第501統合戦闘航空団。通称、ストライクウィッチーズによりロマーニャが開放され部隊が解散されてから数ヶ月。
解散後もメンバー達は各々の目的を果たすため日々奮闘していた。
扶桑の宮藤芳佳もその一人だ。
彼女は先の戦いで魔力を完全に使い果たしウィッチとしての能力を完全に失ってしまった。
もう彼女は飛ぶことすら出来ない。
しかし、彼女は家業の医師としての仕事を次ぐために日々修行していた。
そんなある日のことだった。
?「御免ください。」
宮藤母「は~い。あら、あなたは・・・」
そこにいたのは扶桑海軍所属の土方兵曹だった。
土方「ご無沙汰しております。ご息女はいらっしゃいますか?」
宮藤母「ええ、いますけれど・・・」
土方「お話ししたいことがあるのですが少々お時間のほうを・・・」
芳佳「どうしたのお母さん?お客さ・・・あ!土方さん!」
土方「ご無沙汰しております、宮藤さん。」
芳佳「今日はどうしたんですか一体?」
宮藤母「芳佳にお話しがあるそうよ・・・」
芳佳「そうなんですか!?なら上がってってください。」
土方「お邪魔してもよろしいでしょうか?」
宮藤母「ええ、どうぞ上がってください。」
土方「ではお邪魔します。」
---居間---
宮藤母「粗茶です、どうぞ。」コト・・・
土方「ああ、どうぞお構いなく・・・」
芳佳「それでお話しって・・・」
土方「はい、そのことなんですが・・・」
宮藤母「また・・・芳佳を連れて行くんですか・・・?」
土方「・・・・・はい。」
芳佳「え・・・?それってどういう・・・」
土方「はい・・・」
土方「第501統合戦闘航空団が再結成されます。」
そう、依然世界からネウロイの脅威は去っていなかったのだ・・・
芳佳「ほんとうですか!?あ・・・でも私にはもう・・・」
宮藤母「そうです。芳佳にはもう魔力が無いんですよ?それなのに・・・」
土方「宮藤さんにはぜひウィッチーズの軍医としてのご同行願いたいと坂本少佐が・・・」
芳佳「坂本さんが?でも、坂本さんももう魔力が・・・」
土方「はい、確かに少佐は魔力をなくされました。」
土方「しかしながら教官としての少佐の能力は衰えていません。」
土方「そのためぜひ教官として迎えたいとカールスラントのミーナ・ディートリンデ・ヴィルケ中佐から要請があり・・・」
芳佳「ミーナ隊長が・・・」
土方「はい、それならば宮藤さんもぜひ連れて行きたいと少佐が・・・」
宮藤母「でも、芳佳がいってもお荷物になるだけじゃ・・・」
土方「いえ、なんでも宮藤さんはウィッチーズにいたとき食事当番を良くやっていたそうですね?」
芳佳「は、はい・・・やってました。」
土方「そのときの食事の評判がとてもよろしかったそうで、今回もぜひやっていただきたいと・・・」
芳佳「な、なんだか照れちゃうな・・・///」
土方「それにあなたという存在がウィッチーズの士気を保つためにも必要だと坂本少佐がおっしゃっていました。」
芳佳「私が・・・」
土方「無理にとは言いません。ですが可能ならばぜひ来て欲しいのです。」
芳佳「今度はどこを開放するんですか・・・?」
土方「はい、私が聞いた限りでは・・・」
土方「カールスラントだと。」
芳佳「カールスラント・・・」
土方「ええ、あの国は依然ネウロイに占領されたままです。」
土方「そこで、先日の国際会議でカールスラントの奪還作戦が発令されたそうです。」
芳佳「それをストライクウィッチーズが・・・」
土方「はい、ウィッチーズの中でもかなり功績のある部隊ですから・・・」
土方「たしか、501にはカールスラント出身の方もいらっしゃいましたよね?」
芳佳「はい、バルクホルンさんとハルトマンさんとミーナ隊長が・・・」
土方「そうですか・・・。宮藤さん厚かましいようで申し訳ないのですが、私も宮藤さんにはぜひついていっていただきたいと思います・・・」
芳佳「え・・・?」
土方「実はお2人が帰国してから少佐から501での話しをいろいろと聞きました。」
土方「もちろん宮藤さんのご活躍も・・・」
土方「その話の中でも少佐は特に宮藤さんのことを多く話してくれました。」
土方「それで、思ったんです。」
土方「あの部隊にはあなたが必要なんだと。」
土方「あなたがあの部隊に来てから部隊の皆さんもずいぶん変わったそうです。もちろん良い意味で。」
土方「少佐も言ってました。どんな時も宮藤さんが中心にいたと。」
芳佳「・・・・・・」
土方「あなたのおかげで本当の意味で部隊が一つになったと。」
土方「宮藤さん。どうかわれわれのお願いを聞いてはいただけないでしょうか・・・」
芳佳「・・・・・・少し・・・」
土方「・・・・・?」
芳佳「・・・少しだけ時間をください。」
芳佳「ダメ・・・ですか・・・?」
土方「いえ、時間はまだあります。」
土方「出発まではまだ2ヶ月ほどありますから。」
芳佳「それまでには必ず決めます・・・だから・・・」
土方「わかりました。それでは今日のところは失礼します・・・」
---玄関---
土方「今日は突然押しかけてしまってどうもすみませんでした。」
宮藤母「いいえ・・・」
土方「ああ、そういえば少佐から伝言を預かっていました。」
芳佳「・・・?」
土方「『私達は11人でストライクウィッチーズだ』」
芳佳「!!」
土方「いい返事を期待しています・・・それではまた。」
そう言って土方は去っていった。
宮藤母「・・・芳佳。」
芳佳「・・・なに、お母さん?」
宮藤母「本当はもう決まってるんでしょう?」
芳佳「・・・・・」
宮藤母「・・・行って来なさい。」
芳佳「・・・・・え!?」
宮藤母「お話を聞いててお母さん、すごくうれしかったわ。」
宮藤母「お母さんの知らないところで芳佳がそんなに成長していたなんて・・・」
宮藤母「それに、芳佳を必要としている人がたくさんいることもわかったし・・・」
芳佳「でもお母さん・・・私がいなくなったらまたお母さん達に心配かけちゃう・・・」
宮藤母「大丈夫よ。」
芳佳「え・・・?」
宮藤母「さっきのお話し聞いて心配なんて吹っ飛んじゃった。」
宮藤母「それにお父さんも言ってたでしょ?」
宮藤博士「芳佳。お前には母さんやおばあちゃんに負けない大きな力がある。その力で・・・」
宮藤博士『みんなを守るような立派な人になりなさい。』
――――――
―――――
2週間後芳佳は先日の返事をするために横須賀基地にいる坂本美緒のもとを訪れていた。
芳佳「こんにちはー」
芳佳「お久しぶりです!あの、坂本さんはいらっしゃいますか?」
整備士「ああ、少佐に会いに来たのか。案内するよ。」
芳佳「ありがとうございます!」
---施設内廊下---
土方「宮藤さん!」
芳佳「こんにちは。その・・・今日はお返事に来ました・・・」
土方「そうでしたか!君、後は私が引き受けるから仕事に戻ってくれ。」
整備士「はっ!・・・それじゃあね、宮藤さん。」
芳佳「はい、案内ありがとうございました。」
土方「ではこちらへ・・・」
---来客室---
土方「少佐はもう少しで参りますので少々ここでお待ちください。」
芳佳「わかりました。」
5分後・・・
ガチャ・・・
扉が開いた。そこにいたのは忘れもしない恩師の姿であった。
坂本「ひさしぶりだな、宮藤!」
芳佳「坂本さん!」
久々の再開に2人はしばらく思い出話しに花を咲かせていた。
坂本「ところで宮藤。」
突然坂本が真剣な面持ちになった。
坂本「先日の話の返事が聞きたいのだが・・・」
そう、カールスラントへ芳佳がついてくるのかという話しだ。
芳佳「あ、そうでしたね・・・すっかり忘れちゃってました・・・」
芳佳の相変わらずさにあきれてため息をつく坂本。
坂本「まったく・・・仕方の無いやつだ・・・それで?」
芳佳の眼差しが真剣なものに変わった。
芳佳「坂本さん・・・」
芳佳「私も連れて行ってください!」
芳佳「この2週間ずっと考えました。」
芳佳「ううん、答えははじめから決まってました。でも・・・」
坂本「でも?」
芳佳「やっぱり迷ったんです。家のことを考えると・・・」
芳佳「おばあちゃんやお母さんそれにみっちゃんにこれ以上心配かけてもいいのかなって。」
芳佳「でもみんな言ってくれました、『いってきなさい』って。」
芳佳「だから私行きます!私にも出来ることがあるから!」
坂本「はっはっは!そうか。なら一緒に行こう宮藤!」
坂本「私達は11人で『ストライクウィッチーズ』だ!」
芳佳「はい!」
こうして新たな物語の歯車が回り始めた。
最終更新:2013年01月29日 14:08