俺の部屋
俺「良い子だろ、お前の気持ちも分かるよ…」
コンコン
俺「ん、開いてるよ~」
「失礼します、誰かとお話されてたんですか?」
俺「いや、手紙をな
ガリア臨時戦闘航空旅団の時の仲間から来たのを読んでたのさ」
「独り言はもう少し小さな声ですると良いですよ?」
俺「聞こえてたか、これは恥ずかしいw ところでウーシュ、こんな朝早くにどうしたんだ?」
「今日は俺さんお休みですよね せっかくですから町に行ってみたいのですが案内して頂けませんか?」
俺「町か、俺も行った事はないけどそれでも良いか?」
「問題ありません、地図は持ちましたし運転して頂ければ…」
俺「あいよ、じゃあちょっと車借りて来るからちょっと外で待っててくれ」
「はい お願いします」
俺は座っていた椅子から立ち上がり、軽く準備をして部屋を後にした
(…ニシシ、ばれてないばれてない ウルスラにはちょっと悪いけど俺を試してくるよ)
メガネを掛け、ウルスラの服を着たエーリカは双子ともあって瓜二つの姿で外へと向かった
◆
501統合戦闘航空団基地の外 早朝
俺「待たせたか?」
ウルスラに変装したエーリカ「いいえ、大丈夫です さっそく行きましょう」
俺「あいよ、運転はうまくないから期待はするなよ」
変装エーリカ「問題ありません さっそくロマーニャへ向かいましょう」
ギアを切り替え、軍用のゴツゴツした車を進め 二人はロマーニャへと向かった
ウルスラ「あれ…メガネが無い…ズボンもない…」
◆
俺「それにしても珍しいな、ノイエ・カールスラントではあんまり外に出なかったのに」
変装エーリカ「たまには良いと思いまして」
俺「そうだな 最近ロータリーストライカーの整備任せっぱなしで外に出れなかっただろうし」
変装エーリカ(そういえばウルスラが来てからずっと俺のストライカーを弄ってる気がする)
俺「町が見えてきた、朝飯まだだったし何か食っていくか 何が良い?」
変装エーリカ「それではお菓子を…」
俺「朝からお菓子!? ん~…まあ良いか」
変装エーリカ(にしし、これは俺をゆすってお菓子一杯買ってもらえるチャンスかも!)
赤い屋根の町並みが続くローマの町に車を止め、朝から開いている雑貨屋を目指して歩く
俺「幸せそうな顔してるなぁ、ウーシュ」
変装エーリカ「お菓子は美味しいですからね」モグモグ
俺「朝からお菓子食べてるのをみると胃が痛くなりそうだっと…」モグモグ
変装エーリカ「俺さんは何を食べてるんですか?」
俺「パルマ産のハムとチーズ、レタスを挟んだハムサンド」
変装エーリカ「美味しそうですね…一口頂けますか?」
俺「ああ、もう一個買って…うおっと!?」
ハムサンドを買った店に向かおうと俺がエーリカに背を向けた所をハムサンドを持っていた手を
エーリカに引っ張られ食いつかれた
変装エーリカ「おいひい…」
俺「そんなに腹減ってたのか?やっぱお菓子じゃ腹は膨れないのかねぇ」
◆
場所は変わって501統合戦闘航空団
バルクホルン「なあ宮藤、ハルトマンを知らないか?」
宮藤「えーっと、エーリカさんのほうですか?」
バルクホルン「そうだ、朝になったらアイツが居なくてな 朝食にも顔を出さなかったし一体何処へ…」
宮藤「あれ、あそこに居るのって…」
廊下でエーリカの話をしていた二人の前に上のシャツだけでうろついているウルスラを見つけた
バルクホルン「ハルトマン…なんて格好を、せめてズボンを履け!」
ウルスラ「あ、はい、すみません…朝方になったらズボンと服が無くて…」
バルクホルン「部屋にはあったぞ?放っておくとそのまま歩かれそうだからなこっちに来い」
ウルスラ「え あの その…」
バルクホルン「着替えたら訓練だ、着替えさせてやるからさっさとせんか!邪魔したな宮藤」
ウルスラ「」
目を細め、ふらふらしているウルスラの手を取り、バルクホルンは部屋へと向かった
宮藤「あ、シャーリーさん 俺さんなら朝方に町に出かけるって書置きが」
シャーリー「町へ?なんか欲しいのでもあるのかねぇ」
サーニャ「ウルスラさんと一緒に早朝に出かけて行きましたよ?」フラフラ
シャーリー「へぇ~、ウルスラとねぇ…」
そういって顎に手を当てて、面白そうな事を思いついたというような顔をする
シャーリー「追うぞ、宮藤!」
宮藤「今からですか?でも特に買い物は…」
シャーリー「ついでに前食べたあの旨かったケーキおごってやるからさ」
宮藤「いきます!」
サーニャ「ネムイ…」フラフラ
◆
変装エーリカ「あれはなんですか?」
朝食も済ませた俺とウルスラに変装したエーリカが壁に駆けられた何かの顔のような
平べったいオブジェを指さす
俺「あれは…たしか真実の口ってやつだな」
変装エーリカ「真実の口?」
俺「あの顔に口の所がくぼんでるだろ?あそこに心に偽りのある者手を入れると手を切り落とされるって
伝承があるんだよ」
変装エーリカ「そうなんですか…」ソワソワ
俺「やってみたいのか?」
変装エーリカ「はい、行ってみましょう」
俺「ウーシュが伝承に興味があるのは以外だったな~」
二人は人の顔を模した『真実の口』の前まで来た
変装エーリカ「た、たまには良いと思いまして…」
俺(そうだな、たまに外に出たんだしコレくらい普通かもな)
俺「それでだ、こいつの中に手を入れるんだ ウーシュは心に偽りがあるのかなぁ?」ニヤニヤ
変装エーリカ「だ、大丈夫ですよきっと!」ギクリ
変装エーリカ(今こうやってること自体嘘なんだけど、伝承だし大丈夫だよね よ~し!)
変装したエーリカが真実の口に手を入れる
変装エーリカ「うーーーわーーーーいーたーいー(棒」
そういって真実の口から出した手は裾から先が無い
俺「ウーシュ…ベタな…」
その裾を引っ張って肘を曲げて引っ込めていた手を出す
変装エーリカ「う…渾身の冗談に引っかかってくれても良いじゃないですか!」
俺「はははw ウーシュがそんな反応するほうが楽しいよw」
顔に朱が掛かった変装したエーリカを横目に俺が真実の口に手を突っ込む
俺「ま、伝承だからな!俺の心に偽りがないからまず噛まれる事はないからな ん?」
変装エーリカ「どうしました?」
俺「ぬ、抜けない…」
変装エーリカ「…ベタですね」
俺「本当に抜けないんだ、んーーー、おりゃああああああー」
力いっぱい引いている俺の姿を見てもベタだと思った変装エーリカは少し呆れつつ俺の体を引っ張る
変装エーリカ「本当に抜けませんね…」
俺「もうちょっと、もうちょっとで取れそう」
エーリカが更に力一杯引っ張ると俺の手が勢い良く真実の口から取れる
俺「手が…手がないいいいいいいい!」
変装エーリカ「…だからベタですって…あれ?」
変装エーリカがそうされたように、俺の腕の裾を持ち上げると俺の腕は手首から先が無く
赤い液体が垂れているように見える
変装エーリカ「は、はわわわわわ…ど、どうして…お、俺の腕は…手を回収して氷につけて施術すれば間に合うはず…」
呆れ顔から一変、顔が真っ青になり必死になって真実の口に手を入れて俺の手を捜す
変装エーリカ(わ、私が俺を騙したから代わりに取られちゃったんだ は、はやく手を捜さないと手遅れに…)
俺「ウーシュ…もう良いんだ」
変装エーリカ「よくないよ!私のせいだ…私の…」
必死に探すエーリカの肩を叩いて振り向かせる
俺「ほら、大丈夫だろ?」
取れていたはずの俺の右手がエーリカの顔の前で左右に振られている
変装エーリカ「ど、どうして…?」
俺「ローマ名物、肌色手袋にワイン!ここに来る前に必要で買った物だ ワインは別だけど…」
変装エーリカ「し…心配したんだからね…」
俺「悪い悪い、たまにはこんなお茶目も良いと思ってね」
クスクス笑う俺を恨めしそうに変装したエーリカが見上げる
俺「口調も変わるほど驚くとは思ってなかったな~」
変装エーリカ「お~れ~さ~ん?」
俺「は、はい!?」
静かな口調と笑顔なのに笑っていない目のエーリカを見て俺は体を緊張させる
変装エーリカ「私は許しませんよ?」
俺「あ、まじで…ごめんよウーシュ、なんでもするから許してくれ」
変装エーリカ「なんでも、そうですねぇ…」
変装したエーリカが周辺を見渡してある店を思い出す
変装エーリカ「ここに来る前に美味しそうなケーキ屋さんがあったのでそこで奢ってくれたら許します」
俺「了解!俺中尉 ありがたくハルトマン中尉に奢らせていただきます!」
機嫌の悪そうな顔から一変して、笑顔になるウルスラに変装したエーリカはこの時だけは素の笑顔だった
◆
某ケーキ屋前
変装エーリカ「そこのお店ですね。」
俺「実に甘そうなお店だ…店自体がホワイトシュガーのように白いぞ…」
変装エーリカ「ダメですか?」
俺(う…上目使いで頼むのは反則だよなぁ、しかし開発者ってのは頭使うから甘いのを好むのか?)
俺「いや、入ろう俺もしばらくケーキは食べてなかったしな」
変装エーリカ「~♪」
機嫌の良さそうな変装したエーリカに続いて、押しに弱い男が店内に入る
変装エーリカ「すいません、このイチゴのケーキを2つ、いえ5つください」
店員「以上でよろしいですか?」
変装エーリカ「いえ、俺さんは何を食べるんですか?」
俺(5つも一人で食べる気なのか…)
◆
宮藤「ちょっと痛いですシャーリーさん…」ヒソヒソ
シャーリー「悪い悪い、けど監視対象があっちからやってきてくれたんだ ちょっと我慢してくれ」ヒソヒソ
ケーキ屋の店内で目的のケーキを食べていたシャーリーと宮藤の前に目的の二人が現れ、とっさにシャーリーは宮藤の頭を押さえつけ、彼女も頭を低くした
宮藤「わー…一杯のケーキ…」
シャーリー「ウルスラってあんなにケーキが好きなのか、おっと遠くの席に座ったな」
宮藤「遠めで見ると恋人って感じがしますねぇ…」
シャーリー「そうなのかねぇ…」
笑顔で食べるウルスラ(変装エーリカ)を眺めるように俺がコーヒーを啜り、楽しそうに見ている
シャーリー「…あはは、そうだな よし!私も負けられないな 店員さんケーキ6つ追加ね!」
宮藤「ええ!?そんなにお金ありませんよぉ」
シャーリー「大丈夫だって、奢ってやるからなw」
◆
ローマの町、噴水公園
俺「もう食えねぇ…流石に甘いもの尽くしはきっついなぁ」
変装エーリカ「そうですか? 私は平気ですけど」
俺とエーリカはケーキ屋の後、さらにお菓子を買い込み全てを食べ 噴水のふちにあるベンチに座り一休みしていた
俺「胃が痛まないのか…」
変装エーリカ「年ですか?」
俺「うるせぇ!こっちはまだ23だ!」
変装エーリカ「ふふふ…」
俺「結構遠くまで来ちゃったな、そろそろ戻る…ん?」
シャーリー(やばい!隠れろ宮藤)
宮藤(ひゃああああ!?)
建物の影で身を乗り出し二人を見ていたシャーリーと宮藤は急に俺の視線が注がれるのにあわてて体を引っ込めた
シャーリー(危ない危ない、以外に勘が鋭いな俺…)
宮藤(ああ…もふもふ…)
咄嗟にシャーリーに抱きかかえられた宮藤はどこか幸せそうな顔をしていたそうな…
俺(…?なんか宮藤の気配がしたような、気のせいか)
変装エーリカ「戻りますか?」
俺「ああ、もど うわあああああ!?」バキンッ
変装エーリカ「うひゃあああああああ!?」
座っていたベンチが地面に固定していたボルトらしきものが外れ、後ろに倒れ 二人はそのまま噴水にダイブした
変装エーリカ「うわー…びしょびしょ…」
俺「大丈夫かウーシュ?」
変装エーリカ「うn いえ、はい大丈夫です」
二人がずぶ濡れのまま噴水から脱出した所で急な雨が音を立てて降ってきた
変装エーリカ「雨…ですね…」
俺「ああ…ついてねぇ…」
変装エーリカ「早めにもどり…くしゅっ!」
俺「…仕方ないな、ちょっと寄り道しよう」
ウルスラに変装したエーリカの手を引き、俺はある店へと向かう
変装エーリカ(うう…寒いよぉ…何処でもいいからあったかい場所に…えええええっ!?)
俺が一直線に目指した先は少し年期の入った小さなホテルだった
◆
ホテルの一室
エーリカ「あったかいなぁ…」
ホテルにそのままチェックインを済まし、部屋に備え付けのシャワー室でエーリカがほっこりとしている
エーリカ(俺がトゥルーデとウルスラの事どう思ってるか聞きたかったんだけど…どーしよ)
俺<タオル置いておくぞー
エーリカ(う~ん…俺とウルスラってどんな関係だったか聞くの忘れたなぁ 双子だけど気持ちは流石に解らないからねぇ)
エーリカは自分の体を洗いつつ、はっと何かを思いつく
エーリカ(あれ?もしかして恋人だからこうやってホテルに入ってる?トゥルーデを好きだって聞いたのはずっと前の話だったし…)
色々考えている間にエーリカは体を拭いてタオルを巻き、ウルスラのメガネを掛けてシャワー室から出る
変装エーリカ「あ、上がりました…」
俺「ああ、じゃあ俺もシャワー浴びてくるわ」
8畳も無さそうな板張りのホテルの一室は、外の雨もあって暗い
暖をとるためか、ストーブらしき物が火を付けており その近くで俺の服とウルスラの服(ズボン含む)が吊るされている
変装エーリカ「…すーすーする」
タオル一枚だけを体に纏い、他に何も付けていないのだから当たり前だが…
変装エーリカ(でも、恋人同士がするあれってしたらウィッチの寿命がどうのって…あ、でもウルスラは開発だからウィッチの力が無くなっても関係ないのかな?)
変装エーリカ(ウルスラも大人になったんだねぇ…妹に先を越されちゃったよ…)
ベットにクテーっと横になり、先に行った妹に対してしみじみと何かを思うエーリカ
変装エーリカ(あれ?そういう事をする恋人って事は、この状況は今もするって事だよね?今の私はウルスラだし…)
ここはホテル、エーリカはシャワーも浴びた、俺もシャワーを浴びてる、エーリカはタオル一枚
変装エーリカ(これって断ったらウルスラが断ったのと同じだし…マズイ事になった?)
変装エーリカ「こういうときは、何か飲み物でも飲んで落ち着くのが一番だね!」
ホテルに備え付けられていた瓶をコップに注ぎ、エーリカはぐいぐいと飲んだ
◆
俺「あがったぞー、服乾いたか?」
変装エーリカ「…」
俺「どーした、ウーシュ?」
着替えもしていないエーリカに声を掛けるも反応が無い
俺「大丈夫k うわっ!?」ガタンッ
俺は反応の無いエーリカの肩に手を掛けた所で、行き成り振り向いたエーリカにベットへと引きずり倒された
変装エーリカ「うー…イヒヒ…」ヒック
俺「ウーシュ、顔が赤い…ってか酒臭っ!」
変装エーリカ「乙女の上を跨って置いてそれはないんじゃないかなぁ~」
俺「それはお前が…う…」
エーリカが急に動いた為か、その体に巻いていたタオルがはだけており、肌色の上に色の付いた部分が見えそうになる所で
俺は視界を窓へと向けた
俺「服を着ろ、服を…」
変装エーリカ「まだ乾いてないんだも~ん、それに聞きたい事あるし~」
俺「聞きたい事?」
変装エーリカ「…トゥルーデの事、どう思ってるの?」
俺「トゥルーデ? ウーシュ、いつの間にトゥルーデとそんな仲n…ぐぇ!」
その言葉の続きを遮るように、エーリカの足が俺の腰の後ろへと回され、エーリカの体へと引っ張られる
変装エーリカ「そんなのドーダッテいいでしょー、ねぇ、教えてよ」
俺「お、おい離せウーシュ…色々とやばい…」
腰を足で引かれたおかげで、俺の下半身がエーリカの下半身とタオル一枚はさんで密着する
変装エーリカ「話したら離してあげるよ? なんであの時、トゥルーデと結婚しようなんて言ったの?」
俺「あの時…お前もしかしてエーリカか?」
エーリカ「あったり~、ニャハハハ、結構似てたでしょw」
俺「ああ、すっかり騙されたよ …ところでこの足を離してくれないか?」
エーリカ「だ~め~、話してくれるまで離さないよ~だ それともこのタオルも取っちゃう?」ヒック
◆
俺とエーリカのホテル一室の隣部屋
宮藤(シャーリーさん、シャーリーさん ウルスラさんって大胆です///)
シャーリー(あ…ああ…大人しい子ほど大胆になるんだな…)
俺とエーリカがホテルに入るのを見た二人は雨も降ってきたとあって、隣の部屋を借り
聞き耳を立てるはずが隣の様子が見える壁の隙間を偶然見つけたので覗いていた
宮藤(あ…足を腰に…ひゃあああああああ///)
シャーリー(おおおぅ…)
二人の様子だけ見るつもりが想定外の事になっており、覗いていた二人の顔と耳が真っ赤になる
「ねえ…どう…てトゥルーデと…結婚しようなんて言ったの?」
シャーリー(え…?)
男女の絡み合うように見えるその自体でも、何も思わなかったシャーリーがその言葉を聴き 一瞬思考が停止する
シャーリー(結婚…俺が…あの堅物と?)
◆
再びホテル一室
俺「はぁ…分かったよ、話せば良いんだろう?」
エーリカ「うんうん♪」
俺「俺にとってトゥルーデは生きる希望だ」
エーリカ「ありきたり~…」
俺「そのまんまだからな、アイツが居なかったら今頃俺はこうやって生きてないさ」
エーリカ「撃墜から生還したのはその思いからなの?」
俺「そこまでは知らないが、俺は死にたくねぇって思える理由なのかもな」
エーリカ「ふーん…他の子とか見ないの?」
俺「他の子?」
エーリカ「501には一杯可愛い子がいるんだよ~? 俺は目移りしないのかな~?」
俺「たしかに可愛い子ばっかりだとは思うけど 俺には…!」
それ以上言う前に俺の体はエーリカの手によって引かれ
雨音が静かに聞こえる暗い部屋でピタンという音が響き
上半身も密着状態になる
エーリカ「ウルスラだって可愛いよ?性格は良い子だし、外見は私と同じだから…」
密着状態からエーリカが俺の上半身を押して俺の顔を見据える
エーリカ「同じだよ…? 味見…していく?」
俺「う…」
再び俺は顔を窓へ向ける
俺「そんな事言われても…」
俺の上半身を押した腕をするすると下半身へ持って行き腰に巻いたタオルにたどり着いた
エーリカ「えへへ…う゛!?」
俺「え?」
エーリカ「ぎもじわるい…」
俺「ちょっと待て!ここで吐くなよ!?今水持って来てやるからそれまで耐えろよ、ってか足をどけて…」
エーリカ「うう~…俺~妙に硬いので揺すらないでぇ…お尻から揺れて気持ちわるいよぉ…」
その後、最後の防衛線(腰タオル)を涙ながらに犠牲にして脱出した話は彼の名誉に掛けて伏せておこう
◆
なんとか寸前で留まり、ベットでの大惨事を免れた俺は車を走らせ501統合戦闘航空団の基地へと戻っていた
俺「…はぁ」
なんでエーリカはウーシュに変装して今日を過ごしたのだろうか?
隣で顔を歪めて寝ている天使様に聞きたいが、流石に今起こすと今度こそ大惨事になりかねないので止める
基地にたどり着き、待っていたのは仁王立ちにトゥルーデ
車を止めると一目散に助手席のドアに手を掛けた
バルクホルン「起きろハルトマン!」
エーリカ「う~…きもちわるい~…」
バルクホルン「う、酒を飲んだのか」
俺「ちょっとした事故がありまして…」
バルクホルン「こいつの事だ、勝手をして飲んだのだろう 立てハルトマン!」
エーリカ「う~…トゥルーデは弱ってる人にも容赦ないね…」
バルクホルン「お前が勝手に弱ったのだろう、自業自得だ」
エーリカ「ふぅ、酷いやトゥルーデ あ、俺~」
俺「なんだ?」
エーリカに呼ばれ、顔を向けるとまだ顔の赤い天使が俺の体へダイブして
額に口付けをされた
バルクホルン「な…な、なあああああああ!?」
エーリカ「じっくり味わってね! 私の味見、一杯食べたくなったらウルスラの所に行くんだよ~」ニャハハハ
エーリカ(ごめんねトゥルーデ、裸見られちゃったからウルスラを応援しないとなんだ)
そしてそのまま運転席のドアから車を降り、走って基地の中へと消えていった。
◆
シャーリーの自室
シャーリー「…」
『どうしてあの時トゥルーデに結婚しようって言ったの?』
その言葉を聴いたとき、なんでウルスラと俺が体を重ねていたのを気にしなかったのに
シャーリー「…あ~も~」
覇気のない憤りを口にしつつ、ベットへと倒れこむ
ルッキーニを起こさないために、もう一つはそこまで声を上げる気力も無かったから
右手を見る
まだ消えない赤い痕、あれから薬を塗らずずっとそのままにしている
それでもちょっとづつ消えてる
何となく残しておきたかった、ちょっと痛いけど
俺はバルクホルンが好き、良いじゃないか…
シャーリー「良い…いや」
分かってたよ、私の気持ちくらい
何でこんな気持ちになるのかも 最近私らしくなかったな!
シャーリー「バルクホルンはどう思ってるかは知らないけど、結婚するまでまだ時間はあるんだ」
張り合ってやろうじゃないか、あの堅物と!
そう心で笑いながら、私はこの右手に
初めて貰った薬を塗った
最終更新:2013年01月28日 14:42