591 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:04:38.13 ID:r8N/ml250
~前回のあらすじ~
EMT
~あらすじ終わり~
592 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:05:27.02 ID:r8N/ml250
ネウロイ急襲事件が発生してから幾日かたったある日の格納庫。
ルッキーニ「ふじゅぁぁぁん、整備俺ー」
整備俺「よしよし、俺がなんとかしてあげますよって」
俺の背中にしがみつき泣きじゃくる小さなエース様。
その機嫌を直す為に要した時間は決して短くない。
目の前には半壊したオレンジ色のユニットが、さらに細かくバラされていた。
今はその中から再利用できる部品を選り抜いていたんだが……。
こりゃ残業だな、ちょうどいいし
シャーリーさんにも手伝って貰おうか。
整備俺「解きたい誤解もあることだしね……」
エイラ「おーい、飯だぞルッキーニー。って、何やってんダ?泣いてんのか?」
593 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:06:04.23 ID:8I/Fkgiz0
シンプルなあらすじだことww
594 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:07:56.93 ID:Au/Ok0Ub0
非常に分かりやすいあらすじだとは思うがどこもおかしくはないな
595 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:08:25.27 ID:r8N/ml250
ユーティライネン中尉がやってきた。
整備俺「あ、中尉。いやね、最近シャーリーさんがかまってくれないらしいんですよねー」
エイラ「なんだ、整備俺が泣かせたわけじゃないのかー」
整備俺「これは心外。俺は紳士ですから婦女子に手を出し泣かせるなんてあり得ませんよハッハッハ」
エイラ「でも手を出さな過ぎて彼女に捨てられたんダロ?紳士じゃなくてただのヘタレじゃないカー」
整備俺「何でそれご存知なの中尉殿!?」
エイラ「他の整備のヤツに聞いたんだ。手を出さなくてフラれるなんてヘタレすぎるんダナー」
整備俺「なっ!リトヴャク中尉に何もできない中尉に言われたか無いぞ!」
エイラ「ナナナ、ナニイッテンダオマエ!ササっ、サーニャはカンケーないダロ!!」
598 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:18:33.46 ID:r8N/ml250
ルッキーニ「びえええええん!!」
整備俺「あ、すんませんね少尉。すっかり忘れてました」
エイラ「マッタク、私とサササーニャはそんなんじゃ……」
エイラ「ゴホン。そーいや最近お前たち一緒にいること少ないナ」
ルッキーニ「ふじゅ。シャーリーいっつも俺のとこいっちゃうの」
整備俺「らしいんすよ。まあ今まで少尉に割いてた時間の何割かを俺のヤツの世話やらに当ててんでしょうね」
ふーん、と相づちをうちながら中尉は作業している俺の手元を覗き込む。
エイラ「うあ、シリンダーが曲がってら」
整備俺「あんな高さから着水して無事な方が怖いじゃない。まあ幸い頭からイったんでまだましな方だねこりゃ」
エイラ「ああ、そーいやそうだったな」
600 名前:とりあえずキリが良いとこまでは書けた まだシャーリーが出てこねえ[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:24:13.20 ID:r8N/ml250
ルッキーニ「ねえねえ、俺ってもう治ったんでしょ?どしてシャーリーまだ俺のお世話するの?」
落ち着きを取り戻した少尉が疑問を投げかけてきた。
ふむ、確かにその疑問はもっともだ。
整備俺「同僚が怪我したから世話をするのは分かるけどなあ」
エイラ「そういえばコイツってBf108を改造してんだよな」
中尉が変形した外装を指で弾いている。
鮮やかなオレンジ色の塗装が剥がれおちて剥き出しの合金が鈍く光っている。
整備俺「そうそう、どっかの基地で使われなくなった機体を譲り受けたんじゃないかな」
Bf108は現在カールスラントの主流機体であるBf109の前の機体だ。
俺のやつが正式に入隊すると決まってから戦闘に参加する可能性も考えてエンジンは積みかえた。
601 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:31:59.05 ID:r8N/ml250
エイラ「それにしてもシャーリーはどうしたんだろうナー?」
整備俺「さあー?」
ルッキーニ「ふじゃー?」
三人で首をかしげてしばらく唸っていると、少尉を呼びに行ったはずの中尉が遅いのを心配したらしい。
リトヴャク中尉がやってきた。
サーニャ「みんな待ってるわ。エイラ、ルッキーニちゃん」
ルッキーニ「ふにゃ!ごはんごっはーん」
少尉が格納庫を飛び出していった。
整備俺「おいおい、シャーリーさんのことはもういいのかよ……」
603 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:39:44.78 ID:r8N/ml250
エイラ「いいんじゃないか?本人が気にしないなら」
サーニャ「シャーリーさんがどうかしたの?」
リトヴャク中尉に今までの話を説明する。
エイラ「な?不思議ダロ?」
サーニャ「それ、もしかしたら……」
整備俺「何か知ってるんですか?中尉」
サーニャ「もしかしたら、シャーリーさんは俺さんに罪悪感を抱いてるんじゃないでしょうか…」
サーニャ「ううん、罪悪感じゃなくて。不甲斐なさとか……」
罪悪感。不甲斐なさ。なるほど、目の前で僚機が落ちた訳だしな。
604 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:46:58.52 ID:r8N/ml250
エイラ「確かに、新人に守ってもらって自分は何も出来なかったー。とか感じるのも無理はないかもな」
整備俺「その罪滅ぼし、というわけでもないけど少しでも俺のやつに何かしたい。っていうことですかねえ」
サーニャ「本当の事はわからないです。けど、最近のシャーリーさんを見てるとあんまり元気がないように思いますし」
整備俺「なるほど、いやいや参考になりました。ども、ありがとうございます」
エイラ「さっすがサーニャだなあ。私達じゃわからなかったよ」
整備俺「ですねえ。ははは」
サーニャ「なんかこの二人、似た者同士……?」
エイラ「ん?何か言った?サーニャ」
サーニャ「ううん、なんでもないわ」
605 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 21:50:49.15 ID:r8N/ml250
整備俺「あ、そういえば食事の時間なんでしたよね。お引き留めしてすいませんでした」
エイラ「あ、そうだった。それじゃ行こうかサーニャ」
整備俺「あ、一つお願いしてもいいですか?」
サーニャ「なんですか?」
整備俺「シャーリーさんにあとで格納庫に来ていただきたいんですが」
エイラ「わかった、シャーリーに言っておくよ。それじゃなー」
二人の中尉は格納庫を後にした。
整備俺「ふむ。罪悪感、か……」
608 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 22:01:12.95 ID:r8N/ml250
俺だって感じてるさ。アイツが落ちた経緯は聞いているからな。
オーバーブーストを使用して、気絶。一番恐れていたことだ。
本当は、物理的に使用できなくする措置を取っておくべきだったのかもしれない。
そうすれば、アイツが落ちることもなかったかもしれない。
それをしなかったのは、俺の勝手な願望を抱いたからだった。
アイツの新しい力になるかもしれない、そう思った。
そして、今。俺はもっと身勝手なことを思っている。
未完成の機能であの性能なら、完成したらどうなるのか。
技術屋の本能が、限界を見たいと暴れている。
整備俺「ははは、最悪だな。俺ってやつは」
610 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 22:06:37.43 ID:r8N/ml250
もちろん、実際にオーバーブーストを再び使わせるつもりはない。
だが、もしアイツが使いたいと言ったら?
俺は迷わずこの機能の改修に取り掛かるだろう。
頭の中で、それを望む俺と拒む俺が格闘戦を繰り広げていた。
~
次回予告~
嘆き叫ぶシャーリーを、黙って見ているしかないのか。
整備俺とシャーリー、二人の間を夜の風が吹き抜ける。
二人の思いは、すれ違ってしまうのか。
次回、ストライクウィッチーズ「シャーリーマジぱふぱふ」
ロマーニャで飲む坂本の肝油は、不味い。
611 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 22:09:09.76 ID:r8N/ml250
今日はここまでです
読んでいただきありがとうございました
次は土曜日あたりになると思います
こんどこそシャーリーさん出ますよ
612 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 22:11:09.41 ID:Au/Ok0Ub0
乙
613 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/10(木) 22:11:45.77 ID:m5ZwiUyP0
乙乙
614 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/10(木) 22:12:00.69 ID:ayeI7aFP0
乙!
次回は…ウッ……フゥ
291 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:04:22.08 ID:zeQ698sI0
お疲れっしたー
それじゃ投下させていただきますよー
俺「ストライクウィッチーズとお風呂入りたい!」 >>610から
295 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:06:49.14 ID:zeQ698sI0
エース達が出ていってから、一時間は経っただろうか。
俺はまだ格納庫でユニットの整備をしていた。
整備俺「こいつは交換したほうが早いな…。ここはまだイケるか…」
1人無数の金属群とにらめっこしていると、後ろから靴音が。
振り向くと、シャーリーさんがこちらへ歩いてきているところだった。
気のせいか、若干不機嫌そうな顔をしている。
整備俺「やあどうもどうも、こんな時間に悪かったね」
シャーリー「べつに、暇だったし……」
普段の彼女からは考えられないほどの、まるで投げ捨てるような言い方だった。
整備俺「あー、っと。来てもらったのは少し話したいことがあってね」
シャーリーさんの顔が強張る。若干青ざめているようにも感じた。
整備俺「えっと。ごめん、もしかして体調が悪かったのかな」
296 名前:さるよけって10分くらいの間隔でよかったっけ[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:11:50.32 ID:zeQ698sI0
シャーリー「い、いや。そんなことはないさ……」
そうは言うものの、体が震えているようだった。
流石に異常だと思い、とりあえず椅子に座ってもらう。
整備俺「うーんと、なんか温かい飲み物でも…。そうだ、ホットミルクを…」
バタバタと慌てる俺にシャーリーさんが呟く。
シャーリー「……ごめん」
整備俺「いやいや、俺が来てくれって言っちゃったんだしさ」
シャーリー「そうじゃない!」
突然立ち上がり叫ぶシャーリーさんに、俺は呆気にとられた。
シャーリー「そうじゃない…、そうじゃないんだ。私は、俺を……。アイツを守れなかった……」
整備俺「おいおい、それは……」
あんな状況じゃ誰でも、と言おうとしたが、それは悲痛とさえ感じさせる叫びで妨げられた。
297 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:13:51.20 ID:N1YFCirY0
俺は6分おきに投下してるけどひっかかったことないな
支援
298 名前:サンクス 6分でいってみる[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:15:02.59 ID:zeQ698sI0
シャーリー「それだけじゃない!アイツは、基地を守るためにオーバーブーストを使って!」
シャーリー「私はそれを止められなかった!そのせいで、私のせいでアイツは気絶して!」
シャーリー「お前はアレが危険だと知ってて止めたのに、私は無責任にそれを使ってみなきゃ分からないなんて言って!」
恐らくあの日以来、ずっと心に溜めていたものがここに来て一気に溢れだしているのだろう。
彼女の頬には涙が伝っていた。その様子を、俺は冷ややかとは違う冷静さをもって見つめていた。
今、彼女に一番必要なものはきっと、思う存分吐き出すという事だ。
曖昧に慰めるのはかえって不味いだろうと、判断していた。
時折窓ガラスを夜風がガタガタと鳴らす。声は次第に小さくなり、すすり泣く音に変わった。
俺は再び椅子に座るよう促し、オイルや鉄の臭いが染み付いた自分の作業着を脱いだ。
そんなものを女性の肩にかけていいものかと一瞬迷う。
しかし、シャーリーさんが赤くした目でこちらを見ているので、今更それを自分で着直すのも情けなかった。
299 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:15:16.48 ID:ydbAAITQ0
5分じゃ早いっぽいから6分くらいだとおもうしえん
300 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:16:46.00 ID:d9PoSt3J0
一時間11回でさるだから5分だとギリギリかかるんだよね
支援
301 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:18:46.86 ID:SR5UCbmlO
なるほどなるほど、五分間隔だと引っ掛かるのか。さるさんめ、俺を焦らしプレイしやがるからなぁ。
とりあえず支援だ!!
302 名前:なるほどサンクス さるさんめこしゃくな[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:21:51.93 ID:zeQ698sI0
整備俺「嫌じゃなかったらこれでも羽織っておいて」
彼女は何も言わず、それに従った。
おそらくもう胸に溜めこんでいたものは全て出しきったのだろう。今は大人しくなり、羽織った作業着のファスナーを弄っていた。
整備俺「なあ、シャーリーさん。もしよかったらさ、今から競争でもしないか?」
俺の突然の申し出に彼女は眉を歪ませる。きっと何を言ってるんだこいつは、とか思ってるんだろうな。構わず俺は続ける。
整備俺「ここの出口から滑走路の先端まで。どうかな」
シャーリー「どうかな、ってお前。意味がわからない」
まあそれはそうだろう。しかし俺にも一応理由と考えがあった。
整備俺「たまには走るのも悪くないよ?そうだな、勝ったら相手になんでも一つ言うことを聞かせられるなんてどうだい」
303 名前:主人公っぽい俺だけど今回は整備俺のお話です[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:29:06.14 ID:zeQ698sI0
シャーリー「お、おい。待てってば、急に競争だなんて」
少々強引に話を進めすぎたかな、と思ったが、ここは相手に考える暇を与えさせないことが大切だ。
整備俺「よーし、それじゃあ行くぞー。はいドーン!」
俺は全速力で滑走路のほうへ走った。出口から、などと言ったがこの際気にしない。
シャーリー「あ、おい!ずるいぞ!」
訳のわからないままだろうが、シャーリーさんも追いかけてきた。俺のほうが先行していたが、現役パイロットと
整備士では体力の差は大きかった。予想はしていたが、勝負はぶっちぎりでシャーリーさんの勝ちだった。
シャーリー「一体、何なんだよお前は。はあっ、はあっ」
そう言いながらも彼女は、久しぶりに全力疾走して呼吸が整わない俺の背中をさすってくれた。
整備俺「げっほ、うぇ、はぁ。あれー、走るのってこんなに辛かったっけ……」
304 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:36:15.52 ID:zeQ698sI0
シャーリー「無理するなよ。私は訓練でよく走ってるから平気だけど」
ようやく呼吸が楽になってきた。目の前には真黒な海が広がっている。暗闇のせいか、波の音がいつもより鮮明に聞こえる。顔に噴き出した汗を拭いながら滑走路の端に海に脚を投げ出すように座った。
整備俺「いやー、やっぱり速いねえ。手も足も出なかったよ」
彼女も俺の隣に同じように座った。
シャーリー「私は固有魔法を使わなくても速いんだぞ。残念でしたー」
目を細めて微笑む彼女の顔には、いつもの面影が帰り始めていた。
俺が突然彼女を競争に誘ったのには、二つの理由がある。
一つは、体を動かして少しでもすっきりしてもらいたかった。彼女の悩みは解決したわけではないけど、今は頭の中を空にしてほしかった。少なくともあのまま考え込んでも良いようにはならないと思った。
305 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:42:43.70 ID:zeQ698sI0
整備俺「……流石にここなら大丈夫だよな」
シャーリー「何が?」
整備俺「そっと格納庫のほう見てみなよ」
シャーリー「何が……あいつら、覗き見してたのか!」
もう一つの理由は、ここから先の話を彼女以外には聞かれたくなかったからだ。格納庫の扉からは、頭が二つ飛び出ていた。
エイラ「あー、もう。何してるのか全然わからないぞ」}
エーリカ「むむ、まさか整備俺は私達に気がついていたとでも?」}
エイラ「あいつ鈍そうなくせになかなかやるナ」}
彼女らに気がついたのは、シャーリーさんに作業服をかける時だった。
何気なく辺りを見回すと、慌てて引っ込む頭が見えた。
307 名前:あ、回復笛が壊れた[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:49:26.56 ID:zeQ698sI0
シャーリー「うっわ、あたしの話全部聞かれてたのかよ……。まいったな……」
失敗した、というような顔をしながら頭に手をやっている。あれだけ大声で叫べば内容は全部聞こえてしまっているだろう。
整備俺「まあまあ、ここならまず聞かれないから」
シャーリー「ああ、なるほどなー。だから急に走ろうなんて言ったのか」
そう言って彼女は納得していた。目こそまだ赤いけど、涙は治まっていた。
整備俺「それじゃ、ちょっと俺の話を聞いてくれるかな。心配しなくても、怒ったりしないよ」
シャーリーさんは一瞬ピクっと身構えたが、さっきのように取り乱しはしなかった。
整備俺「まずは、そうだな。お礼を言わなくちゃな」
何の?と首を傾げる彼女。
整備俺「あの時は、アイツと二人だけでシールドを貼り続けてくれたよな。おかげで俺達は生きてる」
整備俺「君がいたからアイツも落ち着いて対処ができたんだろう。君は、アイツも助けてくれたんだよ」
彼女は俺の顔をじっと見ている。その青い瞳が再び潤みだす。
309 名前:片手剣でもがんばればアゴ壊せた 支援ありがとうございます[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 21:55:55.46 ID:zeQ698sI0
整備俺「ありがとう。これは基地の全員が思っていることだ。もちろんアイツを含めてな」
海は静まり返っていた。ずっと顔を見られているのが少し恥ずかしくなり、空を見上げた。
今夜は星がよく見える。雲がない分、夜間哨戒は楽だろう。
そんなことを考えていると、左腕に柔らかい感触が。
俺の腕を抱き締めるような形で、彼女は静かに涙を流していた。
さっきのような悲壮な顔じゃなく、安らかな顔をしているように見える。
その表情に少し安心した。
整備俺「そのまま聞いてほしいんだけどさ、もう一つ言いたいことがあったんだ」
いや、言いたいことというより弁解したいことのほうが合ってるか。
シャーリー「ぐす、なに?」
顔を腕からこちらに向けられると、その近さに心臓が跳ねた。
泣いたからか、頬をほんのり赤く染めて潤む大きな瞳で俺の目をじっと見ている。
鼻をくすぐる彼女の香りに抱きしめたくなる衝動を覚えるが、理性でそれをねじ伏せる。
整備俺「えっと、そう。君が俺の腹にレンチをぶち込んだ時の話」
シャーリーさんは小さく、うげっと呟いた。
310 名前:もっさんわっしょい回の水から上がるときの宮藤かわいい [sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:00:24.23 ID:zeQ698sI0
整備俺「いやあ、あれは痛かった……。あ、なんかだんだん痛み思い出してきた……」
シャーリー「だ、だってアレはお前が!」
俺の腕を離し、抗議しようとするが、それを遮る。
整備俺「あのね、ジョアンナってのは俺の昔の恋人のことなんだよ」
シャーリー「へ?」
整備俺「俺がまだ軍に入ったばかりだったから、もう5年は経つかな。その頃別れたんだ」
プライドのせいか、フラれたとは言えなかった。フラれた理由なんてもっと言えなかった。
シャーリー「あ、もしかしてお前がヘタレすぎてフラれた相手のことか?」
そう、俺がいつまでたっても彼女に手を出せなくて…。
整備俺「……なんで知ってるの」
シャーリー「他の整備のやつに聞いた。名前までは聞かなかったからさ」
整備俺「ここの整備士達口軽すぎだろ……」
いや、酒の席で愚痴をこぼした俺が悪かったのか。
シャーリー「えっと、ゴメンな。悪かったよ、訳も聞かないで殴ったりして」
整備俺「うん。この事を話したかったんだ。えっと、だから」
311 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:07:13.19 ID:zeQ698sI0
俺は、彼女に正面を向くようにあぐらを組む。
整備俺「俺は、女性に不誠実なことはしない!」
すこしかっこつけだったかな、などと言ってから恥ずかしくなってきた。
彼女はハハっと笑った。
シャーリー「そっか。でも、そんなこと言ってるからフラれたんじゃないのか?」
整備俺「やっぱりそうなのかな……」
とはいえ、どうすりゃいいんだ。
シャーリー「私はさ」
彼女の腕が俺の首の後ろへ伸びる。
俺は彼女と向き合うような姿勢だった。つまりは、抱きつかれるような形になって。
シャーリー「お前のそういうところが、好きだ」
耳元でそうささやかれ、そのまま抱きしめられた。
312 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:12:46.40 ID:j7XscgbQ0
俺がいっぱいいるってどういうことなの?
313 名前:>>312 やっぱ分かりにくいかなあ 今地の文に出てきてる俺は基本全部整備俺のことです[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:14:51.97 ID:zeQ698sI0
整備俺「あ、あの?えっと、シャーリーさん?」
柔らかくて、温かいものが俺の胸を圧迫した。
頬と頬が密着する。心臓の回転が上がる。
シャーリー「こういうときは、何もしないほうが不誠実だと思うんだけど」
整備俺「う。いや、でもな」
シャーリーさんが抱きついている腕にさらに力を入れた。
整備俺「……そうだな。ごめん」
彼女の腰に手を回すと、そのまま自分のほうへ抱きよせる。
シャーリー「うおおっ?」
勢い余って、そのまま後ろに倒れた。
彼女の体が俺の上へ多い被さるような格好だ。
整備俺「大丈夫か?」
その問いに、コクンと頷いた。地面はひんやりとしていて、背中の熱を奪っていく。
火照った体にはちょうど良かった。
314 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[] 投稿日:2011/02/18(金) 22:17:24.22 ID:HCYAj3kL0
>>312
俺は俺
お前も俺
物語の中の「俺」}も俺
315 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:19:20.89 ID:N1YFCirY0
俺の俺による俺のためのSS
316 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:19:54.21 ID:j7XscgbQ0
1つの物語に二人俺がいるってこと?
317 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:20:13.97 ID:d9PoSt3J0
つまりお前ら=俺
318 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:21:43.27 ID:59AVBRgn0
俺が、俺達が、俺だ!!
319 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:22:00.09 ID:HCYAj3kL0
>>316
うん
どっちも俺だけど別人
320 名前:>>316そうです 俺=上条さん 整備俺=一通さんみたいなダブルヒーローみたいな ひどい例えだ[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:22:32.91 ID:zeQ698sI0
シャーリーさんの体を抱きしめながら思う。この人を俺自身の手で守れたら、と。
人々の為に真っ先に危険へ飛び込んで行くこの娘を。俺の腕に余裕でおさまってしまうほどの身体だ。
自分の無力さが悔しくて、情けない。
整備俺「シャーリー」
シャーリー「……さん、は?」
整備俺「こんな状況じゃ野暮でしょ」
シャーリー「うん……。そうだね……」
彼女を抱く腕に力をこめる。それに答えるように、彼女も強く抱きつく。
整備俺「絶対、死なないでくれ。怪我もしないでほしい」
シャーリー「……うん」
整備俺「俺にできることがあれば何でも言ってほしい。新しいエンジンでもなんでも調達してやる」
シャーリー「わかった……」
整備俺「だから、絶対帰ってきてくれ……」
シャーリー「うん、わかった……」
321 名前:整備俺さんはモブが脇役になってさらに助演男優になった感じで出来上がりました[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:28:46.87 ID:zeQ698sI0
シャーリーが顔を起こす。お互いの顔の距離は十センチも無い。
シャーリー「じゃあさ、私はここに帰ってきたい」
彼女の言うここ、とは。俺の胸の中と捉えていいのだろうか。
訪ねると、当たり前だろと睨まれた。
シャーリー「何でも言っていいんだろ?駄目か?」
月が出ていない暗い夜だが、それでも顔が赤くなってるのが分かった。
整備俺「じゃあ、約束だ。絶対俺の胸の中に帰ってきてくれ」
どちらからかは分からない。同時だったようにも思う。
互いの唇が触れあった。
326 名前:のぞきみうぃっちーず[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:36:56.67 ID:zeQ698sI0
エーリカ「うお、キスした?キスした?」
エイラ「え、さっきからずっとしてなかったカ?」
俺「二人して何見てるんだろうと思ったら、本当になんてもの見てんすか……」
サーニャ「俺君、鼻血……」
宮藤「ふわわわわわ……。凄い……」
エイラ「もうアイツをヘタレって言えなくなっちゃうナー」
エーリカ「あ、ヘタレすぎて彼女にフラれたってやつ?知ってる知ってる」
サーニャ「……」
エイラ「ん?どうしたんだサーニャ。私の顔になんか付いてるノカ?」
サーニャ「……」
エイラ「?」
329 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:42:24.16 ID:zeQ698sI0
シャーリー「誠実な整備俺君はこういうとき何を言わなきゃいけないかわかってるよな?」
そう言って悪戯をするような顔をする。なんか順番が間違ってると思うけど、今更だよな。
まだ?と目で訴えてくるのを見ると、まだまだ子供っぽさを感じた。
わかってるよ、と目で答える。伝わったかはわからない。
整備俺「シャーリー、好きだ」
彼女の顔に笑顔が浮かぶ。若干の恥ずかしさも混じったようなそれは、他の誰にも見せたくないと思うほど可愛かった。実際、他の誰にも見させる気はない。
シャーリー「私も、大好きだ」
そして、俺達はまたキスをした。
サーニャ「あそこにいると夜間哨戒に行けないわ……」
331 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:45:04.47 ID:zeQ698sI0
以上ですー
お読みいただきありがとうございましたー
一つの話に二人『俺』がいるってわかりにくいですかね
341 名前:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/02/18(金) 22:58:53.66 ID:zeQ698sI0
おお、大丈夫そうで安心しました。
ここから物語はバトル方面へ入っていきます。
「主人公」}の名に恥じない堂々とした王道バトルを書ききれるように頑張ります。
>>335
最後の砦……。やだかっこいい……。
シャーリー自体結構特徴的だからその相手も自然と個性的になるんすかね。
>>336
おまたせしましたー。
最終更新:2013年01月28日 15:44