主人公っぽい俺 一覧へ戻る


620 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:36:03.74 ID:s+ZcfBRN0 [1/15]
保守がてら投下
俺「ストライクウィッチーズだぁ?」>>805から


母艦ネウロイを倒すために、この二週間それぞれが自分に出来ることをやってきた。
訓練に汗を流す、機体に磨きをかける、中にはいつもと変わらない人もいたけど。
俺は、坂本少佐とミーナ中佐によって練り上げられた拷問まであと数ミリのハードスケジュールをこなしてきた。
その間にも、母艦ネウロイからの攻撃は度々あった。敵の攻撃は完全にパターン化していたので、こちらは24時間体制で母艦ネウロイのいる方角を監視することで急襲にも対処できた。
とはいえ、それでも脅威には違いなかった。時にはネウロイの攻撃が基地をかすることもあった。
そんな時は部隊の人員総動員で消火活動や避難誘導にあたった。
そして、今日から母艦ネウロイ攻撃作戦が始まる。

俺「宮藤ー、この鍋とかは持ってかないのかー?」

宮藤「うーん。調理器具は艦にもうあると思うよ?それに、艦には専属の料理人さんがいるから私達はお料理をすることは無いと思うよ」

二日間船に乗りっぱなしらしいので、それぞれ船に持ち込む物を決めておくように言われた。艦の名前はなんだったかな。
ブリタニアの空母を貸してもらうことになったとか言ってたっけ。
詳しい事は良くわかんないけどミーナ隊長がいろいろとがんばって無茶を通したらしいことをハルトマン中尉に聞いた。
俺と宮藤は着替えくらいしか荷物が無かったので、船内でみんなが使えるような物を持っていく事にした。
船に機材やいろんな物を積み込んでるらしく、朝から基地全体が騒がしい。
俺は取り出した鍋を元の位置に戻す。

621 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:37:33.34 ID:imqtdlE70 [5/25]
しえん
622 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:37:35.71 ID:1eWdAq/E0 [3/9]
サァミンナオキロトウカナンダナ

623 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:40:05.25 ID:s+ZcfBRN0 [2/15]


俺「それもそっか。宮藤の料理が食べられないのは少し残念だなー」

宮藤「えへへ、そう言って貰えるとうれしいな。それじゃあ、今夜は俺君の好きなもの作ってあげよっか」

俺「え、ホントか!それじゃあ……、うーん。なんか芋を使ったものかな?」

宮藤「芋かー。何が良いかなあ」

ふと、よく母さんが作ってくれた料理を思い出す。

俺「そうだ、宮藤はカルトフェルトルテって作れるか?」

宮藤「か、かるてふぇるてるて?なあに、それ」

宮藤は首を傾げる。この隊にはカールスラントの人が多いからもしかしたらと思ったけど、知らなかったみたいだ。

俺「カルトフェルトルテ。じゃがいものケーキだよ。あ、でも夕飯にはならないか」

宮藤「おいものケーキ!?そんなのがあるの?」

俺「うん、けっこうウマいんだ。あ、でもやっぱりお菓子だし今夜は宮藤の好きなものでいいよ」


624 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:45:50.54 ID:s+ZcfBRN0 [3/15]


宮藤「うーん、ごめんね?私、カールスラントのお料理あんまり知らないんだ」

俺「大丈夫、宮藤の料理ならなんでも食べるよ」

宮藤「うー、もう。なんか恥ずかしいよ」

宮藤の頬が赤く染まるのを見て、自分の顔も熱くなってきた。
い、いや。嘘は言ってないはずだぞ。堂々とするんだ俺。赤くなるな俺の顔。

俺「あ!そういえば俺まだ少し荷造り残ってたかも!」

これは嘘。でももう恥ずかしくて耐えられなかった。

宮藤「あ、そうなの?それじゃ後は私がやっておくよ」

俺「う、うん。それじゃまた後でな」

宮藤「うん。またね」

手を振って廊下へ駆けだした。なんて情けないんだ俺。
自分の部屋に直行し、ベッドにダイブして枕に顔を小一時間ほど埋めた。


625 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:51:31.43 ID:s+ZcfBRN0 [4/15]


宮藤「うーん、俺君は私の好きなものでいいって言ったけど」

エーリカ「ん?ミッヤフジー!なーに変な顔してんだー?」

食堂で考え事をしてたら、ハルトマンさんがやってきた。そうだ、ハルトマンさんなら俺君の言ってた料理を知ってるかも!

エーリカ「あー、カルトフェルトルテのレシピかー。ミーナやトゥルーデなら知ってるんじゃないかなー?」

宮藤「ハルトマンさんは知らないんですか?」

エーリカ「私は食べるのが専門だからねー。もし作るんだったら私にもちょーだいね?」

宮藤「はい、もちろん。みんなで食べましょう」

エーリカ「期待してるよー。んじゃ、まったねー」

ハルトマンさんはそう言って出ていった。そういえばハルトマンさんは何をしに来たんだろう。
なんとなく食器棚を眺める。ふと、オレンジ色のマグカップが目に入った。俺君が正式に501に配属されたときにみんなでプレゼントしたものだ。
あのとき、俺君も一緒にお茶会をして。俺君ってばお菓子ばっかり食べてたな。
甘い物が好きなのかも。かりとるふぇるとると、だったっけ。作ったら喜んでくれるかなあ。

宮藤「よし、決めた!俺君にお芋のケーキを作ってあげよう!」

そうと決めたら、まずはレシピを調べなきゃ。ミーナ中佐とバルクホルンさんが知っててくれるといいけど。とりあえずミーナ中佐の部屋に行ってみよう。


626 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 02:57:37.16 ID:s+ZcfBRN0 [5/15]


宮藤「あれ、ドアが空いてる」

ミーナ中佐の部屋の前にきたけど、ドアがあけっぱなしになっていた。部屋の中からはバルクホルンさんの声が聞こえる。
ちょうどよかった、これで二人にレシピを聞ける。

バルクホルン「信じられるか!?ベッドの下を覗いたら勲章やズボンや過去に食料だった物が混ざり合っていたんだぞ?」

ミーナ「そうねえ、でもフラウの性格を考えたら……」

こっそり中を覗いてみる。二人でハルトマンさんの話をしてるみたいだけど、バルクホルンさんは少し怒ってる。
どうしよう、また後にしたほうがいいかな。でも、夕食の支度もあるし……。

バルクホルン「なんだ、誰がいるいのかと思ったら宮藤か。ミーナに用事か?」

宮藤「きゃあ!す、すみません!お邪魔でしたか?」

いつの間にかバルクホルンさんが後ろに立っていた。驚いて変な声がでちゃった。

バルクホルン「いや、ミーナに少し愚痴を聞いてもらってたところだ。そうだ、ハルトマンを見なかったか?」

宮藤「ハルトマンさんですか?さっき食堂で見ましたけど」

そう言うと、バルクホルンさんがため息をついた。

バルクホルン「まったくあいつは。自分の荷造りは自分でしろと言っておいたんだがな」

宮藤「あはは……」

荷造りをほっぽりだしてたんだ。ハルトマンさんらしいな。


627 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:04:09.34 ID:s+ZcfBRN0 [6/15]


ミーナ「あら、宮藤さん。どうしたの?」

バルクホルンさんの後ろからミーナ中佐が顔を出した。そうだ、レシピを聞かなくちゃいけないんだった。

宮藤「えっと、実は」

今までの経緯をミーナ中佐とバルクホルンさんに大雑把に話す。
お二人とも食べた事はあるけどだいたいの材料しか知らず、作り方も詳しくは分からないという事だった。

ミーナ「母の作る様子は見ていたのだけど、あまり覚えてないわね」

バルクホルン「うーむ、材料はジャガイモと卵に砂糖や塩といった調味料だったと思うが。すまないな、作り方までは分からない」

宮藤「いいえ、それだけでも十分です。あとは私がなんとか作ってみます!」

欧州のお菓子ならリーネちゃんといろいろ作ったし、それらを真似て作ればできると思う。
それにしても驚いたな。てっきり小麦粉とかで作った生地に少しお芋を練り込むのかと思ったけど、お二人の話を聞くと本当にジャガイモを生地にするみたい。
カールスラントの人って本当にお芋が好きなんだ。

バルクホルン「そうだ、力になれなかった代わりに今夜の食事は私が作ろう。宮藤はトルテ作りに専念するといい」

宮藤「いいんですか?」

そうしていただけると、すっごく助かるけど、いいのかな。

バルクホルン「なに、私の荷造りも終わったしデザートがカールスラントの物なら料理もカールスラントのほうが合うだろう」


628 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:11:29.64 ID:s+ZcfBRN0 [7/15]


宮藤「ありがとうございます、バルクホルンさん!」

ミーナ「時間が出来たら私も手伝おうかしら。おいしいトルテが出来るといいわね」

宮藤「はい!ありがとうございました!」

よーし、まずはお芋の生地作りだ。あんまり時間も無いし急がなくちゃ。
出来ればリーネちゃんにも手伝ってほしいけど、さっき見た様子だとまだ荷造りに時間がかかりそうだったな。
ううん、これは私一人でやらなくちゃ。俺君に喜んでもらうんだ。



629 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:19:05.17 ID:s+ZcfBRN0 [8/15]


バルクホルン「仲が良いな、俺と宮藤は」

ミーナ「そうね。あの二人なら風紀を乱す事も無いでしょう」

バルクホルン「いや、わからないぞ。ここは我々がしっかり目を光らせるべきだ」

ミーナ「ふふ、トゥルーデったら」

バルクホルン「そうだ、今夜から宮藤と俺は私と一緒に寝るというのはどうだ?」

ミーナ「ちゃんと俺君の部屋は離してあるのに二人を同室で寝かせる理由が無いので却下します」

バルクホルン「む、そうか」

ミーナ「私はね、トゥルーデ。宮藤さんが少し羨ましいわ」

バルクホルン「なぜだ?」

ミーナ「宮藤さんは、俺君と背中を預け合えるのよ。好きな人の背中を自分の手で守れるの」

バルクホルン「ミーナ……」


630 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:32:45.98 ID:s+ZcfBRN0 [9/15]


ミーナ「大切な人と同じ戦場で戦う。それを幸せとは呼べないけど、決して不幸では無いと思うの」

バルクホルン「しかし、戦場では動揺の原因にもなりえるだろう。そう考えると、あまり良いとは思えないが」

ミーナ「あら?トゥルーデにとって私たちは大切な存在ではないのかしら?」

バルクホルン「な、何を言ってるんだ!部隊員は守るべき大切な仲間だ!」

ミーナ「よかったわ、私もあなた達が大切な存在よ?」

バルクホルン「く、あまりからかわないでくれミーナ」

ミーナ「うふふ。さて、仕事を急いで片づけて宮藤さんの応援にいかなくちゃ」

バルクホルン「私にも仕事を手伝わせてくれ。二人のほうが早いだろう」

ミーナ「ありがとう、トゥルーデ。あなたがいてくれて助かるわ」

バルクホルン「助かっているのは我々のほうだミーナ。今回の作戦、ブリタニアの上層部相手にかなり無茶を通してくれたと聞いたぞ」

ミーナ「私の力じゃないわ。ガラント少将が本国の軍上層部にかけ合ってくれたおかげよ。上が巡洋艦を動かすと言ってくれたおかげでブリタニアが空母を出してくれたのだから」

バルクホルン「軽巡洋艦が三に空母一か。一体のネウロイ相手にこれだけの武力を割くのは初めてじゃないか?」

ミーナ「それだけ上層部も本気なのよ。今回のネウロイは特別だもの」

バルクホルン「なかなか厳しい戦いになりそうだな……」

ミーナ「ええ。だからこそ今のうちに鋭気を養っておかなくちゃ」


631 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:38:15.20 ID:s+ZcfBRN0 [10/15]


宮藤「うう、また失敗しちゃった……」

材料さえわかればなんとかなるかも、と思ってたけどそんなにうまくいかなかった。
食卓の上にはお皿に盛られた失敗作たちが並んでいる。これで五皿目。
どれも食べれなくはないけどお菓子とは言えない味だったり、フォークで刺したらぼろぼろ崩れたり。三皿目はおいしかったけど、これはただの卵でとじたお芋の煮物だよね……。

宮藤「やっぱり無理かな……」

机に突っ伏す。思わず弱音が出てしまった。

俺「うわー、もうこんなにたくさん作ってくれたのか。なんか悪いなあ」

宮藤「えっ!?俺君!?」

うそ、まだ出来てないのに!やだ、どうしよう。俺君が凄く笑ってる。

俺「嬉しいなー。ありがとうな宮藤!」

ありがとう、なんて言わないで。
これ全部失敗なのに、どうしよう。やめてよ、そんな顔しないで……。

宮藤「これ、違うの……」

俺「へ?これ今夜の夕食じゃないのか?」

うん、と返事をしようとしたけどかすれるような声しかでない。
鼻の奥が熱くなって、目に涙が溜まってくるのを止められなかった。


632 自分:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:45:24.24 ID:s+ZcfBRN0 [11/15]


宮藤「ぐす、ぐすん。ごめんね、ごめんね……」

俺「へ!?え!?何で?どうしたんだ宮藤?」

俺君が背中をさすってくれてる。俺君の手があったかい。

俺「大丈夫か?急にどうしたんだよ」

私の涙がおさまるまで、俺君は背中をさすり続けてくれた。
結局、俺君に私がお芋のケーキを作ろうとしたこと、作り方がわからなくて全然できなかったことを話した。

俺「そっか。ごめんな、俺がトルテが食べたいなんて言ったせいで」

宮藤「ううん、私が勝手に作ろうって決めた事だもん。驚かせちゃってごめんね」

二人で謝りあう。私、なんで急に泣いたりしちゃったんだろう。

俺「あのー、ところでさ」

宮藤「……?」

俺「えっと、宮藤はカルトフェルトルテ食べた事無いんだろ?」

宮藤「うん……」

俺「じゃあ、どうやって作ったものがカルトフェルトルテかどうかを判断してたんだ?」

宮藤「……あ!」


633 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 03:50:44.69 ID:s+ZcfBRN0 [12/15]


そう言えば。これじゃ最初から作るのは無理だったってことだよね。どうして煮物を作り始めた時点で気がつかなかったんだろう。

俺「ははは。それじゃあさ、俺も作るの手伝うよ」

宮藤「ええ?だ、だめだよ!私が1人で作るって決めたんだもん」

俺「でも宮藤はトルテの味を知らないだろ?俺が味見しながら作ればいいと思ったんだけど」

そっか、俺君の感想を聞きながら作ればちゃんと出来上がるかも。
本当は俺君をびっくりさせたかったんだけど、このままじゃできそうにないよね。

宮藤「うーん、それじゃあ……一緒に作ってくれる?」

俺「おう!」

俺君が腕をまくって笑った。ああ、私は俺君に助けてもらってばかりだな。どうしたら俺君にお返しができるんだろう。

俺「どうしたんだ?ぼーっとして」

宮藤「ううん、なんでもない」

うん、決めた。今度俺君が困った時は、私が俺君を助けてあげよう。私が、俺君の盾になってあげよう。

俺「よーし、美味いトルテを作るぞー」

宮藤「うん!」

俺君は、絶対に私が守るんだ。例え、どんなことがあっても。


634 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 04:04:08.94 ID:s+ZcfBRN0 [13/15]


ミーナ「ふう、なんだか上手くいったみたいね」

バルクホルン「ああ、宮藤が泣きだしたときはヒヤヒヤしたな」

ミーナ「今レシピを持って行くのは止めたほうがよさそうね」

バルクホルン「何故だ?レシピが無いと正確な調理は無理だぞ」

ミーナ「もう、トゥルーデったら。あんまり野暮なこと言わないの」

バルクホルン「むう。とりあえず、ずっとここで覗いているわけにもいくまい。我々も夕食作りをしなければ」

ミーナ「待って。もう少し二人きりにしてあげましょ?」

バルクホルン「だが……、いや。そうだな」





俺「み、宮藤ー!鍋からお湯が溢れて止まらない!助けて!」

宮藤「俺君火を!火を止めてー!」

俺「うわー芋がー!芋が変形したー!」

宮藤「俺君おたま!おたま使ってー!」


635 自分:主人公っぽい俺[sage] 投稿日:2011/05/27(金) 04:06:10.97 ID:s+ZcfBRN0 [14/15]


ミーナ「……やっぱり、今すぐ行こうかしら」

バルクホルン「ああ、そうしよう……。俺にも今後の調理を禁止させたほうがいいんじゃないか?」

ミーナ「検討しておきます……」



俺「芋が爆発したー!?」

宮藤「俺君ー!?」



最終更新:2013年01月28日 15:45