アットウィキロゴ

ELS

Thumbnail

「"地球外変異性金属体"…我々は、この異星体を"ELS"(エルス)と名付けました」

サンライズのアニメ映画『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』に登場する地球外生命体。「エルス」と読む。
原作未見の場合、ゲーム等で読み方に迷う人が結構いそうである
正式名称はExtraterrestrial Livingmetal Shapeshifter(エキストラテレストリアル・リビングメタル・シェイプシフター)で、日本語表記では「地球外変異性金属体」と称される。
『ガンダム』シリーズにおける敵としては(コミックなどを除いて*1)史上初の地球外生命体である。

身体は自在に変形できる金属で構成されており、知性は有するものの、
地球人とはかけ離れたメンタリティを持ち、脳量子波によってコミュニケーションを行う生命体である。
また、「個」ではなく「群」として個体間でネットワークを形成した並列思考を行っているため、
その思考情報量は地球人の許容量を遥かに凌駕する。
大きさは人間サイズから戦艦サイズまで様々で、特に中枢を担うものは月とほぼ同じ大きさを持っている。
ELSの母星は太陽系外の木星型ガス惑星であり、惑星内部の液体金属の海中で誕生し、独自の進化を果たしている。
劇中では西暦2314年、木星の大赤斑に存在するワームホールの出口より出現し、96日間(約3か月)で地球圏へ辿り着いた。
生物・無生物を問わず接触した物質と融合する能力や物質が有する能力を模倣する能力を持ち、
相手がMSや戦艦であれば粒子ビームやGNフィールドなどの武装まで模倣できる。
ただし、擬態MSや戦艦から放出されるGN粒子やビームの色は紫色であり、独特の音を発している。
これは敵味方が高速で動き回る本作の戦闘シーンにおいて、
「映画の観客が地球製のMSとELSの擬態MSを区別できるように」という配慮も含んだ演出である。
基本的にELSに取り込まれた者はELSから送られる膨大な情報量に耐え切れず脳死してしまうが、
脳量子波の因子を持ち、ELSからの膨大な情報を受け流す事ができた場合は脳死せずに済む
(劇場版序盤にて自宅のドアノブに擬態していたELSに襲われた少女、アーミア・リーもその一人)。

+ ELSの真意(ネタバレ注意)
地球圏へ到達したELSは調査の為に派遣された連邦軍の先遣部隊と接触、交戦状態に入る。
更にはこれ以前から地球上で頻発していた怪現象の原因が彼らだと判明した事で連邦政府はELSを敵性生物と判断、
その戦力差は「ざっと10000対1」とまで評される程で人類側に勝利の可能性は万に一もない状況で、
ELSは絶対防衛線を構築した連邦軍艦隊の70%を壊滅させたが、
ロックオン、アレルヤ、グラハムらの死力で、「ダブルオークアンタ」の消耗を最小限に抑えて中枢に辿り着いた刹那によって、
実は彼らに地球人類への敵対意思は無かった事が明らかになる。
ELSの母星は主星の白色矮星化とそれによって発生した惑星状星雲に飲み込まれて滅亡寸前であったため、
彼らは自身の形成した巨大コロニー(超大型ELS)に乗り込んで母星を離れ、宇宙を放浪中に偶然遭遇した者達へ助けを求めていただけであり、
MSや地球人の姿を模していた事も彼らなりの対話やSOSの意思表明に過ぎず、地球人と融合するという行為や地球の兵器や地球人への擬態行為も、
異星人と1つになる事で相互理解を成そうとする彼らなりのコミュニケーション方法であった。
脳量子波を持つ者を襲って融合を試みたのも肥大化した固体内で意識を共有するには脳量子波が不可欠だったためである
(ELSがビームを撃ってきたのも、脳量子波と同じGN粒子技術であるため、地球側のビームを通信の一種と思いオウム返ししていた訳である
 GN粒子には脳量子波による意思伝達を補助する性質があり、これによる迎撃を積極的な対話の準備だと勘違いしてしまった面もある)。
人の命を奪いかねない行動も前述の通り「個」ではなく「群」で思考する個体であるため、一体一体の「命」が失われる行為に関して希薄だった事もある。
またこうした経緯から、これまでの旅路でも対話に失敗した複数の異星生物やその文明を滅ぼしてしまっているらしく、
本ページ最上部の画像で取っている姿も、かつて接触した文明から読み取った中で、星間航行に適した形態を選んでいるだけだとか。
ELS及び地球圏にとって幸運だったのが、最初に接触した人類が常識の範囲内の人物であった事であり、
もしもサーシェスやリボンズの様に対話の価値すらない悪意の塊であれば、次の生命体を探すか殲滅し、
地球を第二の母星にする侵略戦争に移行していた可能性も有る。
また、別作品ではあるが、ドモン・カッシュの様に「拳が挨拶」などという人物に最初に出会っていれば、
話す前にとりあえず殴り掛かってくるという恐怖のコミュニケーションが世界標準と勘違いされかねなかった。

「そうか、彼らの母星は死を迎えようとしていて、生き延びる道を探していたのか」

本作の主人公である刹那・F・セイエイが自機であるクアンタの特殊能力、
「クアンタムバースト」を発動させてELSとの対話が行われた結果、地球人類が「個」を基準に成立している事や、
その個体スペックでは自分達の送り込む情報量に耐えられない事を理解したELSは全攻撃・進行中の全侵食を停止させ、
地球圏の一箇所へ集まり、地球上からも目視できる巨大な一輪の花(対話相手であった刹那にとっての平和の象徴)となった。
その後は地球人類の間で改めてELSに対する扱いをどうするか、という意見の違いから戦争が起きてしまったが、
初めての接触から50年後の西暦2364年時には人類とELSの共存が進み、共同で操作するMSも開発、人類の中にはELSと融合し、共生関係にある人間もいる。
制作側に「あれで生きてたら気持ち悪い」と死亡確認された準メインキャラとか
(人類と和解しただけあって、人類と融合しても送り込む情報量を抑える事で人類側が脳死しないように気を使っている)
また、ELSの巨大な花は宇宙ステーションとなっている。

なお、クアンタのデザイナーが「クアンタなら殲滅出来る」という設定を書いてしまった事に対し、監督が「本作のテーマが台無し」と激怒
  • 対話目的のダブルオークアンタでは無く、戦闘特化装備の「ダブルオークアンタフルセイバー」である事
  • クアンタが一切消耗せず不具合も起こさず刹那も1週間不眠不休で戦える
  • ELSがこれ以上進化しない事(クアンタをコピーしない事。なお先代である「ダブルオーライザー」は既にコピーされている)
  • ELS側の援軍が来ない事
  • ELSがクアンタ以外には目もくれない事(ELSを殲滅する前に刹那以外の地球人類が滅亡する為)
という、(フルセイバーの件を除き)クアンタ側にあまりにも有利な設定での「シミュレート結果」とする事で、
件の「殲滅できる」発言の価値を徹底的に失わせた。
また、シミュレーターに入力されていたであろうELSの能力は、前述した状況から鑑みるに「地球側に助けを求めて交信を試みていた状態」のもの。
よって、彼らが本気で戦う意志を示した場合の戦闘力は未知数である。
これら都合の良すぎるシミュレーション設定内容とそれによって出された結果の価値の無さ、
実際の戦場との戦況状況の乖離を公式書籍『GUNDAM WEAPONS』で記されるに至っており、
現在ではクアンタは当然として、対外来種特化のフルセイバーでさえ「殲滅できる」というのは机上の空論でしかないという評価に落ち着いている。
またこの事実により、もしTV版最終回でリボンズが勝利していたら、その傲慢さからELSとの相互理解が為されないまま人類は滅亡していたと予測される。
故に(リボンズが乗る)クアンタで殲滅できてしまうと「本作のテーマが台無し」なのである。
このテーマに関しては作中でもきちんと描かれており、刹那と同じくイノベイター
(※GN粒子の作用により脳量子波によるコミュニケーション能力を獲得する等、既存の人類から進化した新人類)
に覚醒し、人格的にも決して破綻はしていなかった連邦軍のデカルト・シャーマン大尉などが、
ELSとまず対話しようという意思を持たず、戦う事を選んでしまったが故に彼らに人類とのコミュニケーション方法を誤解させ、
自身も死亡してしまった
のはその一例であろう。

こうして経緯を冷静に振り返る事で、本映画OPで時折挟み込まれた意図不明の奇妙な映像の数々が「ELS側の描写」であったと、
視聴者も後から気付くというのも心憎い演出である。
全く異なる生物同士の不用意な接触が結果的に互いを、或いは片方を傷つけてしまうという展開はSFではまま見られるものであるが、
シリーズ全体を見渡してみると「ここまでの無益にも思えた長い戦いが無ければ、対話により互いを救うこのような着地はあり得なかった」
と理解出来る構成になっており、『00』という物語全体の完結編としてこれ以上ない大団円となっている。

そして本作のラストシーンは、かの物理学者アルバート・アインシュタインが残した言葉で結ばれる。

"Peace cannot be kept by force;
 it can only be achieved by understanding."

(平和とは武力によって維持される事は無い。
 それはただ、わかりあうことによってのみ保たれるのだ)

ちなみに『ガンダム』シリーズにおいて最後に平和の意味を示しそれを維持し始めた数少ない作品であるが、
過去に平和の意味を示しその道を歩み始めた事で〆に入った『新機動戦記ガンダムW』シリーズでは、
人類全てが、戦争の無意味さを理解し兵器を忌み嫌い放棄し、その口で嫌悪の意思を発することで支配から脱却し、
戦争・平和・革命の三拍子のワルツから平和・革命のマーチへと変調させ維持させると外伝で語られたりもしており、
理解では無く突き放しであるため、実は『ガンダム00』で語られる平和を手に入れた共存や歩み寄りとは真逆の方向性であったりする。

+ 外部出演
『スパロボ』シリーズにおいては、全シリーズ共通して『Gジェネ』シリーズのような擬態能力(文字通りランダムで味方機に擬態する)こそ持たないものの、
侵食能力は条件付きの即死攻撃として再現され、回避と射程が低い味方ユニットにとっては危険な相手となっている。

初登場の『スーパーロボット大戦UX』では様々な形状やサイズの個体が敵として出現し、第24話にて初交戦となる。
攻撃時に敵のENを減少させる特殊能力を持ち、この効果でENが0になったユニットは撃墜される。
単体ではさほど脅威ではないが、原作同様とにかく大量に出現する上にパイロットの命中と機体の照準値が高く、
集中攻撃を受けるとリアル系ユニットでも危険である。
また、必殺武器やバリアでENを浪費するとその分落とされやすくなるため、ELSが出現するマップではEN管理に特に気を付ける必要がある。
射程は全体的に短めだが、高い移動力に任せて凄まじい勢いで群がってくるため、遠くにいても油断はできない。
HPが高く回避能力の低い戦艦にとってはフェストゥムに並ぶ天敵とも言える。
弱点としてはENを持たず魔術(MP)で動くデモンベインには融合が通じない事であり、高いHPに惹かれて集まってきた所を反撃で一網打尽にできる。
また、スキルパーツがかなり入手困難ではあるものの、ELSジンクスを除けばどの個体も撃ち落とし可能な武装しか持たないため、
「銃の名手」のスキルを持つユニット相手には何もできない。デモンベインが強いからって使っていたらここで勿体ない事になるという悲しさ
銃の名手以外のメンバーも撃ち落とし出来るように、森次さんやグラハムを戦術指揮官にする方法もオススメである。
和解後はフェストゥム、バジュラと共にマクロスフロンティアの決戦ステージにて、マクロス・クォーターを守る為に加勢に現れる。

『スーパーロボット大戦BX』では第29話で初交戦し、『機動戦士ガンダムAGE』のヴェイガンとの決着が付いた後の第43話で対話が行われる。
このステージは木星圏であるが、本作には『勇者王ガオガイガー』が参戦しているためかザ・パワーの影響を受けており、
何と登場するELS全てが初期気力200となっている。
もっとも、上限値を振り切ったのではなくスタート値が200になっているため、最大で250まで上がるがイベントを進めれば通常の上限である150まで下がる。
弱点は『UX』から相変わらず、銃の名手には手も足も出ない上、またもMP持ちのガンダム族達に融合できなかったりするが、
こちらは小サイズ・低HPなので流石に改造・育成が行き届いていなければ普通に撃墜されかねない。
なお決戦とは直接は関係ないが、ELS本星に自軍が守らなければいけない守護点が存在しており、惑星崩壊時に壊れてしまった事が刹那から語られる。
あと、原作未見なため「ELS」の読み方が分からないという貴方も、なぜなにナデシコで解説してくれるので安心

『Z』シリーズでは『第3次スーパーロボット大戦Z』に登場。
ELSそのものは『時獄篇』時点では未登場だが、第8話にて『フルメタル・パニック』のウィスパード覚醒デモで単語が確認できる。

続く『天獄篇』では序盤の終わり頃から登場。
かねてより銀河で戦っていた者達からは「蠢く金属」という異名を付けられ、
当初は知的生命体の天敵「バアル(『トップをねらえ!』の宇宙怪獣や、『真ゲッター』のインベーダー等)」の一種と誤認されていた。
本作のオリジナル敵勢力「サイデリアル」が設立した支配国家「新地球皇国(ガイアエンパイア)」が脳量子波を放つ人物を監禁していたため、
最終決戦は皇国が倒れた後の第50話となる。
武器の特殊効果「侵食」によって気力を10下げられ、戦闘終了時に80以下であれば撃墜扱いとなるため、
リアル系はとにかく運動性を強化して当たらないようにし、スーパー系および母艦クラスは元々避けるよう機体ではないので前線には出ない方が良い。
ただし、『マクロス7』の熱気バサラの「歌」で気力を上げる事によって相当楽な相手になる。
今回の最終決戦ではユニット化した超大型ELSと戦う事となり、和解後は対バアルや本作の黒幕である御使いの作戦に参加する。

『スーパーロボット大戦V』ではヤマトルートの第43話でようやく登場する。
今作では地球ではなく『宇宙戦艦ヤマト2199』のガミラス本星に出現し、三つ巴の戦いを繰り広げる。
恐らくは旅の途中で大マゼラン銀河に辿り着いたのだと思われるが、刹那達が西暦世界の出身であるのに対し、ELSは新正暦世界に登場する。
元から別世界の種族だったのか、何らかの方法で次元転移してきたのかは不明である。
その後第48話で刹那の対話に応じて和解し、第49話ではデスラーによる第二バレラス落下の際に、
第二バレラスに取り付き落下速度を低下させる等、地球艦隊・天駆に協力してくれる。
また、その後のELSの花も、ガミラス本星の衛星軌道上に咲く事となる。
登場の遅さや出番の少なさから影の薄い印象は否めないが、地味に第48話は大ガミラス帝星滅亡の危機であり、
刹那が居なかった場合はガミラスとELSは泥沼の戦いに突入し、そのままガミラス本星が巨大ELSに飲み込まれていたであろう事は想像に難くない。
「ELS」の名称は、ティエリアが便宜上部隊内での識別名として命名している
(そのため、ガミラス側は第50話シナリオデモでのヒス以外はELSとは一切呼ばない)。
初登場の第43話終盤ではフェルトの台詞で、正式な命名前なのに「アンノウン」ではなく「ELS」と呼ぶという表記ミスがあったりする。

コンパチヒーローシリーズである『ロストヒーローズ2』では、
原作でELSがリボンズと瓜二つのスカイ・エクリプスに擬態した展開を受け、ELSリボーンズガンダムが登場するというアレンジが行われている。
また、同じく原作でELSのかませポジションとなってしまったデカルト・シャーマンもといガデラーザが、
ELSからヒーロー達を庇って死亡というかなりの厚遇を受けたりしている。

+ 戦闘デモ
『第3次Z 天獄篇』版
『UX』版
『V』版

(以上、Wikipedia、ピクシブ百科事典、スーパーロボット大戦Wikiより一部引用・改変)


MUGENにおけるELS

+ axois氏製作 ELS
  • axois氏製作 ELS
ドットは『SDガンダム ジージェネレーション クロスレイズ』のものを用いている。
中型ELSを自機とし、相手に金属を引っ付けたり、多数の機体をストライカーとして召喚するなど、原作を意識した技が一通り搭載されている。
キャラのランクは「狂全般」との事で、通常のキャラでは回避困難な攻撃を繰り出す。
AIもデフォルトで搭載されている。

+ axois氏製作 ELSクアンタ
  • axois氏製作 ELSクアンタ
『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』より、ダブルオークアンタとELSが融合を果たした姿を再現した物。
本体のドットは手描きパーツを組み合わせた物を使用。
氏曰くELSのリメイクキャラとの事で、一部性能を引き継いでいる。
特殊仕様としてELS同様の侵食と、GNフィールド(喰らい抜け時や条件不一致のダメージ、またはガード時に攻撃を受けた際に展開し、無敵化する)を持つ。
カラーによる性能差が存在し、対応ランクは狂中位以上。

出場大会



*1
映画のパンフレットに実際に書かれていた言葉。ファンからは『Gの影忍 百機夜行(百鬼夜行ではない)』の事だと考えられている。
ぶっちゃけ(シリアスな笑いな)二次創作の類なのだが、
掲載誌がバンダイの「サイバーコミック」であった事から、公式とまでは言わなくても公認作品扱いなのだろう。
ただそれを言うと『逆襲のギガンティス…は良いとして
コメディ作品である『実録ジオン体育大学』や『魔法の少尉ブラスターマリ』も公認作品って事になるが、
まぁコメディ時代の『SDガンダム』が公式作品扱いだから良いっか

なお「敵」に拘らなければ映像作品でも『SEED』シリーズに「エヴィデンス01(宇宙鯨の化石)」が登場している。
またターンXは地球外生命が造った機体である(ただし問題の地球外生命は登場しない上に、外宇宙に旅立った元地球人だという説もある)。


最終更新:2026年06月20日 18:03
添付ファイル