中生代白亜紀末の北アメリカに生息していた小型~中型の恐竜で、「石頭恐竜」と呼ばれるカテゴリの一種。
その種別通り、ヘルメットのような頑丈な頭が特徴で、
ドーム状の頭蓋骨はほぼ完全に骨の塊で、厚さは最大で25cmに達したが、
巨大な頭に反してその奥の脳は他の恐竜や爬虫類と大差なかった事が判明している。
長らく強固な頭部の化石以外は見つからず、知名度の高さに反して謎の多い恐竜だったが、
骨格の大部分が保存された化石が発掘されると共に急速に研究が進み、
全長は5m前後、体つきに比較して頭は大きめで、樽型の胴体に貧弱な前肢と発達した後肢、
そして骨化した腱で補強された堅い尾を持つことが明らかになった。
このような体の一部が特異な進化を果たす生物は必ず何かの原因があるというのが進化論の基本であり、
現存する山羊と同じように「オス同士が頭をぶつけ合って戦っていた」というのが定説であったが、
首の作りが貧弱で頭骨が衝撃を吸収する構造になっていない上に、
平均5mの巨体を持つパキケファロサウルスが全力疾走して頭を叩き付けること自体自爆行為に等しい、
などの理由から、頭突き説には異論もある。
とはいえ、首については軟骨や腱、筋肉など化石には残らない組織で強化されていた可能性は十分にあり、
上記のように、頭部以外の化石の発見例が少ない事や、その頭部も個体差・性差・成長差が大きく、
近縁種とされている石頭恐竜もパキケファロサウルスの若い個体や幼体という説も出るなど、まだまだ研究の余地がある恐竜と言える。
現代の生物にしても、
- 上顎の牙が皮膚を突き破って伸びており、「最終的には伸び過ぎた己の牙に頭蓋を貫かれて死ぬ」なる噂も流布したイノシシ種(バビルサ)
- 雄の後足に神経毒の棘があったり、雌も哺乳類なのに産卵する等、
生態が意味不明過ぎて複数の生物標本を継ぎ接ぎした贋物と疑われた珍獣の代表格(カモノハシ)
- リアルに空裂眼刺驚してくるトカゲ(サバクツノトカゲ)
- イモムシに産卵して体内で育ち、体を食い破って繭になってから羽化するまでの間、イモムシに繭を守る行動を取らせるハチ(コマユバチ)
- 泡を作って、その中で水中生活をするクモ(ミズグモ)
等、どうしてそうなったのかさっぱり理解不能な珍種も実在するので、
最終的には「
こういう生態なんだからしょうがない」に落ち着いてしまう事もままあるのだ。大自然のように大らかな発想を忘れないようにしたい。
なお、頭突き説に関しては一部の恐竜題材作品で、同種間の闘争だけでなく、獣脚類への対抗手段だったかのように描かれている場合もあるが、
その同時代・同地域に生息していた代表的な獣脚類はよりによってあの
ティラノサウルスであり、体重差は10倍以上である。
仮に頭突き攻撃が可能な体の構造だったとしても、この体格差で正面からぶつかれば衝撃はほぼ自分に返ってきてしまい、
頭突きなんぞしようものなら自分だけがダメージを食らって悶絶するのがオチであり、素直に逃亡していたものと考えられる。
一応、大型獣脚類の亜成体や、ダコタラプトルのような小型獣脚類が相手だったなら、頭突きによる撃退がある程度有効だった可能性はある。
ちなみに余談だが、1967年の特撮怪獣物『怪獣王子』は敵が基本的に恐竜系の
怪獣なのだが、何故かパキケファロサウルスが
ラスボスとして登場している。
ただしこの「パキケファロサウルス」は見た目は似ているが恐竜起源ではなく、
別の星の酸素を吸って二酸化炭素を吐き出すサボテン(に似た生物)が集まって生まれた怪獣であり、劇中でも「サボテン怪獣」と呼ばれていた。
ゲーム作品におけるパキケファロサウルス
格闘ゲーム『
ダイノレックス』ではプレイアブルキャラの一体として登場。
攻撃力はやや低めながら、全キャラの中で
必殺技とパワーボンバーの性能が最も優秀で、
同作の最強キャラとして扱われている。
また、コンパチキャラとしてスティギモロクもプレイアブルキャラの一体として登場している。
基本的な性能は同じだが、ジャンプヘディングアッパーの軌跡等細かな違いが存在する。
MUGENにおけるパキケファロサウルス
カーベィ氏により製作されたキャラが公開中。
スプライトは上記の『ダイノレックス』のものが使用されているが、
原作よりも一般的な格ゲー風の性能にアレンジされている。
近接攻撃メインの性能となっており、
超必殺技はいずれも1ゲージ消費で
「パワーボンバー(テールアタック)」「パワーボンバー(バッファローアタック)「パワーボンバー(ドロップキック)」の3つ。
AIもデフォルトで搭載されている。
また、同じくカーベィ氏によってコンパチキャラであるスティギモロクも公開されている。
基本的な性能は同じだが、一部の技が元ゲーに基づいて変更されている。
出場大会
最終更新:2025年08月27日 02:19