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896 名前:主人公っぽい俺[んじゃいくよー] 投稿日:2010/11/23(火) 04:44:42.30 ID:7HThS5v20


俺「ストライクウィッチーズ?」>>308から



次の日からさっそくテストが始まった。
さすがにいつもの訓練の後にテストをするのは体力が持たないということで、午前中までということになった。
坂本さんが残念そうな顔をしてたが気にしないことにした。

整備俺「うん、念動系は安定感があるね」

俺「そうっすね、なんか細かい調整をしなくていいんで楽なんです」

シャーリー「はは、なんか分かる気がするよ」

今日はシャーリーさんに協力してもらい「加速」の実験をしている。
振り子を魔法で加速させるというものだ。

整備俺「よし、本日のテストは終了ー。お疲れさん」

俺「ふー、疲れたぁ」

シャーリー「じゃあ、また一緒に風呂に入るか?」

俺「うぇ!?」


897 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 04:51:11.96 ID:7HThS5v20


整備俺「ほう、もうそんな仲になってたとはねえ。見た目より早熟みたいで」

俺「違います!」

シャーリー「なんだよー。私と同じ風呂には入りたくないのかー?」

俺「それとこれとは話が別というか……って、そうじゃなくて!」

整備俺「はは、さあて。俺はデータをまとめてくっかね」

シャーリー「おー、おつかれさーん。がんばれよー」

整備俺「あいよー」


整備俺「さあて。ありゃ、技術部からの書類だ。こんなとこに落としちゃってたのか」

整備俺「ん?この機能は……」

898 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 04:52:10.37 ID:7HThS5v20

個室としては基地内では一番広いであろう一室。
一介の整備士である自分がこの部屋を訪れることなどまず無い。

整備俺「ふう、そんじゃ行こうかな」

数回ノックして扉を開ける。

整備俺「『整備俺』兵長、入ります」

ミーナ「お疲れ様です。用件は何でしょう」

我等が501JFWの隊長は一仕事終えた後のようだった。

整備俺「現時点でのテスト機の動作実験結果及び俺テストパイロットの固有魔法調査結果を提出しに参りました」

ミーナ「わかりました。技術部に提出しておきます」

整備俺「よろしくお願いします。それともう一つ」

整備俺「テスト機に組まれているある機構について、少々お話がありまして」

ミーナ「機構?」

整備俺「ええ。機体担当とはいえ、自分一人で判断するには難しい問題でありまして」

ミーナ「難しい問題って……。どういうことか説明してください」

整備俺「もちろんです。まず……」

899 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 04:53:32.48 ID:7HThS5v20

翌日、訓練終了後にミーティングルームにて俺の機体についての説明会が開かれた。


坂本「オーバーブースト?なんだそれは」

ミーナ「そうね、言うなればエンジンのリミッターが外れた状態と言ったところかしら」

バルクホルン「それで、具体的にはどのようなものなんだ?」

ミーナ「俺君の機体は魔力を一旦俺君に供給し、俺君の体から再び機体に送り込まれる構造なのは知ってるわね」

ミーナ「その俺君の体へ魔力を供給する際に、普段は魔力量を調整するリミッターが備わってるの」

ミーナ「そのリミッターを解除し、俺君への魔力の流量を大幅に増やすことで機体に送れる魔力量も増やすことが出来る装置。それが『オーバーブースト・システム』であり、それが作動している状態をオーバーブーストと言うの」

シャーリー「つまり最大出力が大きくなるってことか?」

俺「それ凄いじゃないですか!それがあれば固有魔法ももっと使えるかもしれない!」

ミーナ「それが、そんなに単純にはいかないみたいなの」

俺「え?何でですか?」

ミーナ「言ったでしょ、この機能を使うということは俺君の体に大量の魔力を供給するということよ」

ミーナ「今でも体への負担は小さくないはずなのにそこへ更に負荷をかけたら……」

坂本「最悪、命にかかわるかもしれない、ということか」

宮藤「そんな!」

坂本「安心しろ。そうならないためのリミッターだ」


900 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 04:54:22.96 ID:KSqLRtLo0
支援

番外編やるとか言ったけどネタが思いつかねーや

901 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 04:55:40.75 ID:7HThS5v20


ミーナ「昨日、担当整備士とも相談したんだけれど、この機能は当分使用禁止にします」

シャーリー「まあ、そういうことなら当然か」

俺「はあ。わかりました」

ミーナ「それではこれで解散とします。俺君はハンガーへ行って整備士から詳しい説明を受けておいてね」

俺「了解っす」

シャーリー「なあ中佐、私もついていっていいかな?その機能についてもう少し詳しく知りたくてさ」

ミーナ「ええ、構わないわ」

シャーリー「よし、それじゃ行くか俺」

俺「はーい」



宮藤「……なんか俺君とシャーリーさんって最近よく一緒にいるよね」

リーネ「そうだね、なんていうかお姉さんと弟みたい」

宮藤「え、あっ。そう言われればそうかも……」


宮藤「そうだよね、お姉さんと弟。だよね……」


902 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 04:56:35.97 ID:7HThS5v20

シャーリーさんと一緒にハンガーへ到着した。
ユニットが並ぶ中に異彩を放つオレンジの機体。
その機体とファイルを交互に見比べている見慣れた姿があった。

シャーリー「おーい、整備俺ー!」

整備士さんが俺たちに気付く。
呼んでいたファイルを閉じ軽く手をあげた。

整備俺「やあ、もう隊長から説明は受けたかい?」

俺「はい。オーバー……ブースト?でしたっけ」

シャーリー「それそれ、具体的にどんなもんなんだ?」

整備俺「隊長からも聞いただろうけど、要するにリミッター解除装置だな」

整備士さんはストライカーユニットの吸気口辺りを指差した。

整備俺「ほら、ここにダイヤルみたいなものがあるだろ?」

俺「あー、これっすか?」

シャーリー「これを回すとリミッターが切られるのか?」

整備俺「その通り。……なあ俺、墜落したことはある?」

俺「いや?まだないっすけど……」

903 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:01:40.74 ID:7HThS5v20


整備俺「もし飛行中にオーバーブーストを使った場合、機体が制御できなくなるかもしれない」

整備俺「最悪、墜落する可能性だってある。そんなものを使わせるわけにはいかない」

俺「墜落……」

整備俺「理解してくれたかな?」

俺「あ、はい!了解です」

整備俺「ありがとう。それじゃ、また明日もテストがあるから今日はもう休みな」

俺「わかりました。それじゃお休みなさーい」


俺君がハンガーを出て行った。
その後ろ姿を見送り、ふと後ろに視線を感じた。

整備俺「どうかしたの?」

シャーリーさんがじっと俺の顔を見ていた。


904 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 05:05:03.32 ID:ZFxlWtxm0
支援

905 名前:主人公っぽい俺[ここから整備俺のターン!] 投稿日:2010/11/23(火) 05:06:07.67 ID:7HThS5v20

シャーリー「なあ、もしオーバーブーストを使ったら本当は俺はどうなるんだ?」

女はカンが鋭い、と親父が言っていたけど本当にそうだと思う。

整備俺「さっき言った通り、になるかは正直わからない」

そう、厳密に言えば『わからない』のだ。テストも行っていない装置を使ったらどうなるかなど。

シャーリー「まあ、そんなところだと思ったよ。でも、テストぐらいはやったほうがいいんじゃないか?」

実際に動かしてどうなるかを見るのがテストだ。もちろんこの装置だってテストすべき物の一つだ。
でも、俺の中の一つの心配がそれを拒み続けてる。

整備俺「もし、もしそれで俺君が飛べなくなったら……なんて考えちゃってね」

奇跡的に魔力を扱える身体になったからといって、無茶をしたら俺君にどんな影響がでるのかわからない。

整備俺「正直今の固有魔法のテストでも肝を冷やしてるんだ。いや、本当はユニットを使うたびにヒヤヒヤしちゃってたりして」

整備俺「オーバーブーストだって、もしかしたら俺君の可能性を広げるかもしれないのにな……」

過保護と言うのかな、この状況は。

シャーリー「なんていうか、まるで父親か何かみたいだな」

整備俺「おいおい、この年で子持ちは……って、案外ありえなくもない歳かな」

906 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 05:07:08.98 ID:i8QRgzj10
支援

907 名前:主人公っぽい俺にかわりまして整備俺がなんたら[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:09:44.97 ID:7HThS5v20

シャーリー「あんまり心配しなくても、あいつは大丈夫だよ。きっと」

シャーリー「それに、もしあいつが落ちそうになったら私が受け止めてやるよ!」

整備俺「うん……そうだな。俺君にはこの空で君達という最強の仲間がいるんだもんな」

彼女達と一緒なら、きっと大丈夫だろう。

シャーリー「そういうことさ。あんまり心配ばっかりしてると、お前の身が持たないぞ」

シャーリー「……お前、最近夜遅くまで俺の機体を整備してるだろ。データ処理だって一人でやってるし」

そう言ってシャーリーさんは少し俯いた。

整備俺「あー、なんだ知ってたの。まあ俺に出来ることはこれくらいしかないしね、どうってことないよ」

シャーリー「無理しすぎて、お前が倒れたらどうするんだよ。俺が……心配するだろ」

シャーリー「私だってさ、その……心配、なんだぞ?」

整備俺「ごめん、今の心配なんだぞ?ってとこ、もう一回俺の目を見て言ってくれない?」

シャーリー「……ばーか、何言ってんだよ。もう……」

恥ずかしいのか顔を隠すように伏せてしまった。
その顔を覗き込もうとしたら叩かれた。

908 名前:主人公っぽい俺にかわりまして整備俺がなんたら[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:13:27.69 ID:7HThS5v20

整備俺「いたた、何すんの」

シャーリーさんが顔を上げる。

シャーリー「見るなよ、恥ずかしい」

頬を赤く染め照れる彼女は、普段のグラマラス・シャーリー以上に魅力的だった。
なんとなくこっちも恥ずかしくなってきて、背中を向けた。

整備俺「あー、ゴホン。そういえば明日は俺君の飛行訓練だろ?ついでに機体のテストをやっちゃいたいんだけどさ」

シャーリー「な、なんだよいきなり。えっと、なんのテストだって?」

整備俺「飛行時の機体性能のテスト。それで、空で俺君に指示をしてくれると助かるんだけど、お願いしちゃっていいかな」

シャーリー「お安いご用だけど指示を出すなら無線でいいんじゃないか?」

整備俺「まあ、そばにいる人間のほうが何かと細かい指示も出しやすいと思ってさ」

909 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:15:21.86 ID:7HThS5v20

シャーリー「ふーん、よしわかった。任せてくれよ」

整備俺「ありがとさん。それじゃ、俺も今日は早く寝ようかな」

シャーリー「そうだぞー。睡眠はしっかり取らないとなー」

整備俺「また誰かさんに泣かれちゃっても困るしねえ」

シャーリー「んなっ!?泣いてないぞ!」

整備俺「ははは。ほら、ハンガーの明り落とすよ。早く出た出た」

シャーリー「むうー。まあいいや、それじゃまた明日なー」

整備俺「おーう」


整備俺「さて、ああは言ったけどテストの申請書を書かなきゃいけないんだよな……」

整備俺「もう一頑張りしますか……?」

振り返るとそこにはウサギ耳の先まで充血するほどお冠な人が。

910 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:18:14.69 ID:7HThS5v20


シャーリー「お前、そんなに私を心配させたいのか!?」
シャーリー「なんだよ、これじゃ勝手に心配してる私が馬鹿みたいじゃないか!」


そう言って目を潤ませる彼女。

整備俺「あああ、本当に泣かないでくれよ!俺が悪かった、ごめんな?」

まずい、本当に泣かれてしまった。
どうすればいいかわからなかったのでとりあえず頭を撫でてみた。

シャーリー「うう、なんだよー。ばかぁー」

整備俺「ごめんってば、泣きやんでくださいよシャーリーさん」

シャーリー「誰のせいだよお。ぐすっ」

整備俺「あー。すまなかった、もう本当に無理はしない。夜だってすぐに寝るよ?」

シャーリー「ホントにホントだな?今度うそついたらバイクに縛って引きずりまわすぞ?」

整備俺「そりゃ怖い。ほら、袖で拭うと赤くなっちゃいますよ?」

ハンカチでで涙を拭いてあげる。
今日に限ってハンカチを持ち歩いてた偶然を神に感謝だ。

シャーリー「むー、子供扱いするなよー」

整備俺「はは、そんじゃ部屋まで送らせて頂きますよ」

整備俺「その後はまっすぐ自分の部屋に帰って寝ます。約束する」

シャーリー「うん、わかった……。絶対寝るんだぞ?」

911 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:20:22.48 ID:7HThS5v20

整備俺「絶対寝るよ。それじゃ、行こうか」

シャーリー「うん。……なあ、暗いから手。繋いでくれよ」

潤んだ目と上目遣いでそんなこと言われて従わない男がいるはずない。
少し恥ずかしかったけど、彼女の白く細長い手を掴む。

整備俺「えっと、これでいいでしょうか?お姫様」

シャーリー「やっぱ馬鹿にしてるだろ、おまえ」

整備俺「照れ隠しだよ。俺だって恥ずかしいんです」

シャーリー「ふふ、それじゃ私をエスコートしてくれよ?」

整備俺「了解しましたよ、姫君様」


シャーリーさんの手を引いて歩き、部屋の前で彼女と別れた。
自分の部屋に辿り着きベッドに着のままで飛びこむ。
体に残る疲れとさっきまでの手の温もりが、意識を深い眠りへと導いてくれた。


912 名前:主人公っぽい俺[] 投稿日:2010/11/23(火) 05:22:12.58 ID:7HThS5v20
今日はこんなところです
気がついたら
俺→宮藤√
整備俺→シャーリー√
という二段構えになっていた不思議
それではおやすみなさい

913 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2010/11/23(火) 05:27:36.72 ID:ZFxlWtxm0
乙!
なんという弐段構え…




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最終更新:2013年01月28日 15:42