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女「私はこの世界の人間ではありません」

ミーナ「・・・はい」

女「この地のことについては、私を呼び出した方々に説明を受けました」

あと、召喚の際にあなたの記憶を読み取ることができました

そうか

色々なことを経験したのですね

 ・・・まあな

ゲルト「あなたを呼び出したのは、誰なのでしょうか?」

女「この地・・・ロマーニャと言いましたね。ここの街のはずれで、魔法とやらを研究している場所がありました。
そこの研究員の方々です」

ミーナ「・・・軍事と関わりのありそうな場所でしたか?」

女「・・・さあ?少なくとも私の目には、研究員の方々の中に軍人さんが混じっているようには見えませんでしたが」

ミーナ「・・・女さん、そこで、何か妙なものを目にしませんでしたか?」

女「私にとってはこの世界の全てが妙なものなのですが」

特に下半身がね

 ・・・全くだ

ですよね

俺はもう慣れたけどさ

そうですか

ミーナ「・・・そうですね。では、二つでセットになっている筒状の機械は目にしませんでしたか?」

 ・・・

女「ありましたね」

ミーナ「!」

 ・・・ストライカーユニット・・・

きちんとした名前があるのですね。あれは何なのですか?

 ・・・あれを足にはめて、空を飛ぶんだ

ああ。・・・研究員の方が言っていたのはそのすとらいかーゆにっとのことでしたか

 ・・・

私の専用機だとか言っていましたが、こんな私に空を飛んでもらって、彼らは何をしろと言うのでしょうかね

 ・・・

まあ、あれが私の現状を突破するひとつの鍵であることは間違いありませんが

 ・・・

ゲルト「・・・どうして、あなたが呼び出されたのでしょうか?」

どうして、ですって?

 ・・・

女「私が尋ねたいくらいですよ」

俺「・・・」

ゲルト「・・・も、申し訳ございません」

女「・・・ふふ、いいですよ、お嬢さん。お気になさらずに」

ゲルト「・・・?」ゾクッ

エーリカ「・・・トゥルーデ?」

坂本「・・・異世界の方を召喚しようとした理由は、お聞きになりましたか?」

女「いいえ」

 ・・・戦わせるため

え?

それくらいしか、理由はないさ

 ・・・野垂れ死なせるためであるわけはないとは思っていましたが・・・

 ・・・

坂本「・・・では、召喚の方法は?」

女「・・・研究員の方々が言うには、俺さん、あなたがお使いになっていたらしい刀・・・
その破片に宿っていた魔力を研究していたら、急に魔力が暴走し、気がついたら私という存在が召喚されていたそうです」

サーニャ「・・・刀の破片・・・?」

エイラ「あの時ノカ」

あの子と決着をつけたときの、か・・・

リーネ「・・・そんなちっぽけな物でも、こんなことが?」

ペリーヌ「・・・わからないことだらけですわね、異世界の魔力というものは・・・」

俺「・・・」

女「そんな方法だったからでしょうか?私には不完全な力しか与えられなかったのは」

宮藤「え?」

 ・・・不完全。

女「私は、俺さんのように『二つめの魔力』を持っていないそうです」

宮藤「・・・異世界の魔力が、無いんですか?」

女「そういうわけではなく、・・・受け売りですが、
『わかりやすく説明すれば、魔力と異世界の魔力が混じったさらに別の魔力、と言ったところ』だそうです」

俺「・・・」

そうか、あの違和感は魔力が混じっていたから・・・

サーニャ「・・・女さん」

女「なんでしょうか?お嬢さん」

サーニャ「・・・元の世界に、帰りたい、ですか?」

俺「・・・」

女「ええ」

俺「・・・っ」

サーニャ「・・・」

俺「・・・くそっ」

宮藤「俺さん・・・」

俺「・・・」

女「・・・」

 ・・・女さん

 ・・・はい

 ・・・俺は、あんたの気持ちがわかる

はい

帰りたいって。こんな世界なんかどうだっていいから、俺を帰せって。同じように思ったことがあるから

そうですよね

 ・・・どうあがいても逃げられないってことが、どんなに辛いものなのか、わかる

ありがとうございます

 ・・・

俺「俺は・・・」

『・・・?』



俺「やっぱり、帰っておくべきじゃなかったのか?」



サーニャ「・・・!」

女「・・・」

エイラ「・・・な、何言ってんダヨ!?お前はお前の意思でここに居るンダロ!?」

 ・・・そうだったな。でも・・・

女「でも、今は後悔している」

俺「・・・」

シャーリー「・・・俺・・・?」

俺「・・・俺がここに居るから、女さんが苦しむことになったんだ・・・」

ルッキ「で、でも!それは!」

女「この世界の人間が勝手にやったことです」

俺「・・・」

女「あなたに罪はありません。私が憎むべきは、この世界そのものと、私を呼んだ人間です。
私があなたを憎むのは筋違いです。あなたはこの世界で生きていただけであって、私を呼ぼうなんて思っていなかったのでしょうから」

俺「・・・」

 ・・・

女「私は、あなたに間違いがあったとは思いません」

俺「・・・」

 ・・・俺を恨んでるわけじゃないのか?

恨めるわけがないでしょう。恨む要素がありません

俺「・・・だったら」

女「どうしてここに来たのか、ですか?」

俺「・・・ああ」

女「異世界の人間はこの世界に縛られている故に、自分の意思だけでは逃げ出すことすら叶いません。
それは、たとえ完全な力を持った人間でも・・・俺さんでも、同じことです。
どんなに強大な力を持ったとしても、私の・・・私達の望みは叶いません。ですが、それは一人の場合の話です。
他の者の力を借りることができれば・・・」

エーリカ「・・・他の者の力・・・?」

女「つまり、俺さんに、私を縛る鎖を断ち切る手助けを、私が元の世界に帰る手助けを頼みたいということです」

俺「・・・」

何か手段があるのか?

最終更新:2013年01月28日 16:11