ヴェネツィア上空前
ルッキーニ「わ、大和きえちゃったー…」
エイラ「あんなのが突然消えるなんて不気味ダナ」
サーニャ「そうね…」
バルクホルン(俺…無事でいるんだぞ)
ミーナ「只今最終作戦が開始されました、全員二体または三体連携で散開!敵を上空に引き付けます」
一同「了解!」
各自事前に打ち合わせた小隊を組み、散開する
バルクホルン「ハルトマン!敵陣に突撃するぞ続け!」
エーリカ「わっ、いつも通りだ」
バルクホルン「何かおかしいか?」
エーリカ「いいや~、やっぱトゥルーデはこうじゃなくっちゃね」
バルクホルンに笑いかけながらエーリカは彼女の後ろに付く
バルクホルン「この作戦が成功すればロマーニャは開放されるんだ 塞ぎこんでいられん!」
エーリカ「さっきまで塞ぎこんでいた人がいうー?」
バルクホルン「う、うるさい!後ろは頼んだぞハルトマン!」
エーリカ「はいはい、いつでも行けるよ~」
バルクホルン「了解、切り開くぞ!」ギイイイイイイイイイイイ…
MG42を二丁持ち、ロータリーストライカー独特の高音を放ちながらネウロイの陣地へと突撃を開始した
ペリーヌ「くっ、キリがありませんわね…」ダダダダダダ…
宮藤「リーネちゃんの援護があっても辛い…けど守らなきゃ、それが私に出来る事…」ダダダダ…
リーネ<きゃぁ!囲まれた…!?>
ペリーヌ「なんですって!?抜かれた?」
宮藤「リーネちゃん!」
ペリーヌ・宮藤・リーネの小隊の後方援護をしていたリーネは抜けてしまった数体の中型ネウロイに囲まれる
坂本「させるか!烈 風 斬 !」
扶桑の秘奥義を中型ネウロイに叩き込むも、刀はネウロイの体を切り裂く事なく金属音が響き、反射の衝撃で刀が坂本少佐の手から離れ
海へ落ちる
ミーナ「少佐!?」
宮藤「くぅ!?」
リーネを援護しようと戻った宮藤はそのまま坂本少佐の前まで進み、眼前のネウロイの反撃を間に入ってシールドで防ぐ
シールドで防御をしたのを確認したミーナはネウロイに攻撃し、敵ネウロイは光の粒へと分解した
宮藤「坂本さん!?」
坂本「くそ…ここまでなのか…」
ミーナ「ここ最近の連戦でみんなの魔法力も少なくなってるわ…魔法力を消耗した人から赤城型空母二番艦『天城』へ退避して!」
◆
扶桑艦大和 機関室
俺(501が上空で戦っているのか…心強いな ん?)
虚偽の結界により消えて周りから見えないはずの大和の艦首に刀が刺さったのを感じ取る
俺(虚偽の結界の内部に何か入ってきた…刀?坂本少佐が刀を使っていたが大丈夫だろうか…)
そんな心配をよそに通信が入り、考え事を中断する
艦長<ネウロイの巣まで距離10,000 『魔道ダイナモ』起動開始 追い込まれた人間の怖さを奴らに思い知らせてくれ>
俺<了解、『魔道ダイナモ』起動!>
魔道ダイナモに手をかざし始める
俺「俺とウーシュの魔法力だ、しっかり味わえよ!」
魔法力の開放によってかざしていた手が光り、全身も包み込むように光り始め
それを合図に魔道ダイナモは大きな機械音を立てて起動を開始した
俺「…そうか、こう言う事もあるのか」
履いていたストライカーが黒く、ネウロイの装甲のように染まり往く
俺「『魔道ダイナモ』より俺に干渉確認、『虚偽』により干渉を誤魔化す ウンヴァーハイト…」
足先からネウロイのように黒く染まり進んでいたのが止まり、ストライカーの色が正常に戻ってゆく
俺「俺に対してのネウロイ化成功の嘘を『魔道ダイナモ』に流しつつ抵抗…魔力消費も酷い事になってるな…
ストライカーオペレーションシステム、現状維持での残り魔力の残量と作戦遂行までの魔力残量を計算してくれ」
『現在の魔力蓄積炉の残量は63%、現在の使用状況での作戦遂行までの予想残量-20%』
俺「…っは、まったく足りやしねぇ」
無機質な返答もない声に毒づく
俺「…シールドを完全に切った場合の予想残量計算を頼む」
『シールド解除の場合の作戦遂行までの予想残量10%』
俺「それだけあれば、あとは簡易型の魔法貯蓄路直結の外部ロケットブースターで飛べるか…
ウィッチプロテクト(保護)システムオールオフ、シールドを解除する」
『警告:戦闘においてシールドを解除した場合ネウロイの瘴気に晒される危険性が生じます』
俺「問題ない、とは言えないが切らなきゃどの道作戦は遂行出来ない、全部切ろ!」
『ウィッチプロテクトシステムオールオフ シールドサポート解除』
シールドを解除した俺に『魔道ダイナモ』によるネウロイの瘴気が容赦なく俺を汚染してゆく
俺「お~お~、ビリビリくるねぇ、肌が焦げそうだよ…この『魔道ダイナモ』に同化されて作戦失敗よりは良いか」
◆
ヴェネツィア上空
エーリカ「もー…トゥルーデは…しかた…ないなぁ…」ハァハァ…
バルクホルン「私はまだまだ行けるが…ハルトマンは戻れ」
エーリカ「で、でもトゥルーデが一人に…」
先日までの連戦から大規模作戦に参加した501メンバーの魔法力は、日々削られておりエーリカもまた魔法力の限界に近づいていた
バルクホルン「大丈夫だ、無理な飛び方はしない それにロータリーストライカーのおかげでまだ飛べるんだ」
エーリカ「…飛んでるのは私達で最後みたいだから絶対に無理しないでよね」
バルクホルン「ああ、聞こえるかミーナ?」
ミーナ<聞こえます、今大和がネウロイ化しました 他のメンバーも退避していますので貴方達もただちに『天城』へ退避を…>
バルクホルン「ハルトマンを帰等させる、私はまだ戦えるから少数のネウロイを引き付けて戦う」
ミーナ<単独で!?ダメです退避を…>
バルクホルン「やらせてくれミーナ、艦隊周辺で援護を貰いながら行うから無理はしない 今私に出来る事をしてやりたいんだ」
ミーナ<…わかったわ、でも魔法力が切れたらすぐに退避して これは命令です>
バルクホルン「ありがとうミーナ 行ってくる」
◆
赤城型空母二番艦天城 操舵室
船員「コアコントロールシステム正常に作動中」
艦長「…」
灰色に染まった曇り空の中、黒く染まり往き、変わり果てた扶桑艦大和の姿に艦長は目を伏せる
船員「残り稼働時間約7分です」
艦長「…扶桑艦大和浮上!」
艦長の命令と共に俺の虚偽の結界から姿を現した扶桑艦大和はネウロイに染まった巨体を海から浮上し、灰色の空を飛んだ
その間戦闘により魔法力を消費したバルクホルンを除く501メンバーは『天城』の甲板に立っていた
エイラ「サーニャ見ろミロ」
サーニャ「もう見てるわ…」
エーリカ「大丈夫かな…俺」
空を進む大和は数多くの火器により中型含むネウロイを一掃しながら突き進む
その様子に慌てたようにネウロイの巣から空を多い尽くすほどの中型ネウロイが姿を現し、大和へ攻撃をしかける
宮藤「被弾してる!?」
リーネ「このままじゃやられちゃう…」
ペリーヌ「いいえ、再生してるから大丈夫」
シャーリー(艦は再生しても俺は…)
ネウロイ化した扶桑艦大和が被弾しながら突撃するのをシャーリーは歯を食いしばりながら見ていた
◆
ヴェネツィア上空
バルクホルン「大和が…くっ!」ギイイイイイイイイン…
被弾した大和に気を取られ不意をネウロイに突かれるも、急降下でネウロイの攻撃を回避する
バルクホルン「退け!ネウロイ!私はお前達に構っている暇は無いんだ!」ダダダダダダ
艦隊の援護を受けながらロータリーストライカーの恩恵を受けて一人空を飛んでいるバルクホルンの目の前には
無数のネウロイによって前方を塞がれていた
『警告、魔法力蓄積炉残り残量が30%を切りました 残り予想稼動時間約7分』
バルクホルン「シールドだって最小限で戦っているのに、…うおおおおおおおおおおおお!」ダダダダダダ
MG42の2丁を弾も惜しまず連射して前方を切り開こうとするが撃ちもらしたネウロイのビームが
最小限に展開していたシールドの脇を通りバルクホルンの左を掠め、MG42がビームによって溶ける
バルクホルン「くぅ…」
溶けてしまったMG42を手放し、少し間を空けて熱により弾倉に引火し暴発した
『固有魔法による魔法力消費率低下 残り稼働時間約15分です』
右手に残ったもう一つのMG42を両手に持ち、上昇しながらネウロイを撃墜していく
バルクホルン「私はまだ俺に何一つ返していないんだ!それを返すまで、落ちるわけにも、あいつを落とすわけにも行かないんだあああああああああ!」
上昇から反転し急降下、バルクホルンを追っていたネウロイを通り過ぎざまに全て撃墜していく
バルクホルン「はぁ…はぁ…はぁ…」
だが彼女の願いとは裏腹に前方にたたずむネウロイは壁のように空を多いつくしていた
◆
扶桑艦大和 『魔道ダイナモ』機関室
俺「…はぁ…く…ぁ…」
ネウロイによる大和への総攻撃による被弾の衝撃で、機関室内にストライカーを固定していた装置が外れ
俺は魔道ダイナモに頭を打ち付けてそれにすがり付いている
俺「畜生…頭から血が出ちまった…これからどうするんだっけ…」
頭から血を流し、少しだけ放心している俺はこれからの計画を思い出そうと必死で魔道ダイナモに掴まり立ち上がる
俺「この瘴気を出して威嚇するクソッタレな機関に攻撃されないようにしないとだっけか…今後必要な魔法力にリミッターを設定…
計算で残った10%の魔法力のうち5%に更に制限を掛けろ…」
『了解、作戦遂行に必要な魔法力にリミッターを設定します 残り自由魔法力5%』
俺「これで…何とかなるな…ウンヴァーハイト…!」
魔道ダイナモを乗せた機関室へ迫るネウロイを周りのネウロイへ『俺の姿として騙して見せて』ネウロイ同士で攻撃させ合い、機関室を守る
その間にも俺の目の前に広がるネウロイの巣がどんどんと近くなってゆく
俺「…なんで俺、あんなのに突っ込まなきゃなんないのかな」
朦朧とする意識の中で俺は独り言を呟くと軍服のポケットから手のひらサイズの人型ネウロイが目の前まで出てきて
頭の中に『ミヤフジヨシカ』のイメージを流してくる
俺「そいつは…お前の目的だろ…」
小さな人型ネウロイに少しだけ笑いながら答えると今度は別のイメージ
白いシーツを全身にまとって、見上げてくれる花嫁のようなバルクホルンのイメージが頭に流れ込む
俺「へへへ…そうだよな、トゥルーデの為だったな…」
魔道ダイナモの瘴気の影響でプチプチという血管のような物が切れる音が俺の中からして、頭から流れる出血が止まらずに酷くなる
俺「こんな事なら…結婚式のその先のもっとその先もやっておくんだったぜ…」
幾度もの被弾をしながら大和はネウロイの巣の外壁へと体当たりを行った
その衝撃で俺は前方へ叩きつけられた後、後方へ大きく吹き飛び外部の魔力蓄積炉とストライカーを接続していたケーブルを引き千切り
機関室の後方の壁に『魔道ダイナモ』の瘴気で弱った俺の体が叩きつけられそのまま前のめりに倒れる
俺「はぁ…はぁ…ごほっ…ネウロイの巣からの干渉波有り、お前の教えてくれた通りだな…ありがとうよ、小さなネウロイ」
倒れたまま起き上がろうとせずに、俺はゆっくりと呟く
俺「巣の干渉波を魔道ダイナモが停止したという嘘の情報で返信…魔道ダイナモ起動…正常」
艦の先端をネウロイの巣へ押し付けたまま、艦長杉田淳三郎の号令の下、扶桑艦大和の主砲が巣へ火を放った
◆
俺「…」
ネウロイの巣の外壁を破壊した大和はネウロイ化を解除しながら海へと落下してゆく
俺「ぁ…」
自由落下で浮き始めた俺の体をポケットから飛び出し手のひらサイズから機関室の後方の壁を変形、吸収して人のサイズへと大きくなった少女の形をした人型ネウロイに支えられる
俺「そうだ…まだ終わりじゃないんだったな」
人型ネウロイに支えられながら俺は壁に装着されていたフリーガーハマーの改良機フリーガシュレックを二つ取り外し持ち上げる
俺「手間掛けさせて悪いな…」
その言葉に少しだけ首を傾けた人型ネウロイは俺が飛べる姿勢を取ると形を俺の後方で形を変えて、鉄を多量に排出し
再び小さなネウロイとなって俺のポケットへと戻った
俺「魔法力蓄積炉直結ブースター起動」
『了解、ブースター起動します」
人型ネウロイが大きくなるために使った機関室後方の壁には大きな穴が開いており、そこから落下する大和から飛び立ち
温存していた魔法力による最小限のシールドで大量に降る白い粒を防ぎながら目標に突き進む
俺「親玉だけあってデカイな…」
大量の白い粒の中を通り過ぎると扶桑艦大和が可愛く思えるほど大きなネウロイのコアがあった
俺「…でも分かりやすくて良い、的もでかいから外しようもない」
ブースターを吹かしながらフリーガーシュレック2機を前方に構える
俺「…こいつはウーシュの特別なお手製だ、遠慮せずに全弾持ってけ!」
フリーガーハマーと同系の形をしたフリーガーシュレックのトリガーを引き、装填されていた全てのロケット弾を打ち込み
飛んでゆくフリーガーシュレックのロケット弾は各々広がりながら誘爆を避けるように広がり広範囲の爆発を着弾しながら発生させ
巨大なネウロイのコアに大穴を空けた
◆
ヴェネツィア上空
バルクホルン「はぁ…はぁ…」
MG42機関銃一本で戦い抜いていたバルクホルンは自分の前にいた無数のネウロイが突然白い粒と化した事で
その場で停止しネウロイの巣のあった場所を見上げた
バルクホルン「大和が突撃して主砲を打ち込んだのまでは確認したのだが…あの爆発…?」
ネウロイの巣から再び白い粉が大量に巻き上げられてその先に何があるか確認できない
バルクホルン「俺は!?」
巣を守るように彼女の前にたたずんでいた中型ネウロイの群れは全て消え、バルクホルンはネウロイの巣のあった場所へ飛び出した
バルクホルン「生きているよな?…俺…俺…」
巻き上げる白い粒がだんだんと薄くなり、曇り空が大穴を空けて巣のあった場所だけ太陽の光で照らされる
天にライトアップされた中、フリーガーシュレックを2機も持った重装備な人影が見える
バルクホルン「俺ーーーーーーーっ!」
俺<…聞こえてるよトゥルーデ、俺中尉任務完了 出来れば近場にいる天城に着陸したいんだけど>
バルクホルンは軍服を血だらけにした俺の隣を併走して飛ぶ
バルクホルン「…お前は…勝手にこんな無茶をして…」
俺「悪いな、けどもう終わったんだ もうこんな無茶はごめんだw」
バルクホルン「絶対…だからな」グズッ
俺「泣くなよw 約束するって」
バルクホルン「ああ…約束だ…」
涙を浮かべながら俺から見て右隣を飛行するバルクホルンは涙ながらに続ける
バルクホルン「これでここの戦争も終わった、俺…私ももう少ししたら20になるからな、天城に帰ったらお前に伝えたい事が山ほどあるんだ」
◆
第二空母天城 甲板
ルッキーニ「やったー!これでロマーニャが開放されたよー!」
シャーリー「俺、無事でいるかな」
ミーナ「大丈夫のようね、こちらでは確認出来ないけど通信ではトゥルーデと接触してるわ」
エーリカ「まったく無茶するねぇ~二人とも」
エイラ「ナンダ?俺って最前線にいたのカ?」
サーニャ「私も知らなかった…」
ペリーヌ「私もそんな無茶をしてるなんて知りませんでしたわ…俺中尉は
不死身ですわね…」
坂本「ふぅ…バルクホルンが単機で戦闘を続けると言った時にはどうなるかと思ったが、結果良ければ全てよしだな」
宮藤「皆を守れたんだ…やった、やったよリーネちゃん!」
リーネ「や、よ、芳佳ちゃん!?行き成り抱きつかれたらびっくりするよぉ」
宮藤「えへへ~…」フニュフニュ
ミーナ「バルクホルン大尉、皆貴方達の帰還を待ち望んでいるわ、早く帰等を…」キイイイイン
◆
ヴェネツィア上空
俺「伝えたい事?」
バルクホルン「ああ、私がお前に言えなかった事言いたかった事を…」
二人で『幸せ』をかみ締めながら天城に方向を変えて飛行する最中、怒号のような通信が入る
ミーナ<トゥルーデ!未確認物体がそっちに向かってるの!避けて!>
バルクホルン「何っ…くッ!うわああああああああああああああああ!?」
併走しながら飛んでいたバルクホルンは通信を聞いて前方を確認し無理やり体を曲げ軌道を変えようとするも
あまりにも遅かった反応の前にはその抵抗も空しく、赤いビームが魔法力がほぼ無くなってしまったシールドを貫通し
バルクホルンは残ったMG42を盾するも被弾は免れず煙を上げて墜ちてゆく
俺「トゥルーデーーー!!」
残っていた魔法力蓄積炉直結のロケットブースターで飛んでいた俺は、墜ちてゆくバルクホルンを助けようと体を方向転換するが
その動線にいくつもの赤いビームが流れてきたために急上昇して回避し
飛んできたビームの方向を見据える
◆
曇り空と風が音を立てて吹く中、ネウロイの黒に染まった戦闘機のような機体から人の声でもない、通信でもない『何かの声』が俺の頭の中に直接響いた
最終更新:2013年01月28日 14:46