ハーバート・ウェスト


ハワード・フィリップス・ラヴクラフト氏によるアメリカのホラー小説『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』の主人公。
実写映画『死霊のしたたり』シリーズでの演者はジェフリー・コムズ氏。日本語吹替声優は 野村達也 氏。

小柄・金髪・薄く青い目に眼鏡を掛けた物静かな印象を与える人物で、鋭敏な頭脳の持ち主。
しかしその実態は死者蘇生実験を研究しているマッドサイエンティストにして、
死者に対する敬意や恐れなどは一切持ち合わせていない、不道徳的な医学者である。
ミスカトニック大学医学部在籍時に「人工的に死を克服することが可能である」と公言したことや、
前述の蘇生実験により、唯一の理解者である同僚を除いて教授や周囲の人間からは忌み嫌われていた。
ウェストが蘇生実験に使用した蘇生溶液は、生物ごとに違う反応をする。
そのため、調合した蘇生溶液は人によって違う。

実験材料となる新鮮な死体を求めて診療所を開いたり、第一次世界大戦の戦場に軍医として赴くなど様々な形で暗躍した。
しかし、死者が蘇生した際に知性が失われるという問題を中々解決できず、各地でおぞましい事件を起こしてしまい、
唯一の理解者だった同僚も徐々に常軌を逸した行動を取るようになるウェストを恐れるようになっていく。
その癖、蘇生した死者達の始末には失敗する事も多く、最後は唯一まともな知性を持って蘇生した(ただし首が千切れたままになっている)死者に率いられた、
これまで蘇らせてきた死者達の大群が襲来。
よりにもよって上記の知性を持った死者は珍しくウェストの研究に理解を示した人物で、生前蘇生溶液の製作方法をウェストに学んでいたため、
ウェスト自身が八つ裂きにされた上で蘇生され、地底へと連れ去れ去られるという因果応報の結末を迎えた。
そして同僚が行方不明になったウェストの殺人容疑をかけられるというとばっちりを受けた

(以上、Wikipediaより引用・改変)

『死体蘇生者ハーバート・ウェスト(原題:Herbert West–Reanimator)』は、
ラヴクラフト作品をはじめとするクトゥルフ神話関連作品では頻出する架空の大学、
マサチューセッツ州アーカム(これも架空の都市)に所在する「ミスカトニック大学」の記念すべき初出となる短編作品だが、
内容としては神格やオカルトと無関係なバイオホラーの先駆け的作品となっている。
が、ハーバート・ウェストというキャラクターはクトゥルフ神話諸作品に組み込まれ、以後も様々な作品で登場ないし言及される事に。

例えば『ドラキュラ紀元』シリーズ2作目の『ドラキュラ戦記』では第一次世界大戦中が舞台という事もあって従軍時代のウェスト博士が登場している他、
ホラー映画『ZOMBIO/死霊のしたたり』はB級ながらも好評を博してシリーズ三作目までが制作されるなどのヒット作となっている。
続編が決まったお蔭で「毎回ゾンビに揉みくちゃにされて終わるのにしれっと生きてる……こいつ不死身か?」みたいな変なキャラ立ちもしてたり
ちなみに所謂B級ゾンビホラーなため、原作と内容は似ても似つかないんだろうな…と思われがちな『死霊のしたたり』だが、
後付けで作られた続編の二作目、三作目はともかく、一作目については描写を追っていくとほぼ原典ママである事に驚くだろう。
本作を手掛けたプロデューサーのブライアン・ユズナ氏は、これ以外にも『フロム・ビヨンド(原作:『彼方より』)』
『ネクロノミカン(原作:『壁のなかの鼠』『冷気』『闇に囁くもの』)』『DAGON(原作:『インスマウスの影』)』
といったラヴクラフト作品の映画を多数制作しており、『強殖装甲ガイバー』の実写映画にも関わっている凄い人だったりする。


格闘ゲームにおけるハーバート・ウェスト

ホラー映画のキャラクターを集めた同人格ゲー『TERROR DROME』に参戦している。
マッドな研究をしている点を除けば所詮は一般人なので、他のバケモノ連中と渡り合うのは苦しそうだが。
そもそも『死体蘇生者ハーバート・ウェスト』だと化け物にフルボッコされた側だし

ストライカーとして『死霊のしたたり』に登場した脳外科医・ヒル博士を呼び寄せる他、
銃撃や注射器、除細動器による電気ショック、カバンから取り出す怪物や化学薬品、ショベルといった凶器を駆使して戦う。
「Trophy」(所謂フェイタリティ)ではショベルで首を斬る(恐らく上記のヒル博士を殺害するシーンの再現)。
プレイ動画

+ その他のゲームにおけるハーバート・ウェストの系譜
ゲームにおいては『スプラッターハウス』の物語の発端となるのが超心理学の権威「ウスト博士」であり、
彼の悍ましい実験の結果腐肉とモンスターで溢れかえる事になった屋敷が舞台というのがオマージュを感じさせる。
ちなみに、後にメガドライブで展開された続編『パート2』では復活したウエスト博士ご本人と戦う機会も用意されている。
道中のボスとして出て来たものの超あっさりやられちゃう感じだけど。理系のもやしはゴリラパワーには無力である

また、『斬魔大聖デモンベイン』にも「ドクターウェスト」というマッドサイエンティストが登場。
主人公の序盤の障害として幾度と無く戦う事になるが、ドギツい緑髪に登場する度かき鳴らされるエレキギター
テーマ曲タイトルが「天才と何とかは紙一重というかむしろ完全に向こう岸」という辺りから察せられる通り、
元ネタとは似ても似つかぬはた迷惑なコメディーリリーフというかネタキャラと化している。
秘密結社の所属なのにドラム缶に手足が生えたような面妖な怪ロボットで度々街を派手に破壊し、
お蔭で秘密結社ブラックロッジの名は街の住民達に無駄に浸透してしまっている。
『死霊のしたたり』シリーズでの毎度の不死身ぶりのリスペクトか、割と雑に死にかけてもどっこい生きてるキャラ付けもされており、
その分話が進むにつれてどんどんぞんざいに扱われるようになっていく。
鬱展開の重めな空気もこいつが出て来るだけでぶち壊しにしてくれるような人物なので同作プレーヤーからは割と人気があったりする。
自分の乗る量産型ロボに、『死霊のしたたり』邦題についていた謎の副題と同じ「ゾンバイオ」と名付けているあたり、
ハーバート・ウェストが元ネタで恐らく間違いはないのだが……どうしてこうなったんだこいつ。

涼風涼氏が執筆した小説版では、過去に死者蘇生薬を開発していたが、献体を希望した事故死した同僚の女性に蘇生薬を使ったところ見事に失敗。
化け物と化した同僚を何とか撃退したものの、死者蘇生はこりごりだと以後は人造人間に傾倒し、
作中の悪の秘密結社であるブラックロッジからスカウトを受けた際も死者蘇生だけは拒否したという記述がオリジナルで加筆されている
(科学者の癖にやたらキレッキレの細マッチョなのも、この時の悪戦苦闘が原因だとされた)。
そして、この同僚の名前が、後に開発する人造人間の少女と同じ「エルザ」であったあたり色々考えてしまうものがある。
尤も、デモベ世界がループしている事を認識しているラスボスからは「ドクターだけはループの度に全然違う事してるから飽きなくて面白い」
と思われてたようなので、あくまで小説版の周回ではこうだったというだけの可能性も若干ある

ちなみにこの同僚はウェストの研究の理解者という立ち位置から元ネタは原典における語り部役であるウェストの同僚だが、
原典では女性という描写はないし死亡する場面もない。恐らく映画『死霊のしたたり』のヒロインの要素が混じっているのではないかと思われる
(同僚の恋人で、首無しセクハラおじに追い回され散々な目に遭った挙句脱出目前で死亡、同僚が彼女に蘇生薬を使用する所で物語が終わる。可哀想。
 なお、その胸は平坦だった。洋画の規制によるものかユズナ氏の趣味か、氏の作品には胸の平坦な女優のヌードがちょいちょい出て来る)。
また、死者蘇生の次に人造人間を手掛けるというのも、『死霊のしたたり2』が『フランケンシュタインの花嫁』モチーフなのである意味原典リスペクト。
そもそも『フランケンシュタインの花嫁』で怪物の花嫁役を演じたのがエルザ・ランチェスター女史なので、つまりはそういう事である。


MUGENにおけるハーバート・ウェスト

The 14th Doctor氏による、『TERRORDROME』のスプライトを使用したMUGEN1.0以降専用キャラが存在。
操作方法は6ボタン方式で、原作ゲームの技が一通り揃っている。

出場大会

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最終更新:2024年07月21日 17:18