『もう一度、ここから』







――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



252 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:02:21.76 ID:9Ohaeg1E0


<翌日>

助手「はい、今日の分のクスリです」 スッ

俺「サンキューッ」 パシッ

助手(……昨日と比べて、俺の表情が明るくなっている)

助手(ふふっ、きっと何かいいことがあったのね)

俺「なぁ助手。この装置は何なんだ? こんなデカいのここに置いてあったっけか……?」

助手「あ、これはですね、レーダーです。まだ未完成ですけどね」

俺「レーダー……ああ。ひょっとして中佐が言っていた……」

助手「はい。これがミーナ中佐に依頼されて私が作っている、対インペラトール専用の特殊レーダーです」

俺「しっかしデカいな……。よく1人で作れるな」

助手「何しろインペラトールのステルスは機能はかなり高度ですから。普通のレーダーどころか、魔導針でも捕捉は不可能」

助手「こういった専用のレーダーが必要なんですよ。だからといって、これを使っても簡単に捕捉できるわけじゃありませんけどね」

俺(対インペラトール専用のレーダーか……)

俺「……そうだ助手。インペラトールのデータって残っていないか?」

助手「インペラトールのデータですか……」

俺「ああ、どんな小さいことでも知っておきたいんだ。戦いを有利に運べるかも知れないからな」

助手「それが……無いんですよ、インペラトールのデータ。ラオホウにあったと思われる物は全て焼けてしまいました」

俺「そうなのか……じゃあ、向こうの研究所には? あのとき廃棄した中には無かったよな確か」

助手「あのとき私も確認してもらったんですけど、あの機体のデータは最初から無かったそうです」

助手「残念ですが恐らくはもう、この世界のどこにもインペラトールのデータは存在しません」

俺「そうか……。って、それならどうやってこのレーダー作ってるんだよ。データ無いんだろ」

助手「……インペラトールに搭載されているステルス機能が、 ” ハイパージャマー ” と同種の物であるとBさんが教えてくれたからです」

俺「っ! ハイパージャマーって、06の……」

助手「はい。プロト06の固有魔法データは残っていたので、それを元に」

俺「何で……インペラトールが06の固有魔法を使えるんだよ。おかしいだろ」

助手「ごめんなさい、それは私にはわかりません。何故あの機体が過去に死亡した試作体の固有魔法を使えるのか……」

助手「あの機体の制御装置等を開発したのはダルシム大佐です。私やBさん達には何も……」

俺「わかった……。もういいよ、ありがとう」

助手「いえ……こちらこそあまり力になれなくてすみません」

俺(やっぱり、ただのカスタムウォーロックじゃないってことか……)

俺(あんのジジィ……厄介な物を残しやがって)

俺(少しばかり、調査が必要だな)


<食堂>

シャーリー「インペラトールについてぇ?」

俺「ああ、何でもいいんだ。頼む」

俺「武装とか戦い方とか……、何か小さいことでもいい。実際に交戦して気がついたことがあったら教えて欲しい」

シャーリー「うーん……。ネウロイに比べると小さいんだけど、すばしっこくてパワーもかなりあって、攻撃も強力で……」

ルッキーニ「こっちの攻撃が曲がっちゃうの!何かこうね、「ギュイン!」って感じで!それでね、向こうの攻撃も曲がって追いかけて来るの!」

俺「曲がる・・・?」

シャーリー「ああそうだ。アイツこっちの攻撃の軌道を曲げるバリアを張ってるみたいなんだよ。銃が全然効かなくてさぁ」

ペリーヌ「私のトネールや少佐の烈風斬も無効化されてしまいましたわ。まったく、何なんですのあの機体は……!」

俺「……その話、詳しく聞かせてくれないか」

<一時間後・俺の部屋>

バルクホルン「 ” 軌道操作 ” ……?」

俺「ああ、間違いない。それがインペラトールが使っている力の正体だ」

255 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:10:58.77 ID:3A8XAJRf0
支援ぬ

256 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/02/01(水) 18:11:34.04 ID:9Ohaeg1E0

バルクホルン「インペラトールの……」

俺「文字通り軌道を操作する能力だ。機体をバリアで覆い、銃・衝撃波・魔法攻撃……ありとあらゆる攻撃の軌道を自由に捻じ曲げ、直撃を防ぐ。間接攻撃にはほぼ無敵の防御力を発揮する」

俺「他にも自分の攻撃軌道を操作したり、自身の飛行軌道を操作して変則飛行を行うことが出来る。応用の利く厄介な能力だよ」

バルクホルン「やけに詳しいんだな」

俺「昔の仲間に居たんだよ。同じような固有魔法を使える奴が」

バルクホルン「昔の仲間……?それは他の試作た───」

俺「その話はいい。今問題なのは、どうやってインペラトールを倒すかだ」

バルクホルン「あ、ああ」 コクリ

俺「とりあえず銃は駄目だ。こっちが百年撃ち続けたって、奴に傷一つ付けることは出来ない。まず勝てないだろうな」

バルクホルン「ではバスターライフルならどうだ? 奴が防御処理できる以上の火力を撃ち込んでしまえば……」

俺「バスターライフルは無理だ。奴の軌道偏向に限度はない。例え大陸を吹っ飛ばすようなビームだって、奴に触れる部分だけ曲げられる(まず命中が難しいし)
  それどころか、下手したら反射されて逆にこっちがお陀仏だ」

バルクホルン「それじゃあどうすれば……。そんな奴を相手にどうやって攻撃を───」

バルクホルン「いや、待て。さっき「間接攻撃にはほぼ無敵」と言ったな。では……」

俺「ああ、奴にダメージを与える方法はただ一つ」

俺「直接攻撃……それしかない」

257 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:17:14.57 ID:9Ohaeg1E0

バルクホルン「つまりは接近戦か」

俺「そう、それが軌道操作の弱点。自分を除いた ” 生物 ” の軌道を操作することは出来ないんだ。こちらの間合いに入り込むことが出来れば……」

バルクホルン「我々が優位に立てるというわけだな……!」

俺「ところがどっこいまだ壁がある。どうやら奴はシールドも張れるらしいから、それも突破しなくちゃな」

バルクホルン「シールドだと……?しかし遠距離攻撃は通用しないのだから、奴のシールドを破るには……」

俺「つまり、軌道操作の影響も受けずシールドもぶち抜けるような、一撃必殺的な直接攻撃が必要ってことだ。ちょうどバスターソードみたいな」

バルクホルン「しかしあの大剣はリーブラのコアを破壊する時に爆発させてしまった。代わりになるような武器も無い」

俺「まぁ……仮にアレが残ってたとしても、どのみち今の俺には扱えない。先週のバスターライフルだって以前に比べて酷く重く感じたし」

バルクホルン「それなら、私が使うと言うのは? 剣の心得こそ無いが、私の力ならあの大剣も使用できると思うぞ」

俺「あーそれはありかもな。……と言っても肝心の剣はもう無いし、実戦的でも無いと思う。こっちが剣抱えてモタモタ接近している間に蜂の巣にされちまうよ多分」

バルクホルン「むぅ……じゃあどうすればいいんだ。もう八方塞がりじゃないか……!」

俺「そうなんだよなぁ……困ってるんだよ本当。今回ばかりは無策で勝てるような相手じゃないのに、これと言った解決策も見つからない」

バルクホルン(本当に参っているんだな……)

俺「まぁ、いいや。訓練行こ」 スタッ

バルクホルン「えっ、ちょ、ちょっと待て!作戦はどうするんだ?」 ガタン

258 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:21:04.70 ID:aftwvwdG0
支援

259 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:22:04.67 ID:b4olcWWE0
シエン

260 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/02/01(水) 18:23:04.23 ID:9Ohaeg1E0

俺「作戦も何も、今の俺たちじゃどうやっても勝てないってわかっただろ。考えるだけ時間の無駄だよ」

バルクホルン「それは……そうかもしれないが、しかしだな」

俺「悩んでたって解決しないさ。それなら訓練している方がマシだし、体を動かしてれば何かいい案が浮かぶかもしれない」

俺「どうせ奴さんはどこかに引きこもってて出てこないんだ。だったら時間は有効に使おうぜ」

バルクホルン「うーん……」

俺「それに新技とか修得できれば、それだけ戦い方も広がる。新しい戦術とかも見えてくる筈さ」

バルクホルン「新技……大丈夫なのか。悪いがあの腕ビームがインペラトールに通用するとは思えないんだが」

俺「あれはただの基礎変換練習みたいなモンだ。あそこから色々な応用技に繋げて行くんだよ」

バルクホルン「だからといって、そんな都合よく使えるようになるのか?」

俺「あー……自分で言うのもなんだけどさ。俺って全盛期、つまり過去の覚醒時には固有魔法メインで戦っていたんだよ。バスターライフルとかも無かったし」

俺「当時の技を再習得できる可能性は0じゃない。十分にある筈なんだ。とは言っても簡単に行くわけじゃないが、きっと出来ると思う。俺自身が諦めさえしなければ」

バルクホルン「そうか……」

俺「努力はすれば必ず実るってわけじゃない。けれど、努力もしないで何かを変えられるわけないからな。とにかく我武者羅にやってみるさ」

バルクホルン「わかった。それなら私も協力する。訓練に行こう」

バルクホルン「その代わり、無茶は駄目だからな?」

俺「ありがとう。わかっているよトゥルーデ」


<3日後>

バルクホルン「今日はこれまでにするか」

俺「ふぅ……そうだな。もう暗くなってきたし」

俺「トゥルーデのお陰で新しい体で飛ぶのにも完全に慣れたよ。あっちの訓練もいい感じだしな」

バルクホルン「そうか。うまくいきそうか?」

俺「ああ、ここ数日ですげぇ安定した。だけどもう少し……もう少しなんだ。何かが欠けている気がする。
  まるでパズルの最後の一ピースみたいに……。だけど、それが何かはわからない」

バルクホルン「……そうか」

俺「まぁ確実に進歩はしているんだ。ウジウジ悩んでいたって仕方ない。また明日頑張るさ」

バルクホルン「ああ、その意気だ。……さて、もう戻るぞ」

俺「りょーかい」

テクテクテクテク……

俺「……あっ」 ピタッ

バルクホルン「? どうかしたか」

俺「懐かしいなぁって思って。ここ」

バルクホルン「ここは……」


262 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:32:12.64 ID:9Ohaeg1E0

俺が足を止めたのは、基地周辺にある何の変哲も無い森の一角だった

バルクホルン「ここがどうかしたのか?」

俺「覚えてないか? 以前あんたと一緒に毎日訓練していた時、いつもここを休憩に使っていたんだよな」

バルクホルン「……ああ、そう言えば。よくここだと覚えていたな」

俺「ホラこの枝。懸垂やった時に使ってた奴」 ポンポン

バルクホルン「本当だ」

俺「……よっと」 ピョン

俺は軽くジャンプして枝を掴み懸垂を始める。
途中で途切れることもなく、あっという間に10回こなした

バルクホルン「おお……出来るようになってたのか」

俺「ははっ、お陰さまでなんとかな」 シュタッ

両手を離して、俺は地面に着地した

俺「あれからそこまで時間が経ったわけでも無いのに、もうずっと前のことみたいに感じる。何年も経ったような気がするよ」

バルクホルン「最近は色々沢山あったからな……」

263 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:34:59.39 ID:Ycj9abj00
ただいま俺スレ支援

264 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:35:05.19 ID:9Ohaeg1E0

俺「あの頃は昼時になると宮藤やリーネが昼食を差し入れしてくれたっけ……。懐かしいな」

バルクホルン「そうだな。そういえばお前が私たちに固有魔法を説明したりもした」

俺「ああ、そういやそんなこともあった───」

俺「…………っ!!」 ハッ

バルクホルン「? どうしたんだ、急にそんな驚いたような顔して」

俺(そうだ……その手があった)

バルクホルン「……俺?」

俺「今なら……使えるような気がする!」 ダッ

バルクホルン「あっ、俺!」



<同時刻・基地内食堂>

サクッ

リーネ「痛ッ……!」

宮藤「大変、血が出てるよリーネちゃん。今治すね」 シュウゥゥ……

リーネ「あ……ありがとう、芳佳ちゃん」

宮藤「えへへー、どういたしまして」 ニコニコ

リーネ(芳佳ちゃん、もうすっかり元気になったよね。良かったぁ)


265 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:39:03.50 ID:9Ohaeg1E0


┣"ガア"ア"ア"アアアアアアアアアアアンンン!!!


宮藤・リーネ「「!」」

リーネ「い、今の爆発音は……」

宮藤「外から聞こえたよ。行ってみようよ!」


<海沿い・岩場>

タッタッタッタッ……

宮藤・リーネ「「・・・!」」

岩場に到着して、まず宮藤とリーネの目に飛び込んで来たのは巨大な岩
しかしその岩は、原型と思しき形の上半分が消し飛ばされている


宮藤「一体何が……」

俺「で、出来た……!」

リーネ「あ、向こう側に俺さん……とバルクホルン大尉が居るよ」


俺「やったぞトゥルーデ!出来た、やっと出来た!」

バルクホルン「そうか、ついに出来たんだな俺!」


266 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:39:24.73 ID:y4kOYeNN0
支援じゃい

267 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:42:09.78 ID:rXVsY2amO
266
なんかゴレンジャイみたいな語感ダナ

支援


268 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/02/01(水) 18:43:44.06 ID:9Ohaeg1E0

俺「ああ、これで先へ進める!基礎が出来上がったから、あとは簡単だ!」

バルクホルン「やったな俺!技が増えるぞ!」

俺・バルクホルン「「あっはははははは!」」 グルグル

リーネ(俺さんとバルクホルンさんが、抱き合って回転しながら喜んでる……)

宮藤「何やってるんだろうね、あの2人」

リーネ「わ、わかんない……」


俺はその後、全盛期の記憶を頼りに幾つかの技を開花させる

自転車に乗れなかった子供がコツを覚えた途端あっと言う間に乗り回すように、次々と能力を覚醒させていった

─────


俺「───ってのが俺の考えなんだけど、どうだろうか?」

バルクホルン「うーん……」

俺とバルクホルンは新技を取り組んだ、インペラトールへの新たな対抗手段を話し合っていた

バルクホルン「攻撃開始から目標撃破まで一分足らずの速攻作戦か……」

俺「あんたの意見を聞かせてくれないか」


269 :試作な俺-27話 支援多謝です:2012/02/01(水) 18:46:30.79 ID:9Ohaeg1E0

バルクホルン「いい発想の作戦だとは思う。軌道操作やシールドを破るのも、その方法ならうまく行くかもしれない。ただ……」

俺「ただ?」

バルクホルン「問題は、あのインペラトール相手にその通りにやれるかどうか……」

俺「不安なのか」

バルクホルン「……少しばかりな。奴は攻撃・防御・スピードとどれも申し分ない性能を持つ化け物のような相手だ。果たしてこの作戦でどこまでアレに対抗できるのか……」

俺「完全な兵器なんてどこにも在りはしない。必ずどこかに付け入る隙がある筈だ」

バルクホルン「…………俺」

俺「確かにシビアな作戦だ。……だけど、絶対にうまく行くさ」

俺「何てったって、俺とあんたの2人がやるんだからな」 グッ

バルクホルン「……ふっ、そうだな!」 バシッ!

意志を通じ合わせるように、2人は拳をぶつけ合った

俺「よし、これで後は奴が見つかるのを待つだけだ。本番に備えて、少しでも息を合わせておこうぜ」

バルクホルン「ああ、訓練に行こう」


───そして、2日後・・・───



270 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:49:04.08 ID:9Ohaeg1E0


<午前中・ロマーニャ基地>

コンコン、ガチャッ

俺「なぁ助手。バスターライフルの事だけど───」

俺(……あ)

助手「スゥ……スゥ……」

俺(……装置にもたれかかったまま寝ちまうなんて、よっぽど疲れていたのかな)

ファサッ・・・

助手「んっ……」

俺「いつもありがとう。あんたが居てくれて良かった……」

助手「スゥ……スゥ……」

装置<P・P・P・P・P! P・P・P・P・P!!!

俺「! 何だ?」

助手「うーん…………プランBなんてありませんよぉ……」 ムニャムニャ

俺「お、おい助手!寝ぼけてないで起きろ、レーダーが何か鳴ってるぞ!」

助手「・・・はうぇッ!?」 ガバッ


271 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:52:16.04 ID:9Ohaeg1E0

助手「あ、あれぇ俺、いつの間にここに……おはようございます」 ペコリ

俺「ああおはよう……じゃなくて、何かがレーダーが反応しているみたいだけど、いいのか?」

助手「ふはぁ~・・・。わたし、朝には弱いんですよぉ。……あれ、毛布なんて掛けて寝てたっけ」 ぼー

俺「朝っていうか、もうすぐ昼だけどな……」

装置< P・P・P・P・P!!!

助手「……っ!?(パチッ)レーダーが」 スタッ

俺「ああ。何か反応しているみたいだ」

助手「待っていて下さい。今、情報解析します」 ツーッ

助手はレーダー画面を凝視しつつ、何やらヘッドフォンで音を拾いながらカチカチとダイヤルを調整する

俺「完成していたんだな、レーダー」

助手「はい、昨日の夜には。だけど報告する前に眠ってしまいました……すいません

俺「いや謝ること無いって。よくやってくれてるよ本当」

助手「あ、ありがとうございます……(ピピッ!!) っ!反応出ました!インペラトールで間違いありません」

俺「……! それで奴はどこに居るんだ?」

助手「現在あの機体は移動せずに、どこかで静止しているようです。場所は……」 カチカチ


272 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:55:21.91 ID:9Ohaeg1E0

助手「この基地から、だいたい西方に約300km……」

俺「その場所って確か」

助手「……判明しました、セバーン島です。インペラトールはセバーン島の上空域に留まっています」

俺「……あの島か。(※12話)よし、中佐への連絡を頼む。俺は先行して出撃する!」

助手「わかりました……って、1人で出撃るつもりですか!?無茶です!」

俺「大丈夫!1人じゃないから!」 タッタッタッタッ……

助手「えっ……?」

ガチャッ、キィ……ガチャン!

─────


<基地内司令室>

ミーナ「インペラトールが出たですって!? それで、場所は……」

助手『セバーン島です。今あの機体はあの島にとどまっています』

坂本「ついに見つけた……。決着をつけなくては。今すぐ全機にスクランブルを───」

助手『それと、あの子が先行して出撃すると言って飛び出して行きました』

ミーナ・坂本「「えっ」」


273 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/01(水) 18:57:07.90 ID:y4kOYeNN0
しえーん


274 :試作な俺-27話 支援ありがとう:2012/02/01(水) 18:57:38.12 ID:9Ohaeg1E0

坂本「まさか1人で行ったというのか……」

ミーナ「そ、そんなの危険よ。すぐに止めないと!」 カチャッ

ミーナは助手との通信を切断し、俺が装備しているであろうインカムとの交信を試みる

ミーナ「俺中尉、応答して下さい。俺中尉。聞こえていたら変事をして!」

ザザッ……

俺『聞こえていますよ、中佐。ちょうどこっちもそっちに通信しようとしていたところです』

ミーナ「よかった……。俺中尉、1人で戦うなんて無茶よ。じっといられない気持ちは分かるけど、馬鹿な真似はやめて」

俺「ミーナ中佐……。中佐には悪いけど、俺は───」

ザザッ……

バルクホルン『大丈夫だミーナ。私も一緒に居る』

ミーナ「トゥルーデ、あなたまで……!? 一緒に居るのなら、俺さんを止めて」

バルクホルン『心配するなミーナ。何も私たちは、インペラトールを倒す為に先行しているわけではない』

ミーナ「……どういうこと?」

バルクホルン『我々はあくまでも先行出撃だ。深入りはせずに足止めに徹する。決して無謀な特攻などしたりはしない』

ミーナ「足止め……。だ、だけど……」


275 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 18:59:36.19 ID:9Ohaeg1E0

バルクホルン『ミーナ。新しいレーダーがあるとは言え、今アレを見失ってしまったら次いつ捕捉できるかなんて分からないぞ。被害が出る可能性も十分ある』

ミーナ「それは……そうだけど」

俺『(ザザッ)中佐、俺からも頼む』

ミーナ「俺さん」

俺『みんなが来るまでは監視と足止めに徹する。だから、心配しないで信じて欲しい』

俺『もしここで何もせずに奴に逃げ切られてしまったら、死んでも死にきれるモンじゃない。やらせて欲しいんだ!』

ミーナ「……わかったわ。2人の先行出撃を許可します」

俺『ありがとうミーナ中佐!』

ミーナ「そ・の・か・わ・り! 決して無茶はせず、足止めに徹すること。まずくなったら逃げること。これを絶対に守りなさい。いいわね?」

俺『ああ、了解した。それじゃ通信終わりッ』 ブツッ

ミーナ「えっ?あっ、ちょっと俺中尉?」
ミーナ「……もう。私たちもこうしていられないわ。すぐに出撃しないと」

坂本「…………うーむ」

ミーナ「? どうかしたの、美緒?」

坂本「……足止めをするのは別にいいが、そのままアレを倒してしまっても構わないのだろう?」

ミーナ「えっ……」


276 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 19:01:37.69 ID:9Ohaeg1E0

坂本「この数日、あの2人はずっと一緒に訓練していた……。思えばあれは、インペラトールを倒す為の訓練だったのではないか?」

ミーナ「ま、まさか。トゥルーデも居るのよ? あの子に限ってそんな」

坂本「いやいや分からんぞ? 一見頭の堅いやつだが、アイツやる時はやるからな」

ミーナ「それは分からなくはないけれど、別に今回は───(ガチャガチャ)……あれ」

坂本「どうした?」

ミーナ「……トゥルーデに通信できないわ。故障かしら」

坂本「そんなわけないだろう。ついさっきまでは通じたんだ。向こうが意図的に回線を閉じているのではないか?」

ミーナ「! まさか本当に……。バルクホルン大尉応答して!トゥルーデ!」

シーン……

ミーナ「もっ、もうーーーーー!!あの子たちったらぁ~~~っ!!!」 プルプル

坂本「はっはっはっ! まんまと出し抜かれたなミーナ」 ゲラゲラ

ミーナ「笑っている場合じゃないでしょう!もう、トゥルーデまでなんてぇ・・・」

坂本「バルクホルンもバルクホルンで熱い奴だからな。そこまで不思議では無いさ」

ミーナ「とにかく!こうなったからには私たちも急がないと。すぐに出撃るわよ!」

坂本「了解した!」


277 :試作な俺-27話:2012/02/01(水) 19:04:02.21 ID:9Ohaeg1E0

坂本(インペラトールによるジャミングのせいにしてしまえば、通信できなかったことに対しても言い訳が立つ……。考えたな)

坂本(死ぬなよ、2人共)


ミーナ(まったくもう、トゥルーデまでだなんて……。恋する乙女はまっしぐらって奴なのかしら?)

ミーナ(覚悟しておきなさいよ、芋の皮むきくらいはちゃんとやって貰うんだから。……その為にも、絶対2人で無事に帰ってきて)


そして坂本・ミーナの指揮のもと、ストライクウィッチーズはセバーン島へ向かって出撃していった




<一方その頃・飛行移動中>


俺「見えて来たぞ、セバーン島だ」

バルクホルン「あそこに……インペラトールが居るのか」


俺「行こう、トゥルーデ」


バルクホルン「ああ、共に行こう」


俺とバルクホルンは、暗雲立ち込めるセバーン島に乗り込んで行った



<セバーン島・上空>


バルクホルン「着いたな」

俺「……ああ」

セバーン島は直径1kmほどの小さな島。人は住んでいない未開の無人島だ

バルクホルン「インペラトールはこの辺りに居る筈だ……。周囲に気を張れ」

俺「いや、その必要はないみたいだ」

バルクホルン「!」


ゴオオオォ・・・ッ!


インペラトール「…………」


俺たちが来るのを待ち構えていたかのように、インペラトールがゆっくりと2人の前に姿を現した


俺「探す手間が省けた。向こうも待ちぼうけだったってことかな」

バルクホルン「さぁ……どうだろうか」

インペラトール「…………」


608 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 16:45:27.65 ID:K5v8dCZyO
おおー、ここんとこ良く来るねー
支援

609 :試作な俺-27話 支援感謝です:2012/02/02(木) 16:46:17.09 ID:cJnxMq3K0

2人はインペラトールと対峙する。
向こうはこちらの様子を伺っているのか、人型形態のままこちらを凝視して動かない

俺「奴が例の攻撃方法をとったら、こっちも仕掛ける。それまでは突っ込みすぎないようにするぞ」

バルクホルン「了解」


《─────シテ。ゼ──ン────》

俺「……? 今のは」

バルクホルン「どうしたんだ俺」

俺「……いや、何でもない」

俺(トゥルーデには聴こえていない……? 今、頭の中に女の声が聴こえたような気がしたんだが)

俺(だけど、もうアイツは消えちまったし声違うし……。気のせいだったのだろうか)


インペラトール「…………」 グヴォ"ーン・・・

バルクホルン「! モノアイが光った……奴が動くぞ」

俺(考えたって仕方ない。今は戦いに集中する……!)

俺「やるぞ、トゥルーデ!」

バルクホルン「ああ!」


610 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 16:48:47.86 ID:cJnxMq3K0

俺「さぁ、決着をつけるとしようぜ……」

インペラトール「…………」


俺「インペラトォォォールウウウゥゥゥゥゥゥッ!!!」


インペラトール「…………!!!」 ガチャンッ!ガチャガチャン!! ゴオォッ!

両者は同時に急加速し、高速で擦れ違う。俺は飛行形態に変形したインペラトールの威圧感を肌で感じたあと、すぐさま旋回動作に入る

しかし既にインペラトールは自身の飛行軌道を操作し、攻撃体制に入っていた

インペラトール「…………」 ダダダダダダダ!

俺「チッ、速い……!」 サッ

肩部内蔵型機銃の連射をロール回避し、再びインペラトールに仕掛ける

俺「テウルギストが無くたって!」

あの可変増加艇体があったのならば、背後に回りこむなどほんの数動作で完了していただろう。しかし、無い物ねだりをしても仕方がない

俺は経験と意地で必死にインペラトールに食らいつく

バルクホルン「くらえ!」 ズガガガガガガガガガガ!

バルクホルンが加勢し、インペラトール目掛けて両手のMG42を連射する


611 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 16:49:47.58 ID:UYGaSEKl0
おや、来たか支援

612 :試作な俺-27話 支援ありがとう:2012/02/02(木) 16:51:30.63 ID:cJnxMq3K0

インペラトール「…………」 ギュイン!

バルクホルン「っ……駄目か」

バルクホルンの攻撃は、全てインペラトールの手前で軌道を変えられて外れてしまった

俺「それならコイツはどうだ!」 ヴォン"!

特訓時と同じように、俺の左手に光弾が出現する。訓練していた魔力変換の応用。物体に込められる筈の”魔力そのもの”を圧縮し、光弾状に具現化。
さらに爆を使用し、光弾は即席の爆弾と化す。出来上がりまでざっと2、3秒というごく短い時間内の出来事だった


俺「シュート・ボム!」 ドシュン!

インペラトール「…………」 ギュイン! チュドォン!!

俺「チッ……」

光弾は真っ直ぐインペラトールに進んでいったが、やはり今までの例に漏れず手前で軌道を変えられて、インペラトールのやや後方で爆発した

俺(銃撃も魔法攻撃も爆発の衝撃波も効果無し……。こちらの予測通り、軌道操作で間違いないか)

俺「トゥルーデ、予定通りだ。アレの後に突っ込む。それまでは少し退がってくれ」

バルクホルン『わかった。任せるぞ、俺……』 ザザッ

俺「さぁ、来い……!」

インペラトール「…………」 ゴオォッ・・・!

バルクホルンが後ろに退がり、俺はインペラトールと単独での交戦を開始する


613 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 16:55:29.46 ID:cJnxMq3K0

インペラトール「…………」 ガチャンッ!ガチャガチャン!! ダダダダダダダ!

俺「当たるかよ」 サッ

インペラトールは変形を繰り返して2つの形態を細かく使い分けながら俺に迫り、畳み掛けるように攻撃を行う。
肩部の機銃と両腕の三連装ビーム砲による集中砲火が俺を襲う

俺「くうぅ…………!」

俺はシールドと回避を使い分けて猛攻撃を凌ぐ。しかし全く反撃が出来ない

インペラトール「…………」 ダダダダダ!ビシュゥン!ビシュビシュゥン!ダダダダダダダ!!

俺(駄目だ、これじゃない。こんなんじゃあ意味が無いんだ)

俺「どうした!攻撃ってのは当ててなんぼだろうが!」

インペラトール「…………」

俺「ホラホラホラァーもっと撃ってこいよポンコツさんよ!」

インペラトール「…………」 グヴォ"ーン・・・

言葉は理解できなくても、挑発されたことは分かったのか。インペラトールは応えるようにモノアイを光らせた

俺(っ、来る……!)

インペラトール「…………」 バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!

俺「!」

ビーム「」 ギュイン!

俺「っと!」 サッ

胸部の大型砲から放たれたビームが弧を描きつつ俺を襲う。一度回避したそのビームは軌道を変えて再び俺に襲いかかるが、ギリギリ見切って再度回避する

俺「その攻撃の躱し方は習得済みだって!」

インペラトール「…………!」 ダダダダダ!ビシュゥン!ビシュゥン! バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!

俺「うぉわっ!?」 サッ

インペラトールの全力砲撃が俺を襲う。流石に全て見切り続けるのはキツく、シールドを使いながらギリギリ猛攻に耐える。もういつ撃墜されてもおかしくない状況だ

俺(これじゃジリ貧だ。くっそ・・・)

俺(だけど、落とされるわけには行かない・・・!今の攻撃じゃ俺を殺せないって、コイツに解らせなくちゃ意味が無いんだ)

インペラトール「…………」 ガチャンッ!ガチャガチャン!! ゴオォッ!!

突如インペラトールは砲撃を止めると、航空機形態に変形して真っ直ぐ俺に突っ込んだ

俺「!? しまっ……───」

それが体当たり攻撃だと理解した時には、もう回避は間に合わなかった。
俺は咄嗟にシールドを張って身を守る

ガキィンッ!!

俺「っ…………!!!くそっ!!」


615 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 16:59:56.39 ID:cJnxMq3K0

ウォーロック級の巨体に高速で突っ込まれた衝撃は凄まじく、シールドを張っていたにもかかわらず俺は弾き飛ばされた。シールドもバラバラに砕ける

インペラトール「…………」 バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!

インペラトールがとどめの一撃として胸部の誘導追尾式ビーム砲を発射。
それは完全俺を捉えており、姿勢制御を失っている俺に回避は不可能

俺(……駄目だ。すぐには再生出来ない……!)

───そして破壊されたシールドを張り直すには、もはや時間が足りなかった

俺「・・・!!!」

ビームが体を貫き、俺は生き絶える…………はずだったのだが

ビーム「」 フッ!

インペラトール「…………!?」

俺を仕留める直前で、いきなりビームが掻き消える。簡単には減衰しないような高出力のビームが

俺(あ、あぶねー・・・) クルッ

難を逃れた俺は吹き飛ばされた状態からの復帰に成功し、インペラトールと再び対峙する

インペラトール「…………」

俺「久しぶりに死ぬかと思ったぞ、ったく……」

俺「機銃の方だったらヤバかったかもしれないが……悪いな。 " キャンセル " だ」


616 :試作な俺-27話:2012/02/02(木) 17:04:01.35 ID:cJnxMq3K0

これもまた魔力変換の応用。かつて扱えていた力の一部。

直撃する直前に俺はインペラトールのビーム攻撃を " 変換 " し、自らの魔法力として吸収。無効化することにより九死に一生を得ていた

俺(連続で使えるのは後二回。それまでに何とかしねぇと……)

インペラトール「…………?」 バチバチバチィ!ズゴオオオォォォーッ!

俺「だからぁ……」 サッ

ビーム「」 ギュイン!

俺「それは当たらねえっての!」 サッ

再びインペラトールが攻撃を再開する。俺は接近こそしようとしないが、的確に攻撃を防ぎ続ける

俺「っ…………」

インペラトール「…………」 ガシャン!

そしてインペラトールは新たな攻撃を開始

ビーム砲の搭載されている両前腕部を射出し、本体からの有線制御によるオールレンジ攻撃を───


俺「待ってたぜ、そいつを使うのを!!トゥルーデ!」

バルクホルン『ああ!』


その時、突如として俺が攻勢に転じる。インカムを使って呼び戻し、後ろに退がっていたバルクホルンも戦列に加わった


617 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 17:07:10.59 ID:KjaixVQy0
しえーん

618 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 17:08:33.51 ID:9JZ7VpKh0
支援でありますなあピピィ

619 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/02/02(木) 17:09:35.83 ID:UYGaSEKl0
ししししえん
最終更新:2013年01月29日 15:40