"Gentlemen, my lady, you will always remember,
this as the day you almost caught…Captain Jack Sparrow!"
(諸君、お嬢さん!今日という日を忘れるな!
捕らえ損ねちまったな、キャプテン・ジャック・スパロウを!)
ディズニー映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの主人公。
演者はジョニー・デップ氏。日本語吹き替えは氏公認の専属吹き替えである
平田広明
氏が担当している。
皮肉屋で人を食ったような態度ばかり取り、焦点の定まっていない挙動が特徴の、
一見して不真面目な浮浪者のような男だが、その実態は作中世界で名を轟かせた大海賊の1人。
右の肘と手首の間の前腕に刻まれた海に沈む太陽の前方を飛ぶスズメのタトゥーがある。
名前はスパロウ(ツバメ)なのに…というか、どうも製作陣が素で間違えてこんなことになったらしい
名前だけを呼ばれることを嫌い、呼び捨てにされると一々「キャプテン(船長)を付けろ」「キャプテン・ジャック・スパロウと呼べ」と訂正を求める。
また、「savvy?(日本語で「お分かり?」)」という口癖があり、主に煽りに使用される。
上記のちゃらんぽらんな言動とは裏腹に、利他的で残虐な行いを嫌い、情に脆い部分がある。
そもそも彼が海賊として手配されたのは、船乗りとして東インド貿易会社で働いていた時期に、
奴隷を運ぶ仕事を拒んだ挙句「商品」である奴隷を逃がした事が原因で海賊の烙印を押されたためである。
父親は「掟の番人」の二つ名を持つ大海賊エドワード・ティーグ。
番外小説である『ジャック・スパロウの冒険』『自由の代償』の内容を総合すると、
若い頃に少年海賊をしていた後、一時期足を洗って堅気になっていたが、
前述した東インド貿易会社のカトラー・ベケットとの対立が原因で再び海賊となったらしい。
射撃や剣術の腕は非常に高く、モブの海兵や海賊程度なら複数相手でも単身で蹴散らせる実力者だが、
作中最強格であるバルボッサやウィルには剣の腕で一歩劣っているなど、作中全体で見れば突出して強いわけではない。
しかし、巧みな話術や二手も三手も先読みする観察眼、そして天性の勘の鋭さにより、
どれほどの強敵でも最終的には出し抜いてしまう作中屈指の策士であり、敵はもちろん
味方も度々出し抜いている。
自由を愛しロマンと宝を求める冒険者であるが、何分性根は結構な俗物で、
海の掟を重んじるが故に他の海賊達からは軽んじられ、海賊としての利己的な部分から一般人には嫌われる。
また、物事を軽く考えて行き当たりばったりで行動した結果、痛い目を見たり他の人間に出し抜かれる事も珍しくない。
更に言えば情に脆いが篤くはないので人望は無いに等しい。
部下の船員も腐れ縁でとか状況的に仕方なくというケースで加わる者が多く、
明確に味方仲間と言えるのはビル・ターナー
*1(本編外で死亡した後に人外化)と航海士のギブスぐらいしかいない。
こういう性格なため、一応はシリーズ主人公のはずなのだが、
作中の中心人物をウィルやバルボッサが務め、ジャックは
コメディリリーフに回る事が多く、
シリーズの監督からも「ジャックは
主人公の器ではない」とばっさり言い切られてしまっている有様である。
とは言えそのような人物だからこそ、どんな目に遭おうとも時代が変わってゆこうとも、変わらず飄々と海賊であり続けようとする男でもあるのだ。
土壇場のここぞという時には頼りになる、こいつが居なければ話が始まらないし終わりもしない、
それがジャック・スパロウという漢なのである。
ジャックの財産として、当時の船の中で最も早いとされる「ブラックパール号」と、
持つ人間が最も欲しているものを差す特殊なコンパス、彼の象徴の1つである三角帽が挙げられる。
同シリーズは
ディズニーランドのアトラクション「カリブの海賊」を映画化したものであり、
劇中ではアトラクションのオマージュらしき描写が所々に見られる。
元々ジャック・スパロウやバルボッサ等はアトラクションに存在しない映画オリジナルのキャラクターだが、
2006年からリニューアルされ、映画版のキャラが登場するようになった。
2016年に中国の上海で開園されたディズニーランドでのアトラクションは他と異なり、
映画本編を題材としている上にここでのみ使用されている技術をふんだんに活かした
全く新しい内容となっている。
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無粋というか哀しい余談 |
『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズは2000年代産のディズニー実写映画の中でも特に高い興行成績を上げ、
第一作『呪われた海賊たち』以降『デッドマンズ・チェスト』『ワールド・エンド』『生命の泉』『最後の海賊』
と続編が多数作られたのだが、演者のデップ氏が元妻からDV疑惑で訴訟されて5作目を最後にデップ氏は業界から干され、
それ以前から建てられていた6作目の企画は立ち消えてしまった。
その後、元妻の証拠や証言がほぼ捏造だったと発覚し、最終的にデップ氏に元妻が和解金を支払うことで和解に到ったのだが、
ディズニー社から一方的に降板させられた事がデップ氏は相当に業腹だったのか、
冤罪が判明するまで批判にも臆することなく氏を広告役に継続し続けたディオール社などとの関係は保っている一方で、
ディズニー社からの改めてのオファーは拒絶し続けているとメディアで報じられており、ジャック主役のシリーズの続編製作が絶望的と見なされている。
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ゲーム作品におけるジャック・スパロウ
『
KINGDOM HEARTS』シリーズでは『II』『III』でサポートキャラとして登場。
流石にジョニー・デップ氏に
ボイスを依頼するのは無理だったしく、海外版では他キャラ共々別のキャストが演じているが、
『II』のキャラクターの3Dモデルはディズニーを通してテストで制作したものを本人達に見せてきちんと許可は取ったとの事。
この際、本家キャスト達は「素晴らしい!」と絶賛し、スタッフのテンションは爆上がりしたようだ。
『II』のみ、『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』のジャック・スケリントンもサポートキャラとして前作から続投しており、
混同を避けるためにゲームシステム上では「スパロウ」と表記されている(会話では普通に「ジャック」と呼ばれている)。
『II』では原作が実写映画であるためか、他の仲間キャラクターと比較すると攻撃モーションがリアル寄りでやや遅めのため、
その欠点を補えるナイフ投げや爆弾をまき散らす遠距離攻撃を備えている他、
連携技「トレジャーアイランド」は相手をマグネのように拘束する効果を持っている。
MUGENにおけるジャック・スパロウ
"I have a rendezvous beyond my beloved horizon."
(水平線のはるか彼方が、俺を待っている)
出場大会
*1
ウィルの父親。
使用した貰い物の渡航チケットが偽装物だったため(ビルもプレゼントした人物も知らなかった)、
海軍に捕らえられ絞首刑にされそうになったが、ローラという女海賊の襲撃に便乗して脱出し、
なし崩し的にローラ率いる海賊団に身を寄せる形で海賊となった。
この時期にたまたま単身「ポセイドンの峰」で遭難した際にジャックに助けられて共闘したことがあり、
この時の縁がきっかけで数年後にジャックの傘下に入った最古参の仲間であった。
最終更新:2025年02月22日 13:02