ウルスラ自室

コンコン…ウルスラーイルー?

ウルスラ「どうしたんですか姉さま?」

エーリカ「お邪魔しにきたよ~ん、ニャハハハ、忙しかった?」

ウルスラ「いえ、今日はもう休む所でしたよ」

エーリカ「お風呂入った?」

ウルスラ「お風呂…ですか?」

エーリカ「うん、ロテンブローって言ってね海を見ながら入れるんだ!まだだったらお風呂入っていかない?」

ウルスラ「わかりました、ちょっと準備しますね」

エーリカ「ほ~い」


露天風呂にて

ウルスラ「ふぅ…話は聞いてましたが暖かいお湯に浸かりながら見る海は不思議ですね」

エーリカ「ふしぎー?」

ウルスラ「はい、体の洗浄と体温を暖める為のお風呂が外にあるというのは理解できませんでしたが入ってみると不思議と落ち着きます」

エーリカ「ん~?ちょっとくらいなら湯冷めなんてしないよ~」

ウルスラ「そうですね、体を拭いてしまえば風などに当たらなければ保温効果が持続しますね」

岩を背もたれにくてーっと浸かっているエーリカは、頭にタオルを載せたウルスラをじっと見る

エーリカ「頭にタオル…」

ウルスラ「これですか?扶桑ではタオルは頭に載せるのが基本だって俺さんが言ってましたが…」

エーリカ「私達と同じカールスラント出身だよ俺は~」

ウルスラ「カールスラント出身は知っていましたが、扶桑の知識も豊富でスシ・スキヤキ・バンザイなんて…」

エーリカ「あーあーあー、分かった、分かったよぉ~」

雑学の話が長くなりそうなのでエーリカは適当に理解した振りをした

エーリカ「ところでさ、ウルスラ 俺とは愛称で呼ぶ仲みたいだけどどうやって会ったの?」

ウルスラ「ダイナモ作戦の時に偶然彼を…」

エーリカ「その後の話、助けて軍医に預けたって訳じゃないんでしょう?」

ウルスラ「…/// はいちょっと長くなりますが…」


      ◆



俺の人生の運勢はいつもトントンだ、トントン
運が良くなればそのツケとばかりに不幸がやってくる そんな人生

俺(初実戦がこんな激戦とはねぇ…こりゃあ死ぬかなぁ)

<~~~~~!>

無線でミーナ少佐が指示を出しているのが分かるがよく聞き取れない
ちょっと前、最低でも1週間前まで人で溢れてたカールスラントの町が炎に包まれて戦場になってるんだぜ?
いつもの虚勢を張って、出撃したって撃墜されれば今回はもれなく二階級特進だ

「~~~ている~か!」

俺(ん~…?)

バルクホルン「聞いているのか、俺軍曹!」

俺(聞こえてるよ…)

バルクホルン「…」

そんな顔するなよ、俺にとっては無敵の上官だったトゥルーデが思いつめた顔をしている
あんたにそんな顔されちゃ不安で仕方ないだろう?
そう思いつつため息をつこうとした時だ

バルクホルン「こんな激戦だ、貴様が生きて帰ってこれたら言うことを一つ聞いてやろう」

吐き出しそうになったため息が急に止まる
上官が部下に褒美をくれるようだ、なんでもだ
俺はムシャクシャしていたのかハイになっていたのか判らないが思い切ってしまおうと

俺「生き残ったらバルクホルン中尉、結婚してください、指輪も良いの準備しますから」

自分でも思う、三流だって事は
最後の顔くらい思いつめた顔ではなくあっけに取られたトゥルーデの顔を見たかった

まあ結果は…やはり三流な結果だった。


       ◆


俺(…俺は撃墜されたのか?)

暗闇の中で俺自信の意識だけが取り残されている感覚
その暗闇の中、俺のうっすらとした視界の中で金色の髪をした天使が手を広げて向かってくる

俺(ついてねぇなぁ…お迎えの天使様かよ…やっぱ俺は二階級特進かよ)

暗闇を照らす天使が俺の近くまで来る
ああ…死にたくねぇなぁ…死にたくねぇ

俺(タダではあの世に持っていかれねーぞ!)

動く気配の無かった腕を無理やり動かし、手を広げた天使を手ごとがっちりと抱きかかえる
ざまぁみろ…これでお前は俺をあの世には連れていけねぇ
このまま背中から崩れ落ちる感覚
せっかくだから道連れだ天使様、一緒に…

俺「…堕としてやる…」

あの世への使者には悪いが、まだまだ生きてーんだ…


      ◆


臨時カールスラント病院

俺「ぬぅ…あ…」

俺の体中から悲鳴が聞こえる、視界も開けたくねぇ…自分の体がどうなったかなんて見たくない

???「あ、先生…先生、意識が…」

胸の辺りから声が聞こえる、あー…胸に穴でも開いてるのかな、見たくねぇ…

軍医「意識はありますか?」

生きてはいる見たいだが、眠りから覚醒したせいか体中が痛てぇ
あー…もう現実を受け入れなきゃ、軍医らしき声がしつこく俺の耳を刺激する

俺「んぐぁ…ああ、あるよ…痛ってぇ…」

視界を開ける、薄汚れた天井が見える
病院か?

軍医「5体満足、撃墜にしては珍しいぞ 幸運だったな」


俺(幸運ならこの体の痛みも何とかしてくれよクソッタレ軍医め…)

とりあえず体のパーツが不足してるわけじゃないので安心しつつ毒付く
お門違いってのは判るが、どうしても毒付かないとやってられない痛みだった
ん?じゃあ胸にも穴が開いてない?

痛みと軋みで悲鳴を上げる体を首だけ無理やり視界を下に移し

俺「…?」

俺の胸には抱きかかえられた'お嬢ちゃん'が耳を真っ赤にして俺を見上げ
目が合った所で本らしき物でトドメを指された



   ◆


エーリカ「気が付いたら行き成り抱きつかれたと…へぇ~」

ウルスラ「あの時はびっくりしました///あんな事を言われるのも初めてでしたから…」

エーリカ(重症患者にトドメを指した所はつっこまないよ?)

ウルスラ「私も空に上がって戦ってましたが、上官から助けた人は自分で世話をしろと休暇を出されたんです」

エーリカ「ずっと俺の世話をしたの?あーんとかしたの?」

ウルスラ「あーん?というのは分かりませんが、本を持っていって一緒に読んでましたよ」

エーリカ(ウルスラの本ってなんらかの教科書だよね…うわー…俺退屈そうだったろうなぁ)

エーリカ「一応聞いてみるけど、何の本を持っていったの?」

ウルスラ「魔道エンジンの理論書ですよ」




俺「な、なぁウルスラ曹長…」

ウルスラ「なんですか俺軍曹?」

俺「この魔道エンジン理論のほかに何の本があるんだ…?」

ウルスラ「ストライカー航空学にレシプロエンジンの仕組みについて、魔力合成比のレポートに…」

俺「ああ…もういい、これで良いですから…」

ウルスラ「ご飯の前にちょっとしたテストをしますのでしっかり覚えて下さい」

俺「え…ナンデ?」

ウルスラ「問題を出すのにも良い復習になりますからね、間違えるとご飯が減りますので頑張ってください」

俺(俺って…病人だよな?スパルタ学生じゃないよな?)

       ◆


俺がウルスラと出会って3ヶ月
ガレージ

俺「だいぶ直ったなぁ、このストライカー」

ウルスラ「形が変わってませんか?」

俺「直すついでに色々弄ったからな、誰かさんのスパルタのおかげで改造出来るまでになったよ」

ウルスラ「ですがこの配線だと出力が上がりますが安定性に問題がありますよ?」

俺(スルーかよ…)

ウルスラ「やはりこの配線は元に戻してこっちも…」

俺「あ、おい!?それじゃあ純正に戻っちまうだろ!?」

ウルスラ「純正といわれる基本こそがストライカーにとって理想の…」クドクド

俺(う、また始まった…マニュアル通りにしないと説教が始まるんだよなぁ…)

ウルスラ「…という訳です、ところで俺軍曹」

俺「なんだい…?」

ウルスラ「魔道エンジンの配線に見ない配線があるのですが何ですかこれは?」

俺「そいつは履いてみれば分かるが、俺自作のストライカーオペレーションシステムって言って…」

ウルスラ「これは面白いですね…魔道エンジンの出力の調整からエンジンの回転数などが見えますね」

俺「履くのはや!?」

ウルスラ「でも、コレのおかげで魔道エンジンの出力が10%も落ちますね…」

俺「まあ趣味で作ったもんだしな、実戦にはまだまだ使えないな~」

ウルスラ「あ、ここも安定性が脆いですね 後で直しましょう」

俺「そこは改造するのに5時間も掛かったの! 開かないで!弄らないでくださいウルスラ様あああああああ」


       ◆


数日後

俺「…」カチャカチャ

ウルスラ「…」ペラッ

俺「あのーウルスラ曹長?」

ウルスラ「なんですか?」ペラッ

俺「ここガレージデスヨ?本読みにくくない?」

ウルスラ「問題ありません、座る場所さえあれば本は読めますので」ペラッ

俺の心の中だけの秘密だが、ウルスラ曹長がいるとストライカーの改造に集中出来ない…
俺がここ、ノイエ・カールスラントに運ばれてから3ヶ月
全快とまでは行かないけど体を動かしてリハビリしろとの事だったのでストライカーを改造してるんだが

ウルスラ「…」ペラッ

 動けるあたりだったかは忘れたが気が付いたらガレージでストライカーを弄ってるといつの間にかウルスラ曹長が隅っこで機材の箱を椅子
代わりにして本を読んでいるようになっていた
 今日の本には『カールスラント式!上官との接し方マニュアル百貨』と書かれてある。
最近読んでるが、なんかシュールだなぁ…悩みでもあるのか?
 それも今日は午前中からだったが…ああ、ウルスラ曹長は本日休みか…

ウルスラ「邪魔ですか?」

俺「いや、邪魔ではないよ」

うん、邪魔ではない
邪魔ではないがこの間5時間も掛けて考えに考えた難しい調整を5分で純正に戻されたからちょっと怖いだけだ

俺(砂で出来た城を体当たりで壊される気持ちってああいう物なのだろうなぁ…)

切ない気持ちを思い出し、調整の手を休める
朝から弄って結構立つし休憩でもするか

俺「ちょっと休みに外出てきますね~」

ウルスラ「はい、行ってらっしゃい」ペラッ

目は本から逸らさずにウルスラ曹長は答えてくれた



俺「今日はいい天気だなぁ、秋口だがあったかいし…」

まだ暖かな風を受けつつ、ガレージを抜けて海岸を目指す
今は助けてくれたウルスラ曹長の所属する部隊がいる基地に休養している
休養だけじゃ悪くて整備もしたいんだけど、整備兵が怒るからなぁ…

俺「まあ、もう少し気楽に構えるかぁ…よいしょっと」

整備用のジャケットを脱いで地面にしき、背もたれに出来そうな壁に寄りかかる
ノイエ・カールスラントって聞くけどココ何処なんだろうなぁ…zzz






海岸から聞こえる波が気持ちいいなぁ…時折聞こえる紙の刷れる音が何とも…

俺「ん~…寝てしまったか…」

目の前には夕日が海に足をつけている 結構寝ちゃったのか

ウルスラ「起きましたか、俺軍曹?」

俺「ああ、はい、そこそこに…ん?」

ウルスラ「今日は暖かいですが、日が落ちると寒いので気をつけたほうが良いですよ」

俺「ん~…なんで隣にウルスラ曹長が?」

ウルスラ「俺軍曹が地面で寝そうなくらい体を傾けてたので私が支えになってました」

俺「あ~…ごめんウルスラ曹長」

ウルスラ「いえ、大丈夫ですよ あ、あと俺軍曹のストライカー直しておきましたから」

それって今日丸1日の苦労が…

俺「カンベンしてくださいよウルスラ曹長おおおぉぉぉぉ…」

「ここに居たのか、ウルスラ曹長、俺軍曹」

背もたれにしていた壁の影からウルスラと同じ階級の曹長がひょっこりと現れる

俺「どうしたんですか曹長」

曹長「どうしたって、そろそろ夕飯出来るから呼びにきたんだけど部屋にもガレージにも居なくて探したんだよ」

俺「ああ、すみません 今行きますので」

ウルスラ「…」スタスタ

俺「相変わらず行動は早い…」

曹長「ねぇ、どーやったらウルスラ曹長と仲良く出来るの?」

俺「は?」

ウルスラよりは高い年齢であろう曹長が俺を見上げ質問する

曹長「だってさ、ウルスラ曹長は話しかけてもあんまり喋ってくれないから…」

俺「俺のときもそうだと思うけど」

曹長「ガレージで楽しそうに喋ってたじゃない、この間」

俺(この間って…あの5時間費やした調整をパーにされたときか…)

曹長「寡黙な子だからね~、どうやって話せるようになったかちょっと興味あってね」

俺(そんな事を言われても、最初っからあんな感じだった様なそうでも無い様な…)

俺「強いて言えば…スパルタ学習?」

曹長「え?」


      ◆


俺がここに来てから6ヶ月

俺「体も全快…っと!あんな大怪我なのに直るもんだなぁ…」

ネウロイから撃墜されたけど、五体満足で全快回復までするのは幸運なのかねぇ
軍への復帰志願書も提出したし近々返送が来るだろう

俺「まーた訓練で忙しくなるし、それまでの間はこの壁でゆっくりするかぁ」

一回使ってからお気に入りになった背もたれに出来る壁に寄りかかり体を伸ばす
流石にこの時期は冬で寒いので座らないが…息が白くなるんだぜ…
葉巻でも一服するかねぇ

俺「トゥルーデ、無事かなぁ…」

葉巻を吸うか吸わないか迷いながら半年前を思い出しつつ目の前に広がる海を見ていると
ウルスラ曹長が歩み寄る

俺「ウルスラ曹長も今日は休みか?」

たまーにここで休んでるとウルスラ曹長が来て本を読む
その日は決まって彼女は休みだった
歩み寄って来たウルスラ曹長の手には厚手の本ではなく薄っぺららい紙
彼女は俺の前で足を止めた

俺「…?」

ウルスラ「…御昇進おめでとう御座います、俺特務少尉殿!」

俺「はい?」

いつものゆったりとした動きとは違う 軍人の目で、動きで、俺に敬礼をする

ウルスラ「先ほど伝令が届きました、俺特務少尉宛です」

手渡された薄っぺらい紙を読んでみるとメンドクサイ文体が並ぶ
簡単に言えば、俺はダイナモ作戦で戦時中行方不明につき戦死扱いにされたらしく准尉に二階級特進していたらしい
生存確認と休暇要請の便をここに来てから直ぐ出したのに勝手に殺すなよと思いながら読み続けると、
俺は希少な男性ウィッチで戦死したのにすぐ復帰されたら
カールスラントの内政が未だに若干混乱してるのがばれるので、所属はウルスラ曹長と同じ部隊だが
公には名前も公表しないし、してはいけないという特務付きで更に少尉に特進です だそうだ

俺「そんな理由で昇進しても嬉しくはなぁ…」

ウルスラ「…お言葉ですが俺特務少尉、少尉は先のダイナモ作戦のおり…」

ウルスラ曹長が俺の表面的な活躍をツラツラと並べる
軍人の言葉そのまんまだな…

俺「わかった、わかったよウルスラ曹長」

ウルスラ「上官だとは知らず…今までの非礼申し訳ありませんでした俺特務少尉」

俺「非礼なんてあったか?」

それにまさか殉職扱いで特進してるなんて思っても無かったし

ウルスラ「それは…その…」

俺「俺はそんな事は思っちゃ…  ウルスラ「いえ!あのようなことは通常では非礼に値します!」

俺の言葉が大きな白い息を吐く目の前の小さな軍人に遮られる

ウルスラ「これからはあのような事はしないよう心がけます」

俺「…」

ウルスラ「では失礼ま…」

俺は、こんな時どうして良いのか分からず
目の前の小さな軍人を抱きしめていた


      ◆


ウルスラ「ぁ…ぇ…こ、困ります俺特務少尉…」

俺「すまん…だけど、こうする他思いつかなかった」

寒空の下、涙を流す小さな軍人をこれ以外にどうしたら良いかわからない

ウルスラ「…」

声にも出さずピクリッ、ピクリッと反射に近いような動作をするウルスラ曹長

俺「どうして、泣くんだよ…理由があるんだろ?」

ウルスラ「…上官命令ですか?」

俺「俺一人の個人的な質問だ」

ウルスラ「…」

正面から冴えない男に抱きかかえられながらも軍人の起立の姿勢を保ったまま
ウルスラ曹長は息を少し吸い込んだ

ウルスラ「上官にはどんな形であれ、失礼は出来ませんし迷惑もかけられません」

俺「だから俺は迷惑なんて思ってないって」

ウルスラ「俺特務少尉がどう思っても 基本的にはそうなのです」

落ち着いたのかウルスラ曹長の体は微動だにしなくなっていた

ウルスラ「それがカールスラント軍人の規律です」

俺「…」

ウルスラ「私も、俺特務少尉もカールスラント軍人です、だから…」

俺「フランクな上官はいるだろう?」

ウルスラ「そうですね 俺特務少尉は上官にもたまに口が悪いです」

俺「…まあな、でもそこまで分かってるなら何故泣くんだ?」

ウルスラ「…」

少しの間の沈黙

ウルスラ「私はカールスラントの上官に対しては規律を守るようにと学んできました」

ウルスラ「ここの上官に対しても 同じように規律を、失礼を、迷惑を掛けないようにしてきました」

ウルスラ「でも…」

俺「…」

ウルスラ「俺特務少尉には…そのような事したくない…です…普通に喋りたいです、様子を見ながら本を
読みたいです…理想値を崩したストライカーを直したいです…」

ウルスラ「…ですが私が学んできたマニュアル全てにそのような事は許されませんでした、だから…」

ウルスラ曹長は常に読んでいる蓄えたマニュアルの知識に沿った行動をする
こよなく理想値、基本値に従順で、整備も寸分の狂いが無いほど、行動も無駄が無く素早く
けど上官にフランク以上に接しろなんてマニュアルは…

俺「そんなのマニュアルに無いよ、いやあったら怖いが…」

再びしゃっくりをするように震えるウルスラ曹長

俺「上官が信用した部下なら、場を弁えさえすれば良いんだよ 少なくとも俺はなそう思う」

ウルスラ「…」

俺「ま、ウルスラ曹長お墨付きで上官に口が悪い俺が言えた事じゃないがなぁ」

ウルスラ「…俺特務少尉は…私を信用できますか?失礼、非礼を繰り返してきた私を」

俺「何度か言ったけど失礼とか非礼とか思って無いし、楽しかったよ それに」

ウルスラ「…?」

俺「俺はウルスラ曹長に命を助けられて看病された、正直スパルタ学習飯はきつかったけど…
感謝してるしどんな形であれ命の恩人を信頼しない訳ないだろ?」

ウルスラ「ありがとうございます…俺特務少尉…」

ずっと下に向いていたウルスラ曹長の手が俺の服を掴む

俺「あ、ああ…それとだな」

ウルスラ「なんでしょうか?」グズッ

俺「特務少尉ってのは言いにくいだろう?言いやすいように俺って言って良いぞ?」

ウルスラ「…ではその代わりに」

俺「ん?」

ウルスラ「私を『ウーシュ』と、そう愛称で呼んでください 俺…さん」

俺「了解、ウーシュ」

息が白くなるような空の下
愛称で呼ばれたウルスラは目じりに涙を浮かべながらも天使の様なはにかんだ笑顔を初めて見せた



       ◆


ウルスラの部屋

ウルスラ「それから何だか周りとのやり取りの仕方のコツを掴んだ気がしました」

エーリカ「へぇ~…」

露天風呂から上がりウルスラに宛がわれた部屋で二人はベットに腰掛けて顔を向かい合わせていた

ウルスラ「自分の過去を振り返るみたいでちょっと恥ずかしいですね///」

エーリカ「私は変わらないからわかんないや~」

ウルスラ「話し込んでしまいましたね、そろそろ寝ないと明日の訓練に遅れますよ姉様」

エーリカ「へ~い、んじゃ私は戻るから、おやすみウルスラ」

ウルスラ「はい、お休みなさい姉様」

バタン

エーリカ(うわ~…ど~しよう地雷踏んじゃったよトゥルーデ…とーさま、かーさま…)

扉を閉めた瞬間の動作に表情すらそのまま固まってエーリカは青くなっていた

エーリカ(でもトゥルーデがいるのにそんな事をする俺は…女たらしなの?)

エーリカ(う~ん、でも二人以外には特にそんな事ないし~ないし~…う~ん…)

消灯巡回役だったミーナ中佐に見つかるまで約1時間ほど扉の前に考える少女はそこに在った


最終更新:2013年01月28日 14:41