キリト


「悪いな…ここから先は通行止めだ」

川原礫氏によるライトノベル『ソードアート・オンライン』の主人公。アニメでの担当声優は 松岡禎丞 氏。
本名は桐ヶ谷和人(きりがや かずと)であり、キリトは劇中のネットゲームにおいての所謂プレイヤーネームだが、
作中の表記は原則「キリト」で統一されているため、本項目名もそれに従って記載する。

生まれて間もなく事故で両親を失い、母の妹夫婦である桐ヶ谷家の養子として育てられた経緯を持ち、
その生い立ちとアイデンティティの希薄さから他者との直接的な関わりを避け、ネットゲームや機械工作に没頭しがちな人格を形成し、
特に、自身がβテスターとして選ばれた、世界初のVRMMORPG「ソードアート・オンライン」(SAO)には食事や寝る間も惜しむほどに夢中になり、
βテスターの中でも1、2を争うトッププレイヤーとなるほどだった。

しかし、SAOの正式サービスが開始され、約1万人のユーザーが仮想空間にログインした後、
ゲームマスターにして開発者である天才量子物理学者の茅場晶彦がプレイヤー達の前に現れ、自発的ログアウトは不可能である事、
舞台「浮遊城アインクラッド」の最上部第100層のボスを倒してクリアする事だけが脱出する唯一の方法である事、
そしてゲーム内で死亡した場合は(頭に被っているVR装置により)プレイヤーも死ぬという事を宣言した
(当然、周りの人間がVR装置を無理やり外そうとしても死ぬ。電源を切っても死ぬ、のは所謂「デスゲームもの」のお約束。
 なお、本体の食事は排便はどうするのか?と言う突っ込みもある。ゲーム内時間が加速されているわけでもないし)。
このため、弱冠14歳にして意図せず狂気のデスゲームに巻き込まれたキリトは、βテストでの知識・経験を元に現実に帰還すべく奔走する事になる…。

桐ヶ谷家の養子となってからしばらくは義妹の桐ヶ谷直葉と共に養祖父の剣道道場にて剣道に打ち込んでいたが、
気質に合わず初めてから数年で辞めている。
その際には激怒した養祖父に殴られたが、直葉が「自分が兄の分も頑張るから」と泣きながら祖父に懇願したために辞める事が出来た
(SAOを初めとしたネットゲーム内で剣術の類に優れているのも幼い頃の剣道の経験が活きているとも言える)。

性格は前述の経緯、多感な年頃もあって極めてナイーブで内罰的。
他人を傷付ける事も他人が傷付く事も忌避するため、わざと自分に敵意や責任が向かうような言動をとる事もしばしばである。
挙句に折れそうな自分を鼓舞するように強い言葉やキザな言葉を使うため、周囲から(読者や視聴者からも)誤解される事も。
特にSAOでのデスゲーム開始当初は死への恐怖やトッププレイヤーとしての自分への執着、周囲から拒まれる事を恐れるなどの様々な重圧から、
取り返しのつかない過ちを犯してしまい、表面は平常を装っても内面はいっぱいいっぱいという状況が続いていた。
SAO内で最凶最悪の殺人ギルドとして恐れられた「ラフィン・コフィン」との抗争の際に、
やむなく数人を殺めた(無論、いずれも殺されても文句の言えない程の極悪人)事に対しても心を傷めたりするなど、優しすぎるくらいである。

ヒロインのアスナとの関係も出会ってしばらくは最悪であり、一時期は袂を分かっていたほどである。
SAOでの戦いを通じてアスナと心を通わせ、仲間を得て成長してゆくものの、SAO後も様々な苦難や事件に遭遇する度に心に傷を負っていき、
一時期は心神喪失状態に陥ってしまった。
復帰はできたものの、この事件を切っ掛けにもう一人の自分が出現し、それが更なる混乱を招く事になる等、彼の苦悩は未だ続いている。

冒険の中で様々な女性達と出会い、男も含めて無自覚にフラグを建てていつの間にか惚れられる一級建築士であるが、
そうした感情に気付く事はほぼ無く、気付いたとしても当人はアスナ一筋でブレない。
人死にを嫌うが、アスナに危害を加えようとしたり傷付けようとする者には割と容赦なく、
ゲーム内とはいえ、アスナを自分の目の前でレ○プしようとした相手には「殺す!絶対に殺す!」と本気で殺意を漲らせるまで激昂している。
この作品の悪人は基本的に「ガンジーでも助走つけてぶん殴る」レベルのド外道が大半なので仕方ない

+ 余談
元々は作者が電撃ゲーム小説大賞の応募用に書いた小説だったが、初稿が応募規定枚数を大幅に超過してしまい改削も不可能な状態だったため応募を断念し
自身のウェブサイトにオンライン小説として掲載されていた小説であった。
後に小説投稿サイト『Arcadia』に投稿されていた作者の別作品『超絶加速バーストリンカー』が商業化された事に伴い、
『ソードアート・オンライン』も編集の目に留まり商業化された経緯を持つ。

よく誤解されがちだが、掲載されていたのは作者の個人サイトであり『小説家になろう』ではない
(ただし、商業化された同時期にやはり多数のプレイヤーがゲームに閉じ込められたなろう作品『ログ・ホライズン』が評価を受け、
 なろう系と混同されやすい情勢であった事は記載しておく。歴史自体は2002年から掲載された『ソードアート・オンライン』の方が古参だが)。

所謂異世界モノは一過性のブームではなく『ゼロの使い魔』、『遙かなる時空の中で』、
デジモンアドベンチャー』、『MAR(メルヘヴン)』のように小説だけでなく各種媒体で徐々に浸透していたジャンルであった。
『ソードアート・オンライン』はより正確に言えば”よくできた仮想現実”に当たるが、
ともかくそうした土壌が整っていた所で、2010年前後におけるweb小説の台頭を発端に、
『ソードアート・オンライン』だけでなく、『ゲート』、『ログ・ホライズン』などが生まれた事が切っ掛けで、
「集団転移」「主人公が見知ったゲームへの転移」などのバリエーションが広まり、
その後10年以上続く異世界モノの流行と一大ジャンル化に繋がったのである。
web時代と商業時代では影響力が違うため一概に言えないが、上述のように『ソードアート・オンライン』はその最古参であり、
異世界モノのジャンル化の立役者とされているのである。

なお、本作のように異世界モノとは微妙に違うが実質的には延長とも言える『VRMMO』系の作品もラノベ界隈では人気のあるジャンルとなっており、
題材とした作品も多く見られている。
また、VRMMO作品のブームが異世界転移・転生ブームと相互に影響を与えたのは事実とは言え、
上述の通りキリトはVRMMOのプレイヤーでしかなく、異世界転生や異世界転移はしていないのだが、現在でも混同している人は多い。
盾の勇者の成り上がり』に登場するキリトを思わせるキャラである剣の勇者・天木錬(アニメ版では声も同じ松岡氏)の存在も、
その辺りをややこしくしている一因かもしれない
(一応「(四聖勇者は別々の平行世界から召喚されており)錬の世界にはVRMMOが存在していた」と、オマージュ元を踏まえた設定は為されている)。
そのため、「異世界版ザ・ボーイズ」と呼ばれた某打ち切り漫画では異世界転生者のリーダー扱いされたりもした(当然本作のファンからは避難轟々)
と言っても偽キリトはまだまともな方で、神様な某ヒロインや現地人な某ヒロインまで異世界転生者扱いされていたわけだが


『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』での性能

格闘ゲーム『電撃文庫 FIGHTING CLIMAX』(電撃FC)にてヒロインのアスナと共にプレイアブルキャラクターとして参戦。
唯一、同作品よりヒロイン&主人公どちらもプレイアブル参戦した事で露骨な優遇と見られたりもしたが

通常は片手剣一本で戦うが、切り札を発動することで二刀流となり攻撃性能が大幅に強化される
(このため、切り札自体は相手に直接攻撃をするものではない)。

稼働当初は通常状態の攻撃性能の弱さが目立ったことで弱キャラ扱いだったが、二刀流時の強さ・研究が進むにつれ評価が見直され、
強さとしては中堅どころに落ち着いた。


MUGENにおけるキリト

『電撃FC』のドットを用いたものと、『JUS』風ドットのちびキャラが存在する。

+ Sennou-Room氏製作 PotS氏&Infinite氏仕様
  • Sennou-Room氏製作 PotS氏&Infinite氏仕様
『電撃FC』のドットを用いたもの。公開当初はWinMUGENに対応させたものもあったが、現在はMUGEN1.1のOpenGLモード専用。
片手剣と二刀流は切り替え制ではなく、攻撃によって変わる。
仕様元が仕様元のため、ブロッキングやその場回避&前後転、ゲージ消費のEX技にゼロカウンターと様々なシステムを持ち、あらゆる状況に対応可能。
またEXモードが存在し、選択すると技のラインナップが一部を除いて原作小説やアプリ『メモリー・デフラグ』で使った技に変更される。
波動昇竜突進と素直な挙動の技が揃っているため、人によってはEXモードの方が使いやすいかもしれない。
configでシステムのON・OFFを切り替え可能な他、
defを切り替えるかStates内のModeを書き変える事で2モードの技が使えるボスモード、
それに加え赤いオーラとゲジマシが付与されるファイナルボスモードに出来る。

強力なデフォルトAIを搭載している他、CSX氏による外部AIも公開されている…が、
こちらは現在baiduでしか公開されていない上に最新版非対応の模様(最終更新2016年)。

+ Mikel8888氏製作 JUS風
  • Mikel8888氏製作 JUS風
JUS』風ドットで製作された新MUGEN専用のちびキャラ
ドットこそちびキャラだが、一部の技は『電撃FC』の挙動を参考にしている模様。
スピードが速い上に突進技も強力で、突貫による切り込みを得意としている。
3ゲージ超必殺技「スターバースト・ストリーム」は威力が高い上に2色のエフェクトが美しい。
AIもデフォルトで搭載されている。
紹介動画

+ 残河氏(Altz.氏)製作 《黒の剣士》キリト
  • 残河氏(Altz.氏)製作 《黒の剣士》キリト
Sennou-Room氏のキリトを改変したもの。現在は公開停止中。
「原作小説風アレンジ」との事で、名前通り黒の剣士(SAO)時代を再現した性能で常時二刀流、
かつ一部技のモーションも『電撃FC』から変更されている。
使用技もSAOで使った技のみであり、片手剣・二刀流はもちろん体術スキルまで多彩な技を持つが、ALOでしか使わなかった技は搭載していない。
ただしコンフィグのスイッチをONにすると《心意》を初めとしたアリシゼーション編の技も使用するようになる。
コンフィグでは他にもAI常時起動、戦闘時回復、ゲジマシ、コンボ補正、攻撃中無敵を設定可能。対応ランクは狂下位~上位。

+ kira氏製作 Kirito ver.KA
  • kira氏製作 Kirito ver.KA
「コードで色々遊んでたらいつの間にか出来てました」との事で、その文に違わず隔離技術のコードをガン積みしたキャラ。
当然の如くWinMUGEN専用。
防御面もライフ1万、常時アーマー、常時回復、ダメージリミッター、強固な耐性と極めて強力だが、
恐ろしいのは攻撃面で、相手ライフ管理+二刀流上位スキル強制ダメージ、相手ライフ0で直死とやりたい放題の性能。
分かりやすく言えば相手が神最上位だろうが純論外だろうが隔離耐性がなければブン殴って倒せるキャラ。対応ランクは狂中位から狂上限
コンフィグで初期ライフ、自動回復、二刀流技のチャージ時間、ダメージリミッター値、回復技《心意》使用可否、隔離の使用可否を設定可能。
また、隔離ON時のみ適用されるジ・イクリプス確殺スイッチもある。相手は(隔離上位でもなければ)死ぬ。

+ InSeph氏製作 JUS風
  • InSeph氏製作 JUS風
こちらも『JUS』風ドットで製作された新MUGEN専用のちびキャラで、
一部の技は『電撃FC』の挙動を参考にして作られており、
超必殺技を発動することで二刀流になれる。
また、ユウキ、アスナ、リーファをストライカーとして呼び出せる技もある。
AIも搭載されている。
紹介動画

これらの他にも、bgrsb6氏による『電撃FC』ドットのキリトが確認されている。

出場大会



最終更新:2024年04月12日 01:14