【スーパーマリオくん(嵩瀬版)】

このページでは嵩瀬ひろしの漫画、 スーパーマリオくん を解説する。
沢田ユキオの漫画は【スーパーマリオくん】を参照。
しごと大介の漫画は【スーパーマリオくん(しごと版)】?を参照。

プロフィール

スーパーマリオくん


他言語

ジャンル

ギャグ漫画

作者

嵩瀬ひろし

レーベル

ビッグコロタン
ぴっかぴかコミックス

掲載誌

小学一年生→小学二年生

発表期間

1986年~2000年?

巻数

ビッグコロタン:全4巻+大長編1巻
ぴっかぴかコミックス:全5巻

シリーズ

マリオシリーズ

マリオシリーズを題材にした嵩瀬ひろしのギャグ漫画。1986年度の小学一年生にて先行連載されていた松田辰彦版「スーパーマリオくん」を引き継ぐ形で開始。当初は松田辰彦版マリオくんと嵩瀬ひろしのゲーム攻略漫画との2本立てで掲載、あるいは共著となっていた。
学年誌のタイアップ漫画は年度途中でタイトル変更しないまま作者交代することがしばしばあり、本作もその例である。付録のペーパークラフトや別冊ではドラえもんをはじめとしたゲーム外キャラとの共演も見られた。

掲載時期や内容の変遷により原作ゲームに準じたタイトル、または スーパーマリオワンダーランド スーパーマリオゲームランド など幾度か改題された。

ストーリー・作風

掲載時期や媒体により【マリオ】【クッパ】との対決をメインとした1話完結のドタバタコメディ、ゲームのコミカライズ、クイズやパズル・分岐を盛り込んだゲームコミックに分類できる。
学年誌掲載ということもあり下ネタ描写は皆無で、あっても直接的な描写はされていない。

コメディ回では掲載誌の都合1話2~4ページ程度の回、現実世界における季節の話題・行事を題材とした回もよく見受けられる。またこの時のクッパはキノコ王国の侵略を企む素振りは見せず、ピーチ姫を国益目的でさらうこともない。マリオたちと運動会を開いたりスキーに行くなど、ユルくてごく平和なキノコ王国の物語が展開される。

ゲームを下敷きにした回にはマリオシリーズだけでなく、攻略テクニックを交えた【テトリス】【クイックス】の紹介、さらには【スーパードンキーコング】のコングファミリーとの共演エピソードも描かれた。原作ゲームにおいては全く出番のないキャラクターも漫画ではレギュラーとして登場する傾向にある。

公式ですら設定の固まっていなかった時期から連載開始したため、漫画のキャラクターは当時のドット絵や公式イラストを元に作者の解釈を加えてデザインされている。その後公式側のデザインが更新されてもクッパ以外のキャラデザインは変更されなかった。
マリオと【ルイージ】の誕生エピソードに至っては【スーパーマリオ ヨッシーアイランド】発売より先に執筆された。当然シナリオはゲームと異なる。

小学一・二年生のほか、入学準備小学一年生、コロタン文庫やビッグコロタンで刊行されたマリオ関連本にも嵩瀬ひろしによるマリオのイラストや漫画が掲載された。
このうち『スーパーマリオ クイズコミック超全集』『スーパーマリオ攻略クイズ全百科』は嵩瀬ひろし作画にもかかわらず、マリオを含めた全キャラクターが公式イラストに準じた別デザインで描かれている。

刊行レーベル

小学館のマリオ漫画は同一タイトルながら作者とメイン掲載誌の異なる嵩瀬版・沢田版の2作品が長期に渡り併存していた。学年誌の漫画は「てんとう虫コミックス」レーベルでの刊行が通例となるが、嵩瀬版は1990年代から「ビッグコロタン」レーベルで刊行された。てんとう虫コミックスで先行刊行されていた沢田版との混同を避けるためだろう。

2000年代には低年齢向け作品をセレクトした「ぴっかぴかコミックス」レーベルで刊行された。この版はビッグコロタンの再掲が主だが、クッパのデザインに加筆修正が加えられ、登場する敵キャラには注釈による説明が付いている。

このほか1996~1998年にはハードカバーの児童書レーベル「ワンダーランドブックス」にてゲームコミック【スーパーマリオ わくわくゲームランド】?が刊行された。

キャラクター

  • 【マリオ】
    主人公。基本的にのん気な性格。クッパがバレバレな変装をした上それが解けても気付かない、ヨッシーの身の安全よりクッキーを選ぶなど、すっとぼけた面がある。その一方で【クランキーコング】を1人で助けに向かうなど、強い正義感も持ち合わせている。一人称は「ぼく」。
    主人公補正でかなり運がよく、クッパの罠を意識せずかわすなど悪い目に遭うことはほとんどない。
    服装の特徴は熊耳のように膨らんだ2つのコブがある帽子とオーバーオールの大きなボタン。また手袋はつけておらず素手。特徴的なコブは【マリオブラザーズ】のアートワークに準拠したものと考えられる。
    ビッグコロタンではキノコ族の一員を自称するセリフがあるが、ぴっかぴかコミックス再掲の同一エピソードでは変更・修正されこの設定は無くなった。
  • 【ピーチ】
    キノコ王国の姫。マイペースでおっとりしておりやや天然。他作品のような気の強さやおてんばさは見られず、相手がクッパや【ワリオ】であろうと穏やかな態度で接する。しかし同性の【キャプテンシロップ】【ポリーン】に対しては闘争心や嫉妬の感情を見せた。一人称は「わたし」。
    幼年期を描いたエピソードでマリオ達より4歳年下であることが判明する。
    料理が好きで城や出先で料理をしたり、お手製の弁当やケーキなどを持参する描写が多い。出来栄えは普通に良い場合もあればやたら巨大になったりと安定しなかったが、しだいに下手の横好きで不味いという評価が定着した。
    ふんわりとした明るい茶色のストレートロングヘア、黒い大きな瞳、着せ替え人形のように細い体型が特徴。公式イラストよりも【スーパーマリオブラザーズ】におけるドット絵をそのまま漫画に起こしたような外見をしている。
    アウトドアやスポーツの際も常にドレス姿だがいわゆる着た切り雀ではなく、夏にはノースリーブになったりと回によりデザインが変わっている。マリオ同様やはり手袋はつけておらず素手。
  • 【クッパ】
    城を構え多数の手下を従えるカメ一族の長。ゲームや他漫画と異なり凶悪さはなく悪役というよりもマリオのライバル兼ケンカ友達といったところ。一人称は「オレさま」。
    マリオに勝負を挑み張り合うが負けることがほとんど。特に手下を使うなどしてズルをした場合たいていひどい目に遭う。
    ピーチ姫が好きで度々アプローチをかける。一方ピーチ姫からは「クッパさん」と呼ばれパーティーに招待されたりといい友人ポジションでこれといって危険視はされていない。クッパもキノコ城へ自由に出入りしており、侵略や姫さらいの実力行使に出ることも少ない。隣国の領主のような扱いなのだろうか。
    長年スーパーマリオブラザーズにおける公式イラストとドット絵を折衷したような無毛の1本角で描かれていたが、公式に追従した赤髪の2本角に改められた。
  • 【ルイージ】
    マリオの弟。準レギュラーのため登場しない回も多く、ハイキングの話では迷子になったものの他キャラから存在を忘れ去られたほど。出番が少なくあまり特徴のない地味キャラだが、マリオより俗っぽい面がある。一人称は「ぼく」または「おいら」。
    顔つきや体型は連載開始当時のドット絵同様マリオと全く差別化されておらず、服の色しか差異がない。モノクロページでの服は斜線模様または白抜きにされている。この双子設定を利用した話もある。
  • 【キノピオ】
    ピーチ姫に仕えるキノコ族の少年。
    大長編を除けばキノピオと呼ばれる人物は彼1人しか登場せず、複数描かれることもない。どうやら種族名というよりも個人名のようだ。他のキノピオに代わり多数登場するのはスーパーキノコのようなキャラとなっている。
    家族にはおむつとおしゃぶりを付けた赤ちゃんの弟、過去ピーチ姫に仕えていた父親がいる。
  • 【ヨッシー】
    緑の恐竜。語尾にヨッシーと付けることがある。食欲旺盛な大食いキャラ。
    外見は原作に沿っており初期キャラのような差異は見られない。
  • 【ワリオ】
    【スーパーマリオランド2 6つの金貨】発売後、クッパと入れ替わりに登場したライバルキャラ。
    クリボーやパタパタたちも手下に従えている。外見はやはり原作との差異はない。
    金にがめつく強がり。特にマリオには対抗心を燃やしているものの、原作よりやられ描写が目立つ。

刊行情報

すべて小学館刊。2022年時点で絶版・電子書籍版は未配信。

  • ビッグ・コロタン
    • 56 カラースペシャル版 スーパーマリオくん
    • 61 カラースペシャル版 スーパーマリオくん2
    • 70 カラースペシャル版 スーパーマリオくん3
    • 76 カラースペシャル版 スーパーマリオくん4
    • 85 大長編スーパーマリオくん1 マリオ史上最大の危機
      • 初となる読み切り長編。大長編1とナンバーが振られているが続刊はない。
  • ぴっかぴかコミックス
    • スーパーマリオくん1
    • スーパーマリオくん2
    • スーパーマリオくん3
    • スーパーマリオくん4
    • スーパーマリオくん5

関連書籍

以下は嵩瀬ひろしによるマリオ漫画単行本、もしくはイラスト・漫画を掲載したマリオ特集本。
こちらもすべてすべて小学館刊。2022年時点で絶版・電子書籍版は未配信。

  • ワンダーランドブックス
    • スーパーマリオ わくわくゲームランド
    • スーパーマリオ わくわくゲームランド2
  • コロタン文庫
    • 118 スーパーマリオ全百科
      • 漫画とイラストを多用したキャラクター紹介兼攻略本。マリオ1・2ページのイラストはどことなく沢田マリオ風。
    • 125 スーパーマリオ冒険ゲームブック
      • 柴尾豊太郎構成・嵩瀬ひろし画によるゲームコミック。
    • 129 スーパーマリオ超ワザ全集
    • 133 スーパーマリオ攻略クイズ全百科
      • クイズの問題としてイラスト多数だが、絵柄はいつもの嵩瀬マリオではない。
    • 140 ス-パ-マリオ ヨッシ-アイランド全百科
      • 攻略本。説明用の漫画を随所に掲載。
  • ビッグコロタン
    • 63 スーパーマリオ クイズコミック超全集
      • タイトル通りクイズや分岐を盛り込んだゲームコミック。公式イラストを併用しており絵柄はいつもの嵩瀬マリオと異なる。
    • 67 パーフェクト版 マリオキャラクター大事典
      • 1994年刊行当時までのマリオキャラを年代問わず公式イラストとともに紹介。随所に嵩瀬マリオの2~4コマ漫画を掲載。

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最終更新:2024年12月28日 17:01