――――――――――ある日
ミーナ「ネウロイ出現!小型機が3体です」
坂本「俺・バルクホルン・ハルトマンが出撃する」
『了解』
――――――
ブウゥゥゥン
俺「・・・」
エーリカ「例のあの子、来るのかな?」
ゲルト「可能性は高いだろうな。・・・俺。戦えるな?」
俺「・・・」
エーリカ「俺?どうかした?」
ゲルト「・・・俺?聞いているか?」
二人が何事か言っているが、それどころじゃなくなった。
またもや、この感じ。あの子が召喚されたときと同じ感覚。・・・間違いない。彼女は、すぐ近くにいる。
エーリカ「俺?どしたの?」
俺「・・・来る!」
ゲルト「何?・・・まだ何も見えないが・・・!?」
バルクホルンがそう言った直後、俺たち三人の目の前に、
フオンッ
『!?』
キュイイィイィィィン・・・
人型のネウロイが突如出現した。
全身が真っ黒で、ウィッチのストライカーのようなものが脚部を包んでいる。
ゲルト「俺・・・お前」
エーリカ「なんでわかったの?」
二人に驚きの表情を向けられる。
だが、二人の疑問に答える前に、
エーリカ「・・・俺?」
キュイイイィィィイン・・・
俺は人型のネウロイから、目を離せなかった。
―――――――
あんたは・・・
あなたも、異世界の人間なんですね?
・・・ああ
やっぱり。・・・ニュースでやっていましたよ
・・・そうなのか・・・
はい。男子高校生消失事件。大騒ぎでしたよ。消える瞬間を目撃した人が複数いたので誘拐などではなく、
本当に忽然といなくなってしまったって、・・・ご家族は捜索願をだしたそうですよ
そうか・・・
でも、・・・確か、事件から三ヶ月くらい経った辺りだったかしら?
ご家族の要望で捜索が打ち切られたそうです
三ヶ月後・・・あの時辺り、か・・・
理由は、・・・息子がどこにいて何をしているのかがわかって安心したから、
もう大丈夫だ、とか・・・それ以来ニュースでは見ていませんね
届いていたか・・・
・・・良かったですね
・・・
そのご家族の言っていたこと、元の世界の人は誰も理解できていませんでしたが・・・
これで納得がいきました。
・・・わかるのか
・・・はい。あなたがこの世界で何をして、そして今何を考えているのかも
・・・俺を、恨んでるか?
いいえ。・・・恨んでなんかいませんよ
・・・どうしてだ?
私も、あなたと同じ。・・・元の世界に居場所なんてなかったんです。
誰も私の言うことなんて聞いてくれなかったし、誰も私に関心なんて抱いていませんでした。
生きていて良いことなんて、なかったんです。だから、まあ、色々あって・・・ビルの屋上から飛び降りたんです。
そうしたらいつのまにか私の身体はこうなっていたんです
・・・
そのような顔をなさらないでください。むしろ、あなたには感謝したいくらいなんですから
・・・は?
私は嬉しいんです。この世界には・・・私を必要としてくれている場所がある。今の私には、居場所があるんです
・・・っ!?
だから、・・・だから、私を必要としてくれている者のために全力を尽くそうと思っているんです。それが例え、この世界の人類の敵だろうと。
・・・正直言って、私にとって異世界の人類なんて、どうなったって知ったことではないんです。・・・軽蔑しますか?
・・・以前は俺もそう思っていたし・・・・・・それに俺は・・・人の心の有りように口出しできるほど立派に生きているつもりはないから・・・
だから俺は何も言わない・・・言えないんだ・・・
・・・そうですか
でも・・・あんたと俺の・・・この差はなんだ?
・・・
同じ世界の人間なのに・・・俺と同じく居場所を手に入れたはずなのに・・・この違いはなんなんだよ!?
あなたと私に違いなんてありませんよ。お互いが、この異世界で見つけた居場所にいるというだけです。
だから、戦いましょう?俺さん。お互いの、居場所を守るために・・・ね?
・・・クソッ!
・・・
・・
・
――――――
ゲルト「俺!?どうしたんだ!?」
俺「・・・二人とも」
エーリカ「・・・何?」
俺「あの子を、倒すぞ」
ゲルト「・・・急にどうした?」
俺「・・・あの子は・・・倒さなくちゃいけない敵だ」
エーリカ「・・・え?」
ゲルト「・・・」
俺「・・・わかるんだ。俺には。・・・あの子が何を思っているのか」
エーリカ「・・・異世界の人間同士、通じるものがあるってことだね?」
俺「・・・多分な」
ゲルト「・・・もう、通じないのか?」
俺「・・・ああ」
ゲルト「そうか。・・・俺。覚悟は、できているな?」
・・・今更確認するまでも無い。
俺「出来てるさ!」
ゲルト「うむ。良い返事だ!」
エーリカ「行くよ!」
――――――――
ビュインッ ビュインッ
俺「っ!」ガガガガガガガ
ネウロイの両手から放たれるビームを避けながら、こちらも銃を撃つが、
ギュンッビュンッ
ゲルト「素早いな・・・」
ネウロイも、こちらの編隊攻撃を確実に避けている。
避けつつ、ビームを放ってくる。
ビュインッ
ゲルト「攻撃頻度はそれほど多いわけではないが・・・何か隠しているんだったな?」ガガガガガガガガガ
エーリカ「ねえ、俺。あのネウロイの能力、わかる?」ガガガガガガ
・・・以前のネウロイからは『時空と次元』が関係すると聞かされたが。
俺「・・・詳しくはわからないが・・・何か持っているのは確かだ」ガガガガガ
そう言いながら俺達は銃撃を続ける。ネウロイはそれを避け続けている。
だが、避け続けるのにも限界はあったようだ。
バルクホルンの銃弾がネウロイの頬を抜けた時、一瞬、動きが鈍った。
エーリカ「貰った!」ガガガガガガ
ハルトマンがそう言って弾丸を放った瞬間、ネウロイは回避行動をとらず、
キュイイィィン・・・ ブオン
静止して紫色のシールドを展開した。
ゲルト「シールド!?」
俺「・・・あれか」
・・・俺が刀に込める紫色の魔力と同じ感じだ。
エーリカ「・・・何か起こりそうだね・・・」
・・・シールドされていなければ着弾していたはずだが、シールドされている以上、
当然ネウロイには届かないだろう、と、俺達は予想していた。結果は、やはり弾丸は当たらなかった。
・・・しかし。
スゥゥゥゥ・・・
・・・シールドは、弾丸を受け止めずに、
ゲルト「・・・なんだ、あれは」
エーリカ「弾がすり抜けた?」
そのまますり抜けていったのだ。着弾していれば頭部に当たっていたはずの軌道なのに、
まるで弾丸など無いものであったかのようにネウロイの後方へ消えていった。
ゲルト「当たったように見えたのだが・・・」
エーリカ「変なの」
そうハルトマンが呟いた瞬間、
ブシュッ
俺「!?」
俺の左腕が熱くなり、
俺「ぐっ!?」
血が噴出した。
ゲルト「ん?どうした俺・・・!?」
俺の左腕から血が流れているのを見て、バルクホルンは驚いた顔をする。
俺「・・・何かが、カスった」
俺の言葉に、更に驚く。
ゲルト「何!?ビームを撃ったような行動は見られなかったぞ!?」
エーリカ「・・・何が起こったの?」
・・・『時空と次元に関係』ね・・・
俺「・・・二人とも」
ゲルト「ん?」
エーリカ「何?」
俺「・・・バルクホルンは俺の右後ろ、ハルトマンは左後ろについてくれ」
エーリカ「・・・了解」
言った通りの位置に、二人は移動する。
俺「・・・今の俺達は、上から見れば三角形になっているはずだ。それぞれの角に一人ずつ」
ゲルト「・・・そうだな」
俺「・・・ハルトマンは俺の右後ろ、バルクホルンは左後ろを向いてくれ」
エーリカ「・・・」クルッ
ゲルト「・・・俺。何を考えている?」クルッ
俺「俺は今からネウロイのシールドに向けて撃つ。そうしたら、お前達二人は、シールドを張ってくれ。横の隙間を無くすように」
エーリカ「・・・」
ゲルト「・・・どういうことだ?ネウロイの能力がわかったのか?」
俺「・・・まだ確信じゃない。だけど、次に撃てば、多分確信できる。・・・俺の予想が当たっていれば、・・・」
・・・ネウロイの能力は、かなり、
俺「ヤバい能力かもしれない」
――――――――――
・・・クソ、左腕がジンジンする・・・
そう思いながら、俺は右手で紫のシールドに向けて4発撃つ。その瞬間、後ろの二人がシールドを張ったのを感じた。
スゥゥゥゥ・・・
また弾丸がすり抜ける。それを見届け、俺もすぐにシールドを張る。
そして、
ヒュンッバシュンバシュンバシュンバシュゥン・・・
・・・ハルトマンのシールドの右上に俺の放った弾丸が張り付いていた。
エーリカ「・・・!」
ゲルト「ハルトマン、なんだそれは!?・・・俺の弾じゃないのか!?」
・・・これで確信できた。
俺「あのシールドに銃撃すると・・・俺たちの周りに弾丸が転移してこっちに向かってくる・・・」
ゲルト「・・・撃った弾丸がこちらに返ってくるというのか!?」
エーリカ「確かにヤバイ能力だ・・・」
キュイイィィン・・・ ビュインッビュインッ
戦慄する俺たちに追撃するように、
ネウロイはシールドを解除し、またこちらへビームを放つ。
ゲルト「!」ヒュンッ
それを避けながら、バルクホルンはネウロイに接近する。
ゲルト「ならばシールドを張っていないときに攻撃すれば良い!」
確かにそうだ。
だが、バルクホルンのその動きに合わせて、
キュイイィィン・・・
ネウロイが猛スピードで後退する。・・・バルクホルンの速度を上回ってないか?
エーリカ「!?」
ビュインッ
後退しながら、ビームを放つ。
バルクホルンはそれを避けて銃撃する。
ゲルト「当たれぇ!!」ガガガガガガガガ
ネウロイはまた静止してシールドを張った。
スゥゥゥゥゥ・・・
銃弾がすり抜けた。
ゲルト「!?」
エーリカ「トゥルーデ危ない!」
バルクホルンはとっさにシールドを張る。
バシュバシュバシュドシュドシュドシュドシュッ
ゲルト「・・・がはっ!?」
俺「バルクホルン!?」
バルクホルンが放った弾が転移して、・・・下からと、少し遅れて後ろからの二方向から返ってきた。
下からの弾はシールドで守ったものの、背後からの弾は避けきれずバルクホルンは腹部に被弾した。
バルクホルンが貫かれた隙に、ネウロイはまたシールドを解除して後退する。
エーリカ「トゥルーデ!!」
ゲルト「・・・クリ・・・スゥ・・・」
そう呟いて、バルクホルンは落ちていった。
俺「んなッ・・・!?」
エーリカ「トゥルーデェェエェェェェ!!!!!?」
ハルトマンが叫びながらバルクホルンに向かっていく。
俺は、追撃を警戒して、左腕の痛みを我慢しながらバルクホルンを守るようにシールドを展開する。
キュイイィィィン・・・ ビュインッ
案の定追撃してきたか。
バシュゥンッ
俺「・・・っ!」
ビームも結構強力だ。
そう思った俺は、次の攻撃に備える。
だが。
キュイイィィン・・・
俺「・・・ん?」
・・・近づいたわけでもないのに、ネウロイが後退していく。
俺「・・・」
・・・どんどん後退していく。
俺「・・・?」
・・・身体を翻して後ろを向き、遥か下の海水面に平行になるように身体を横にした。まるでウィッチのように。
俺「・・・!?」
エーリカ「トゥルーデ!しっかり!」
ゲルト「・・・ぐっ」
エーリカ「・・・息はある・・・俺!ネウロイは!?」
俺「・・・撤退していく」
エーリカ「・・・なんだって?」
俺「・・・ネウロイが、撤退していく」
エーリカ「・・・」
俺「・・・」
今回は試しの出撃ってことなのか?
エーリカ「・・・今は追いかけてもダメだね」
俺「ああ。・・・バルクホルンは、どんな具合だ?」
エーリカ「・・・早く宮藤に治してもらわないといけない」
俺「そうか。・・・俺が連れて行く」
エーリカ「頼んだ。全速力で戻って!私は戻りながら基地に連絡するから!」
俺「了解っ!」
・・・バルクホルン・・・お前でも、こんな風になるなんて・・・俺には全く想像できなかったよ・・・
あのネウロイ・・・絶対、許さない。必ず倒してやる。・・・必ず。
最終更新:2013年01月28日 16:05