『絆』 その2




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――




<基地内部・ハンガー>


タッタッタッタッ……


バルクホルン「……っ!」


ミーナ「こんな夜更けにどこへ行くつもりなの? トゥルーデ」


ハンガーへと辿り着いたバルクホルン。しかしそこには、待ち受けるようにミーナが立ち塞がっていた


バルクホルン「……そこをどいてくれないか、ミーナ」

ミーナ「答えなさい、バルクホルン大尉」

バルクホルン「……俺を助けに行く」

ミーナ「許可出来ないわ」

バルクホルン「何故だ」

ミーナ「知っているでしょう? この実験は正式に認められたもの。私達は干渉出来ない」

バルクホルン「…………」

ミーナ「もしも今ここで強行策に出れば、咎めを受けるのはこちら。恐らく、501解散だけでは済まないわ」


バルクホルン「なら、俺の事は諦めると言うのか?」


ミーナはバルクホルンの言葉に一瞬だけ眉を顰めるが、すぐに答える


ミーナ「そんなつもりは無いわ。ただ、今出て行ったとしても、相手に付け入られる隙を与えるだけだと言っているの」

バルクホルン「では、どうするつもりなんだ?」

ミーナ「……向こうに戻られたからといって、全くやりようが無くなるわけではないわ」

ミーナ「だからもっと落ち着いてしっかり情報を集めてから、計画への反抗の機会を───」

バルクホルン「そうしている間に、俺は死ぬぞ」

ミーナ「っ…………」

バルクホルン「……わかっているさ。ここで強行手段に出れば、咎めを受けるのは我々だと言うことも」

バルクホルン「それを知っているミーナが、私達を守る為に苦渋の選択をしていることも」

ミーナ「…………」

バルクホルン「本当は……見捨てたくなんか無いって思っていることも」

ミーナ「トゥルーデ……」

バルクホルン「長い付き合いだからな。それくらいは分かるさ」


共に戦い心を通じあわせて来た仲間だからこそ、バルクホルンは立場と感情で板挟みになって苦しんでいるミーナの気持ちを理解していた。
それと同様にミーナもまた、バルクホルンの気持ちを理解していた


バルクホルン「……ミーナ、落ち着いて聞いてくれ」


バルクホルン「私は、軍を抜けようと思う」


ミーナ「!!?」


バルクホルン「だからこれから起こる事は、全て脱走兵である私の独断行動……私の責任だ。この501とは関係ない」

バルクホルン「無許可離隊に、完遂間際の計画から実験体であるウィッチの拉致……。あの時の宮藤の行動を責められたものではないな」

ミーナ「駄目よトゥルーデ! そんな事をしたら、あなたは軍から追われる立場になるわ。そんなの絶対に駄目・・・っ!」

ミーナ「そのやり方では駄目なのよ! 軍からは抜けずに、今は耐えて後に正攻法で───」


バルクホルン「目の前で死に行く仲間1人すら救えずに、何を守れるというんだ!」


ミーナ「!」


バルクホルン「それなら私は、軍人でなくていい。俺もカールスラントも見捨てない。私の意志で戦い続ける・・・!」


ミーナ「トゥルーデ……!」

バルクホルン「……わかっている。どんなに取り繕った所で、私の行動は命令違反でしかない」

バルクホルン「決して正当なやり方とは言えない。こんなのは……私の我が儘でしかないだろう」

ミーナ「分かっているならどうして……! 誰よりも軍規を重んじていたあなたが、軍人の誇りを自ら棄てるような事をするだなんて……」

バルクホルン「……確かに以前の私なら、こんな真似はしなかっただろう。唾棄すべき行為として、思い留まっていた筈だ」

ミーナ「なら、何で…………」

バルクホルン「自分でも不思議なんだが、今はそう思えるんだ。これも俺や宮藤達の影響かもしれんな」


そう言ってバルクホルンは、少しだけ恥ずかしそうに笑みを浮かべる。
以前では考えもしなかった行動に、彼女自身も驚いているようだ


バルクホルン「分かるんだ。ここで自分を曲げてしまったら、きっと私は一生後悔する。そんなのは御免だ」


バルクホルン「だから私は、諦めたくない。諦めたくないんだ・・・!」


自らの想いを語るバルクホルン。その瞳には、今までに無いくらい眩く強い決意の光が灯っていた

ミーナ「本気、なのね……」

バルクホルン「ああ」

ミーナ「…………」

ミーナ「トゥルーデ。私は……───」


テクテクテクテク……


エーリカ「いつになく熱いね、トゥルーデ」


バルクホルン「ハルトマン……!?」


その時、2人の前にエーリカが姿を現す。どうやら影で話を聞いていたようだ


280 :試作な俺-24話:2011/07/09(土) 16:12:00.30 ID:SCLOJE0o0

エーリカ「それにしても驚いちゃったよ。トゥルーデが私みたいなこと言うんだもん」


エーリカ「でも、どっちかって言うとトゥルーデはブレーキ役で、私が暴走役でしょ? 私のお株をとらないでよー」


ミーナ「フラウ……?」

エーリカ「だけど、今回はその方が丁度いいや。意見が合っているなら好都合だしねっ」

バルクホルン「好都合だと・・・?」


エーリカは戸惑うバルクホルンの方へ向き直ると、満面の笑みを浮かべる


エーリカ「私も一緒に行くよ、トゥルーデ」 ニコッ

ミーナ「!?」

バルクホルン「エーリカ!? 何を言っているんだ!」

エーリカ「言葉通りだよ。トゥルーデが行くのなら、私もついて行くから」

ミーナ「フラウ……。あなた、それがどういう意味か分かっているの? ただでさえ貴方は、上に目を付けられていると言うのに……」

バルクホルン「そうだ。連れて行けるか」

ミーナ「トゥルーデ、私は貴方も許可したわけでは無いのよ?」

281 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/09(土) 16:17:49.90 ID:xgdb1h/10
しえんしえん

282 :試作な俺-24話 支援感謝です:2011/07/09(土) 16:20:08.55 ID:SCLOJE0o0

エーリカ「勿論知っているよ。でも、私も自分を曲げたくないの」

エーリカ「仲間1人も救えないのなら、邪魔な軍規なんていらない。そんなの、ルッキーニの胸より小っちゃなことさ。だからトゥルーデ、私も一緒に───」

バルクホルン「駄目だ。それでも私は、おまえを巻き込むわけにはいかない」

エーリカ「お願いトゥルーデ、私も連れてって……!」

バルクホルン「駄目だ! 私がやろうとしている事は、軍に対する反逆だ。おまえを巻き込むわけにはいかない!」

バルクホルン「必ずや罪に問われ、追われる立場になる。この状況で咎めを受ける事無く俺を救い出すだなんて、そんな事は無理に───」



???「出来ますよ!」


3人「!」


3人以外の新たな声が、真夜中のハンガーに響く。聞こえたのは女性の凛とした声。
そしてその声に3人は、どこか聞き覚えがあった


コツコツコツコツ……


静かに響く、乾いた足音。暗い廊下からゆっくりと、ハンガーに姿を現す1人の人物。
しかしその人物は、本来ここに居る筈では無い人間であった


バルクホルン「あなたは・・・助手軍曹!?」


助手「はい」


283 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/09(土) 16:22:25.81 ID:tEOew2o90
じょしゅうううううううううう!!!!


284 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/09(土) 16:23:40.42 ID:SbokUX2+0
意外と早い登場だな
支援

285 :試作な俺-24話 支援感謝です:2011/07/09(土) 16:29:14.53 ID:SCLOJE0o0

首の後ろで1つに纏められて体の前側に下ろされた、胸まで届く程の艶やかな黒い長髪と薄茶色の瞳。
そして普段のとは違うものとはいえ、すっかり板についたその白衣姿は、バルクホルン達にとっては見慣れたものだった


ミーナ「もう目を覚ましたのね」

助手「はい、おかげ様でこの通りです」

バルクホルン「何故…何故あなたがここに居る? 実験部隊の一員として、ラオホウに乗って帰還した筈では……」


助手「…………」



~~~~~~~~~~バルクホルンが目を覚ます少し前~~~~~~~~~~


<ロマーニャ基地内部・医務室>


助手「わたし・・・何でまだ生きているの・・・・・?」

医務室のベッドの上で、助手は目を覚ました。
いつもの白衣では無く患者用の衣服に着替えさせられ、髪は留め具を外されて真っ直ぐに下ろされていた

助手(撃たれて、海に落ちた筈なのに……どうして…………)

坂本「起きたか」

宮藤「良かった……。無事に目を覚ましてくれましたか」 ホッ

助手「坂本少佐と宮藤軍曹……、ここは……?」

宮藤「ここは基地の医務室です」

坂本「海を漂っていたあなたを、近くを通りかかった船が回収したんだ。そして、治癒魔法が使える宮藤の居るここへ運び込まれた」

助手「そうだったんですか……」 (私、助かったんだ……)

坂本「……一体ラオホウで何があったんだ? 何故あなたが海に───」

助手「っ! そうでした、大変なんです!」

坂本「大変・・・?」

助手「私を、皆さんの所へ連れて行って下さい。一刻を争います・・・!」


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


宮藤「───という訳だったんです」

エーリカ「さっき話そうとしたら、トゥルーデ聞かずに行っちゃうんだもん。言いそびれちゃったよ」

バルクホルン「そうだったのか……」

坂本「しかし、どういう事なんだ、『出来ます』とは……。あなたは何を知っているんだ?」

助手「……至急、残りの方々を集めて下さい。私の知る限りの情報を……全てを皆さんにお話します」

助手「今まで隠されてきた、真実を・・・」

一同「・・・!」


559 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 15:54:44.67 ID:gV/otDrA0

――――――――――――――――――――


<基地内・ハンガー>

助手「リトヴャク中尉は、魔導針で周辺の警戒をお願いします」

サーニャ「はい」 キュイーン……

サーニャが魔導針を起動させ、広域を警戒する。
そしてウィッチ達は、出撃準備をしながら助手の話を聞いていた


助手「時間が無いので率直に言います。ダルシム大佐は、貴方達に嘘を吐きました」

リーネ「嘘……ですか?」

助手「以前大佐が皆さんに実験について直接お話した時(※19話)の事なんですが、あの時の大佐は嘘を吐いています」

助手「一部は本当の事も話しました。でも、残りは嘘と口を閉ざす事で秘密を隠したんです。
   それを知られれば私達……つまり実験部隊にとって好ましくない事態、計画そのものの存在を脅かすことになるのですから」

シャーリー「それは・・・?」

助手「……皆さんは、ウォーロックという兵器を知っていますか?」

エーリカ「知ってるも何も、あれのせいで酷い目にあったんだよ」

エイラ「私達、解散寸前まで追い込まれたからナ」


560 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 15:58:47.63 ID:0LbcyYFOO
支援するぜ!

561 :試作な俺-24話 支援感謝です:2011/07/12(火) 15:59:50.75 ID:gV/otDrA0

ブリタニアにおける、マロニー大将を元凶とした一連のウォーロック騒動。間接的とはいえ、ネウロイの巣を倒す事ができたあの出来事。
渦中の人物だった彼女達にとってはその邪悪な兵器の存在も、ほんの一年くらい前のあの事件の事も、まだ記憶に新しかった


助手「……では、ウォーロックの制御にネウロイのコアを利用していた事はご存知ですか?」

宮藤「はい。私、目の前で見ました!」

宮藤の脳裏に、ウォーロックとの邂逅が蘇る

宮藤「ウォーロックは私の前でコアを見せてくれました(罠だったけど)。 間違いありません」

助手「その通りです。ウォーロックは、ネウロイの力を利用した兵器でした」

ペリーヌ「けれど、それが一体どうしたんですの。大佐の隠し事とウォーロックに何の関係が……」


助手「……では、もしも───」


助手「もしもウォーロック同様に、人間の体内にネウロイのコアを宿らせて、兵器にする事が出来るとしたら・・・」


バルクホルン「なっ・・・」


助手「単刀直入に言います。強化ウィッチとは、ネウロイの力を克服した人間、ネウロイによって選ばれた者……つまりは『適格者』」


助手「その正体は言うなれば、『ネウロイ人間』です」


562 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:02:17.66 ID:CjY23/cEi
おや、支援支援

563 :試作な俺-24話 支援ありがとう:2011/07/12(火) 16:05:20.35 ID:gV/otDrA0

坂本「ネウロイ人間だと!?」

リーネ「嘘……」

助手「強化ウィッチは、体内に”インプラント ”と言う特殊な小型装置を埋め込まれています。
   インプラントを己の魔法力と同調させる事により、”超反射 ”を始めとする様々な特殊能力や(01は大半を失っている)、強力な固有魔法が使用出来るんです」

バルクホルン(あの時の、俺の話と同じ……(※22話))

助手「そのインプラントの正体が、特殊な技術で制御されたネウロイのコア。そして試作体は、インプラントの同調に成功した、数少ない人々なんです」

ミーナ「その言い方だと、まるで他にも試作体が居るように聞こえるわね」

助手「ええ、その通りです。俺中尉……プロト01の他にも、02~08の7人の試作体が存在していて、実験体として実験に参加していました」

エーリカ「『いました』……って、まさかその人達は…………」

助手「……全員死んだそうです。三年前、ネウロイとの戦いで」

宮藤「そんな! 強化ウィッチが8人も居ても駄目だったんですか・・・!?」

助手「当時はまだ、この部隊でも強化ウィッチの研究が今と比べて不完全だったので、そういった面の影響が大きかったらしいです」

ルッキーニ「かわいそう……」

助手「それだけではありません。ネウロイとの同調に成功した、その8人の試作体……。選ばれし適格者」

助手「しかしそれ意外には、適性に欠けてネウロイとの同調に失敗したり、強化処理に体が耐えられずに死亡した人達もいました。
   ……寧ろ、そういったケースの方がずっと多かったそうです

エイラ「じゃあ、その7人以外にも……」

助手「……孤児などの身よりの無い子供から集められた、魔法力の因子を持つとされる沢山の子供達。
   その中でも検査・魔力測定などを繰り返して選び抜かれた、大なり小なり実験への適性があると思われる者。それが”被検体 ”」

助手「ラストナンバーであるプロト08の強化成功までに、実験にかけられた被検体の数は370人……。しかし、その中で試作体となれたのはたったの8人でした」

ペリーヌ「で、では、それ以外の人達は全員……」

助手「……はい。強化成功体になれなかった残りの被検体は、全員が死亡しました。それが ”選別 ”。適格者を探し出す為に行われた、実験という名の虐殺です」

サーニャ「そんな・・・酷い・・・」

ルッキーニ「…………」 ギュッ

シャーリー「大丈夫だルッキーニ。あたしがいるから」

ミーナ「この事実を軍は……」

助手「当然、何も知りません。軍の知る被検者は俺中尉ただ一人。選別の事など知る由もありません。完全に騙されています」

バルクホルン「上層部の目は節穴か・・・!?」

助手「無理もないです。私達の背後には、強力な後ろ盾がいます。彼の協力により、その手の情報が外部に漏れる事は一切ありませんでしたから」

坂本「その人物の名は……?」


助手「……空軍大将、グランディラーネ・アルタネィティブ」


坂本「! やはりあの男が黒幕か……!」 ギリッ


坂本の脳裏に浮かぶ、肥え太った1人の男

それは以前上層部に、実験部隊が人体実験を行っているであろう事を報告しに行った時に顔を合わせた、空軍大将その人だった(※19話)
色々と黒い噂の絶えない男。その時から彼が実験部隊の支援者だと疑ってたミーナと坂本は裏から彼を探らせていたが、結局証拠を見つけられずにいた

助手「アルタネィティブ大将の情報操作と隠蔽工作は完璧です。それ以外にも彼は資金援助や数々の支援など、全面的に私達のバックアップを行ってきました」

助手「……しかし彼はその見返りとして、私達実験部隊に”ある事 ”を求めたんです」

リーネ「ある事・・・?」

助手「試作体を用いての、自らの政敵の排除。己の立場を脅かす者の暗殺」

一同「!」

助手「そして実験部隊からはプロト04とプロト06が派遣され、度々彼に指示された人物を討ちました。規模の大きい時は、基地一つを丸ごと潰した事もあったようです」

助手「それがアルタネィティブ大将が実験支援の見返りとして私達に実行を求めた、”特殊任務 ”の実態です」

バルクホルン「なんという事だ……」

シャーリー「それって自分の地位の為だよな? そいつ、自分以外の事はどうでもいいってのかよ……!」

坂本「なるほど。ここ数年であの男が力をつけて来ていた背後には、そういった事情があったのか。
   しかし、己の利を求める内に、軍人としての責務を見失うとは……。本末転倒だな」

宮藤「……どうして、そんな人の命令に従っているんですか」

助手「……アルタネィティブ大将の後ろ盾を無くして、研究の成就は有り得ないからです。この前大佐が仰っていたように、初期の研究は行き詰まっていました。
   今日までこの研究が続いたのは支援があったから。だから私達は、彼のやる事に目を瞑って無心で従ったんです。例え、それがどんな事だろうと……」


566 :試作な俺-24話 :2011/07/12(火) 16:23:19.48 ID:gV/otDrA0

シャーリー「何だよそれ……。それじゃあまるで都合の良い道具じゃないか!」

エーリカ「利用し利用される関係ってよりも、ただの利用されっぱなしって感じだね」

エイラ「実験を継続させる為とは言え、そんな奴の命令に黙って従う事に何とも思わなかったのかヨ!」

助手「……実験部隊の目標は、強化ウィッチの量産。ただそれだけですから」

宮藤「そんなぁ・・・!」

助手「……最近はありませんでしたが先ほど言ったように、実験部隊は三年前にはアルタネィティブ大将の命に従い、幾度と彼の敵を討ちました」

助手「そして今……狙われているのは貴方達です」

リーネ「えっ・・・」


助手「ダルシム大佐……いえ、アルタネィティブ大将は、貴方達を消すつもりよ」


一同「!!!」


助手「どうやら彼は貴方達の存在が邪魔になったようで、『自分の周囲を嗅ぎ回る者が居るから原因を消せ』と、大佐に指示を出したそうです」

坂本「馬鹿な・・・、確かに探らせてはいるが、以前よりも遥かに用心を重ねた慎重な調査だ。気づかれる筈が……」

助手「そこがアルタネィティブ大将の恐ろしい所とも言えます。あの人にとって、その程度の事は朝飯前なんでしょう」

エーリカ「伊達に今までの事を隠し通して来たわけじゃない……って事なんだね」


助手「大佐は貴方達を始末する為に、ウォーロックのような兵器を用意していました。それで貴方達を抹消し、後はネウロイの仕業に見せかけるつもりだったんです」

エイラ「……って、そんなのもっと早く言えっテ!」

サーニャ「だから、私に索敵させてるんですね……」

ミーナ「でもその話が本当なら、この基地はもうとっくにその兵器に襲撃されているわ。それはどういう事なの?」

助手「発進直前に、その…………マシントラブルを起こして、恐らく今は再発進の為に修理中かと思われます。壊れたのは制御部なので、簡単には修理出来ない筈です」

エーリカ「マシントラブル……? 今までそんなに綿密な計画を練って来た人が、この山場でそんなミスをしたの?」

助手「は、はい」

エーリカ「…………」


バルクホルン「それでミーナ、どうするつもりだ? 今の話が本当なら、修理が完了次第その兵器がこの基地を襲う事になるが」

ミーナ「…………」

バルクホルン「それでも動かないのなら、私は1人でも行く。このまま黙ってやられるつもりは無いし、これ以上この計画を見過ごす訳にはいかない」

ミーナ「……いえ、1人になんてさせないわ」

バルクホルン「! では……」

ミーナ「これ以上、大佐やアルタネィティブ大将の好きにさせる訳にはいかない。私達の為にも、犠牲になった人達の為にも、俺さんの為にも……!」


ミーナ「ストライクウィッチーズはD特殊戦闘実験部隊からの実験体ウィッチ”俺中尉 ”の救出、及び人道から道を踏み外した不徳な計画の阻止任務を遂行します」


569 :試作な俺-24話 :2011/07/12(火) 16:34:46.41 ID:gV/otDrA0

ミーナ「強制はしません。あなた達には拒否権が───」

宮藤「私も行きます!」

リーネ「私も……!」

ミーナ「あなた達……」

エーリカ「ここまで来たら一蓮托生だよ、ミーナ。今更乗らないわけないじゃない」

エイラ「ああ、その通りダナ」

サーニャ「私も、見過ごせません・・・!」

ペリーヌ「ええ。そのような非道な輩を、許してはおけませんわね」

坂本「私達がやってきた事を無駄にしない為にも、立ち止まる訳にはいかない」

シャーリー「ここで見捨てるなんて、後味悪すぎるしな。助けに行くさ」

ルッキーニ「私も行く! だって俺は仲間だもん!」

バルクホルン「…だそうだ。決まったな、ミーナ」

全員が全員、ミーナへ自分も作戦に参加する意思を見せる。
ここまで話を聞いておきながらも何も行動を起こさないなんて、今の彼女達には出来る訳がなかった

ミーナ「みんな……。ありがとう…………」

仲間を救い出す為。非道な実験と、その背後に巣食う闇を倒す為。

彼女達は今、心を1つにした

570 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:35:18.54 ID:CjY23/cEi
いやぁ、美少女じゃなくて醜い豚なら遠慮はいらないですよね(いい笑顔

571 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:35:55.44 ID:CZGsdGLi0
フムン
支援紫煙

572 :試作な俺-24話 支援ありがとう:2011/07/12(火) 16:40:06.80 ID:gV/otDrA0

助手「……行くんですね」

バルクホルン「ああ」

助手「……では、最後に後1つだけ」

エイラ「なんだ、まだ何かあるのカ?」

助手「はい。あの子を助ける為に必要な事です」

ペリーヌ「なんですの、勿体ぶらずに言って下さいまし」

助手「あの子がいつも、首にチョーカーを着けているのには気がついていましたか?」

坂本「チョーカー……。そういえば、着けていたような……。宮藤は分かるか?」

宮藤「はい。初めて会った時の頃から着けていましたよ」 (※2話)

シャーリー「海に行った時や、一緒に風呂に入った時も着けていたよな」 (※14話、16話)

ルッキーニ「うん、あたしも覚えてる」

バルクホルン「しかし、それがどうかしたのか?」


助手「……あの子がいつも、肌身離さずに着けているあのチョーカー」


助手「あれは、超小型の特殊爆弾です」


一同「!」

573 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 16:46:16.91 ID:gV/otDrA0

バルクホルン「爆弾だと……!?」

助手「正確には、爆弾の起爆スイッチ。爆弾の方は、既にあの子の体内に埋め込まれています」

シャーリー「体内って……まさか」

助手「……先ほどお話しました”インプラント ”。その装置には爆弾としての機能も搭載されているんです」

坂本「そういうことか……!」 ギリッ

助手「その爆弾としての機能面の制御を行っているのが、そのチョーカーなんです。私達は、『首輪』と呼んでいます」

助手「そして首輪が作動したら、インプラント内の爆弾が起爆し…………その人の首を吹き飛ばします」

リーネ「首を・・・!?」 サアァ

宮藤「ひ、酷い……!」


助手「……不完全な試作体とは言え、1人1人が強力な力を持ったウィッチです。もしも蜂起されれば、その被害は計り知れません」

助手「だから首輪は、着けている人間の力を一時的に奪う事なども出来、試作体の反乱及び逃亡の防止などの役割を担っているんです」

助手「つまり私達に危害を加えたり、実験から逃亡したと見做されれば首輪が作動し、その試作体は処分されることになります」

サーニャ「逃げる事も、逆らう事も出来ないの……」

エイラ「なんだよ……、なんなんだよソレ!」

ミーナ(まさに、都合の良い道具。戦う為だけに存在する兵器……ってことなのね)

574 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:52:16.94 ID:0LbcyYFOO
もとよりそういう予感はしてたが……
支援

575 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 16:52:17.08 ID:gV/otDrA0

助手「……首輪が作動する条件は、正確には全部で3つです」

助手「①力などで無理やり外そうとした時 ②ダルシム大佐が意図的に作動させた時 ③ダルシム大佐が死んだ時」

助手「いずれかの条件を満たした場合、直ぐに首輪が作動して同時に体内のインプラントが爆発します」

エーリカ「①はともかく……②と③はどういう事なの? どうしてそこまで大佐が条件に関わって……」

助手「……首輪の制御は、機械ではなく魔力で行っているからです」

エイラ「魔力って……誰の魔力なんダヨ」


助手「大佐のです」


サーニャ「…………えっ?」


助手「ダルシム大佐は貴方達ウィッチと同じように……魔法力をその身に宿しています」


宮藤「えっ…………ええええぇっーーーーーー!!?」


シャーリー「何で!? だって…………オッサンじゃん!」


576 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:54:44.65 ID:Io4Zq3LY0
あちゃーダルシム童貞だったかー

577 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:55:13.33 ID:CjY23/cEi
おい!待てよオッサン!!

578 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 16:56:30.80 ID:fFkHTbS30
ダルシム(高校20年生 童貞)


579 :試作な俺-24話 ど、ど、ど童貞ちゃうわ!:2011/07/12(火) 16:58:51.47 ID:gV/otDrA0

助手「確かに大佐は男性ですが、他にも男性で魔法力を持つ人間は確認されています。
   実際過去の試作体の中にも、あの子の他に2人。プロト02とプロト05という、男性のウィッチが居ました」

助手「……それでも男性で、しかもあの年で魔法力が枯渇していないのは、極めて珍しい異例中の異例と言えるでしょうが」

宮藤(そっか、私のお母さんやお婆ちゃんと同じなんだ……)

エイラ「ってことは、まさかアイツも昔はウィッチだったのかもしれないのカ……」

ルッキーニ(……想像したくない)

サーニャ「まさか、あの人が魔力持ちだなんて……」

ペリーヌ「ほとんどいない筈の魔法力を持つ男性が私達の近くに2人も……。偶然ってあるんですのね」


バルクホルン(三番目の条件……。『ダルシム大佐が死亡した時』……)


バルクホルン(っ! まさか・・・)



〔『戦わなくても…俺は死ぬんだよ!!』〕


〔『しかしおまえは、カールスラント艦隊を救ったじゃないか』〕

〔『結果的にはな。あれだって結局は、自分を守る為だ』〕



バルクホルン(大佐が死ねば、俺も死ぬ・・・。あの時の言葉は、そういう意味だったのか……!)


580 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 17:02:52.79 ID:4pysCOgUO
ダルシム「パンツじゃないから恥ずかしく(ry」

581 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 17:04:50.11 ID:fFkHTbS30
Q.なんでこんな事やったの?
A.試作がイチャイチャしてるのが許せなかった(童貞大佐)

582 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 17:05:05.22 ID:CjY23/cEi
580
やめてください やめてください


583 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:05:13.21 ID:gV/otDrA0

サーニャ「……それで、首輪はどうやって解除するんですか?」

エーリカ「そうだよ。魔法力で制御しているって事は、その気になればいつでも直ぐに爆発させられるんでしょ?」

助手「はい」

リーネ「そ、そんなのどうするんですか? 常に人質をとられているようなものじゃ……」

シャーリー「大佐を脅して、無理やり解除させるとか?」

坂本「脅しに乗るような男には見えなかったがな」

シャーリー「うーん……。でも、そんな簡単に起爆なんて出来ないんじゃあ……。だって、唯一残ってる貴重な試作体なんだし」

助手「……いえ、その読みは間違いです。大佐はやりますよ。あの人はそういう人です」

シャーリー「なら、本当にどうしようも無いんじゃ……」

助手「いえ、それでもまったく手が無いわけではありません。100%とは言えませんが、首輪を解除する方法はあります」

ルッキーニ「どうすればいいの?」

助手「首輪は無理やり外そうとすれば、直ぐに作動してインプラントが爆発してしまいます。……でも、危険なのは『外す瞬間』だけ」


助手「つまり、『外す瞬間だけ首輪を騙す事』が出来れば、何も問題ないんです。一旦外してしまえば、もう首輪は作動しません。それっきりです」


584 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:10:26.12 ID:gV/otDrA0

ペリーヌ「外す瞬間だけって……本当にそんな変な仕組みなんですの?」

助手「時間が無いのでお話出来ませんが、そういう造りなのは本当です。間違いありません」

助手「そして首輪を騙すには、試作体……つまりあの子に、首輪を解除するための解除薬という特殊な薬を飲ませればいいんです」

助手「薬の名前は『エリクサー(Elixir)』。飲めば即効性の効果により当人の魔力に干渉して首輪の動作を誤認させ、直ぐに首から外す事が可能になります」

バルクホルン「! その薬は、どこにあるんだ?」

助手「ラオホウ内部の、私の部屋の机の引き出しの中に」

ミーナ「何故、そんな薬がそんな所に?」


助手「……そ、それは───」


エーリカ『私が作ったから』


助手「!」


エーリカ「そういう事でしょ?」


助手「……はい」


ミーナ「あなたがその薬を・・・!? でも、あなたは……」

助手「……おかしいですよね。私は実験部隊の一員なのに」

宮藤「…………」

エーリカ「私達からも聞かせてくれない? 何で実験部隊の人であるのにもかかわらず、私達にこんなに色々教えたの?」
     どれもこれも実験部隊が不利になるような事ばかり。それなのにどうして?」

助手「…………」

シャーリー「そうだよ。大体そんな薬があるのなら、何でもっと早く使わなかったんだよ」

坂本(最悪の場合、今の話は嘘で全ては私達を陥れる為の罠……という可能性もあるけどな)

ミーナ「聞かせてもらえないかしら? あなたは何故今になって、部隊を裏切るような真似をしたのか……」

助手「……私にも、わかりません」

ミーナ「わからない?」

助手「はい。私にはもう……自分がどうすればよかったのか、わからなくなってしまいました」

バルクホルン「…………」

助手「……でも、1つだけ分かる事があるとすれば、所詮私の行動は自己満足に過ぎないと言う事です」

ペリーヌ「自己満足・・・?」

助手「そうある人に言われました。今思えば、その通りだと思います」

助手「だって……そうじゃないですか。手を差し伸べても、そこから連れ出そうとはしない。『頑張れ』って言うだけ」

宮藤「…………」

助手「やろうとすれば救える筈なのに、救わない。解除薬も作っただけで、使わない。行動しない。これが自己満足以外の何だって言うんですか」

ペリーヌ「でも、あなたはこうして私達に危険を知らせて……」

助手「どうでしょうね。そんなこと言っても結局私は、我が身可愛さの為に、己の保身の為に皆さんを利用しているだけかもしれないんですよ?」

助手「自覚があろうと、無自覚だろうと関係ありません。私は、自分勝手な人間なんで───」


宮藤「そんな事ありません!」


助手「!」


リーネ「芳佳ちゃん……?」


助手の言葉を遮るように、突如宮藤が強く叫んだ


助手「……適当な事を言わないで下さい。あなたに、私の何がわかるって言うんですか」

宮藤「わかります。少なくとも、助手さんよりは助手さんの事わかります」

助手「なっ……」


宮藤「本当に自分勝手な人は、最初に手を差し伸べたりなんかしません。本当に自己満足なら、わざわざ解除薬を作ったりしません」


宮藤「本当に私達を利用するつもりなら、嘘を吐くなりしてとっくに逃げ出しています。万が一にも、私達に危険を知らせたりしないと思います」


助手「……私が嘘を吐いていないとは限らないんですよ? 何でそんな事を言えるんですか」


宮藤「そ、それはわかりませんけど……それでも私は、助手さんを信じます!」


バルクホルン「宮藤……」

587 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/07/12(火) 17:26:25.43 ID:CjY23/cEi
流石俺の嫁だ、良い事を言うぜ

588 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:29:22.38 ID:gV/otDrA0

助手「……甘いんですね。そんなんじゃ、いずれ足元を掬われますよ」

宮藤「助手さんだって、結構甘いじゃないですか。それに私には、助手さんが嘘を吐いているようには見えません」

助手「…………」

宮藤「助手さんはきっと、少しだけ勇気が足りなかっただけなんです」

助手「勇気……?」

宮藤「助手さんだって俺さんを助けたかった。だから解除薬を作った。でも勇気が足りなかったから、自分の事を信じられなかったから、行動に移れなかった」

助手「っ!!」

宮藤「だから助手さんは、全てを話して私達に託したんです。助手さんは、俺さんを助けたかったから……」

助手「そんな……勝手な事を言わないで!」

バルクホルン「……もう、認めたらどうだ?」

助手「えっ・・・?」

バルクホルン「自分に嘘を吐くのはやめろ。もう、自分を卑下して思い留まるのはやめろ」

助手「な、何を言ってるんですか。私は嘘なんて───」

バルクホルン「曖昧にして誤魔化すな!」

助手「!」

589 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:35:23.50 ID:gV/otDrA0

バルクホルン「貴方だって、ずっとアイツを助けたかったんだろう? それならもう、自分に言い訳して逃げるのはやめろ」


助手「…………だって」


バルクホルンの叫びが心を揺さぶったのか。
助手は半分涙声になりながらも、彼女の言葉に応える


助手「だって私は、あの子を復讐の道具にしたんですよ・・・!!? 今更、何が出来るって言うんですか・・・!!!」


バルクホルンに負けないくらい、助手は強く叫んだ


バルクホルン「そうやって、自分を卑下して諦めるな! 貴方は待っていた筈だ。立ち上がる時を」


バルクホルン「ならば、今がその時だっ! 今こそ立ち向かうんだ・・・!」


バルクホルン「私はあなたと、あなたの作った薬を信じる・・・!」


助手「…………!」


宮藤「……助手さん。私には、助手さんが俺さんと過ごして来た時間は知りません。2人の間に何があったのかはわかりません」


宮藤「でも私には、助手さんと俺さんが、確かに見えない何かで繋がっていると思います」


助手「えっ・・・?」


宮藤「ほらっ……」 スッ


そう言って宮藤は、ポケットに手を入れて中から何かを取り出す


助手「っ! これは・・・!」



〔『なんだ、今日は随分と後ろ向きなこと言うんだな。そんなこと言ってないで、素直に受け取って欲しいんだけど』〕

〔『つまり研究者としてのあんたの事は置いといて、助手という1人の人間に受け取って欲しいって事』〕


助手「あの子がくれたブローチ……?! でも、どうして砕けて……」

宮藤が助手に渡したのは、以前俺が礼として助手に贈った、琥珀色のブローチだった。(※8話)
しかしそれは何らかの衝撃で破壊され、ひび割れて壊れていた

宮藤「助手さんは、撃たれた怪我を私が魔法で治したと思ってますよね。……でも、それは違うんです」

助手「違う……?」

宮藤「本当は衰弱こそしていたけど、外傷は殆ど無かった。助手さんがシャツに着けていたそのブローチ……」 (※助手は白衣の下にYシャツを着ている)


宮藤「そのブローチが、助手さんを銃弾から守っていたんですよ」


助手「…………!!!」


宮藤「白衣に空いてた穴の位置からして、本当は心臓を撃ち抜かれて即死だった筈なんです」

宮藤「でも、このブローチが身代わりになって助手さんを守った……。これって、俺さんが助手さんを守ったって言えるんじゃないですか?」

助手「あっ…………」

591 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:45:38.86 ID:gV/otDrA0

助手(……そっか、やっと分かった)


〔『バスターライフル! お陰様で助かったぜ。あの野郎に何て怒られた?』〕


助手(違う。そうじゃなかったんだ)


〔『また、助けられちゃったな』 ニコッ〕


助手(私もまた、あの子に助けられていたんだ)


助手(私はあの子を復讐の道具にしていたのに…………)


〔『あんたはそういう細かい事は気にしないでくれよな。普段のあんたには、意外と助けられてんだぜ?』 ニコッ〕


助手(それなのに、あの子は……) ポロポロ


助手の目から涙が溢れ、流れ出て頬を濡らす


バルクホルン「…………」


宮藤「助手さん……」


592 :試作な俺-24話:2011/07/12(火) 17:51:49.07 ID:gV/otDrA0


助手「お願い……します。力を貸して……下さい…………!」 グスッ


涙を流し続けながら、助手はバルクホルン達に懇願する


助手「あの子を……助けて……・・・! この……っ、死よりも深い闇の中から・・・、救って……・・・!」


嘘偽りの無い、純粋な想い。真っ直ぐなまでの願い。
そしてその想いの強さは、バルクホルンや他の仲間の胸にも届いていた


バルクホルン「無論だ。あなたのその想いや、私達の想いを無駄にしない為にも、必ずアイツを連れ戻す」

宮藤「後は、私達に任せて下さい!」

シャーリー「言われなくても行くさ。……あんたの気持ちが分かってよかった。安心したよ」

エーリカ「ここから先は私達の仕事だから、任せて!」

彼女達に続くように、全員が口々に「任せろ」と言う。


助手「ありがとう……、ありがとう……ございます……!」

バルクホルン「礼を言うのにはまだ早い。それは、無事にアイツを助けてからだ」

助手「……はい!」


彼女達の心は、再び1つになった

593 :-Prototype-試作品-24話-絆:2011/07/12(火) 17:58:00.41 ID:gV/otDrA0


ミーナ「……さて、話も纏まったし、出撃準備も完了したわね」


助手の話を聞いている間に、全員が出撃準備を終えていた。
全員ストライカーを履き、各々の武器を持っている


ミーナ「ストライクウィッチーズ、全機出撃せよ!」


ウィッチーズ『了解!!!』



バルクホルン(俺……、やっぱりおまえは馬鹿だ。独りぼっちは寂しい癖に、また自分から独りになろうとして……)



バルクホルン(おまえが最後に私に見せた笑顔……。あれが本当に、満足した人間の笑顔だと言うのか……?)



バルクホルン(……いいや、違う……!) ギュッ……!



バルクホルン(本当に満足している人間が、あんな偽りの笑顔をするものか! 私が見間違える筈がない……!)



バルクホルン(待っていろ。おまえに打ち込まれたその楔、今から私が引き抜きに行ってやるからな……!)




11人の少女達が、真夜中の空へ飛び立って行く


1人の家族を救う為、ただそれだけの為に───
最終更新:2013年01月29日 15:33