Episode4 『魔術師』

謎の少年『アニマ』から試練の宣告を受けて今日で3日が経とうとしていた。



俺はいつもより少し早めに目が覚めてしまったようだ。

俺「なんだ・・・やけに目覚めが早いぞ・・・不気味だな・・・」

俺「悪いことが起きなきゃいいんだけど・・・」

俺「ん?」

ふと窓の外を見ると坂本が刀の素振りをしていた。

俺「ちょっと見に行ってみるか・・・」

俺は刀を取り外へ向かった。

---基地の外---

俺「おはようございます。坂本少佐。」

坂本「ん?ああ、俺か。おはよう。」

俺「あの・・・その刀は・・・」

坂本「これか?こいつは烈風丸といってな。私の頼もしい相棒だ。」

坂本「まぁ、もう私には魔力が無いからこいつの本領は見せてやれないのが残念だな。」

俺「坂本少佐は烈風斬が使えると聞きましたが。」

坂本「使えた、だな。魔力が無い以上もう烈風斬はうてんよ。」

坂本「結局、真烈風斬を撃つこともかなわなかった・・・」

坂本「ところで俺一等兵、お前も刀を使うな?」

俺「はい、親父からもらった刀です。」

そう言って腰の刀を抜く。

坂本「それがお前の刀か・・・」

俺「はい、『布都御霊劔(フツミタマノツルギ)』っス。」

刀身が光を受けて蒼く閃く。

坂本「ほぅ・・・フツミタマというと扶桑神話でも聞いたことがあるな。」

俺「はいっス。何でも神殺しの剣だとか。大層な名前で俺にはもったいなさすぎるっス。」

坂本「よく手入れが行き届いているな、感心だ。」

俺「いえ、実はそこまで丁寧に手入れしてないんス。」

坂本「? だがそんなにもきれいじゃないか。」

俺「ええ。不思議なものでこいつ、いくら乱暴に振ったりしても傷一つつかないんスよ。」

俺「なんでも、魔道鉄鋼を使ってるから刃も強靭なんだとかって、俺は聞きましたけど・・・」

坂本「なるほどな・・・だが常日頃から手入れしてやることだ。刀もいつかは錆びてしまうからな。」

俺「肝に銘じておきます。」

坂本「さて今日こうして会ったのも何かの縁だ。私の素振りに付き合っていけ。」

俺「はいっス!」

しばらく2人は素振りの訓練をすることにした。

---ブリーフィングルーム---

朝のブリーフィング。

皆眠い目をこすりながらやってきた。

ミーナ「みなさん、おはようございます。それではブリーフィングをはじめます。」

今日の哨戒任務のシフトが発表された。

今回俺はサーニャ、エイラと一緒に夜間哨戒の任務につくことになった。

ミーナ「それでは解散します。夜間哨戒の人は自室で睡眠をとっておいてください。」

俺(夜間哨戒かぁ・・・久々だな・・・)

サーニャ「俺さん、今日はよろしくお願いしますね。」ニコ

俺(やっぱ笑顔が・・・///)

エイラ「よろしくナ~」ニッ

俺「押忍!よろしくっス!」ニッ

サーニャ「じゃあまた後で。エイラ、行こう?」

エイラ「お・・・おう!じゃーまたナ~」

エイラ「今日もサーニャ、可愛いダロ?」ヒソヒソ

俺「そうっスね・・・やばいっス・・・」ヒソヒソ

サーニャ「エイラ?」

エイラ「ああ、悪い!今行くゾ!じゃあな俺。」ビシッ!

エイラは何か合図を出すように親指を立てた。

俺「うっス!」ビシッ!

俺もそれに返して親指を立てた。


そして夜・・・

---格納庫---

ミーナ「それじゃあ3人とも、よろしくお願いしますね。」

俺&エイラ&サーニャ「了解。」

こうして3人は夜の空へと飛び立った。

俺(多分今日が試練の日・・・でもまだ何も起こってない・・・俺の杞憂だったのか・・・?)

俺「しかし静かだな・・・」ブロロロロロ

そういう彼の頭の横には魔導針が現われていた。

エイラ「いつもこんな感じだけどナ。」

サーニャ「♪♪」

俺「サーニャさん、その歌は・・・」

エイラ「この歌はな、サーニャのお父さんがサーニャのために作ってくれた曲なんダ。」

俺「へぇ・・・きれいな歌ですね・・・サーニャさんはお父さんが大好きなんですか?」

サーニャ「♪♪///」コクン

サーニャは歌いながらも頬を染めてうなずいた。

俺「そっか~俺の親父もそんな人ならなぁ・・・」

エイラ「俺は自分のお父さんが嫌いなのカ?」

俺「別に嫌いではないっス。むしろ親父のことは尊敬してます。ただ結構厳格でした。」

エイラ「へぇ、どんな風に厳しかったんダ?」

俺「とにかく生活マナーにはうるさかったスね。箸の持ち方はこうだとか、年上の人とか上官と話すときは敬語を使えだとか。」

エイラ「でも私たちはお前より年下だゾ。お前18才なんダロ?」

俺「だってお2人は俺にとって上官っスから。」

エイラ「あ、そっか。」

俺「それに、年上とか上官とばっか話す機会が多かったんで同僚とか知り合いにも無意識に敬語を使っちゃうっス。」

エイラ「変な奴ダナ。」

サーニャ「フフフ・・・」クスクス

エイラ「どうした?サーニャ?」

サーニャ「2人のお話、なんだか聞いてて面白いから・・・」クスクス

エイラ「そうカ?」

俺「ならここは一つ、俺の少年時代の武勇伝でも・・・」

そう言ってしばらく俺が武勇伝を語っていたときだった。


深夜0:00

サーニャ&俺「!!」ヴン

突如2人の魔導針の色が変わる。

エイラ「!?どうした、2人とも?」

サーニャ「スピカの方角から正体不明の飛行物体が接近中・・・数は・・・2つ?」

俺「なんか片方追われてるっぽいっスね・・・隊長に連絡入れますね。」

サーニャ「お願いします・・・」

俺「HQ応答してくださいっス。」

本部「ザザッ・・・こちらHQ、どうしましたか?」

俺「現在位置から約50000m先に正体不明の飛行物体を確認。残り200秒程でコンタクト。おそらくネウロイです。方位076、数は2機ですが片方がなにやら追われてるみたいっス。」

本部「了解。今から増援を送ります。迎撃が可能ならば増援到着まで足止めをお願いします。」

俺「ウィルコ。お2人とも聞こえたっスね?」

エイラ「ああ!」

サーニャ「はい!」

それから程なくしてネウロイが姿を現した・・・が。

俺「なんだ?あれは?」

エイラ「あれは・・・!あのときの人型のネウロイと・・・」

サーニャ「魔法使い?」

姿を現したのはかつてガリア開放の際に現われたのと同じウィッチもどきのネウロイと、

魔法使いの帽子をかぶり手に杖を持ったような姿のネウロイだった。

どうやらウィッチもどきは魔法使い型ネウロイに追われているように見えた。

俺「あれって・・・追われてるっスよね?」

エイラ「あ・・・ああ。そうみたいダナ。」

サーニャ「とりあえず迎撃しましょう!」

そういってサーニャは照準を定めるが何分敵の動きが早い。

サーニャ「捉えられないっ・・・!」

エイラ「ワタシにまかせろ!」

エイラは固有魔法に近未来予知を持っている。

彼女はその能力のおかげで今まで一度も被弾したことが無いのだという。

エイラ「とりあえずあの魔法使いを倒そう!」

エイラはその固有魔法で敵の軌道の位置を予知する。

エイラ「サーニャ!そこダ!!」

サーニャ「当たって!」バシュッバシュッバシュッ

サーニャによって発射されたロケット弾は見事に魔法使いに命中する・・・はずだった。

俺「!?」

エイラ「うそ・・・ダロ・・・」

サーニャ「なんで・・・」

ロケット弾は魔法使いの体を通り抜け空中でむなしく爆発した。

サーニャ「確かに当たったはずなのに・・・」

そう言っている間にネウロイたちは基地へ近づいてゆく。

俺「とにかく追いましょう!」

エイラ「そ・・・そうダナ!行こう、サーニャ!」

サーニャ「う・・・うん。」

俺たちは再び基地のほうへ飛んでいった。

そのころ基地では・・・

---ウィッチーズ基地---

ウウウウウゥゥゥゥ-----

ゲルト「おい!起きろハルトマン!」

エーリカ「うぅーん・・・あと7年・・・」

ゲルト「そんな悠長なことを言っている場合ではない!ネウロイだ!!」

エーリカ「ネウロイ!?」ガバッ


---ブリーフィングルーム---

ミーナ「先ほど俺さんたちからネウロイ出現の報告がありました。」

ペリーヌ「まったく夜にだなんて、性質が悪いですわ!」

ルッキーニ「ねむい・・・」

シャーリー「大丈夫か、ルッキーニ?」

ミーナ「ネウロイは2機同時に出現したそうです。」

ミーナ「1機は前に私たちがガリアで接触した人型のネウロイです。」

芳佳「わたしが一緒に飛んだ、あのネウロイですか!?」

ミーナ「ええ、その通りです。そしてもう一機が、魔術師のような格好をしたネウロイ・・・だそうです。」

ゲルト「なんだそれは!?人型なのか?」

ミーナ「詳しくは分かりません。とにかく攻撃を回避されてこちらに向かっているそうです。みなさん、出撃の準備をしてください!」

全員「了解!」

ミーナ「宮藤さんは医務室で待機、美緒は司令室でレーダーでのサポートをお願い。」

坂本&芳佳「了解!」

その一方・・・

---バルト海上空---

魔法使いはウィッチもどきに対してビームを放っていた。

俺「クソっ!攻撃しながらなのになんて速さだ・・・もっとスピードを上げるか・・・!」ブロロロロロ!!

エイラ「まてヨ!俺!」

俺「でも・・・!」

サーニャ「援軍が来るんですよね?」

サーニャ「だったら私たちと基地からの援軍で挟み撃ちにすれば・・・」

俺「・・・そうっスね。一人で行ってもしょうがないのに・・・頭に血が上りすぎてたみたいっス・・・」

エイラ「とりあえず今は3人ではぐれないように飛ぼう、ナ!」

俺「はいっス。」

サーニャ「うん!」

しばらく追っていると前方から援軍が見えた。

ゲルト「あいつか!」

リーネ「ほんとだ・・・あのときのネウロイ・・・」

エーリカ「でもあいつ攻撃されてるよね?」

ペリーヌ「どういうことですの!?」

ミーナ「まずはあの攻撃しているネウロイから叩きます!全機、フォーメーションブラボー!」

全員「了解!」

ミーナ「ザザッ・・・俺さんたち、聞こえますか?」

俺「はいっス!隊長、あの魔法使い型ネウロイですが、実は先ほどリトヴャク中尉が放った弾が全て体を通り抜けてしまったっス。」

ミーナ「それは銃撃が聞かないって事!?」

俺「おそらくそうっス。まだ確信は持てませんが・・・」

シャーリー「いっけールッキーニ!」

ルッキーニ「どっかーーーーん!・・・あり?」

ルッキーニの突撃はネウロイの体を通り抜けてしまった。

ゲルト「ならこいつはどうだ!!」バララララララララ!!

エーリカ「よけられないぞ~!」バラララララララララ!!

しかしゲルトとエーリカの放った弾丸も通り抜けてしまう。

エーリカ「うそ~!」

ゲルト「馬鹿な!?」

そう言っている間にも2機のネウロイは基地へと近づく。

俺「クソっ!オルフェウス!!」ブロロロロロロ!!

俺はストライカーのエンジンを高速回転させる。

俺「間に合え・・・!」ビュン!

シャーリー「うおッ!はえ~!」

サーニャ「俺さん!」

ミーナ「私たちも追うわよ!」ブロロロロロロ

俺「(追いついた・・・!)くらえ!!」ガガガガガガガガガ

俺の撃った弾丸は見事に魔法使いに命中した。

俺「よし!どうだ!」

そして不意に魔法使いが動きを止め俺のほうを向いた。

俺「え?おい・・・なんだよ・・・うおっ!」

そしてその杖先からビームを発射する。

俺「あっぶな!今までシカトこいてたのに、急にどうしたんだあいつ・・・」

そして今度は俺を狙い始める。

俺「クッ!やる気か・・・!」

そのころ基地では・・・


---基地---

ミーナ「美緒!聞こえる?」

坂本「ああ、聞こえるぞ。」

ミーナ「今そちらにウィッチもどきが向かったわ。おそらく攻撃してくるかもしれない。今すぐ宮藤さんを連れて退避して!」

坂本「了解した。必ず生きて帰ってきてくれ・・・」

ミーナ「ええ、もちろんよ!」

坂本「さて、このことを宮藤に伝えなければ・・・」

ドカーン!

坂本「なんだ!?」

---医務室---

芳佳「な、何の音!?」

窓からあわてて外を見るとそこには・・・

芳佳「あれは・・・あのときのネウロイ!」

ウィッチもどきが墜落していた。

宮藤は明かりをもって下へと駆け下りた。

---基地中庭---

芳佳「あ!」

そこには確かにあの時と同じ姿をしたネウロイがいた。

芳佳「大丈夫!?ひどい傷・・・」

ウィッチもどきの体はボロボロだった。

芳佳「あなた、あのときのネウロイだよね!?」

一瞬ネウロイが芳佳の言葉にうなずいたように見えた。

そしてネウロイが芳佳に助けを求めるように手を伸ばす。

芳佳「大丈夫!わたしが助けてあげるから!」

芳佳「でも・・・どうすれば・・・」

そういうとネウロイは胸の辺りから自分のコアをさらした。

芳佳「え・・・?」

ネウロイは芳佳にそのコアに触れるよう催促しているようだった。

芳佳「これに・・・さわればいいの・・・?」

ゆっくりとコアへと手を伸ばす宮藤。

ドクン・・・ドクン・・・

心臓が高鳴る。未知の物への好奇心と恐怖心。そんなものがごっちゃになり宮藤の胸を激しく打つ。そして・・・

坂本「宮藤!!うっ・・・!」ピカッ!!

宮藤がコアに触れると同時に周囲に赤い閃光が走った。

光が次第に消えていくと、そこにあのネウロイの姿はもう無かった。

芳佳「この感覚・・・もしかして・・・!」

そのとき、宮藤の体が薄赤く発光しはじめた。

坂本「宮・・・藤・・・?」

そして・・・

ピコッピコッと宮藤の頭の上に動物の耳のようなものが出る。

さらに腰の辺りから尻尾のようなものも出てきた。

そして宮藤の左目はネウロイのコアのように赤色に染まっていた。

坂本「宮藤・・・お前・・・」

宮藤は・・・

魔力を取り戻したのだ。

芳佳「・・・坂本さん・・・わたし、皆を助けに行きます!!」

坂本「宮藤・・・」

芳佳「お願いします!坂本さん、行かせてください!」

坂本「はぁ・・・止めても無駄なのだろう?」

芳佳「はい!」

坂本「わかった、だが、くれぐれも無茶はするなよ。」

芳佳「はい!!」

---格納庫---

芳佳「また一緒に飛べるね・・・震電・・・」

坂本「位置は先ほど伝えたとおりだ。もう一度言うが、くれぐれも無茶はするなよ。」

芳佳「了解!」

ストライカーを履くと同時に宮藤の使い魔の耳と尾が現われ、そしてストライカーにはネウロイの装甲のように黒い多角形の模様が現われる。

そして左の目は赤く染まっていた。

坂本「はっはっは!相変わらずいい返事だ!よし、行って来い宮藤!!」

芳佳「宮藤芳佳、出ます!!」

そういうと同時に宮藤は勢いよく夜の空へと飛び立っていった。

坂本「頼むぞ・・・宮藤・・・」

---バルト海上空---

サーニャ「先ほどのウィッチ型のネウロイの反応が消失!」

ミーナ「なんですって!?一体誰が・・・」

サーニャ「それと俺さんがもう一体のネウロイと交戦中みたいです!」

ミーナ「考えるのは後ね・・・全機俺さんの下へ急ぎます!」

全員「了解!!」

一方・・・

俺「クッ・・・動きが早い・・・」

魔法使いのネウロイは俊敏な軌道で俺を惑わせていた。

俺「仕方ない・・・オルフェウス!!」

意思に答えストライカーの速度が更に上がる。

俺「捕らえた!行くぞ・・・っ!!」

腰の刀に手を当てる・・・そして・・・

俺「・・・斬ッ!」

シュバババババババ!!

声を発すると共に抜刀し、神速の斬撃がネウロイに浴びせられる。

ついにコアが露出した。

俺「とどめ!」ガガガガガ!!

さらに銃で追撃する。しかし・・・

俺「マジか・・・」

肝心のコアに攻撃が当たらない。皆と同じようにすり抜けていってしまう。

瞬く間に装甲が再生していく。

俺「クソっ・・・どうすれば・・・」

その時遠くから声が聞こえた。

芳佳「俺さーん!」

俺「・・・宮藤さん!?」

芳佳「あれがネウロイ・・・!やああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」ズガガガガガガガガガガ!!

宮藤が放った弾丸がネウロイの装甲を削りとる。

ネウロイは一時上空へと上がり離脱した。

芳佳「大丈夫ですか、俺さん!?」

俺「はいっス、俺は大丈夫っスけど宮藤さん・・・そのストライカー・・・その眼も・・・」

芳佳「説明は後です!今はあのネウロイを倒しましょう!」

俺「は、はい!でも・・・どうしたものか・・・」

そう言っているとネウロイが上空からビームを放つ。

俺「しまっ・・・」

芳佳「くっ・・・!」

宮藤の手の先から赤色のシールドが展開される。

俺「赤い・・・シールド!?」

芳佳「はああああああああ!!」シュン!

さらにそのシールドの中心からネウロイが放つあのビームが発射された。

しかし間一髪でかわされてしまい、装甲をかすめる程度だった。

俺「す・・・すごい・・・」

芳佳「俺さん!私も戦います!皆を守るために!!」

宮藤の目は真剣だった。

俺「わかったっス。なら宮藤さんには、これから俺が言うとおり動いてほしいっス。」

芳佳「はい!」

作戦は、俺が雲耀もどきをお見舞いし、それによって露出したコアを宮藤がビームで叩く・・・と口で言うなら簡単な作戦だ。

俺「ただ、俺がさっきコアへ攻撃したときは弾丸が通り抜けてしまったっス。だからもしかしたら宮藤さんの攻撃も外れてしまうかもっス・・・」

そう、これは賭けだ。

俺「でももうこの方法しかないっス。できますか、宮藤さん?」

芳佳「もちろんです!」

俺「じゃあ、行きますよ!!」

俺が勢いよくネウロイへと向かう

俺「はああああぁぁぁぁ!!」

次第に切先に集まる魔力。

俺「今度こそ・・・!」

一杯まで魔力を集めた刀を振りかぶり、ネウロイへと叩きつける。

俺「雲耀!!もどき!!」ズガアアアァァァ

派手に白い破片が巻き上がる。

芳佳「す、すごい・・・」

気づけばコアの一部が露出していた。

俺「今です!宮藤さん!!」

両手を前に出す宮藤、そして・・・

宮藤「当たれええええええ!!」シュンシュンシュン!!

ズゴゴゴゴゴゴゴゴ・・・パリーン!・・・

放たれたビームはネウロイのコアを撃ち砕いた。

俺「や・・・」

芳佳「・・・やったー!」

サーニャ「あ、ネウロイの反応・・・消えました・・・」

エイラ「俺がやったのカ?」

サーニャ「ううん、もう一人いるみたい・・・」

ミーナ「もう一人・・・?一体誰なの?」

サーニャ「これは・・・」

サーニャが言う前に、俺ともう一人の姿が見えた。

エーリカ「え・・・あれって・・・」

リーネ「芳佳ちゃん!?」

芳佳「あ!みなさーん!!」

芳佳は皆に向かって大きく手を振った。

ミーナ「宮藤さん・・・あなた・・・どうして飛べるの・・・?」

ゲルト「それにそのストライカーは一体・・・」

ペリーヌ「目の色もなんだか・・・」

芳佳「はい、そのことなんですけど・・・」

芳佳はこれまでにあったことを一通り皆に話した。

ミーナ「そんなことが・・・」

リーネ「じゃあ、芳佳ちゃんまた一緒に飛べるんだね!」

芳佳「うん!」

ペリーヌ「でも、そのウィッチ型のネウロイはどうなってしまいましたの?」

芳佳「私の中で、まだ生きてます。でも今はなんだか眠っているみたいです・・・」

ミーナ「まだまだ聞きたいことがあるけど、ここは一度基地へ戻ります。いいですね、皆さん。」

全員「了解!」

---ブリーフィングルーム---

先ほどの戦いのデブリーフィングが行われることになった。

ミーナ「皆さん、今日は良く戦ってくれました。」

ミーナ「でも、まさか宮藤さんが魔力を取り戻すとは驚きました。」

シャーリー「ホントだよ!しかもネウロイの力が使えるんだろ?」

ルッキーニ「よしかかっちょいいー!!」

芳佳「はい、ただあの時は必死だったからどんな力が使えるかはまだ分からないんです・・・」

俺「俺が見た限りではネウロイの粒子砲が使えるみたいっス。後ウィッチとしての能力のシールドもちゃんと。」

ミーナ「その力は未知数ね・・・これからは宮藤さんも戦力として数えて大丈夫かしら?」

芳佳「はい!私頑張ります!!」

ミーナ「わかりました。それでは宮藤さんには再び、この基地のウィッチといて頑張ってもらいます!」

芳佳「みなさん、改めてよろしくお願いします!!」

仲間達も改めて宮藤によろしくと声をかける。


デブリーフィング後・・・

サーニャ「俺さん、大丈夫でしたか?」

俺「サーニャさん!はいっス、俺は大丈夫でしたよ。お2人に怪我がないみたいでよかったっス。」

エイラ「お前一人で行っちまったからサーニャがずっと心配してくれてたんだゾ!」

サーニャ「エイラも心配してたんですよ。」

エイラ「そ・・・そんなことは・・・」

俺「お2人とも毎度毎度心配かけて申し訳ないっス。それと、心配してくれてありがとうっス。」

サーニャ「いいえ。それじゃあ私たちもう部屋に戻りますね。」

エイラ「じゃあナ。」

俺「はいっス。おやすみなさい。」



---基地内ベランダ---

坂本「しかしミーナ、今の宮藤は半ネウロイのような状態だぞ・・・このことが上層部に知れれば・・・」

ミーナ「そうね・・・でもいまの宮藤さんのことは上には黙っておきましょう。」

坂本「大丈夫か?バレればまた厄介なことになるぞ?」

ミーナ「そんなのもう慣れっこよ。一応上には事故のショックによる魔力の再復活として報告するわ。」

坂本「慣れっこか・・・まったく困った部隊だ!はっはっは!!」

ミーナ「そうね・・・フフフ。」


---俺の部屋---

俺(あいつの言ってた試練て多分さっきのだよな・・・)

俺(しかし俺と宮藤さんの攻撃しか当たらないなんて・・・)

俺(しかもコアにいたっては俺の攻撃は全く効かなかった・・・)

俺(・・・まぁ試練は終わったわけだし、終わったことを考えてもしょうがないか・・・・・)

俺「ん?」

ふと机に目を向けるとその上にカードのようなものがおいてあった。

俺「なんだ・・・これ・・・」

カードには魔術師の絵が描かかれており、下の欄に【MAGICIAN】と書かれていた。

俺「これって、エイラさんに見せてもらった・・・ってあれ?」

そんなことを考えてる間にカードは砂のように消え去ってしまった。

すると俺の体がふと暖かいものに包まれる感じがした。

俺(なんだか・・・変な感じだ・・・体の中に熱い炎があるような・・・)

ふと頭の中に声が響く・・・

――我が名は――スルト――――

俺(!?スルト・・・?)

――汝が剣(つるぎ)を抜きしとき―――我は汝に力を与えん――

―――滾(たぎ)りし炎の力を―――――

そこで声は消えてしまった。

俺「・・・・・・・」

俺は刀を取り外へと出た。


---基地の外---

深夜のため外は静まり返っていた。ほかのウィッチたちももう寝てしまったようだ。

聞こえるのはただ、波の音だけ。

俺「・・・・・・」スーッ・・・

俺は静かに刀を抜く。すると・・・

ゴオオオオオオオオオ・・・・

刀に炎が纏われる。蒼く、静かな炎だった。

俺「これが・・・スルトの力・・・」

海に向かい一度刀を振ってみる。

ブォン!

思い切り振っても刀に纏われた蒼炎が消えることは無かった。

俺「よくわかんないっスけど、お前の力・・・貸してもらうっス。」

こうして俺の一度目の試練は幕を閉じた。


続き→ペルソナ5
最終更新:2013年01月29日 14:10