「えっちなのはいけないと思います!」
中山文十郎原作・ぢたま(某)作画の漫画『まほろまてぃっく』のヒロイン
(「ぢたま(某)」氏は「(某)」までがペンネーム)。
また、DKソフトウェア開発室製作の同人格闘ゲーム『ばとるまてぃっく』にも出演している。
アニメ版のCVは「Fate/stay night』の
セイバーなども担当した
川澄綾子
女史。
正式名称は「V1046-R ヴェスパーハイパーソルジャーMAHORO」。
外宇宙から来訪した異星人と地球人との争いを止め、両者の架け橋となるための組織「ウェスパー」(
ヴェズバーではない)に所属する、
最強の戦闘用アンドロイドである。
だが、製造されてから9年ほど経過しており、既に耐用限界を迎えつつあった。
そのため、戦闘任務を解かれ、「最後の願い」を叶えるため、主人公の美里優のメイドとして共同生活を始める。
……というのが、大まかなストーリーである。
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更に詳しい事情(以下ネタバレ) |
彼女がメイドになった真の動機は、かつての上司で優の父親である美里良を射殺した事と、優を孤児にしてしまった事への罪滅ぼしである。
良を捕縛していた敵を倒さねば地球が滅亡するという非常事態であり、撃つように命令したのは良自身だったとはいえ、
尊敬する上司を自らの手で射殺したという事実は、彼女の心に深いトラウマと罪悪感を残した。
しかし、原作版では敵からこの事実を暴露されたものの、まほろと父の意を察していた優から赦しの言葉を与えられている。
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「完璧な心」を持つとされており、性格は明るく優しく真面目で正義感も強いが、一部の相手
*1に対しては少し暴力的になったり、
若干天然な傾向もある(現役時代からあまり変わっておらず、中には最強……?と言いたくなるエピソードも)。
当初は「まほろ」とだけ名乗っていたが、名字を尋ねられた際に「アンドロイドだから姓はありません」と答えてしまい、
とっさに優が「安藤さん」だと言ってごまかしたため、「安藤まほろ」になった。
この際、三人姉妹の長女と嘘の生い立ちを名乗ったが、後に二人の
義理の妹を得ることになる。
家事に関してもプロ級の腕前を誇るが、何でも形から入りたがる傾向があり(メイド服もその一例)、珍妙な変装をしてしまうため、
潜入任務だけは苦手。
漫画版では女子高、アニメ版では優達の通う中学校に潜入したこともあり(もちろんバレバレ)、その際は鈴木まほ子という偽名を名乗っていた。
スペックが高くて包容力も高いため、ファンからは「まほろさん」と
さん付けで呼ばれている。
さんを付けろよデコ助野郎!!
複数の経緯から「えっちなもの」が嫌いで、優の持つエロ本を発見して「えっちなのはいけないと思います!」とお説教するのがお約束。
オタクを完全否定するようなこのセリフは大ブームになり、
他のキャラクターも使うようになった。
彼女自身、自分の胸のサイズにコンプレックスを持っており、いつも巨乳の式条先生にからかわれているため、その分の怒りや、嫉妬も含まれていると思われる。
その割に
戦闘力はあるがな。
マルチが泣くぞ。
*2
ちなみに本人曰く、
∀ガンダムよりも性能は上とのこと。
実際に優の家に来た時点では内蔵武装を解除されており、現役時代の十分の一の戦闘能力しか無かったにも拘らず、
戦闘用サイボーグを破壊する程のキックを放ったり、巨大ロボットの装甲をも切り裂く短刀や、大口径の自動拳銃、
山一つを消し去る程の威力を持つビーム砲「反物質封球弾」など、各種武装を使いこなし、ほぼ無敵の戦闘能力を誇っていた。
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更に(以下ネタバレ) |
彼女を最強のアンドロイドたらしめている要因として「輝ける闇」と呼ばれる兵器が挙げられる。
これは彼女の機能、動力源そのものと直結している為に解除できず、引退後も内蔵され続けていたが、エネルギーを大量に消費する上、
ヴェスパーの科学陣には、まほろにエネルギーを供給する事は出来ないため、使用する度に寿命を削られていた。
詳細な原理は不明であるが、全身からオーラのようなものを放ち、触れた対象を消滅させるものとして描写されている。
手刀に纏わせて破壊力を上げたり、全身から放出して、自分を串刺しにしているロボットだけを消滅させたり、
光線として発射するなどの柔軟な運用が可能で、凄まじい速度で地球へ落下している直径20㎞の岩塊を消滅させる程の威力を持つほか、
(しかも、岩塊を消滅させた際には彼女の寿命は尽きかけており、使用可能なエネルギーは僅かだったと思われる)
劇中では「地球すら真っ二つに出来そう」と評したキャラもいる。
アニメ版ではこの技を使用し、敵もろとも自爆した事が彼女の最期の原因となった。
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しかし、ヴェスパー上層部からは「性能より何より悪運が強い!!」とコメントされている。
他にも、確認出来る限り四体のサポートメカを従えている。
特に超音速飛行が可能なバックパック「シルフィード」は、引退後も頻繁に買い物や、戦闘などに活用されている。
人語を解する黒豹型ロボット「V1046R9-SLASH ZERO」(通称「スラッシュ」)も警護を担当しており、
秘密の多いまほろや、優にとって良き相談相手となっている。
他にも人型(と思われる)「タツジン」、ドラゴン型の「ヴィマナ」の二体がいるが、あまり出番はない。
これらのメカは横山光輝氏の『バビル二世』のパロディであり、各メカの名前は往年の名作STGを意識していると思われる。
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最強のアンドロイドの正体(以下ネタバレ) |
彼女の正体は異星人「セイント」の神とも言える惑星管理コンピューター「S01-R ARCADIA」(通称「マシュー」)の分身である。
かつてマシューは、セイントに「完璧な心」を与え、貧困や戦争、公害を根絶する事に成功したが、彼らは完璧故に衰退、滅亡の危機に陥る。
マシューはセイントと交配可能な人類を探したが、ようやく見付け出した地球人類は「管理者」という組織に支配され、
問答無用で戦争を仕掛けてくるという、かつてのセイントよりも好戦的な種族だった
(但し、管理者がセイントを敵視したのは、セイントと人類が交配可能なほど類似した生物だった事、
それでいてセイントが圧倒的に高度な技術や文明を有していた事に対する恐怖や、劣等感及び嫉妬など、
セイントが「完璧な心」と引き換えに失った、人間的な感情を人類が有していたからでもあった)。
早急に地球人と交配させねばセイントは滅亡する、しかし、地球人と交わればセイントは退化する恐れがある。ジレンマに陥ったマシューは、
地球人の中でも、大半の構成員が管理者に遺恨や因縁を持ち、それ故に管理者と敵対する組織・ヴェスパーに自らの分身を置き、
10年の歳月をかけて共存の可能性を模索していたのだった。
優、そして全ての地球人への愛情を抱きながら消滅したまほろの姿に心を動かされたマシューは、地球人との共存が可能と確信。
それを実現に導いた後、「本来なら許されない夢」を残して地球を去った。その夢の結末は、原作で確かめていただきたい。
また、マシュー(及びまほろ)の外見は、開発者である天才科学者マホロ博士と 瓜二つである。
唯一の違いは、マホロ博士が驚異的な 戦闘力を持つ事だが、
作画担当の趣味「つるっつる~のペタッペタンはセイント美人の証」なので、敢えて似せなかったようだ。
余談だが後に他の作品で、 丁度逆のことをした地球人が登場している。
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アニメ版について |
本作は GAINAXによってアニメ版が製作されている。
作画、演出ともに高いレベルで安定しており、本作の人気を高める一因となったのだが、第二期『もっと美しいもの』はファンからも 黒歴史扱いされている。
その理由は最終話「ナジェーナ」のストーリーや演出が、それまでとは異質……というか 意味不明だったからである。
また、当話における20年後の優の容姿や性格が、別人としか思えないほどの変貌を遂げていたのも大きい。
放映当時、まだ原作漫画は連載中で、完結していなかったなどの 仕方ない面はあったものの、
今まで張り巡らされてきた伏線や謎の多くは放棄され、優とまほろ(と式条先生)以外、殆どの主要登場人物は登場せず、
自爆して消滅したはずのまほろさんが唐突に復活を遂げて優の前に現れるという展開に、
作画担当のぢだま(某)氏は「コメントできない」と漏らし、出演声優 全員が「あのラストは分からない」とコメントしている。
実は原作漫画版でも終盤の展開はそう大きくは変わらないのだが、各キャラクターの描写や、序盤から綿密に張り巡らされた伏線の積み重ね、
そして何よりも、優がまほろさんとの関係から導き出した答えが正反対であった事と、
ラストシーンに至る過程が丁寧に描写された事が評価を分けたと思われる。
スタッフ達の名誉のために言っておくと、その後に製作された『えっちなのはいけないと思います!スペシャル』や、
放送終了後、7年の歳月を経て製作された『特別編 ただいま◆おかえり』は高評価を得ている。
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「私を動かすのは涙です……」
格闘ゲームにおける安藤まほろ
DKソフトウェア開発室制作の同人ゲーム『ばとるまてぃっく』では、メイド服を着た「安藤まほろ(メイド)」と、
プラグスーツ風の戦闘服を着た「安藤まほろ(現役・戦闘用スタイル)」の二種類のまほろさんが登場している。
メイドの方はコミカルな動作が多く若干クセはあるが、スタンダードなキャラとされており、
通常技のリーチと
判定が強め。
必殺技も射程の長い衝撃波を出す「お掃除です。」、突進技の「寄らば斬るぞ!です。」など使いやすい。
ただし、切り返し技が無いので守りに回ると弱い他、放置しているとその場で眠って大きな隙を晒すのも難点。
超必殺技は「おっぱいミサイル」(1
ゲージ)と「ファイナル シャイニングオブダーク」(2ゲージ)、
前者はまっすぐ前方へ発射される
飛び道具、後者は浮かび上がってビームで地上を薙ぎ払う高威力技だが、
ビーム自体に判定は無く、地上で発生する爆風で攻撃する技となっている。
戦闘用スタイルはNPC専用キャラ含め全キャラ最速のスピードを誇る。
通常技のリーチは短いが、突進技の「レッグラリアート」、無敵対空の「専用短刀」など必殺技で補えるので、
こちらの方がスタンダード寄りのキャラと言えるかもしれない。
「専用マグナム」は判定が広い打撃技だが、1ラウンド8発の弾数制限がある。
超必殺技は前方へビームを撃つ「反物質封球弾」(1ゲージ)と、
打撃投げの「シャイニングオブダーク」(2ゲージ)。
前者は
多段ヒットするが威力が低め、後者も威力は並程度だが、射程と持続に優れ当てやすいのが特長。
また、どちらも
オプションのスラッシュを連れており、「スラッシュアタック」が使用可能。
メイドの方は口からビームを出し、戦闘用スタイルは攻撃ボタンの強弱で性能が異なる格闘攻撃を出す。
MUGENにおける安藤まほろ
同人ゲーム『ばとるまてぃっく』を元に死門氏が製作した戦闘用スタイル版が存在したが、現在は入手不可。
ナイフや拳銃、ビーム砲(反物質封球弾)を駆使して戦うスタイルであり、的確な攻めを見せる。
また、
空中ダッシュを何回でも出来る上に、ボタンを押している間ダッシュし続けるため、
容易に
空爆状態を実現出来てしまう。要注意。
なお、スラッシュは同行しておらず、スラッシュアタックも使用不能。
外部
AIは、
MUGEN∞動画戯作トーナメント内にてサクラカ氏によるものが
安藤みなわのAIと共に配布されていた。
高い機動力を活かして縦横無尽に動き回り、どんな状況からでも得意とする中距離戦に持ち込むヒットアンドアウェイ型。
時々超必殺技の
ビーム砲からビーム砲へ繋げてくる。
J.J.氏によるAIも製作されており、こちらは堅い守りと要所での反撃による堅実な戦いを見せてくれる。
かつては蓬莱氏によるAIも存在したが、現在は入手不可。
この他に作者不明のメイド服バージョンのまほろさんが在していた。
性能的には概ね原作再現だが、こちらもスラッシュ関連は再現されていない。
また、ファイナルシャイニングオブダークが再現できなかったらしく、
原作由来のオリジナル技として
上空から相手の脳天に手刀を繰り出す「クロスチョップ」が搭載されている。
現在はこちらも入手不可能。
出場大会
更新停止中
出演ストーリー
*1
主に、優に欲情して不純異性交遊を試みる変態巨乳教師、
色情 式条先生や、下着泥棒などの法を犯した変態など。
彼女達に対しては「えっちなのはいけないと思います」などと説教する事は無く、
無言で殴る。
余談だが式条先生は、ガイナックス製ゲーム『まほろまてぃっく☆あどべんちゃー』や、原作でも「緋立暗黒武闘祭り」の際は、
「裸
身活殺拳」の使い手となって、まほろさんと互角の戦闘能力を発揮している。
まぁ『☆あどべんちゃー』は「魔法少女まほろさん」が登場したりする等、最初からコメディタッチなゲームなので
(裸
神活殺拳とは漫画家・民田直(みんだ・なお)氏の個人制作ゲームをガイナックスがブラッシュアップして発売した『バトルスキンパニック』のネタ。
「脱げば脱ぐほど強くなる」拳法なので、色情狂にはぴったり。しかも
究極奥義「全裸万象」は生身でICBMを打ち落とせるほどの戦闘力を誇る。
一応「
大気中の気を肌から効率的に取り込むためには衣服が邪魔」と言う設定ではあるが、ゲームとしては羞恥心との戦いになり、
あんまり最初から景気よく脱いでしまうと羞恥心のリミットオーバーで動けなくなってしまうというリスクを抱えている。
敵は途中から恥知らずばかりになるのに、自分だけ最後まで羞恥心チキンレースを強いられるのはシステム上仕方ないとはいえ中々理不尽
早い話が
脱衣ゲー(エロゲー的な意味での
本番は存在しない)用の設定である)。
*2
キャラクターデザイン・作画担当のぢだま(某)氏は貧乳
+放尿好きとして知られているが、原作三巻のおまけ漫画では、
まほろさんから「胸がちょっぴり大きくなっているのでないか」という指摘を受け、「この戦闘服は体の線を強調するしなぁ」とコメントしている。
その後、「いっその事、もっと大きくしましょうよ」と調子に乗るまほろさんに対し、
「バカモンがぁ!むしろ減らす!!」と言い放った。
……実際にはその後、極端に胸が小さくなったという感は無い。
最終更新:2024年12月16日 09:56