Episode8 『戦車と剛毅』

---ブリーフィングルーム---

ミーナ「みんな、今回も良く戦ってくれたわ。」

ゲルト「しかし、また2体同時とはな・・・」

ミーナ「そうね・・・これからは2体以上の戦闘も覚悟したほうがいいかもしれないわね・・・」

ミーナ「でも2体を一気に片付けられたのは大きいわ。これで残るのは・・・」

エイラ「『戦車』、『剛毅』、『隠者』、『運命』、『正義』、『刑死者』・・・まだまだ沢山ダナ。」

芳佳「ぅえぇ・・・まだいるんですか・・・」

エーリカ「気が遠くなりそう・・・」

ミーナ「ええ、そうね・・・それでもやるしかないわ。みんな、頑張りましょう!」

一部除いた全員『りょーかーい・・・』

ゲルト「なんだそのたるんだ返事は・・・もう一度だ!」

全員『了解っ!』

---俺の部屋---

俺「さて・・・今日も・・・」

机に目をやるとまたカードがあった。

俺「これは確か・・・法王と恋愛・・・」

カードは今日倒したネウロイのアルカナが描かれていた。

俺「なるほど・・・その日に倒したネウロイのアルカナが関係してたってか・・・」

手に取るとまたカードは光だし、一つのカードとなって手元に降りる。

カードには悪魔のような絵が描かれアルカナ名の欄には【DEVIL】と書かれていた。

俺「悪魔・・・」

いつものようにカードは砂のように消え、頭に声が響く

―――オレの名はベルゼブブ―――蠅の王だ―――

――お前にオレの力を貸してやろう――お前が拳を振るうとき―――――

――――お前の拳にに風の力を乗せてやろう――――ありがたく受け取れ!――――

ベルゼブブからは疾風の力を与えられた。

これにより、拳に風を纏わせ、直線状に伸びる竜巻を発生させることが可能になった。

竜巻は、小型のネウロイならば巻き込んで破壊することが可能であり、大型でも相当なダメージを期待できそうだ。

俺「よろしく・・・蠅の王様さん・・・」

俺「でも俺、拳は使わないんだよなあ・・・」

その頃、窓の外に不審な影が2つ、現われていた。

---基地の外---

謎の女「・・・想像よりも早い解決でしたね。」

謎の男「ホンマや。それにやっこさんら、毎月こういった活躍をしてるそうですわ。」

謎の女「どうでしょう、彼らは敵に見えますか?」

謎の男「まだ測りかねますわ・・・あんさんが直接あってみるとええんちゃいますか?」

謎の女「それもそうですね・・・近いうち接触を図るとしましょう。」

謎の男「それになんや、えらいおもろそうな奴がおるやないですか。」

謎の男「男のウィッチなんちゅーモンはオレだけかと思っとりましたで。」

謎の女「フフフ・・・興味を抱くのはよろしいですが、あまり長い時間ここにいては見つかってしまいます。」

謎の女「そろそろ退きますよ、『アダム』・・・」

アダムと呼ばれた男「へいへい、あんさんはいつも慎重なお方や・・・『イヴ』はん・・・」

イヴと呼ばれた女「フッ・・・」

アダムと呼ばれた男「フッ・・・って・・・ホンマクールやなあんさんは・・・」

そう言って去ってゆく2人の足には、ネウロイの模様が入ったストライカーが装備されていた・・・


数日後・・・

---ブリーフィングルーム---

俺「な・・・夏祭りっスか!?」

坂本「ああ。ガランド少将に無理言って、この基地で開いてもらえるよう頼んだんだ。たまには、息抜きも必要だと思ってな。」

芳佳「やったー!」

リーネ「夏祭り?」

芳佳「うん!扶桑ではね、7月や8月くらいになるとお祭りを開くんだよ!」

坂本「扶桑から屋台も来てもらうことになっているからな。雰囲気に関しては、私が保証するぞ。」

芳佳「屋台もですか!?すごいです・・・あ、でもせっかくなら浴衣があっても・・・」

ペリーヌ「ゆかた?」

芳佳「浴衣って言うのは、扶桑でお祭りのときに着る和服のことですよ。」

坂本「はっはっは!大丈夫だ、それなら・・・」

坂本が足元の箱から何かを取り出す。

坂本「ここにあるぞ!」

そこには11人分の浴衣が用意されていた。

芳佳「うわー!浴衣だー!でも、これどうしたんですか?」

坂本「こんなこともあろうかと、浴衣をあらかじめ届けてもらうよう頼んでいたんだ。」

俺(少佐・・・グッジョブっス!)グッ

俺は一人、心の中で小躍りしていた。

芳佳「これ、着てもいいんですか?」

坂本「ああ、早速着てみるといい。わたしも久々に袖を通してみるか。」

坂本「俺は・・・すまないな。お前の分の服は用意できなかった。」

俺「あ、いえ、俺は自前の甚平あるんで大丈夫っス。(寝巻きだけど。)」

坂本「そうか、ならよかった。よし!それじゃあお前達に着方を教えてやろう!」

坂本はほかの皆を別の部屋へ連れてゆく。

坂本「フフ・・・お前はそこで楽しみに待っていろよ。」バタン

俺「あはは・・・」

数十分後

ガチャ・・・

着替え終わった11人が部屋へ戻ってきた。

シャーリー「あー、なんかちょっときついな、これ」

エーリカ「スースーする・・・」

俺(こ・・・これは・・・!!)

色とりどりの浴衣を着た彼女達。普段とは違う雰囲気の彼女たちに俺は思わず目を奪われた。

エイラ「オイ、俺。」

俺「なんスかエイラさ・・・のわっ!」

目の前のエイラとサーニャももちろん浴衣を着ていた。

エイラは水色のアジサイ柄の浴衣。髪はまとめられ、いわゆるポニーテールに。

サーニャは黒地に白百合柄の浴衣。髪には花の髪飾りが付けられていた。

エイラ「なんダ、へんな声出して・・・」

俺「いや・・・その・・・///」

エイラ「それよりどうだ・・・今日は一段と可愛いダロ、サーニャ。」ヒソヒソ

俺「はいっス・・・浴衣がこんなに似合うとは・・・」ヒソヒソ

サーニャ「?」

坂本「どうだ、俺?みんな良く似合っているだろう。」

そういう坂本はまさに扶桑撫子というにふさわしい美しさだった。

俺「は・・・はいっス!俺には眩しすぎるくらいですっ!」

坂本「はっはっは!そうか、それはよかった!」

坂本「よし!祭りは明日だ!みんな存分に楽しもうじゃないか!!」


翌日

---基地内:夏祭り会場---

祭囃子の音が聞こえる中、会場は多くの人で盛り上がっていた。

今日に限り、この基地は一般の為にも開放されている。

芳佳「うわぁ!ここだけ扶桑みたい!」

シャーリー「へぇ、これが扶桑の夏祭りねぇ・・・」

ペリーヌ「あちこちなんだか騒がしいですわね・・・」

坂本「それが祭りというものだ!はっはっは!!」

ミーナ「それではしばらく自由行動としますので、みんな、存分に楽しんできてね!」

芳佳「行こう!リーネちゃん!」

シャーリー「お!だったらあたし達も連れてってくれよ。祭りのこと良く分からないしな!」

ルッキーニ「しな!」

ゲルト「む・・・なら私も連れて行ってもらおう!」

エーリカ「トゥルーデが行くならわたしもー」

芳佳「はい!一緒に行きましょう!」

ペリーヌ「少佐!・・・あ、あの・・・」

坂本「ん?どうした、ペリーヌ?」

ペリーヌ「あの・・・よろしかったら、わたくしも・・・少佐と一緒に・・・」

坂本「なんだ、そんなことか。私は一向に構わないぞ!」

坂本「ミーナも一緒にどうだ?」

ミーナ「あら、いいの?それじゃあご一緒させてもらおうかしら。」

宮藤組も坂本組も足早に行ってしまった。

俺「さてと・・・俺は・・・」

そこへ誰かに声をかけられる。

サーニャ「俺さん。」

俺「あれ?サーニャさん。エイラさんも。みんなと一緒にいかないんスか?」

エイラ「サーニャはお前に案内してもらいたいんだってサ。(ワタシは不本意だけどナ。)」ムスッ

俺「え?俺っスか?」

サーニャはコクリとうなずいた。

俺「あはは・・・わかりました。案内するっスよ!」ニッ

俺、サーニャ、エイラの3人でしばらく屋台を練り歩くことにした。

俺「お、アレは・・・」

俺の視線にはりんご飴の屋台があった。

俺「お2人ともちょっと待っててくださいっス!」

サーニャ&エイラ「?」

駆け足で俺が屋台へと向かう。どうやらりんご飴を買うようだ。

エイラ「サーニャ。あの扶桑語読めるカ?」

サーニャ「私にはちょっと・・・」

残念ながら、2人には扶桑語で書かれた屋台の字は読むことができなかった。

しばらくすると俺が戻ってくる。

俺「おまたせしたっス。」スッ

そう言い、りんご飴を2人に差し出す。

俺「それはりんご飴っていって、扶桑の祭りのときでは定番なんです。どうぞ食べてくださいっス!」

エイラ「じゃあ遠慮なく。」パク

サーニャ「あ、ありがとうございます・・・いただきます。」パク

2人が口にすると、ほのかに甘酸っぱい味が口の中に広がる。

エイラ「これはなかなか・・・」

サーニャ「おいしい・・・」

俺「お口にあってよかったっス。・・・んじゃあ次は・・・あそこ、行きましょう!」

そういって指差した先には射的の屋台があった。

俺「おっちゃん、この2人に1回ずつ!」

おっちゃん「あいよ!んじゃ、これもってね。」

エイラ「これをどうするんダ?」

俺「この鉄砲を使って、欲しい景品を落とせばそれがもらえるっス。」

エイラ「なんだ、簡単ダナ。」

姿勢を少し前傾にし、エイラが鉄砲を構える。

おっちゃん「譲ちゃん、ずいぶん様になってるねィ。」

エイラは照準を定める。狙いは・・・

エイラ(ネコペンギンのぬいぐるみ・・・!)

パンッ!

発砲。しかし・・・

エイラ「あれ?」

おっちゃん「はい、ざんね~ん。またきてくれよ。」

コルクは確かに命中。だが、ぬいぐるみを落とすにはいたらなかった。

エイラ「くそ~、おっちゃん!もう一回ダ!」

おっちゃん「はい、まいどあり~」

もう一度発砲。しかしそれも当たるが落ちない。

エイラ「なんでダ・・・」

俺(なるほどね・・・)

俺「じゃあサーニャさん、やってみましょうか。」

サーニャ「は・・・はい。」

そう言って今度はサーニャが構える。

俺「サーニャさん、ちょっと失礼するっス。」

そして俺がサーニャに体を寄せる。

エイラ「おまっ・・・」

俺「コルクを緩めて・・・っと、じゃあ少し照準を上に向けますよ。」

サーニャ「・・・・・///」

俺「OK。ここで大丈夫っス。サーニャさん?」

サーニャ「へ?は・・・はい!///」

俺「えと・・・これで撃ってみてくださいっス。」

サーニャ「わ、わかりました・・・///・・・えい!」パンッ!

サーニャが撃ったコルクは命中し、見事にネコペンギンのぬいぐるみを落とした。

おっちゃん「おめでと~!はい、じゃあこれ景品ね。」

エイラ「なん・・・ダト・・・?」

俺「うっし!やったスね、サーニャさん。」ニッ

サーニャ「は・・・はい・・・///」

エイラ「ぐぬぬ・・・・・」

俺「じゃあ、次ぎ行きましょうか。」

次に目指したのは夏祭りの定番である・・・

俺「ここっス!」

エイラ「なんダ、ここ?」

サーニャ「お魚がいっぱい・・・」

俺「これは『金魚すくい』って言って、文字通り金魚をすくう遊びっス。」

俺「まぁやればわかるっスね。おっちゃん、3人、1回ずつね。」

おっちゃん「はい。じゃあがんばってね。」

サーニャ「?・・・これは?」

俺「それは『ポイ』っていって、そこの金魚を捕まえるのに使うものっス。」

俺「例えばこんな感じに・・・よっ!」ヒョイ

すくい上げたポイの中に1匹の金魚が入る。

俺「それですかさずこっちへ・・・」

すかさずすくい上げた金魚を受け皿へ入れる。

俺「こんな感じにポイが破れるまで何回も金魚をすくっていくっス。」

エイラ「フーン・・・よし、今度こそ・・・」

エイラ「えい!」ヒョイ

エイラのポイには2匹の金魚が一気に入った。

エイラ(いまダ!)

そしてすかさず受け皿へと入れる。

おっちゃん「やるねぇ、譲ちゃん。」

エイラ「フッフッフー、どうだ俺。」

俺「え?なんスか?」

そういう俺の受け皿にはすでに10匹以上の金魚が入っていた。

エイラ「ぬぐぐぐぐ・・・負けないんだかんナ!」

しばらくエイラと俺の2人は金魚すくいに夢中になってしまった。

サーニャは残念ながら1度目でポイが破けてしまったようだ。

数分後

俺「ゼェ・・・ゼェ・・・」

エイラ「ハァ・・・ハァ・・・」

おっちゃん「お客さん・・・そろそろ・・・止めてもらえないかねぇ・・・?」

水槽の中はすでに8割以上の金魚が消えていた。

そして受け皿の金魚は水を求めて跳ね回っている。

サーニャ「2人とも・・・もうダメ。」

エイラ「あ・・・ああ・・・あれ、こんなにとったっけ?」

俺「つい夢中になっちゃったっス・・・ははは・・・」

そのあと金魚は水槽へと戻された。

俺「どうっスか?なかなか楽しいもんでしょ。」

エイラ「ああ、思ったよりアツイな夏祭りってのは。」ニッ

サーニャ「はい。とっても楽しいです。」ニコッ

俺(浴衣だから尚更・・・///)

エイラ「どうしタ?」

サーニャ「俺さん?」

俺「ああ、いや、俺今幸せだなーって・・・あはははは・・・」

エイラ「そりゃ幸せだろうナ。なんせ女の子2人を連れてデートしてるようなもんだからナ。」

サーニャ「デート・・・///」

俺「あはは・・・あ。」

エイラ「?」

ヒュ~…ドン! パラパラ

見上げれば、上空に鮮やかな花火が打ちあがり、夜空に大輪を咲かせる。

サーニャ「綺麗・・・」

エイラ「ああ・・・キレイダナ・・・」

次々と打ちあがっては消えてゆく。そんな光景にしばし3人は目を奪われた。

芳佳「あ!サーニャちゃんにエイラさん!それに、俺さんも!」

ミーナ「あら、みんな来てたのね。」

次々と仲間たちが集まる。どうやらここは花火の眺めが一番良い絶好のスポットだったようだ。

その後、花火を一通り眺めた後、合流した皆と共に会場を巡り、祭りを心ゆくまで楽しんだ。


---基地内ラウンジ---

坂本「どうだみんな、今日は楽しめたか?」

シャーリー「そりゃもう。バルクホルンなんか特に・・・」プクク

ゲルト「おいリベリアン!その事は言わないと・・・」

ミーナ「あら、何があったのかしらね?」

シャーリー「ククク・・・思い出すだけで・・・だーはっはっはっは!」

芳佳「あはは・・・」

皆、思い思いに楽しい時間をすごせたようだ。

坂本「とにかく楽しんでもらえたようでよかった。私も準備をした甲斐があったというものだ。」

坂本「その浴衣はお前達にプレゼントしようと思う。大事にしてくれ。」

ルッキーニ「やたー!」

リーネ「ありがとうございます!」

どうやら夏祭りの文化はみんなに受け入れられたようだ。


---俺の自室---

コンコン

ドアをノックする音が聞こえる。

俺「?はーい。」ガチャ

そこに立っていたのはエイラだった。

俺「あれ?エイラさん?」

エイラ「こんな時間に悪いナ。ちょっと話しがあるんダ。」

俺「話?」

エイラ「ああ、実はな・・・」

話というのは来月に宮藤とサーニャそして坂本の誕生日をするというものだった。

宮藤とサーニャは2人とも8月18日と誕生日が一緒なのだ。

そして坂本は8月26日に誕生日を迎えるため前祝として一緒にやってしまうそうだ。

エイラ「・・・というわけダ。」

俺「なるほど・・・で俺は何をすれば?」

エイラ「お前はお菓子が作れるから、ケーキを作ってもらおうと思うんダ。」

俺「ケーキっスか?お安いご用っス。」

エイラ「とびっきりうまいのを頼むゾ。サーニャを喜ばせるためにナ。」

俺「宮藤さんと少佐もですよね?」

エイラ「ああ、その2人にもちゃんと喜んでもらえるようなのを頼ム。」

エイラ「後、このことは3人には内緒ナ。絶対だゾ!」

俺「了解っス。」

エイラ「じゃあ、確かに伝えたからナ!」

そう言ってエイラは足早に去っていった。

数週間後・・・

8月へと入りまた満月の日がやって来ようとしていた。

---俺の自室---

深夜0:00

俺「そろそろかな・・・」

そうつぶやいた直後突然人影が現われた。

アニマ「こんばんは。あれ?今日は起きてるんだね。」

俺「そろそろ来るころかと思ってな。今回は先手をうってみた。」

アニマ「そっか。なんだかうれしいな。」

俺「それで、今回は何体くらい現われるんだ?」

アニマ「今回はね・・・1体であり、2体でもある・・・かな。」

俺「どういう意味だ?」

アニマ「実際に見たほうが早いよ。とりあえずは2体以上は警戒したほうがいいってこと。」

俺「・・・わかったよ。」

アニマ「物分りが良くて助かるよ。そういえば、僕のこと誰にも言ってない?」

俺「そういえば言ってないな。なんでだろ?」

アニマ「出来ればこのまま黙ってて欲しいな。別に喋られて困るわけじゃないけど。」

俺「そうなのか?まぁ喋るなっていうなら黙るけど。」

アニマ「そうしてもらえるかな。そもそもこんなことが起きてるのを他の人に話しても信じてもらえるかだけどね。」

俺「確かに。夜中に突然男の子が現われたなんて話はそう信じてもらえないだろうし。」

アニマ「うん。今日も話せてうれしかったよ。じゃあまた来月。」スー…

俺「ああ。またな。」

アニマはそのまま消えていった・・・


3日後 

満月の日。

今朝のブリーフィングでは前回あったように、これからは2体以上のネウロイに警戒するよう注意が呼びかけられた。

今回現われると思われるアルカナネウロイは『チャリオット』と『ストレングス』。

ウィッチーズはアルカナネウロイ討伐のためバルト海へと繰り出した。

---バルト海上空---

今日も夜の海は静寂に包まれている。

聞こえるのは波の音と、ストライカーの駆動音だけだ。

ミーナ「そろそろ来るころかしら・・・」

ペリーヌ「しかし、いやに冷えますわね・・・」

カールスラントでは8月に入ってから急激に温度が下がっていた。

そのため今までよりも風が冷たく感じられた。

俺&サーニャ「!!」

魔導針の色が変わる。アルカナネウロイが現われた。

俺「敵『チャリオット』出現。・・・ん?」

現われたのはさながら空飛ぶ戦車といった感じの姿。体躯も大きい。しかし・・・

サーニャ「反応が・・・2つあります・・・」

ミーナ「どういうこと?」

俺「ネウロイは一体なんスけど、反応が2体分ってことっス・・・どういうことだ・・・?」

ミーナ「とにかく、今は倒すことを考えましょう!みんな、準備して!」

全員「了解!」

今回は前回の事例もありロッテの組み合わせが変更されていた。

エーリカ「いくよ~ペリーヌ。シュトゥルム!」シュオオオオオ

ペリーヌ「了解ですわ!トネール!」バリバリバリ

シュトゥルムで纏った風に電撃が上乗せされる。

あたれば大ダメージのはずだが・・・

エーリカ「あー、ダメか~・・・」

そのままネウロイを通り抜けてしまう。

リーネ「ルッキーニちゃん!」ダンッ!

ルッキーニ「まーかせろー!」ビュン!

そう言ってルッキーニが多重シールドを展開し突撃する。

その後ろからリーネが対装甲ライフルを放つ。が・・・

ルッキーニ「え~あたんな~い。」

リーネ「ダメ・・・」

どちらの攻撃も通り抜ける。

ゲルト「いくぞリベリアン!」

シャーリー「いわれなくても!」

今度はシャーリーとゲルトペアだ。

ゲルト「うおおおおおおおおお!!」バラララララララ

シャーリー「おっしゃああああああ!!」バラララララララ

2人が放った弾丸がネウロイを射止める。

ゲルト「どっちも・・・」

シャーリー「あたったよな・・・」

すると突然ネウロイが動き出す。

ミーナ「トゥルーデ、シャーリーさん!今回はおそらくあなた達だわ!」

ゲルト「そういうことなら・・・」

シャーリー「やってやろうじゃないか!」

そう言ってネウロイへと向かう二人。

ゲルト「ずおりゃあああああぁぁぁぁ!!」バラララララララ

シャーリー「もってけぇ!」バラララララララ

普段はいがみ合うことの多い2人だが、いざコンビを組むと絶大なコンビネーションを発揮した。

芳佳「すごい・・・!」

ルッキーニ「いけー!シャーリー!!」

俺「俺、今回いらなくないっスか・・・?」

しかしネウロイも負けじと抵抗する。砲台の部分からビームを何発も連続で放つ。

シャーリー「発射までの間隔が短いな・・・」

ゲルト「ならば主砲を叩くまで!」

2人は対象を主砲へと変えた、その時

シャーリー「なに!?」

ゲルト「分離しただと!?」

ネウロイは二つに分離した。

1体は戦車の本体。もう1体は戦車の砲台の部分から手と足が生えたネウロイだ。

俺「そういうことかよ!」

反応が2つあった正体はこれだ。

サーニャ「敵の分離を確認!コアが分散しています!」

ミーナ「俺さん、宮藤さん!2人を援護して!」

俺&芳佳「了解!」

芳佳「私はバルクホルンさんのほうを援護します!俺さんはシャーリーさんを!」

俺「わかったっス!」

二人はそれぞれ援護へと回る。

俺「今日は必要ないと思ったんスけどね・・・見せ場できて安心っス。」

シャーリー「おー、サンキューな。でもおいしいとこはいただくからな。」

俺「了解っス。」

芳佳「バルクホルンさん!」

ゲルト「宮藤!お前が援護してくれるのか?」

芳佳「はい!バルクホルンさんの背中は守らせていただきます!」

ゲルト「ああ、頼りにしているぞ。」

芳佳「はい!」

それぞれが攻撃を開始する。

攻撃を当てた結果、本体をゲルトが砲台をシャーリーが攻撃できることが分かった。

ゲルト「しかし・・・さっきからあいつビームを撃たないな・・・」

芳佳「それどころか突撃ばかりしてくる気が・・・」

グオオオオオ!!

とチャリオットが咆哮をあげ再び突撃を仕掛けてくる。

ゲルト「肉弾戦か・・・いいだろう!」

そういってゲルトは銃を逆手に持ち替える。

ゲルト「はああああああぁぁぁぁぁ!!!」

グオオオオオオオオオオオ!!

チャリオットも負けじと突撃してくる。

ガンッ!とぶつかり合う音と共に衝撃波が発生する。

エイラ「マジかよ・・・」

サーニャ「大尉・・・すごいです・・・」

ゲルトは魔力こそ衰え始めているが気力は以前の何百倍もあった。

ウィッチの魔力はそのときのテンションやコンディションが大きく影響するという。

今のゲルトはテンションもコンディションも最高潮だった。

ゲルト「うおおおおおおおりゃあああああ!」

そしてゲルトが押し返す。チャリオットはそのまま体制を崩した。

ゲルト「宮藤!」

芳佳「はい!」シュンシュン!

そこを宮藤がビームで追撃する。

一方・・・

シャーリー「ちょこまかと・・・!」

ストレングスはその姿に似合わず動きが早かった。

俺「俺がいくっス!」

俺がストレングスを銃の射程範囲に入るまで肉薄する。

俺「ちょっとおとなしくしろッ!」ガガガガガガガガ

オルフェウスの異常な機動で移動しながら発砲。

放たれた紫電の弾丸がストレングスを様々な角度から射止める。

感電したためか、ストレングスの動きが鈍り始める。

俺「シャーリーさん!」

シャーリー「うおおおおおおおお!!」バラララララララ

シャーリーが全力で弾丸を放つ、が。

俺「!?」

チャリオットとストレングスが互いにピンチになった瞬間、2体は再び引き寄せられるように合体した。

ゲルト「また1体になったか・・・仕方ない、シャーリー!アレをやるぞ!」

シャーリー「え?マジか!?」

ゲルト「おおマジだ!俺、宮藤!私たちが攻撃するまで装甲を剥いでくれ!!」

俺&芳佳「了解!」

ゲルト「さぁ準備しろシャーリー!」

シャーリー「わかったよ!」

俺「スルト!!」

刀から現われた蒼炎が、弾丸のようにネウロイを襲う。

芳佳も機関銃で装甲を削っていく。

ここで少しばかり装甲から赤い光が漏れ始める。

ゲルト「そこをどいていろ宮藤!!」

芳佳「え?」

ゲルトたちのほうを見るとシャーリーがいつもルッキーニとやっているようにゲルトをジャイアントスイングしていた。

シャーリー「いっけええええええバルクホルン!!」

固有魔法の超加速で一気に投げ飛ばされるゲルト。

そしてゲルト自身の固有魔法である身体強化により腕に極限まで力を込める。

ゲルト「くらええええええええええええぇぇぇ!!」ガンッ!

すさまじい音と衝撃波が周りを走る。

ネウロイの装甲にひびが入り、コアも衝撃波で微塵に砕ける。

そのままネウロイは花びらのように海面へと散っていった。

ゲルト「ふぅ~・・・」

シャーリー「よっし!やったな、バルクホルン!」

俺「すご・・・」

芳佳「やっぱり、お2人ともすごいです!」

今回のアルカナネウロイ、チャリオットとストレングスはゲルトとシャーリーのコンビネーションにより見事に撃退された。

続き→ペルソナ9
最終更新:2013年01月29日 14:13