000)。
これにより、『SEED』に登場したGAT-Xシリーズがコンプリートされることになった。
同作のガブスレイ・メッサーラに似た、変形コマンドを生かして回避・距離調節をこなす変形万能機体となっており、
変形持ち機体の例に漏れず指は忙しいものの、それら変形動作をマスターすることで非変形機にはない高い機動力を発揮できる。

無論、今作でも 自爆 は健在で、『vsガンダム』と同じく前格闘の捕縛攻撃から派生可能。
また『EXVS2』では覚醒中限定の大技「バーストアタック(覚醒技)」、「お前を討つ!」からも自爆に派生可能となった。
自爆のダメージ量は相変わらずで、今作でもダメージ補正の上限(350補正)を現実的に狙える超ダメージを軽々はじき出す。
が、『vsガンダム』の2倍の2000コストを相手に献上してしまうため、今作でもやっぱり立ち位置はロマン技である。



MUGENにおけるイージスガンダム

天田志朗氏の製作したキャラが公開中。
現在のバージョンは0.5。4ボタン形式となっている。
『機動戦士ガンダムSEED DESTINY(GBA)』のスプライトを用いて作られているが、
システムは原作を再現しつつアレンジされている。
特殊ゲージとして「スラスターゲージ」が搭載されており、これを消費して空中を飛行出来るだけでなく、
同じく消費する事で「MA突進」や「スキュラ」などの必殺技を発動する事が出来る。
超必殺の発動には、↓+Zの特殊技「SEED」を事前に発動しておく必要がある。
3ゲージ超必殺「至近距離スキュラ」はスラスターゲージが不足している場合自爆技となる。
AIも搭載されている。

出場大会

  • 「[大会] [イージスガンダム]」をタグに含むページは1つもありません。

*1
余談だが、このニコル・アマルフィ(及びトール・ケーニヒ)、
(主にアスランによる)回想という形で何度も何度も死亡する事になる(続編でも
回想で死んだ回数は30回を超えるらしい。
確かに彼の死は、キラとアスランの仲と精神に強い影響を与え、
息子の戦死を知った父ユーリ・アマルフィが穏健派から過激派に鞍替えする等、後々まで影響を及ぼす出来事ではあるのだが……。
また、本来の散り様は半壊状態のブリッツで突撃→キラが咄嗟にソードストライクの対艦刀で迎撃→
対艦刀がコクピットに直撃→「母さん…ぼくの…ピアノを…」→ブリッツ爆発というものだったのだが、
HDリマスター版では、構えた対艦刀に自ら突っ込むような形で死亡という事故のようなものに改変された。ヒデェ。
トールの最期も、本来はイージスガンダムが投擲した盾の直撃で首を刎ね飛ばされる形だったのだが、
スペシャルエディション版~HDリマスター版では、胴体に盾が突き刺さってその衝撃で首が吹き飛ぶという
凄まじくグロい死に様に改変されている。
「また回想(バンク)かよ」「いつになったらニコルを成仏させるんだアスラン(スタッフ)」という視聴者の心の叫びは、
『スパロボW』での生存ルート獲得まで続く事になった。

*2
イージス・ストライクルージュフォースインパルスガイアの4機種のこと。
"A"egis、"R"ouge、"F"orce、"G"aiaとそれぞれの頭文字を取って繋げたもの。