第一話 つくってあそぼ「かいぞうがたバイド」




宇宙中で猛威を振るった、BYDOの大体の殲滅確認から少し後の事。

TeamR-typeは表向きは解散したが、裏では別の企業へと移動し様々な科学開発事業に移動していた。

秘密裏に作成された計画書、R-102アンコール計画、ここから話は始まる。

R-9に始まった全てのR-101までの兵器を一機体で再現し、尚且つ小型化するというプロジェクトだった。

BYDOの殲滅後パパラッチによって晒された軍事機密、そして民衆からの不信感。

コレを取り除き、国威発揚を目的としてその計画は始められた。

だがTeamR-typeは伊達じゃなかった、そして自重しなかった、BYDOの性質を改良したメルトクラフトをベースに。

搭乗者はエバーグリーン事件でBYDO化し、冷凍保存された人間を改造したという変態具合。

意識としては人間、性質としては未知の生命体。

脳味噌は生体ベースに、知識を電子化しブチ込むことによって高性能化を図るという徹底ぷり。

軍「そんな兵器で大丈夫か?」

研究員「大丈夫だ問題ない」


そして其れは公開され、結果世紀の大暴動が発生した。

軍「全然駄目じゃないですかー!」

研究員「知ったことかー!」

そんなもん展示すんじゃねぇよ、という世論に押されR-102と搭乗者は破棄される…筈だった。

TeamR-typeは其れを捨てるなんてとんでもない!と言い出し、搭乗者とR-102は開発基地から脱出させたものの。

位相次元に逃げ込もうとしたところ、民衆の奪ったR-11S2の波動砲に撃たれて歪んだ時空に巻き込まれてこの時代から消え失せた。

そしてたどり着いた場所は15世紀、後に南洋島と言われる島の上空3000mであった。

彼は取り敢えず南部山岳地帯に不時着し、拠点という名の家を作り、釣りと農耕による生活を始めた。

豊かな自然、豊かな資源、R-102の燃料融合炉の燃料、水も大量にあり、少なくとも21世紀初頭の生活水準を保って呑気な生活を楽しむ。

晴れの日には地を耕し、雨の日は屋内でR-102内のデータベースによる学習、そしてある日有ることに気がつく。


判ったこと1つ目、少なくとも不時着から40年は過ぎていたが、それでも顔にはシワ一つ増える様子はない。

2つ目、どうやら他にも16世紀程の文化力を持った国が世界中に散らばって存在し、尚且つ世界地図は元いた地球に酷似しているということ。

3つ目、この世界にはウィッチと言われる、所謂魔法少女が居るらしい、まあコレはどうでもいい。

4つ目、俺の能力はBYDOの恐るべき融合分裂能力は無くなったものの、一定時間の分裂(デコイ?)。

見て得た生命体への変身や、生身で空を飛ぶ(但し速度は決してR-戦闘機程早いわけではない)等々の能力を得た。

5つ目は、島に恐る恐る現れた日本人のような外見の人間と喋って判ったことだが、その国の公用語は日本語に似通ったものだそうだ。

扶桑国と呼ばれる国の人間のようで、久しぶりに人間と会話したのが非常に痛快で色々手土産を持たせた所。

翌月、約500人の軍隊を率いて侵攻してきたでござるの巻。

後に判ったことだが、殿様が高度な未来技術欲しさに侵攻開始、島に上陸した。


直ぐにコレを素手で撃退後、侵略行為地域を特定、扶桑国の大名の城一つが掻き消えた。

その後三日ほどして伝令兵が家に到着、伝達で秘密会談が首都で開かれた。

その後今回の侵略行為は、バカ殿の単独判断ということによりよりトントン拍子で問題は解決。

生きている間は帝の勅任元帥の扱いを受ける事に、元帥杖が貰えるよやったねたえちゃん。

所属は扶桑だが、ただ一人国に対し拒否権を発動する権利を所持することを認めさせ。

現在住んでいる南洋島に都市を作ることを許可し、自宅周辺を自分の領地とする事等を締結。

その後、やって来た植民者に紛れて生活を営む。

緘口令や天狗の仕業等という噂も手伝い、南洋島はそのまま扶桑に併合された事になった。

民衆「城が消えたのは天狗じゃ!天狗の仕業じゃ!」

天狗「はいはいワシのせいワシのせい」

その後はのんびり遊んだり、細々と食べ物屋を営んでいた。


そして1939年、二度目のネウロイ襲撃の知らせが世界中を駆け抜け。

真っ先に俺のもとに赤紙が届いた。

俺「……」
高官「という訳で君には第百連隊を率いて一度中東ネウロイ討伐に向かってもらう」
俺「……部隊配属見る限り俺1名だけだよなメンバー?」
高官「気候の戦力は少なくとも一個大隊に匹敵すると判断された」
俺(うはぁ……殺す気まんまんなりぃ……)
俺「……拒h」
高官「尚今回の戦争の主務は、全ての国の問題であり、連合の判断による派遣要請の為拒否権を発動出来ない」
俺「」
俺「……補給は?」
高官「欲しいものはネウロイの撃墜数に合わせてお金で支給する、心配する必要はない安心して逝くがよい」
俺「」

当時始めて、ネウロイを扶桑のウィッチが撃墜したという情報が流れている。
つまり補給欲しければ元帥の称号並の活躍をしてこい、じゃねぇとやらねぇとの事。


俺「……分かった、替りに倒した分補給はしっかりしてもらうぞ」
俺(嫌がらせの為につけた称号が後々の世で足を引っ張るとは……やれやれ……)

かくして、とある男の話は幕を開けた。
1939年中東上空、高官との会話から約30分後、ネウロイの巣から400km地点。

俺「俺、中東だぞ、俺、アフリカと陸続きだぞ俺」
俺「巫山戯るな!タマキン落したか!マジで俺しか居ねぇじゃねぇか!捨て駒じゃねぇか!」

そして前方40kmに巨大飛行物体を発見、大きさは測定によると横幅304m縦幅40m全長152m……
所でこの飛行物体どこかで見たことがあるような、いやどこだっけなー……近づいてみれば判るかなー……
時速は300kmと遅め、撃墜も楽だろうと後方からゆっくり近づく。

俺「……ギガントか!」

名称Me323ギガント、布張り巨大輸送機として有名な機体である。
布張りの為初期は弾が貫通して、全弾撃ち尽くした戦闘機を尻目に悠々と飛び去るという事もあったらしい。

俺「…まあ波動砲で撃ち落とすか」
俺「チャージまで10秒発射まで15秒、今回の波動砲はスタンダードだ、わざわざ初戦からギガ波動砲とかは無いだろ…」

次の瞬間、ギガントの尻が開き何かが飛び出した、いや滑空したと言ってもいいアレは…


俺「特wwwwwww三wwwwwww号wwwwwww戦wwwwwwww車wwwwww」

特三号戦車、それは戦車にグライダーをつけ、滑空し着陸そのまま戦車として前線に出向くという変態兵器。
勿論現実問題、滑空中に落とされる心配等から、実用されることはなかった。

俺「取り敢えずギガント沈めるか…」

特三号戦車には目も向けず、そのままギガントに向けて後ろから波動砲を撃ち出す。
ギゴガガガガガガという形容しがたい音を発しながら、ギガントは羽の部分を残して波動砲に飲まれ掻き消える。
次の瞬間サラサラと粒子状になって残った部分も消えていく、良く解らんが倒せたらしい。
相変わらず安心の威力である、特三号戦車は銃身をこっちに向けようと必死なようだが、上には向けれないらしい残念兵器め。
高度2000mから三号戦車に向けて光子バルカンをぶち込み、ぶち込み、チマチマと破壊してゆく…
今日の撃墜はギガント1機、特三号戦車12機。
撃墜報告書を書き一度後方に撤退、勿論中東の前線基地などという気の利いた施設は無く。
毎回この前後運動をしなくてはならないのかと思うと、何となく時間がかからなくても心理的に面倒ではある。

俺「俺帰還しました」
高官「結果の報告書を提出し報酬は翌日渡す、また今回の任務次第では異動もあるので心して待つように」
俺(ゲーッ!面倒!)
高官「……尚今回の作戦はウィッチの士気に関わるため極秘任務とさせてもらう」
俺(うん、まあ薄々分かってたけどね、だから一人なんだろうし)


その後一度南洋島に帰り、翌朝まで眠る。
勿論、お付きのウィッチとかそういう可愛い子がいるわけでもないので、元帥ってのもつまんないもんだと思う。
そして気がついたら朝になっていた、コレから趣味ができなくなると思うと少し寂しかったが、まあ今日もブリーフィングだ。

高官「君はコレから暫くは南洋島防衛を命ず、異論は認めない」
俺(……お昼寝元帥ktkr)

当時なんとか倒せたネウロイを一回の戦闘でボロボロ落とされてはかなわない、全体の為にという事らしい。
それから暫く後、南洋島にてまた元の生活を送っている、何でもウィッチは今日もネウロイを落としているそうだ。

俺(……なんだかなぁ……まあ、良いんだけどね)

そんな事を考えつつ、海際に寝そべりながらオレンジジュースを一口含む。
こうして俺の1939年は過ぎていった。
最終更新:2013年01月28日 15:18