501統合戦闘航空団基地 廊下
バルクホルン「…全く、風紀が乱れている!」イライラ
廊下にて一人、苛立ちながら私は一人ごちる
俺が来てはや一ヶ月、メンバーとの仲も打ち解けて良い傾向ではあるが
最近、朝食から夕食になるとエーリカが俺にひっつき『あーん』などと食べさせ
俺が休憩に入ればリベリアンが良く喋っている
ガレージで俺が整備していれば、ウルスラ中尉が常に一緒にいる
バルクホルン「はぁ…」
ミーナ「トゥルーデ、最近元気が無いみたいだけど何か悩みがあったら聞くわよ?」
バルクホルン「ミーナか、いやミーナの手を煩わせるわけには…」
ミーナ「501のエースが悩んで不調というのは頂けないわよ」
バルクホルン「…忙しいのにすまないミーナ」
ミーナ「『家族』の悩みは少しでも解消させてあげたいの、紅茶も出すわ 事務室に行きましょう」
事務室
バルクホルン「…という訳なんだ、風紀が乱れて不安でな」
ミーナ「風紀だけかしら?」
バルクホルン「?」
ミーナ「話を聞く限りだと、俺さんが取られそうでヤキモチを焼いてるようにしか聞こえないわよ」
事務室のソファーで二人が並び、紅茶を前にしてミーナが小さく笑いながら答える
バルクホルン「な…私はそんな事を言っている訳では!」
ミーナ「まあまあ、不安がずっと続いてるようなら俺さんとコミュニケーションを積極的に取ってみるのも良いと思うわよ?」
バルクホルン「…」
たしかに私は俺に対して任務や連絡くらいでしかコミュニケーションを取っていなく、今までそれ以外では俺から
話しかけられていた気がする
ミーナ「結婚するって言われても501には可愛い子ばっかりよ、しっかり繋ぎ止めないとね」
バルクホルン「な…覚えてたのか、むううぅぅ…」
ミーナ「彼は2度も撃墜されたのに私達の、貴方の所に帰ってきたんだもの こんな幸運な事はないわ 頑張ってねトゥルーデ」
バルクホルン「う…分かった ありがとうミーナ 私なりに考えてみるよ」
バルクホルンは紅茶を飲み干し、事務室を後にした
ミーナ(本当に幸運よね 『ダイナモ作戦』の時に救済された地点が逃げ切れなかったパ・ド・カレー周辺の部隊ではなくて
比較的被害の少なかったダンケルク周辺の部隊だったからこそ生き残った
2度目の撃墜は
ガリア臨時航空旅団の夜間哨戒で単機で撃墜されたのがガリア開放数日前だったからこそ安全に救済された
そしてジェットストライカーの事故があったからこそ 彼は今ここに応援として来ている
調べれば調べるほど
不幸な出来事があったからこその彼がここに居るというのは本当に『
不死身の悪運』ですね)
◆
バルクホルン(ミーナには私らしく考えるとは言ったが…うーむ)
事務室を後にし、基地の外に出てバルクホルンは考えていた
坂本「どうしたバルクホルン、最近難しい顔をしているみたいだが今日も何か考え事か?」
バルクホルン「坂本少佐? いや、ちょっとコミュニケーションの事を考えていてな」
坂本「こみゅにけいしょん?たまに聞くがそれはつまり親睦を深めるという事だろう?」
バルクホルン「ああ、どうやったら親睦を深められるか考えていたんだ」
坂本「ふむ、部下の事を考える上官としては当然な悩みだな 参考までに扶桑では共に風呂に入り背中を流し合うんだ」
バルクホルン「ふ、風呂!? い、一緒にか?」
坂本「ああ、『裸』の付き合いって言ってな!腹を割って話せることもあるからな 私も昔上官殿とそうやって交流を深めた物だ」
バルクホルン(むうう…いやしかし私では全く良い案が思いつかなかったが…)
坂本「参考までにな、しかしバルクホルンは部下に信用されているからそこまで難しく考える必要は無い気がするが…」
バルクホルン「いや…ありがとう坂本少佐、試してみるよ」
坂本「そうか、良い交流が出来ることを祈っているぞ!はっはっはっは!」
バルクホルンは昼の空を見上げ部隊との交流に何か覚悟を決めていた
夜 俺の部屋
コンコン…イルカ?
俺「あいてるよ~」
バルクホルン「失礼する、俺、風呂が開いたぞ」
俺「了解 最近エーリカが首にひっついて肩がな…」
バルクホルン「…年寄り臭いぞ俺」
俺「ひでぇ…まあ風呂に入れば疲れがすっきるするんだ 我慢しよう」
バルクホルン「そうか…疲れているなら私がお前の背中を流してやろう」
俺「了解…え?」
◆
01統合戦闘航空団基地内 露天風呂
俺「あー…トゥルーデ?せめてズボン(ハーフパンツ)を履かせて貰えないか?」
バルクホルン「風呂にズボンを履いて入る奴がいるか」
夜の露天風呂で湯気が視界を若干遮る中、俺はシャワー前にその背後にバルクホルンが互いにタオルを体に巻いて互いに座っている
バルクホルン(ズボンなど履いたら、坂本少佐が言う『裸』の付き合いに成らないからな…ここは我慢だゲルトルート・バルクホルン…)
バルクホルン「後ろを見るなよ?いいか、何があっても見るな?カールスラント軍人の誇りにかけて見るなよ!」
俺「扶桑ではそれって見てくれって言ってるような物なんだz ぶるぅおあああああ!?」クルリ
振り返る俺を予想していたかのように体を回す勢いとバルクホルンの拳が飛び、頬に直撃するタイミングが重なり
俺の首へクリティカルなダメージになった
バルクホルン「お前という奴は本当に信用ならんな」
俺「い、いてぇ…」
バルクホルン「しかし…傷が酷いな」
俺「んあ…?ああ、2度も撃墜されたからな 無傷って訳じゃないさ」
バルクホルンは俺の傷跡だらけの背中を撫でる
バルクホルン(当たり前か…撃墜されれば宮藤みたいな治癒魔法のウィッチが居なければ傷跡は残るものな これほどの傷…)
俺「あ~…トゥルーデ?そんなに撫でられるとくすぐったいんだけど…」
バルクホルン「あ、ああ すまない今洗うからな」
バルクホルンはハンドタオルを取り、俺の後頭部に近い首の辺りから洗い始める
俺「痛っ…!」
バルクホルン「す、すまない 力を入れすぎたか?」
俺「いや、怪我してる所だったからさ」
俺の背中に当てていたハンドタオルを取ると、古傷の中に目新しい傷があった
バルクホルン「これは…訓練の時にしたのか?」
俺「訓練でもそんな小さな傷はつかねぇよ、エーリカにちょっとな…」
バルクホルン「ハルトマンが何かしたのか?」
俺「最近良く首にひっついて来るんだが、その時に一度失敗してな 首に抱きついた手が滑ってもれなく爪でガリーっと…」
バルクホルン「そ、そうか 今度一言言ってやらないとだな」
俺「いや、いいよ 一応謝ってくれたし」
バルクホルン「一応?」
俺「笑いながら謝られたからなぁ…わざとやられたのかもしれないが、まあそれくらい良いんだけどねぇ~」
バルクホルン「はぁ…ハルトマンは…」
そう言いながら、バルクホルンはエーリカに引っかかれた傷を見つめる
バルクホルン「そういえばこの間俺が町に出た以来からずいぶんと仲が良さそうなのだが何かあったのか?」
俺「え…いや特ニナニモ?」
バルクホルン「その…二人っきりで何しに行ったんだ?」
俺「ん~、エーリカに頼まれて町に出てお菓子一杯食ったり買ったり帰ってきたな」
バルクホルン「食い物で懐柔されるとは情けない…」
俺(さすがに酒を飲んで暴走した話はしなくて良いよな?)
◆
バルクホルン「しかし…その…キスをするというのはイササカどうかと思うぞ」
俺「キス?」
バルクホルン「車の中で俺とエーリカがその…」
俺(あー…、助手席の外側から見ればそう見えるわな)
俺「額にキスされただけだ、口はちゃーんと取ってあるよトゥルーデ」
バルクホルン「な、何をいうかバカモノ!そういうのは口だけじゃなくてだな…」
俺「あら?口以外でもダメ?どっかの外国では挨拶で頬にキスをするって言うのにトゥルーデは独占欲強いほう?」
バルクホルン「う、うるさい!体が冷えるからさっさと洗うぞ!」
俺「はいはい、安心しなって、俺はちゃーんとトゥルーデに心配されるほど節操無しじゃないって 」
バルクホルン「…!!」ゴシゴシゴシ…!
俺「イダダダダダ!?ちょっと痛いトゥルーデ痛い!?もっと優しく!」
バルクホルン「これで根を上げるとは貴様男か!男らしく我慢しろ!」
俺「バカ爪立てんな!風呂掃除じゃないんだって イダダダダダッ!」
まともに俺の背中を見ていないバルクホルンは力任せに俺の背中を洗った
俺「赤くなってないかコレ…」ヒリヒリ…
バルクホルン「それだけ綺麗になったって事だ、私も体を洗うから先に湯船に入ってると良い、ただしこっちを見るなよ」
俺「俺が背中洗ってやろうか?」
バルクホルン「いや…しかし」
バルクホルン(『裸』の付き合いというのはお互いに洗ってもらう物なのだとしたら…むぅ」
バルクホルン「分かった、よろしく頼む」
◆
お互いの体を(俺は目を瞑って)入れ替えて座る
バルクホルン「あ、あんまり見るなよ!」
俺「無茶言うな、見ないと洗えないだろ」
バルクホルン「むぅ…」
俺(しかし、冗談で言ったのにどうしてこうなったし…)
俺は洗い終わったハンドタオルを手にして、バルクホルンの背中に当てる
バルクホルン「中々うまいな…」
俺「嫁さんにこうやって背中流してあげて褒められるのが夢でな」
バルクホルン「だれが嫁だ!」
俺「つめてぇ…」
ゴシゴシと力加減を調整しつつバルクホルンの背中を洗う
俺(トゥルーデの背中、思ってたより小さいな いつもは大きく見えるのに)
いつも結ばれている髪が下ろされ、少しだけ猫背になっている背中
常に軍人の鏡のように見えるバルクホルンの背中がこの時だけは年相応の女性に見える
バルクホルン「…俺、何故そこまで『結婚』に拘る?」
俺「ん~、可愛い嫁さんもらって、子供3人くらい作って幸せな家庭を作りたいから?」
バルクホルン「具体的なのか抽象的なのかわからんな」
俺「夢だからなw 唯一変わらない夢、ネウロイに襲われて故郷を奪われたって変わらない」
バルクホルン「ネウロイはその幸せな家庭だって壊すんだぞ?」
俺「そうだな、だから俺は戦ってる …なんてかっこいい台詞は言ってみたかっただけで相手が居なかっただけだ…」
バルクホルン「…そこに私が居る必要がないだろう、結婚できる相手なんて幾らでも」
俺「俺の顔はイマイチだからねぇ…相手もいないしそれに」
バルクホルン「?」
俺「トゥルーデとの子供は絶対可愛いって俺は思うからな!」
バルクホルン「な、行き成り話を飛ばすな!私は戦える間は子供は作らん!」
俺「子供をちょっと我慢すれば今すぐ結婚はオーケーなんだ?」
バルクホルン「揚げ足を取るなバカモノ! まったく…」
俺「悪い悪い、でも俺はトゥルーデが好きだよ これだけは何があっても変わらない」
バルクホルン「う…///」
俺「はい、背中洗い終わり あとはゆっくり湯船に浸かって…」
ガラリ…
エイラ「サウナの後は水浴びに決まってるだろー?」
ペリーヌ「今日はもう遅いんですから、お風呂で我慢してくださいまし」
サーニャ「そうよエイラ、これから夜間哨戒なんだからお風呂で我慢しましょう?」
俺・バルクホルン「!?」
急に更衣室から聞こえた乙女達の声に二人は姿勢をそのままにちょっとだけ飛び上がり
急に振り向いたバルクホルンが俺を抱え湯気が立ち上る露天風呂へとダイブした
◆
エイラ「なんか凄い音がしたゾ」
ペリーヌ「何方か入ってるのかしら?」
エイラ、ペリーヌ、サーニャは水が重く弾ける音を聞くと歩いていた歩調を少し落とした
サーニャ「あ、バルクホルン大尉…」
ペリーヌ「俺さんが入ってるのかと驚いてしまいましたわ」
バルクホルン「なんだお前達、まだ風呂に入ってなかったの ひゃぁ」
エイラ「サウナで話し込んじゃってナー」
サーニャ「すみません大尉…」
バルクホルン「お、遅い時間になったら俺も入るんだ き、き、気をつけろよ」
了解~とちょっとゆるい乙女達の声を背中で聞いたバルクホルンはとりあえず安心する
バルクホルン(とりあえずばれなかったか…ぃぅ!?)
俺を抱えて湯船に飛び込んだ後、そのまま俺を背中から抱きかかえる形で彼を隠している
俺(おお…これは…)ブクブクブク…
急に飛び込まされた俺は湯船に顔半分までつけられ、後頭部にやわらかい感触を感じる
バルクホルン(動くな俺!変な所に髪が擦れて…んぅ…)
俺(動いて無いって、髪がお湯に浮いて勝手に動いてるんだ 多分)ブクブクブク…
ペリーヌ「大尉がこの時間にお風呂って珍しいですね」
バルクホルン「ちょっと用が出来てな!処理をしていたらこの時間になったんだ」
サーニャ「忙しいんですね…お背中流しましょうか?」
サーニャが3人に背中を向けたバルクホルンに近づく
バルクホルン「さっき洗ったばかりだ!私に遠慮はしなくていいぞ!」バシャバシャ
エイラ「大尉、さっきから水が跳ねる音が聞こえるんだケド」
バルクホルン「ちょっと寒くてな!肩に水を当ててるだけだ!」
ペリーヌ「風邪ですか?それなら私が体の温まる紅茶を入れて…」
バルクホルン「きょ、今日はもう遅いからな!明日体調が悪かったら頼む!」
ペリーヌ「はい、その時はすぐ入れますので遠慮なさらずに言ってくださいまし」
◆
俺(大尉!高度上限解除を要請します!)バシャバシャ…
バルクホルン(ダメだ中尉!現状高度維持を優先しろ!見つかったら蜂の巣だぞ!)
俺(せめて、せめて呼吸だけでも…鼻だけでもおおお!?)バシャバシャ…
3人に近づかれ、俺を隠そうと頭を手で押さえるが新鮮な空気求めて俺が暴れている
なんとか顔の角度を変え鼻だけ水面の上へと逃れた
バルクホルン(髪が…胸の間で擦れる…)
3人が体を洗い終えて湯船に浸かる
サーニャ「あったかい…」
ペリーヌ「サウナは暑かったですからね、丁度良い湯加減に思えますわ」
エイラ「ナニ言ってンダ、アレくらいが丁度イインダロ」
ペリーヌ「あなた方はこれから夜間哨戒だというのに、お風呂に入ったら眠くなりませんの?」
サーニャ「慣れました…」
エイラ「夜の空に上がれば一気に体が冷えるカラナ 眠気も無くなるサ」
サーニャ「そういえば最近フリーガーハマーの調子がおかしいの」
サーニャ「ううん、私も見てみたけど原因が分からないって…」
ペリーヌ「ウルスラさんが居ますから見てもらえばよろしいのでは?」
サーニャ「う~ん、ウルスラさんにこの間頼もうとしたら俺さんが整備してる所で本を読んでて休憩中かなって思って…」
エイラ「ソウイエバ俺の近くニ良くイルナ」
ペリーヌ「元々ノイエ・カールスラントに一緒の開発室にいたらしいですが…」
エイラ「フ~ン、そういえば大尉も前の部隊で一緒だったって聞いたケド」
バルクホルン「んにゃ!? あ、ああ アイツとは昔一緒の隊だったんだ」
胸に時々揺れる髪の感覚に耐えつつ、急に話を振られたバルクホルンの声が上付く
◆
エイラ「へ~、俺中尉ってどんな人だったンダ?」
バルクホルン「そうだな…上官には口は悪いし、態度もカールスラント軍人としはなってない、それに胡散臭いな」
ペリーヌ「凄い言われようですわね…俺中尉はあまり良い方ではないのかしら」
バルクホルン「だが、芯は通す ひよっこの頃は私を負かすと訓練に嘘は付かなかったし
約束も可能な限りでは守るようだ それに…」
エイラ「それニ?」
バルクホルン「いや、なんでもない 行動は良いのかもしれないが態度が悪いから今一信用出来ん奴さ」
サーニャ「良く知ってるんですね」
エイラ「アレカ?昔付き合ってたトカだったりシテ」
バルクホルン「断じて違う!じょ、上官として見るのは当たり前のことだ」
サーニャ「恋人…遠くでしか見たこと無いですがウルスラさんと俺さんがそんな感じに見えるね」
ペリーヌ「そうかしら?」
突如に湯気の立つ露天風呂に再びバシャバシャと水音の跳ねる音が聞こえる
エイラ「ナンダ大尉、動揺してるノカー?」
バルクホルン「動揺などしていない!肩が冷えたからお湯を掛けているだけだ」
俺(トゥルーデ、体を締め上げるな!高度を落とすな!使い魔の耳をだすなあああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!)メキメキメキ…
サーニャ「湯気が更に濃くなってる…今日の夜間哨戒はちょっと寒いかもね」
エイラ「ツンツンメガネー、私達に体のあったまる紅茶出してくれよ~」
ペリーヌ「そうですわね、私も寝る前に飲みたかったですし良いですことよ 大尉もご一緒にいかがですか?」
バルクホルン「い、いやもう少し浸かっていく 気を使わせてすまないペリーヌ」
ペリーヌ「いえ、お体に御気を付けて大尉」
エイラ「風邪引かないでくれよ大尉」
サーニャ「それでは失礼しますね」
◆
バルクホルン「ふぅ…行ったか…」
俺とウルスラ中尉が恋人か…
たしかにずっと一緒だったみたいで、ずいぶんと仲が良い
ガレージでは共に整備したり、時には俺の整備中にウルスラ中尉が本を読んでいた事もあったな
この間は風呂ガ開いたので呼ぼうと思ったら一緒の部屋にいて驚いた物だ…
再び、俺と風呂に入る前の感情がふつふつと静かに沸き起こる
バルクホルン「…」
ウルスラ中尉なら今すぐ子供を作ってもさほど問題ではないだろう
空が最前線ではなく、新兵器開発研究が彼女の最前線なのだから
彼女なら俺を幸せにしてくれるはずだ
だが俺は私を見てくれている、数年も会っていなかった私を
バルクホルン「私が困るのを知っている癖に…」
露天風呂の中、そう呟き気持ちが不思議に落ち着くのを感じ 腕の中にある物を優しく抱きしめた
バルクホルン「…ん?」
バルクホルンの腕の中には顔を湯船に沈められ、体にバルクホルンの腕ほどの痣が出来た俺が反応も無く浮いている
バルクホルン「お、俺!?しっかりしろ俺!俺えええええええええええええ」
この日 非公式に俺中尉はバルクホルン大尉の胸の上で3度目の被撃墜を記録した
◆
突然の最前線勤務も悪くはなかった
501メンバーは俺を快くかは分からないが受け入れてくれ
昔果たせなかったささやかな約束も実行できた
シャーリーはよく話してくれるし
エーリカはあの日からよく引っ付いてくるが、楽しいくらいだ
いつも隣にいてくれたウーシュもまた隣に居てくれる
トゥルーデには結婚の約束を跳ね除けられてへこんだけど、うまい芋料理を作ってくれたし酒にも付き合ってくれた
この何物にも変えがたい幸せは
その帳尻をあわせるように
この日を境に静かに終わりを迎えていた
最終更新:2013年01月28日 14:43