バトルモンスターズ


『バトルモンスターズ』(BATTLE MONSTERS)は、ナグザットが1995年6月2日に発売した実写撮り込みの対戦格闘ゲーム。
デュエルモンスターズ』をお探しの方はこちら
開発はUPL(『忍者くん』等で有名)の元スタッフが設立したスカラベ。
様々な2D格闘ゲームの移植で知られるセガサターンとしては初の2D格ゲーでもある。


概要

  • ストーリー
今ではない時 此処ではない場所
怪物、魔物同士の争いが続く
夢幻世界の物語
魔界の王が開く競技会に勝利した者は
以降一千年間を支配する力を手にする
今まさに決着の時 最後の戦いに臨むのは
十二種族の怪物たち

一見すると洋ゲーのような雰囲気だが、製作会社のスカラベは国内の企業である。
同社は1993年に実写取り込みの対戦格闘ゲーム『サバイバルアーツ』の開発を担当している。

本作を語る上で欠かせないのが、主人公を務める個性豊かな12種族のモンスター達だろう。
そのメンツは普通の人間から、骸骨、人形、フランケンシュタイン、メドゥーサ、首なし人間など幅広い。
キャラ同士の掛け合いは無く、設定が語られるのはプロフィールとエンディングのみだが、
言葉では表せられないセンスの良さや実写撮り込み技術の高さがキャラの魅力を引き出している。

システム面では、ステージに高低差の概念を持ち込んでいるのが大きな特徴。
本作の2ヶ月前にリリースされた『風雲黙示録』にも高低差があるステージが存在するが、
あちらがラインシステムの延長線に過ぎないのに対し、こちらはアクションゲームのようにステージ中を動き回れる。
通常のジャンプより高く飛べるスペシャルジャンプ、相手より高い位置でのみ出せる飛び込み攻撃などシステムを生かした特殊技も存在。
また、一部のステージでは崩れる足場やダメージを受けるつららなど特殊な仕掛けが用意されており、ステージごとに違った立ち回りが楽しめる。

後述する吹っ飛びの仕様やコンボ補正が存在しない事から永久持ちのキャラが複数存在しており、対戦バランスは大味。
ただしCPU戦の難易度は低めで、格ゲー初心者でもとっつきやすい。

ゲーム機、ソフト共にマイナーだった事が災いして知名度は低いが、
個性的なキャラクター、幻想的なBGM、短いながらも不思議な余韻を残すエンディングが独特の雰囲気を作り上げており、
知る人ぞ知る佳作となっている。

2022年には、『星のカービィ』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』等で有名な桜井政博氏のYoutubeチャンネル、
「桜井政博のゲーム作るには」における「大乱闘スマッシュブラザーズ」の回で、
主役が多数存在する格闘ゲームの一例として紹介され、ちょっとした話題になった。
ちなみにこのシーン、『ゴールデンアックス・ザ・デュエル』『ツインゴッデス』『ゼロ・ディバイド2』『デストレーガ』(後者2つは3D格闘ゲーム)と、
マイナーな格ゲーばかりがチョイスされていたりする。


キャラクター

  • 使用可能キャラクター
キ・バ(KI・BA)、マカリュード(MAKARYUDO)、ストロベリー・ジャム(STRAWBELLY・JAM)、チリ&ペッパー(CHILI AND PEPPER)、
ハートヒート・ハーン(HEART・HEAT・HARN)、ラ・ファ(LA・FA)、カ・フカ(KAF・KA)、ナーガ(NAGA)、
デスマスク(DEATHMASK)、クウジャ(KUJA)、アルビオレ(ALBIOLE)、シオン(SHION)
  • CPU専用キャラクター(最終ボス)
ビッグ4(BIG4、レヴィアタン・サラマンダー・ジーン・ベヒモス4人の総称)

ストーリーモードでは同キャラを含む12人全員と戦い、ラスボスに挑む資格を得る。
同キャラ戦では、ホッケーマスクのような顔をした男が自キャラの色違いへ化けるという演出になっている。
この男の正体は不明。

ラスボス戦がやや変則で「ビッグ4」と呼ばれている地水火風の四大精霊戦では、ラウンド数の設定にかかわらず4ラウンド先取となる。
1VS4のチームバトル方式で、戦う順番はレヴィアタン(水)→サラマンダー(火)→ジーン(風)→ベヒモス(地)。
全員体形などは同一だがレヴィアタンは水、サラマンダーは火をまとった姿で、ジーンは半透明(輪郭は表示される)、ベヒモスは暗い色の服に身を包んでいる。
こちらは3回まで負けられるので実質ラスボスが第四形態まであるようなものだと思えばよい。

システム

基本システム

方向ボタンで移動、Aでパンチ、Bでキック、Cでアピール及び超必殺技と飛び込み攻撃の発動、
X・Y・Zでスペシャルジャンプ、R・Lでダッシュ。
コマンドは「↓→+攻」(↓\→でもOK)、「↓↓+攻」「←→+攻」など簡単なものばかりで、
昇竜コマンドも無いため初心者でも安心。

マナゲージ

他作品におけるパワーゲージ
各ラウンド開始時に半分ほど溜まっており、試合中は増減を繰り返す。
アピールを行うか、攻撃を当てる事で増加する。 増減の幅はキャラによって異なる。
ゲージが溜まるほど攻撃力と吹っ飛び値(後述)が上がり、MAXで超必殺技が出せる。

カ・フカとデスマスクのみ他のキャラと仕様が異なる。
カ・フカは試合中にゲージが自動増減せず、攻撃を当てる事で減少、必殺技「マナアップ」で増加する。
デスマスクはゲージが0からのスタートとなり、ゲージが自動増減せず攻撃を当てる事で増加する。
アピールは二人とも使用可能。

アピール

Cボタンで発動。マナゲージが食らったダメージ量に比例して増加する。
マナゲージがMAXまで届かない場合はすぐ元の量に戻るが、
MAXに達した場合、超必を出すか一定時間が経過するまでMAX状態を維持する。
アピール自体に回数制限はなく、何回も発動できる。

ヒット効果

個々の技には、技を当てた際のヒット効果と吹っ飛び値(正式名称は不明、あくまで仮名)がそれぞれ設定されている。
通常ののけぞり以外の効果は以下の通り。

  • 無防備のまま後退する「よろけ」
  • 上方へ吹っ飛ぶ「上吹っ飛び」
  • 上吹っ飛びより高く吹っ飛ぶ「高い吹っ飛び」
  • 横へ大きく吹っ飛ぶ「横吹っ飛び」(連続技から発動)
  • 食らった側が無敵となり、技が当てられない「ダウン吹っ飛び」

連続技を当てていくと吹っ飛び値が蓄積され、一定の値を超えると強制的にダウン吹っ飛びとなる。
しかし、「高い吹っ飛び」になる技と投げ技は吹っ飛び値が蓄積されず(正確にはどの状態でもヒット効果が変わらない)、
技によっては相手をKOするまで当て続けられる。
また、これらの技は当てにくいが攻撃力が高く、3~4回当てれば相手をKOできる。

下の動画では、一部のキャラの10割コンボが紹介されている。
ただし、相手が棒立ち状態である事に注意。


MUGENにおけるバトルモンスターズ

ラスボスを除く12人中10人が存在しており、いずれも海外の製作者によるもの。
マナゲージなどのシステムは再現されておらず、一般的な格ゲーに近い仕様となっている。
公開されているキャラクターは以下の通り。
  • DrKelexo氏のアルビオレ、マカリュード、デスマスク、シオン
  • MelvanaInChains氏のハートヒート・ハーン、ストロベリー・ジャム
  • The_None氏のカ・フカ、キ・バ、チリ&ペッパー
  • dxwho氏のマカリュード、クウジャ(いずれもリンク切れにより入手不可)

ニコニコでは、90年代格闘ゲーム 作品別チーム大会でカ・フカとジャムが好成績を残し、
それがきっかけで作品、キャラ共に知名度が上がりつつある。


最終更新:2024年02月11日 19:53
添付ファイル