• アドリア海、上空9000m、午後11時-

俺「今日は何も来ないね」

ハイデマリー「嵐の前の静けさ、でしょうか」

俺「どうだろう・・・」

ここに来て一か月、14、5回目の夜間哨戒だがいつもと違って敵が居ない
居ない、というより反応が無い。半径数百キロ圏内にネウロイが一匹も存在しないのは初めての事例だ
ネウロイの巣の近くなのにこんな事が起こるのは...

ハイデマリー「ネウロイの大群を発見。方位170度、距離400km・・・高度30m!?」

ハイデマリー「時速600km/hで方位225度に...

俺「マルタ島を襲撃する気か・・・オストマルク方面から迂回して侵入したな」

すぐに目標をロックしようとするが...駄目だ。距離が開き過ぎて迎撃出来ない。高度が低い以上レーザーの減衰が激し過ぎる...

俺「すぐにマルタ島に連絡しないと!」

ハイデマリー「・・・妨害電波で連絡出来ない...」

俺「マジで占領する気か・・・」

マルタ島は地中海の真ん中にあり、ヨーロッパからアフリカまでの補給路を繋ぐ橋となっている
ここが陥落すればアフリカとの補給路を断たれる。無論地中海沿岸地域の危険度も増すだろう・・・

ハイデマリー「こちら夜間哨戒部隊!本部応答願います!...


  • ブリーフィングルーム、午前12時-

ミーナ「今の状況を説明するわ」

ミーナ「ハイデマリーさんと俺さんの報告を受けて連合国本部はマルタ島に偵察部隊を派遣し、マルタ島にネウロイが侵略したのを発見」

ミーナ「マルタ島の防衛部隊は一部を除き壊滅。残った部隊はゴゾ島まで住民を護衛しながら移動しているわ」

ミーナ「コレを受けて艦隊は住民達を本土まで送る輸送船部隊とバレッタ市街のネウロイを殲滅する連合艦隊を派遣する事になったの」

ミーナ「無論私達も一緒に出撃する事になっています。任務はマルタ島の奪還です」

バルクホルン「マルタ島の状況は?」

坂本「バレッタ市街とバレッタ港は既にネウロイの手に落ちているようだ。住民と残存部隊は北部のゴゾ島に逃げているらしい」

坂本「現在はバレッタ市街を大きく囲むようにドームが建設されている。今のうちに破壊しないと侵入が困難になるだろう」

シャーリー「肝心のネウロイはどのくらいの兵力なんだ?」

ハイデマリー「探知出来たのは...恐らく大型が10体に護衛機が50体以上だと思います」

坂本「それに合わせてバレッタ市街と郊外に潜伏している陸上型もいるな」

ハルトマン「・・・流石にこの数はキツクない?」

ミーナ「大丈夫よ。心強い応援が来てくれたわ。どうぞ!」

扉から入って来たのは一人の長髪のウィッチ。新聞で見た事がある顔だが...

ハンナ「第31統合戦闘飛行隊所属、ハンナ・ユスティーナ・マルセイユ、大尉だ」

バルクホルン「マルセイユ!」

ハンナ「? ハルトマンなのか?・・・久しぶりだなっ!」

エーリカ「ふぇ?」

ハンナ「航空学校以来か?・・・いや違うな。JG-52の第四中隊だ!そうだよ!覚えているか?あの融通の利かない上官...何て名前

バルクホルン「ゲルトルート・バルクホルンだ」

ハンナ「あぁそうだった。久しぶりだな。バルクホルン?」

バルクホルン「・・・」

俺「賑やかですねぇ...ハイデマリーは彼女たちと一緒では無かったんですか?航空学校では」

ハイデマリー「ええ、夜間戦闘の航空学校とは違っていたので」

俺「なるほど・・・」

そういえば俺、結局何も試験も受けずに今までやってきちゃったけど良いのか?やっぱ時間でも作って航空学校でも行ってみようかな・・・

宮藤「俺さんはマルセイユさんの事知っていたんですか?」

俺「活躍は新聞で見させてもらっていますよ。だいぶ有名な方らしいですね。アフリカの星と呼ばれているとか」

シャーリー「以外に博識なんだな~」

俺「新聞は見る方ですし、夜間哨戒時にラジオでよく聞きますからね」

彼女のブロマイドは人気なんだよな・・・お土産として何枚か入手しておこう

マルセイユ大尉とバルクホルン大尉は何か乱闘?を始めている。仲は良さそうだ。ただハルトマン中尉は呆れ顔だが

俺「決闘はそろそろ止めてもらえますかねー?」

ハンナ「...?バルクホルン、彼は誰なんだ?それに横にいるのはカールスラントの夜間戦闘部隊の者か?」

俺「ゴホン・・・こちらはカールスラント空軍第1夜間戦闘航空団司令、ハイデマリー・W・シュナウファー少佐です」

ハイデマリー「よろしくお願いします。マルセイユ大尉」ペコリ

俺「俺は同所属の俺大尉です。貴方の噂は色々聞かせてもらってますよ」

ハンナ「第一夜間戦闘航空団...あの部隊なのか?どんなに遠くにいるネウロイさえ焼き尽くすと言われる...

俺「俺のレーザー温めサービスは半径最大400km圏内のお客様のみに適応させてもらっています」

ハンナ「・・・期間限定サービスでもあるのか?」

俺「はい。近くまで来られた方には高出力のマイクロ波と20mm弾の洗礼を行います。いつでもやっていますよ」

ハンナ「まったく・・・上層部も恐ろしい者を呼んだな」

俺「貴方も中々な(腕前の)方だと俺は思っているのですが」

ハンナ「・・・こういう時は何て言うんだ?バルクホルン」

バルクホルン「『お前が言うな』じゃないか?」

ハンナ「それじゃあ私も変みたいじゃないか」

バルクホルン「私もお前の事を"中々"な奴だと思っているからな」

ハンナ「・・・」ムスムス


  • 展望台、午後2時-

ハイデマリー「・・・糸が絡み合うような軌跡ですね」

上ではマルセイユ大尉とハルトマン中尉、バルクホルン大尉が訓練と言う事で阻害気球のターゲットを叩き落としていた

3人とも格闘戦においては世界トップクラスの腕前だ。彼らは綺麗な軌跡を描きながらターゲットを撃破している

俺「さすがエースですね。真似出来ませんよ」

機体性能からして真似出来ないし、戦い方としても真似出来る物では無いだろう

ま、どちらにせよ俺ならレーザーとメーザーで焼き払うだけだがな

俺「そう、明日の作戦でちょっとした提案があるんですが...

俺は近くにいたミーナ中佐と坂本少佐も呼び、自分の考えたある戦法に付いて話した

坂本「近接航空支援?」

俺「はい。恐らく敵は市街地の建物に隠れていると思うんです」

俺「俺のレーザー攻撃は敵がこちらから見える状況下で無いと上手く使う事は出来ません」

俺「見えないと撃てない。逆に言えば...

ハイデマリー「見える所まで移動・・・でも一々移動するのは大変では無いでしょうか?」

俺「それを解決する為に...こうやって」

ポケットに入れっぱなしの鉛筆を取り出し、下の石畳に絵を描こうとするが・・・線が薄いけど何を伝えたいかは分かるはずだ

俺「市街地を大きく円で囲むように飛行するんです。そうすれば効率良く敵を迎撃出来ますし、一々上空を反復する必要もありません」

ミーナ「・・・分かったわ。今回は俺さんとハイデマリーさんにはこの近接航空支援を行って貰う事に...

俺「俺一人で十分でしょう」

ハイデマリー「それは・・・もし俺さんが敵に迫られた時の為にも・・・」

俺「ハイデマリーは俺より近距離戦闘が上手い。だから皆と一緒にバレッタ市街の攻撃に向かって欲しいんだ」

俺「こっちに敵が迫った時は何とか対処するよ。MG151/20もあるし迎撃くらいは出来る」

ハイデマリー「・・・分かりました。もし敵に貼り付かれたらすぐに報告してくださいね?すぐに助けに行きますから」

俺「分かってる分かってるって・・・」

俺一人の為に戦力を割くのはもったいない。それに俺をカバーするより彼女一人が自由に動いた方がまだ安全だ

その前に俺は今まで近距離戦闘をハイデマリーに頼り過ぎていた。今回の戦闘は新しい戦法も合わせて良い訓練になるだろう・・・


  • 私室、午後9時-

俺「うーん・・・」

明日行われる戦いの参考にとミーナ中佐からとある本を借り、読んでいたのだが...

俺「あんまり参考にはならないな・・・」ペラッ

ハイデマリー「今帰りました」ガチャ

俺「露天風呂はどうだった?」

ハイデマリー「とても気持ち良かったです。俺さんは行かないんですか?」

俺「先にシャワーで済ませておいたよ。どうも俺にはあの解放感は好きにはなれないからね」ペラッ

ミーナ中佐には大浴場の方も勧められたが...贅沢過ぎたのでシャワーにしたのだ

ハイデマリー「それは・・・シュトゥーカ・パイロット?」

俺「うん。急降下爆撃で有名なウィッチの自叙伝、と言う事で参考になるかなって思ったんだけど・・・」

俺「読み物として面白いよ。参考になる所もいくつかある」

ハイデマリー「一緒に読ませてもらっても?」

俺「ええ、どうぞ」

俺は座っているベットの脇...では無く自分の膝を指さす

彼女は一瞬キョトンとしたものの、顔を赤らめながらも俺の膝の上に座ってくれた

俺「えーっと・・・一章は生い立ちから始まるんだけど・・・ここから読んで行こう」

彼女の両脇に腕を通し、膝の上に本を置いてゆっくり捲りながら読んでいく

俺「・・・ハイデマリー」

ハイデマリー「何でしょう?」

俺「ちょっと重くなってない?」

ハイデマリー「えっ?・・・ええっ!?」

彼女は急に慌て始め、俺の膝の上で自分の体を確認している

ハイデマリー「本当なんですか!?・・・嘘ですよね?」

俺「うん」

ハイデマリー「・・・もうっ!いじわるしないでください!」

俺「ゴメンゴメン・・・」

拗ねてしまったハイデマリーの機嫌を取り戻すべく頭をゆっくり撫でてみる

ハイデマリー「...どうして人を困らせるんですか?」

俺「構って欲しいからかな・・・でもハイデマリー以外の人にはしないよ」

ハイデマリー「もう・・・嬉しいのか悲しいのか分からないです・・・//」

―俺はそのまま彼女が眠るまでゆっくりと頭を撫でながら抱きしめる事にした―


  • マルタ島、沖合10km、午前10時-

ミーナ「皆、用意は良いわね?」

ハンナ「準備万端だ」

再度MG34を構える大尉。皆も同じように装備の確認を行っている
下にはロマーニャ艦隊が同じくマルタ島を目指して進んでいる。彼らの任務は敵への砲撃支援と民間人の救出らしい

坂本「俺、ここからネウロイを狙えるか?」

俺「・・・残念な事にどのネウロイも地上に貼り付いたままですよ」

建物の陰に隠れたり広場で低空で止まっているのだろうか。ここから判別出来るのは殆ど無い

俺「では作戦通り先に行かせてもらいますね」

ハイデマリー「頑張ってください、俺さん」

俺「・・・行ってきます」

編隊から離れた俺は高度5000mまで上昇し、市街地を大きく回る軌道に乗る
それを合図としてウィッチ部隊が市街地へと突入を始めた

俺「IRセンサー起動っと...」

視界が白と黒の2色のみに変わる。淡い灰色で視える市街地の中、白く視える物体にレーザーをロック。この距離なら誤差の修正は要らない

俺「陸戦型ネウロイ発見。攻撃開始!」

放たれたレーザーが装甲を加熱、破壊し数秒も掛からずにネウロイは白い破片となった

ハンナ≪5!≫

エーリカ≪7!≫

バルクホルン≪撃墜数で競っている...場合かっ!≫

敵が上がってこようとするのを皆が一斉に攻撃を行い撃墜している。これで小型機の相手をしないで済むな・・・
俺は皆でも撃破が困難な大型機を狙ってレーザーを照射し続けた

シャーリー≪俺!教会の前にでっかいのがいるんだ!攻撃を頼む!≫

俺「どこの教会ですか!?」

ルッキーニ≪えーっと・・・聖ヨハネ大聖堂って所!≫

俺「了解!・・・ロック完了!」

俺「ファイア!」

シャーリー≪おっと!・・・レーザーがユニットを掠めたぞ!少し焦げている!≫

俺「ごめんなさい!後で弁償します!」

大型の陸戦タイプの装甲が融解し大きく穴が開く。その穴にシャーリー大尉とルッキーニ小尉が集中攻撃を行って完全に破壊した

俺(混戦下で不可視レーザーを撃つのは不味いな・・・)

メインの中赤外線レーザーに別の赤色光レーザーも加えるように変更を行った。これで他の人にも視認出来るはず...

俺「ケツ見せながら逃げんなッ!」

パオーラ方面に敗走している陸戦ネウロイ2機をロック、出力最大でレーザーを貫通させて破壊した

ハイデマリー≪俺さん!東側から何か来ます!≫

俺「分かった!今確認する!」

ここから6km、ビルキルカラからこちらに陸戦型25機が向かって来ていた。道路を通ってバレッタまで侵攻する気らしい

俺(かなりの数・・・一々焼くのは面倒だな・・・)

俺「・・・こちら攻撃部隊!連合艦隊に砲撃支援を要請します!」

?≪...こちらブリタニア海軍所属、戦艦キング・ジョージ5世の艦長のジョン・トーヴィー提督だ≫

俺「おっと・・・あー・・・提督、現在ビルキルカラより敵陸戦型ネウロイが進撃しています。砲撃支援を行ってもらえるでしょうか?」

俺は今まで支援要請なんて物を出した事は無い。とりあえず座標を言えば良いんだっけ・・・?

ジョン≪敵の詳しい座標を教えてくれるかね?・・・君は・・・≫

俺≪俺大尉です。敵は貴艦から方位245.5度、距離15.82kmの地点にいます。北緯35度53分45秒91、西経14度27分52秒05の位置です≫

牽制用に最大出力で敵部隊の目の前を薙ぎ払っておく。薙ぎ払われた石畳がドロドロに溶け、敵の進撃が止まった

ジョン≪・・・詳しい座標の指示に感謝するよ、俺大尉≫

ジョン≪全艦、砲撃開始!  ドォォォン!!!≫

無線から轟音が聞こえて十数秒後、ネウロイの元に十数発以上の砲弾が降り注ぐ
一発数百kg以上ある砲弾が炸裂、またはそのまま命中しネウロイ達が文字通りズタズタにされるのが視えた。生き残っているネウロイは居ない

俺「ネウロイの殲滅を確認しました。支援に感謝します」

ジョン「また何かあれば言ってくれ。我々が出来る限りの支援を行うよ」

俺(ブリタニアの方って優しんだな・・・)

俺「ありがとうございます。提督」

無線を切り、バレッタ市街への攻撃を再開しようと思った矢先―

ハンナ≪俺!後ろだ!≫

俺「え?」

確かに後ろから微弱な反応が高速で接近している。それは急に大きくなって...

俺「ネウロイ!!」

咄嗟に後ろ手にシールドを張るがビームを抑えきれない。高度を下げて射線から離脱、振り切ろうとするがしつこく"ソイツ"は付け回してきた
角度が全て統一された主翼と尾翼、エアインテークの形状。どれも俺がゲームで乗り回し、そして落とされ続けたあの機体の特徴に一致している...

俺「F-22か。現実通りの性能なら勝てないぞ・・・」

ハイデマリー≪俺さん!今そっちに行きます!耐えて下さい!≫

俺「...ここは頼るしか無いな」

バレルロールをしながら高度を下げ、シザースを繰り返してビームを避け続ける
その間にもしつこくビームを撃ち続けるネウロイ。シールドを後ろに貼って俺は耐え続けた

俺「一機何億か知らないが・・・落ちろッ!」

隙を突いて後ろに向かってメーザーを撃ち込むが回避されてしまう
本来の迎撃用のMG151/20はこの状況下で安定して撃つ事が出来ない。下手すればストライカーを撃ち抜いてしまうだろう

俺「チッ...落ちろ落ちろ落ちろッ!!」

放たれるメーザーをいとも簡単に避けるネウロイ。そうしている間にハイデマリーが上空を通り過ぎる
そのまま彼女はスプリットSで俺をつけ回しているネウロイの後ろについた

ハイデマリー≪俺さん、私の合図で右に離脱してください!...≫

ネウロイのエンジン出力が上がっている。それにエンジン周りで何かが...

俺「今すぐ離脱するんだ!」

ハイデマリー≪? 一体何が・・・≫

次の瞬間、ネウロイは勢いよくその場で宙返りし彼女の後ろに付く

ハイデマリー≪嘘ッ?! 回避し...≫

機動に驚く彼女は回避出来ないままネウロイの攻撃をユニットに浴び、高度を落としていく

ハイデマリー≪きゃぁ!!...≫

俺「ハイデマリー!!」

ハイデマリー≪...大丈夫です。左のストライカーをやられた...ボンッ!≫

俺「ハイデマリー?・・・応答してくれ!」

彼女を見失った地点まで戻ろうとするものの、さっきのネウロイが離れないお陰で探す事も出来ない

俺「ミーナ中佐!ハイデマリーが墜落しました!至急応援を!」

ミーナ≪...分かってるわ!でもこっちは手一杯なのよ!≫

宮藤≪私がハイデマリーさんの捜索に行きます!≫

坂本≪ダメだ宮藤!今は持ち場を離れるな!≫

俺「少佐!」

坂本≪こっちは今ネウロイ40機に取り囲まれているんだ!すまない・・・≫

俺「・・・クソッ!」

ハンナ≪少し手間取っているが・・・すぐに片付ける!それまで耐えてくれ!≫

エーリカ≪あと37機!...≫

俺(このまま彼らに頼る訳にはいかない...)

高度を30m以下まで下げ、機体性能を生かし低速で市街地を縫うように飛ぶ。だがネウロイは諦めずに俺を追い続けていた

俺(何か利用できるもの・・・)

センサーに写るのは建物やネウロイだけだ。使えそうな物は...

俺(・・・アレだ!)

1200m先、マンションの上に置かれた給水塔。俺はそれに向かって針路を変更する

俺(IRSTは使えない。感でタイミングを計るしかない...!)

俺は速度を上げてマンションに向かって突っ込んでいく。その後を追いかけるネウロイ

俺「エアバック付いてるか!?」

俺「・・・シュターリュン!」

マンションに衝突する寸前、俺は塔に向かってメーザーを照射
塔内部に蓄えられた水が一気に沸騰、辺り一面が水蒸気に包まれる中を俺は急上昇していく

俺「上がれぇええええええええええ!」

水蒸気を抜けるとそこには青空が広がっていた。ほっとしたのも束の間、後ろで何かの衝突音が響く
霧の間から見えたのはマンションに突っ込み、原型をほぼ失ったネウロイの残骸だった

俺「レーダーを付けておくんだな」

必死に飛び立とうとするネウロイに向かって20mm弾を掃射、完全に破壊する

俺「・・・ハイデマリーを探さないと・・・」

俺「ハイデマリー!どこにいるんだ!」

ハイデマリー≪ザザッ...おれさん...私は...≫

俺「ハイデマリーか!?怪我は無いのか!?」

ハイデマリー≪ちょっと切っただけです...どうやらどこかの...通りに墜落したようですね...ザザッ≫

俺「分かった。そこから動かないで待ってくれ!」

話している間に501のメンバーの通信が入ってきた

エーリカ≪俺!今こっちの敵の掃討が終わったよ!≫

ミーナ≪今そっちに宮藤さん、リーネさん、ペリーヌさんが向かっています!3人でハイデマリーさんを救出して下さい!≫

坂本≪我々はこのまま郊外にいる残存勢力を叩く!ハイデマリーを救出したら連合艦隊まで向かえ!≫

俺「了解です!」

俺はこちらに向かってきた3人と合流し、ハイデマリーが通信を送っていると思われる大通りまで大急ぎで向かった

宮藤「ハイデマリーさん!どこですかー!?」

リーネ「俺さん!あのストライカーの残骸は...」

俺「・・・ハイデマリーの物だ」

通りの真ん中で燃え上がっているストライカーがそこにはあった。損傷が激しくもう修理は出来ないだろう

ペリーヌ「まさか・・・亡くなってしまわれたのでは・・・」

俺「アレは戦闘中に落ちた左脚の方だ。この近くに...

ハイデマリー「おれさん・・・それにみんな・・・」

俺「ハイデマリー!!」

通りの脇の路地裏で壁にもたれ掛かる彼女の姿があった。体中に怪我をしていたものの、俺達の姿を見てほっとしたのか弱弱しく微笑んでいる

俺「宮藤!彼女を早く治療してやってくれ!」

治癒魔法によってすぐに傷が治っていく。治療が終わる頃には彼女本人も気力をある程度取り戻していた

ハイデマリー「今回は俺さん...皆さんにご迷惑をお掛けして誠に申し訳ありませんでした」

俺「いいや、今回ハイデマリーが撃墜されたのは俺のせいだ。だから謝らなくて良い。本当に申し訳なかった・・・」

ハイデマリー「そんな事無いです!私があの時俺さんから離れないようにしていれば...」

ペリーヌ「・・・もう!今そうやっている暇は無いのですよ!?今すぐ連合艦隊まで...

リーネ「・・・皆さん」

宮藤「どうしたのリーネちゃん?」

リーネ「う、後ろに・・・」

後ろを振り向くと大型のネウロイが通りにいた。しかもバッチリこっちを見ている

宮藤「皆下がって!」

宮藤が前に立ち大きくシールドを展開する。ネウロイが放ったビームを受けとけるが...

宮藤「戦闘で魔法力が...」

段々強まるネウロイのビーム。このままでは宮藤軍曹のシールドが落ちてしまう・・・

俺「攻撃!」

MG151/20とボーイズ、ブレンが一気に火を噴く。だがネウロイの装甲は弾を受けつけてくれない

宮藤「もうシールドが・・・持たないっ!」

俺(・・・一気に叩くしかない)

装甲の強さから見てメーザーが通る相手では無い。だが...

俺(より強力なレーザーを撃ち込めば・・・倒せる!)

魔法力変換開始。出力最大。波長と周波数を変更...

ハイデマリー「青い光・・・」

右掌が青く輝き、路地裏がビームの赤と掌の青の光で埋め尽くされる
俺は掌をネウロイに向けて一気に魔法力を電磁波に変換、放出した

俺「ファイア!!!」

掌から放たれたのは青紫色の光の濁流。ネウロイの装甲は光を受けて分解されていく...

リーネ「ネウロイが・・・消滅していく・・・」

俺「・・・ぐぁあああああああああああああああああああああ!!!...」

ハイデマリー「俺さん?・・・俺さん!」

俺「...」ドタッ

ハイデマリー「しっかりしてください!俺さん!!...
最終更新:2013年02月07日 13:51