俺「畜生!またかよっ!!」
カネパルト「あーあ… 本日2度目ですね、隊長」
ハンス「はぁ… こんな砂漠のど真ん中でエンジン故障とか…」
俺「まぁ愚痴ばっかり言ってても仕方が無い、さっさと直しにいくぞ!」
俺たちの乗る
ティーガーⅠは、統合戦闘飛行隊「
アフリカ」の所まで移動しろと上の者から命令され、移動している最中だった。
普通、ティーガーには5名乗るはずだが、俺達の愛車には19歳のハンス、21歳のカネパルト、そして25歳の俺の3名しか乗車していない。何故だかは判らない。
俺「ふぅ…暑っ」
ハッチを空け、さんさんと降り注ぐアフリカの太陽光を肌で感じると、全身からぶわっと一気に汗が吹き出してきた
俺「おーいカネパルト、そこの工具を取ってくれ」
カネパルト「了解。はい、どうぞ」
俺「どうも」
暑さを我慢しながら、俺はエンジンハッチを開け、ポンコツエンジンを弄くり始めた
俺「くそぅ…状態が悪いぜ…」
ハンス「やってられませんね、一日に何度も故障されてたら」
俺「まったくだ。ところでハンス、お前の嫁さんは元気か?」
カネパルト「そうだった、ハンスは結婚してたんだっけな。若いのに、羨ましい限りだぜ」
ハンス「昨日、手紙が来たんですが、元気みたいです。 あっ!それと二人に報告が…」
俺「報告?なんだ?」
ハンス「実はですね…子供が出来たんですよ」
俺「……は?」
カネパルト「…お前、何言ってんだ?」
ハンス「この前に貰った休暇のとき、がんばったら……嬉しいことにオメデタでした」
俺「……な、なにぃぃぃぃ!? お、お…お前はまだ、19歳だろ!?」
カネパルト「しかも、今は戦時中なんだぞ!?」
ハンス「まぁ、戦時中ってのは重々承知してますけど… おれたち子供が欲しかったんで」
俺「……はぁ…若気の至りとは、まさしくこの事だな……とにかく、おめでとう」
カネパルト「畜生! おれより若いハンスに結婚を先越され、そして子供まで先越されちまったよ!! まぁ…おめでとう!」
ハンス「ありがとうございます」
カネパルト「あーっ! おれも結婚したいなーっ!!」
俺「そうか? まぁ、結婚うんぬんより、お前は女にモテないだろ」
カネパルト「なっ! そういう隊長こそ!!」
俺「俺は別にいいもんねー 女には興味ないし。 このティーゲルちゃんを弄くる事さえ出来れば、それで満足だし」
ハンス「そう言う人に限って、早く結婚するもんですよ」
俺「ないない、絶対ない」
カネパルト「女に興味無いってことは…隊長は男が好きなんですか?」
俺「バカ野郎! 男のきたねぇケツなんぞに興味ある訳ねぇだろ!」
ゴツン!
カネパルト「いてっ! もう…殴らなくたって、いいじゃないですか…」
ハンス「ははは……ん?隊長、2時の方向から何か来ます」
俺「どれどれ……双眼鏡で……あれは…Sd.Kfz.250とBMW・R75?」
カネパルト「ちょうどいい。エンジン直すのを手伝ってもらおう」
俺「いや、待て……ちくしょう!ネウロイだ!あのハーフトラック一向様を追って、ネウロイがいる!!」
ハンス「マズイ! こっちに向かってきます!!」
俺「お前ら!戦闘配置につけ! 移動は出来ないが、この88mmだけで十分だ!」
俺「AP(徹甲弾)の装填急げ!!」
カネパルト「装填完了!いつでもいけます!」
俺「ファイアッ!」
ドゴーン!!
俺「命中!! 次弾、急げ! ネウロイが迫ってくるぞ!」
カネパルト「装填完了!」
俺「ファイアッ!!」
ドゴーン!
俺「また命中したぞ!! でも、全然効いてねぇー!!」
ハンス「た、隊長!! 攻撃来ます!!」
俺「や、ヤバイ!!総員退避!!急いで外へ逃げろっ!!」
俺達3人は、脱出用ハッチから急いで逃げ、一目散に走り始めた
逃げ出してから1分経たずにして、先ほどまで乗っていたティガーはネウロイの攻撃で木っ端微塵となった
カネパルト「ひぇーっ!! ティーガーが大爆発だぜぇ!!」
俺「そんなのん気なこと言ってる場合かっ!! もっと早く走らないと、死ぬぞ!!」
ハンス「あ、あれっ!? いつの間にかハーフトラック一向が…どっかに行っちゃいました!」
俺「ってことは、俺達だけが標的って事かっ!!」
カネパルト「わわわっ! 攻撃、来るぞっ!!」
ハンス「こんな所で死にたくない~!!」
カネパルト「どうせ死ぬなら、女を抱きながら死にてぇよ~!!」
俺「く、くそっ!! これまで―――」
ドゴーン!!
ネウロイ『ギギャーッ』
俺「おわっ!?い、一体何が起きたんだ!?」
ハンス「た、隊長!! アフリカの星です!」
俺「アフリカの星だと!?」
カネパルト「イヤッフゥ~ッ!! 助かったぜ!!」
ライーサ「司令部!こちら黄の2!オアシス東18km地点でネウロイに遭遇!!報告を受けたネウロイと思われる!尚、将軍一向は無事!」
「それからカールスラント陸軍と見られる…兵士3名!」
マルセイユ「ライーサ! いくぞ!!」
ライーサ「了解!!」
ドガガガガガガガ
マルセイユ「ちっ! また逃げられた!」
ライーサ「仕方が無いよ、ハンナ。私達は地上攻撃魔女じゃないもん。地上型ネウロイは陸戦ウィッチか地上攻撃魔女じゃないと…」
カネパルト「ヒャーハー!!助かったぜ!!」
ロンメル「ああ、命拾いしたな」
3人「「「!!」」」
ロンメル「やぁ、ティーガーに乗っていたのは君達かね?」
3人「「「か、閣下!! その通りであります!!」」」
ロンメル「いやぁ、君達は本当に良い囮になってくれた! 助けてくれて、本当に感謝してるよ」
3人「「「は、はっ!!」」」
ロンメル「では、また私はこれで失礼するよ」ザザッ
ハンス「ど、どうしよう…おれ、
初めてロンメル中将と喋りました…」
カネパルト「おれも…同じだ」
俺「…同じく……ところで、俺たちはどうすればいいんだ?ティーガーも無いのに、どうやって移動する?」
カネパルト「あ」
ハンス「た、確かに…空を飛んでるウィッチに相談してみましょうか?」
カネパルト「アフリカの星にか!?」
ハンス「元々、おれたちは『アフリカ』に行くはずだったんですし…ちょうどいいでしょう。 お~い!! お~い!!」
マルセイユ「ん?あそこの兵士達、私達を呼んでいないか?」
ライーサ「行ってみる?」
マルセイユ「一応、行ってみるか」
ハンス「あ、来た来た! お~い!!」
カネパルト「お、おいハンス! そんなにラフでいいのかよ!?」
ハンス「なんとかなるでしょう」
俺「どうなっても知らんぞ…」
俺は彼女達が向かってくるのに対して、背を向けて呆れながら煙草を吸い始めた
マルセイユ「お前達、どうしたんだ?」
ハンス「あっ!マルセイユ中尉、ちょっとお聞きした事があってですね…ここから統合戦闘飛行隊「アフリカ」までどれくらいの距離ですか?」
マルセイユ「なんだ、お前達は私達の所に用事があるのか?」
ハンス「はい」
カネパルト(…マルセイユ中尉…う、美しい…)
ライーサ「もしかして、あなた達が今日来る事になっていた人たち? 」
一人のウィッチが声を掛けたのに、俺は彼女達の方へと振り向いた
俺「ああ、俺たちがその"今日来る事になっていた"人た…………………」
カネパルト「た、隊長…? どうしたんですか?」
ライーサ「?」
俺「あ、いや…その…なんでもない…」
ハンス「えっと…マルセイユ中尉、統合戦闘飛行隊「アフリカ」までの距離は…」
マルセイユ「ああ、大体20kmぐらいだな」
カネパルト「に、20km!? 歩いて行ける距離じゃねーっ!!」
マルセイユ「なんだ、お前達はティーガーで来たんじゃないのか?」
ハンス「そうですが…木っ端微塵に…」
マルセイユ「ああ…」
ライーサ「それじゃぁ、ここにシュトルヒを呼びましょうか? そうすれば…」
ハンス「あ、はい! お願いします」
俺「………」ボーッ
カネパルト「隊長、さっきからどうしたんですか?」
俺「………」
カネパルト「隊長?」
俺「はっ!いや、何でもないぞ!! うん!!」
カネパルト「?」
マルセイユ「それじゃぁ、シュトルヒが来るまで我慢してくれ」
ハンス「了解です」
カネパルト「はーっ、ひとまず助かったな!」
ハンス「そうですね。それより隊長…」
俺「…ん、ん!? な、何だ!?」
ハンス「ペットゲン少尉に惚れたでしょ?」
俺「な…!! な、なななナニを言ってるのカナ!! ハンス君は!!」アセアセ
カネパルト「ほ、本当ですか!?隊長!!」
俺「ち、違うって!!い、言っただろ!?俺は女に興味が無いって…」
ハンス「いや、隊長は絶対、ペットゲン少尉に惚れましたね。 だって、ずっと少尉のこと見てましたもん」
カネパルト「ほへぇ~ 隊長が一目惚れねぇ~」ニヤニヤ
俺「だから違ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁう!! 俺は一目惚れなんかしてないって!!」
ハンス「恥ずかしがんなんくてもいいんですよ、隊長。 おれも嫁さんには一目惚れでしたから」
俺「お、お前ら!俺はペットゲン少尉に惚れたんじゃなくて、ペットゲン少尉の『MG34』に惚れたんだ!!」
ハンス・カネパルト「「…………は?」」
俺「そうなんだよ!俺はペットゲン少尉の銃に惚れたんだよ!!あの黒光りするMG34が可愛くてな!!」
ハンス「……あ、そうですか。 それは失礼しました、てっきり隊長はペットゲン少尉に惚れたのかと…」
俺「は、はっはっはっ! 勘違いもいいところだぜ!!」アセアセ
カネパルト「よかったー ですよねー、隊長が女の子に興味が出るはずがありません!」
俺「そ、その通りだ!! はっはっはっ!!」
ハンス「………あ、シュトルヒが来ましたよ」
カネパルト「よかった~」
俺「………ふぅ…」
俺(…ライーサ…ペットゲン少尉……可愛かったな…)
続く
最終更新:2013年03月30日 02:14