記憶の無い俺8
396 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18:51:42.07 ID:BoGzyRFVP
エーリカ「ウルスラ……どうして」
ウルスラ「私は彼のストライカーの開発スタッフの1人です」
バルクホルン「なんだって!」
ミーナ「ウルスラさん、貴女……」
ペリーヌ「どうして扶桑の研究にカールスラントが?」
ウルスラ「提督は秘密裏に各国の技術者とパイプを持っています、私は……」
シャーリー「そんなことよりあのストライカーなんなんだよ!説明しろよ!」
ウルスラ「……その為にはまず彼の事から話す必要があります」
397 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 18:57:25.10 ID:BoGzyRFVP
宮藤「俺さんの事も、知ってるんですか?」
ウルスラ「人並み程度には」
サーニャ「聞かせてください」
坂本「元の経歴としては軍施設の料理長だったとは聞いているが」
ウルスラ「はい、彼はウィッチとして覚醒する以前、宮内庁所属の調理師でした」
ミーナ「料理長ではなくて?」
ウルスラ「後に提督にウィッチとしての才を見抜かれ、私設部隊の料理長待遇と言う名目でほぼ強制的に異動させられました
そちらに伝わっているのはその事でしょう」
エイラ「名目?」
ウルスラ「人体実験の材料として使いたいから、なんて素直に言ったら誰も付いてきませんからね」
398 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:04:38.16 ID:BoGzyRFVP
宮藤「じ、人体実験……」
ウルスラ「彼はただ料理長待遇という言葉を信じて、自分の料理をより多くの人に食べてもらいたかっただけなのに不憫な話です」
リーネ「そんな事があったなんて……」
ウルスラ「実際はそれだけ重要視された立場になるので特例として中尉待遇とされていたようですね」
坂本「ちょっと待て人体実験だと?そんな話は聞いた事が無い 、そもそもそんなもの公的に認められる訳がなかろう」
ウルスラ「そのはずです、仮にも皇族の私設部隊ですから公的には存在しないことになっていますね」
坂本「……部隊名は」
ウルスラ「扶桑皇国皇族近衛第731超特殊魔導兵装運用試験部隊」
ウルスラ「通称、ヴィクティムウィッチーズ」
400 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:12:39.46 ID:BoGzyRFVP
ペリーヌ「不吉な……センスを疑いますわ」
エーリカ「それじゃあさっきトゥルーデを運んできた連中も形としては皇族近衛兵ってことになるのか?」
ウルスラ「皇族直属とは言っても提督は異端扱いですから、他の方々にしてみても『存在しないもの』とした方が都合がよかったのでしょう」
エイラ「どういうコトだ?」
ウルスラ「提督は元々研究者です、各国を渡り得た己の研究成果を誇示する為だけの目的で設立したのがこの部隊です」
ミーナ「俺さんの記憶が無いのも、それに関係しているのかしら?」
ウルスラ「はい、実験中の事故が原因で記憶が失われています」
エーリカ「じゃあはじめに私の部屋にいたのは……?」
ウルスラ「それに関しては憶測の域を出ませんが、それも事故が原因として考えられています」
402 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:20:17.48 ID:BoGzyRFVP
坂本「詳しく聞かせてくれ」
ウルスラ「……魔力と機材の暴走による爆発事故がありました、その際に彼は行方不明となっています」
ウルスラ「事故が起きた段階では私もまだ研究内容を聞かされていませんでしたから、残念ながら防ぎようもありませんでした」
ミーナ「事故の段階では?」
ウルスラ「私も、そして今の貴女方も、研究過程に必要なものとして提督に利用されていたという事です」
リーネ「私たちが……利用って?」
403 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:31:36.61 ID:BoGzyRFVP
ウルスラ「彼がここにいたことは全くの偶然でした、行方不明になった後も提督は血眼になって彼を探しましたが……」
ウルスラ「結局見つからずじまいで、最終的には任務中の事故による死亡扱い、殉職したとして2階級特進が適用されています」
坂本「そういう理由か……」
ウルスラ「本来ならばそこで研究は中止になる予定でした……中佐からの報告さえ無ければ」
ミーナ「……」
エーリカ「それで、その研究内容ってのはなんなのさ」
405 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:36:23.72 ID:BoGzyRFVP
ウルスラ「ウィッチの魔力と想い」
ウルスラ「誰かを守りたいとき、敵を倒したいとき、必死で生き残りたいとき」
ウルスラ「その意志の強さ次第でウィッチは限界以上の魔力を発揮することがあります」
宮藤「守りたい……意思」
ウルスラ「提督はその魔力の振幅を人為的に操作する事を研究していました」
サーニャ「どうしてそんなことを?」
ウルスラ「ウィッチ単体の威力を極限まで鍛え上げる事」
リーネ「単体での威力?」
ウルスラ「731部隊の基礎理念は『ネウロイの巣を対象としたウィッチによる1人1殺』
この為にウィッチの命を顧みず単独での威力を限界まで高める事を目的とした部隊です」
407 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:42:12.35 ID:BoGzyRFVP
ペリーヌ「ば、馬鹿げていますわ、そんな妄言とても現実を見てる研究者とは思えませんわ!」
坂本「なんだって……それじゃあ俺は」
ウルスラ「部隊の被験者第1号、コールサイン『桜花』それが彼です」
『……』
シャーリー「な、なあ、じゃあ何でそこでわざわざ俺が選ばれたんだ?ウィッチじゃなかったんだろう?」
ウルスラ「どうやって彼の潜在能力を見出したのかまではわかりませんが」
リーネ「固有魔法……」
ウルスラ「はい、固有魔法というか特異体質といった方がいいのか判断に悩みますが」
408 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:49:45.06 ID:BoGzyRFVP
ルッキーニ「あの、ばーんって奴?」
ペリーヌ「ただの強力な衝撃波ではないんですの?」
ウルスラ「それが私たちに研究内容が隠されていた理由です」
ウルスラ「彼が基地で発見されたとき、上からの指令は曖昧だった筈です」
ミーナ「ええ、事故のリハビリを兼ねての預かりとだけ……どうして?」
ウルスラ「具体的な指令は必要なかったからです」
坂本「どういうことだ」
ウルスラ「彼の固有魔法は『幻影波動』」
ウルスラ「記憶と想いを威力に置き換えて放つ、衝撃波動です」
409 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19:54:21.60 ID:WjG6lAv3P
つまり、使えば記憶が…
410 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 19:55:28.81 ID:BoGzyRFVP
『……』
ウルスラ「威力は皆様もご覧になった通り、ウィッチ単体が所有するものとしては恐らく世界最大級のものでしょう」
ルッキーニ「??」
ミーネ「そういうことだったのね……」
ウルスラ「はい、つまり彼が今まで貴女方と過ごした時間は今日の為の餌だったということです」
ウルスラ「」チラッ
バルクホルン「……」
ウルスラ「そしてその記憶に対する想いが強ければ強いほどその威力は高いものとなる結果が得られています」
シャーリー「……じゃあ、なんなんだよ、俺は、あたし達のことも忘れるってのか」
ルッキーニ「ええっ!嫌だ!嫌だよ!!」
411 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 19:56:14.33 ID:B65khISp0
俺に死ぬことは許されぬ
412 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20:00:11.94 ID:pHKhSkr40
とりあえず気になったから見てきた
ヴィクティム(victim)
[名]1 (戦争・災害・事故・境遇などの)犠牲(者), 被害[被災]者, 遭難者;(魅力・欲望などの)とりこ
ttp://dictionary.goo.ne.jp/leaf/ej3/92109/m0u/
413 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 20:01:24.29 ID:OMug28jR0
扶桑なら英語で名づけるより挺身魔女隊とか名付けそうかも
ワールドワイドな提督みたいだから別にいいのかw
414 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20:02:06.36 ID:q+68v3sfP
ちなみに対義語がアグレッサーだ
415 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:04:05.70 ID:BoGzyRFVP
宮藤「そんな……そんなことって」
リーネ「ひどいよ……そんな……」
エイラ「デモ、前にネウロイを倒した後もソンナニ記憶にオカシイところがあるような感じはしなかったゾ!」
サーニャ「そう、一部記憶が無い事はあったけど全部忘れてしまう訳じゃない……!」
ペリーヌ「そ、そうですわ!普通にしていればそんな違和感なんて!」
ウルスラ「通常の状態であれば彼の魔法は記憶の一部を代償とするだけで済みます」
宮藤「じゃあ私達の事全部忘れちゃう訳じゃないんですね!」ホッ
坂本「通常の状態、と言ったな」
バルクホルン「……あのストライカーか」
416 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:10:17.16 ID:BoGzyRFVP
ウルスラ「はい、あれは形式番号R-9WF、通称『スウィートメモリーズ』」
坂本「なんて皮肉な名前だ……馬鹿にしているにも程がある」
ウルスラ「提督の開発したブラックボックスを搭載した彼専用のストライカーです」
ルッキーニ「あれやだ、怖い……俺、あれ穿いていくんでしょ?なんなのあれ?」
ウルスラ「リミッターのかかっている状態なら彼の能力増幅を補うだけのストライカーです」
シャーリー「外したら……?」
ウルスラ「強制的に『全て』を威力に変換する為『だけ』の特殊魔導兵装としての本来の機能が発揮されます」
ミーナ「威力に変換する為『だけ』?」
ウルスラ「そうです、そこにウィッチの意思や人権、安全は含まれません」
エーリカ「どういうことだよ」
417 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:21:41.58 ID:BoGzyRFVP
ウルスラ「R-9WFに搭載されたブラックボックスは捉えた記憶を皮切りに、記憶からリンクさせた想いへ
想いから意思へ、意思から気力へ、気力から生命力へと引き出せる限りのものを全て魔力に変換し」
ウルスラ「絶大な威力を発揮する代わりに最終的には使用者を死に至らしめる、片道切符のストライカーです」
『……』
バルクホルン「……俺は、その事を知っているのか」
ウルスラ「彼自身の記憶は無くとも体が記憶している可能性は高いですね」
ウルスラ「報告を聞く限りでは料理やストライカーの使い方、体が覚えている事は比較的無くし難い傾向にあるようです」
419 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:26:27.99 ID:BoGzyRFVP
エーリカ「ウルスラ……お前、なんで平然としてそんな事言えるんだ……」
バルクホルン「……た」ギリッ
ウルスラ「はい」
バルクホルン「何故……そこまで分かっていながら止めなかった!!」ボロボロ
ウルスラ「……」
バルクホルン「どうしてそんな平気な顔をしていられるんだ!!!」ボロボロ
宮藤「バルクホルンさん……」
ウルスラ「……私だって」
バルクホルン「……」
ウルスラ「……私……だって」ボロボロ
エーリカ「ウルスラ……?」
420 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:31:30.81 ID:BoGzyRFVP
――――ハンガー
ザワザワ ザワザワ
俺「……」
扶桑皇族提督「久しぶりだな、俺中尉……いや、今は少佐だったなハハッ」
俺「彼女達は?」
扶桑皇族提督「安心したまえ、我々の邪魔さえしなければなにもしない」
俺「そうですか」
扶桑皇族提督「ほとんど
過去の記憶が無いようだが、私のことは覚えているかね?」
俺「いえ」
扶桑皇族提督「んっふ、結構、魔法の使い方は覚えているかね」
俺「はい」
扶桑皇族提督「重畳重畳、素晴らしい」パチパチ
421 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20:33:55.43 ID:B96UB4UOO
さてどうなる支援。
424 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:37:33.51 ID:BoGzyRFVP
俺「……」
扶桑皇族提督「報告は聞いているよ、超大型ネウロイを一撃で仕留めたとね、おめでとう、君の初戦果だ」
俺「……」
扶桑皇族提督「まああんな宮藤博士のチンケなストライカーではその程度が限界だろうが、これは違う」
扶桑皇族提督「少佐の為に特別チューンした私の最高傑作だ」
俺「……」
扶桑皇族提督「少佐の能力にはリミッターがかかっている、それを外す手助けをして絶大な威力を発揮する技術の粋を集めた最高のストライカーだ」
扶桑皇族提督「ふふふ、素晴らしいだろう、ウィッチが単独でネウロイの巣を撃破できる時代になったのだ」
扶桑皇族提督「大和?はは、あんな不細工な鉄の塊に頼らなくとも人の力は無限だ」
425 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20:41:48.23 ID:4FFB3Vl3O
R-TYPEのなかでもやばい部類の試験管キタコレ
426 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:43:03.36 ID:BoGzyRFVP
俺「……」
扶桑皇族提督「この成果さえ認められれば……私は、扶桑は変わる!」
俺「一つ質問なんですが」
扶桑皇族提督「何かね?」
俺「リミッターを外すとどうなりますか?」
扶桑皇族提督「少佐の潜在能力を限界まで引き出してくれる、何、君にはそれだけの力がある」
扶桑皇族提督「飛んで帰るだけの魔力くらいは残しておくよう設定されているから安心したまえ」
俺(……)
俺「そうですか」
427 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:50:39.48 ID:BoGzyRFVP
扶桑皇族提督「では、作戦の説明に移りたいのだがよろしいか?」
俺「お願いします」
扶桑皇族提督「作戦の内容は至ってシンプルだ、少佐はあのストライカーを穿いて巣に接近
リミッターを解除しての最終幻影波動砲で攻撃、巣を破壊する、以上だ」
俺「それ以外には」
扶桑皇族提督「接近するまでにもネウロイに襲われるだろう、その際には遠慮せず自慢の右腕で薙ぎ払うといい」
扶桑皇族提督「奴らの巣にお見舞いする最後の一撃だけとっておけば我々の勝利だ」
俺「わかりました」
扶桑皇族提督「では、始めよう」
428 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 20:55:32.00 ID:BoGzyRFVP
――――
整備班長「よォ、少佐さん」
俺「班長……」
整備班長「はは、奴らときたらこんな年寄りまで縛り上げて手ェもださせやしねェ」
俺「……」
整備班長「行くんだな」
俺「ええ」
整備班長「お前ェさん分かっちゃいるとおもうが、ありゃァ普通じゃねェぞ」
俺「承知の上です」
整備班長「それでも飛ぶつもりか」
俺「覚悟は完了しています」
429 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 20:57:47.49 ID:9GJTQ3YO0
>>428
裏覚悟使いか・・・・・・
430 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21:00:41.50 ID:BoGzyRFVP
整備班長「……お前ェさんの目、そういう目ェをした奴らを俺ァ何度も見た覚えがある」
俺「……」
整備班長「こういうとき年寄りは嫌になるぜ、わかってても見送らなきゃならねェんだからな」
俺「痛み入ります」
整備班長「あの気の強ェ嬢ちゃんはどうした」
俺「……」
整備班長「……そうかィ」
俺「逝ってきます」ビッ
整備班長「達者でな」
431 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2010/10/13(水) 21:05:03.79 ID:NGPeEAx80
無茶しやがって
433 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[]:2010/10/13(水) 21:12:42.60 ID:wawfBN1nO
靖国で会おう(キリッ
434 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21:13:59.05 ID:BoGzyRFVP
―――――
キィィィィン
俺(大丈夫だ、飛べる、恐怖は無い)
俺(残せるものは、想いだけは残してきた……大尉には申し訳ない事をしたかもしれない)
俺(やっぱり俺は最低だ)
ゴソゴソ ピラッ
俺(大尉……もう一度だけ、最後に飛んできます)
俺(勝手な言い分ですが、俺に力を貸して下さい)
ゴソゴソ
俺(ん?)
俺(なんだ、ポケットにもう一枚写真が……この服は届いてから
初めて着るはずなのに)
436 :記憶の無い俺[]:2010/10/13(水) 21:18:58.98 ID:BoGzyRFVP
俺(……ハルトマン中尉の写真、どうして?)
ゴソゴソ
俺(これもお守りにさせてもらおう、本人の許可なしに申し訳ないけど)
ヒィィィィィィィィィィン
扶桑皇族提督「準備はできたかね?」
俺「はい」
扶桑皇族提督「では、頼んだ」
俺(……)
俺「目標エリアL736空域、目標ネスト05」
キィィィィィィィン
俺「オペレーション『コギト・エルゴ・スム』」
俺「731st、桜花……出る!」
最終更新:2013年01月28日 14:11