ティーダ


「ユウナ!いっしょに続けよう、オレたちの物語をさ!」

旧スクウェア(現・スクウェア・エニックス)のRPG『FINAL FANTASY X』の主人公。
同社のアクションゲーム『ディシディア ファイナルファンタジー』にも登場している。
担当声優は 森田成一 氏、中村勇斗氏(幼少期)、ジェームズ・アーノルド・テイラー氏(北米版)。
森田氏はモーションアクターも兼任しており(というか元々そちらでの起用だったが、声優が決まらなかったのでお鉢が回ってきた形)、
このキャラが声優デビューである。
なおこれに倣ったのか、後に『XII』でも主人公ヴァン役に武田航平氏が声優兼モーションアクターで起用されている声の演技の方は…

近代的な都市「ザナルカンド」に住む少年。
ブリッツボール*1某帝王必殺技とは無論無関係)のスタープレイヤーとして活動していたが、
ある日の試合中に突如としてザナルカンドを巨大な怪物『シン』が襲撃。
十年前に突如失踪した父の友人、剣士アーロンに救われ窮地を脱したティーダだったが、
直後に『シン』に取り込まれた彼が目にしたのは、ザナルカンドとは全く異なる自然の広がる世界「スピラ」だった。

右も左も分からぬ世界に当初は戸惑いや困惑を隠せないティーダであったが、
スピラでも行われていたブリッツボールを通じての人々との交流や同じく猛威を振るう『シン』の存在──
そして『シン』を倒すために「ザナルカンドへ旅をする」という召喚士の少女ユウナと出会った事で、
ザナルカンドへ帰るために彼女のガードとして旅に同行する事となる。

沖縄の方言で「太陽」を意味するその名が示すように、とても明るい性格の持ち主。
語尾に「~ッス」をつける口癖や容姿もあり軽薄な若者に見られがちだが、実際の所は心優しく涙脆い少年。
スピラの常識に疎い事や若さ故の未熟さで周囲とすれ違う事もあったが、
正義感が強く人の笑顔を喜び、自分が誰かを傷付けたと知ればそれを悔いて反省できる善性を持っている。
長い旅の中でその前向きな意思がガードの仲間やスピラの人々に大きな影響を与えていく事となる。

当初は素人だったものの戦闘では片手剣を扱い、持ち前の運動神経とセンスにより様々な剣技を習得していく。
攻略本『Xアルティマニアオメガ』によれば、ブリッツボールでプロデビューしたのは本編より一年前であり、
そのような短期間でエースになったことからも、元々運動神経だけでなく戦闘に関しては天賦の資質と才能があった模様
(同じくブリッツの選手だったワッカは運動神経こそあったが武器を使う才能が無く、ボールを使用した我流の戦闘スタイルを余儀なくされている)。
またゲーム中では水中を呼吸無しで泳ぎ続けるという能力を持っているがこれは作中世界の水に含まれる特殊なエネルギーの作用によるもので、
ティーダやワッカを含めたブリッツボール選手や水中での作業を頻繁にこなす職業に就いている者なら、
ほぼ全員が訓練により習得している技術である。

+ その正体
彼の住んでいたザナルカンドという街は現実の存在ではない。
正しく言うと、本編の1000年前には確かに存在していたが現在はベベルという機械文明との戦いにおいて滅び去っている。
では、ティーダは時空を超えて来たのかと言うとそうではなく、彼は「夢のザナルカンド」からやってきた人間なのだ。
1000年前、ザナルカンドは召喚術によってベベルと戦うが滅亡寸前にまで追い込まれてしまう。
ザナルカンドの住民は最終手段として、自分達の肉体と魂を切り離し「祈り子」と呼ばれる召喚獣の源へと変貌。
召喚士エボンの手によって召喚獣「夢のザナルカンド」を召喚し、そこを永遠にとどめておく事を選択する。
すなわち、そこの住民であるティーダもまた「夢」の存在であり、また性質的には召喚獣と同一の存在なのだ。
プレイヤーが視聴するのがティーダ視点な上に、各地の寺院にある「祈り子の間」は召喚士・従召喚士以外入っていけない規則があったため分かりにくいが、
本来召喚師にしか感知できない祈り子の精神体が見えるのも、彼が普通の人間ではない伏線である(実際ティーダとユウナ以外には精神体が見えていない描写がある)。

作中で打倒するべき敵とされている『シン』は、夢のザナルカンドを護るための鎧と言うべきモノであり、『シン』を倒す事は夢のザナルカンドを終わらせる事。
それはティーダの存在も消し去ってしまう事を意味する。
彼は旅の中でその事を知るも、『シン』と夢のザナルカンドがスピラにとって大きな脅威と悲劇になっている現実を目の当たりにし、
延々と続く死の螺旋を止めるために、己の消滅を承知の上で『シン』を倒す事を決意する事になる…。

+ 外部作品におけるティーダ
スクウェア・エニックスとディズニーのコラボゲーム『KINGDOM HEARTS』シリーズ(以下KH)では、
ソラリクの生まれ故郷であるデスティニーアイランドの住人として登場している。
ワッカ、セルフィと共にFFシリーズからのゲストキャラクターであるが、
原作とはパラレルな存在であり、『KH』時点で13歳と年齢も低くなっている。
序盤において、彼に話しかけると模擬バトルとして戦闘が可能である。

本作では一般人扱いのため、戦闘要員であるスコール達ほど出番に恵まれていないが、
リクがソラと共に友人として名前を挙げたり、『coded』で第一ステージの準ボスとして登場するなど、
存在を忘れられている訳ではない。


性能

従来のFFで言うスピード型の戦士タイプで、火力自体はキャラ全体の中では高くないが、
スフィア盤を通常通り進めていくと「ディレイアタック」や「ヘイスガ」を取得し、手数で攻めるタイプのアタッカー。
序盤はあまりパッとしないステータスだが、確実に戦闘から逃げられる「とんずら」や、
全員の物理ステータスを上昇させる「はげます」は攻略で使い勝手が良い。
また、「クイックトリック」は動作時間が非常に短く、ヘイスト状態と併用すれば「ずっと俺達のターン!」状態になる。


MUGENにおけるティーダ

ユウナの作者でもあるragnarok_333 氏による、改変ドットと思われるキャラが公開されている。
剣技を主体としたキャラで、恐らく原作の動きを再現したと思われる必殺技を使う。
動作はどちらかと言えばゆったりとしている。必殺技はスカリやすいので注意。
なお、ユウナと同じくボイスは英語。
デフォルトAIは搭載されていない。

単体キャラ以外では、ダガー氏製作の親父が呼び寄せるストライカーの一人として登場する。

出場大会

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*1
作中世界で絶大な人気を誇るスポーツ競技。
サッカーと水球を組み合わせたようなスポーツで、スフィアプールと呼ばれる球状の巨大プール内で相手ゴールへの得点数を競うのが基本ルール。
高い身体能力と素早い状況判断、チームメイトとの高度な連携を要求される一方、
タックルで接触した敵選手をプール外へ弾き出す等のラフプレーも許容される、非常に激しいゲーム展開が特徴である。

スピラでは過去に『シン』を倒した召喚士の一人がブリッツボールの名選手であったため、心身の鍛錬に推奨される事も。
『シン』の脅威に怯えるスピラの人々にとってはそれを差し引いても数少ない娯楽であり、その選手に憧れる者も多い。
スピラで広く信仰されている宗教の戒律に反しているとして露骨な差別を受けるアルベド族ですら、
試合が行われる街の中であれば、選手やサポーターが大手を振って歩いていても問題にならない程である。


最終更新:2024年04月06日 01:04
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