『決戦の予感』 その1


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


<とある墓地>


俺「俺の方も色々あったけど……何だかんだでよかったよ。こうしてまた、お前に会いに来ることが出来たんだからな」

俺「……それじゃあ、また来るからな。今度は平和と一緒にさ」 スタッ

テクテクテクテク……

ドンッ
俺「っと」

少女「あ、すいません」

俺「いえ、こちらこそ」 テクテク……


少女の友人「久しぶりにここに来れたわね。最近ネウロイも大人しいし……って、どしたの?」

少女「今の男の人、どこかで見たことがあるような……」

友人「ふーん。どっかで会ってたんじゃない? っと、さぁてアンジェー。友達と先輩が会いにやって来たわよー」

友人「……あれ。誰か来てたのかな。花が備えられてるし」

少女「しかもこれ、私達が持ってきたのと同じであの子が好きだった花ですよ。それに置かれてからあまり時間が経ってないみたい」

少女(ひょっとして、さっきの人がアンジェのお墓にこの花を……? Σっ! まさか、あの人はあの時の……)

───

<ロマーニャ近海・戦闘空域>

ネウロイ「─────!」 ビシュゥン!ビシュゥン!

バルクホルン「ふっ!」 ズガガガガガガ!

子機ネウロイ「──────!」 ビュンビュン

ミーナ「俺さん!」

俺「あいよ!」 スッ

俺(魔法力変換……圧縮完了。ターゲット・マルチロック……)

俺「拡散シュートォ!!」

ギュオオオオオオオオオオオォ───!!!

構えた俺の右手からビームが発射され、それは放射状に広がり子機ネウロイ達を襲う。
幾状もの青白い光に貫かれ、瞬く間に撃墜された

子機ネウロイ「──────!」 ビシュゥン!ビシュゥン!

俺「……っ!キャンセル!」 フッ

撃ち洩らした子機が俺を攻撃。しかし放たれたビームは俺まで届くことなく、少し手前で掻き消える

俺「MP回復にご協力ありがとよ!」

ズガガガガガガガガ!

子機ネウロイ「」 パシュン

ルッキーニ「大丈夫、俺?」

俺「サンキュールッキーニ。平気だぞ」

シャーリー「来るぞ!」

ルッキーニ「あぁ~!しつこいー!」

ネウロイ「──────!!─────────!」

俺「……よし。俺が奴の装甲を破壊するから、みんなはとどめを頼む!再生される前に決めるぞ!」

バルクホルン『了解した。とどめは任せておけ』

ミーナ『わかったわ。シャーリーさん、ルッキーニさんも合わせて』

俺「行っくぜー。16連…………」

俺「ヒステリック・ボム!」 ドドドドドドドドドドドド!!!

組み合わせた両手から爆発性を持つ光弾が連続で発射され、ネウロイの外装甲をボロボロに吹き飛ばした

ミーナ「コアが見えたわ。撃って!」

ズガガガガガガガガ!バラララララララ!!ダダダダダダダダ!
ネウロイ「────!────・・・・・」 バキィンッ!パシュゥーーン……

バルクホルン「終わったか……」


<ロマーニャ基地>

坂本「戻ったか。よくやったな」

ミーナ「ただいま、少佐」

俺「あ、もっさん。お疲れ様」

坂本「もっさん言うな。で、どうだった?」

俺「どうって……何が?」

坂本「新しい戦い方だ。久々にネウロイを相手にしての感想は?」

俺「問題ないッスよ。インペラトール倒した後もちゃんと特訓してたから、今じゃバリエーションも増えちゃって」

ミーナ「そうね。頼りにさせてもらっているわ」

坂本「そうか、上手く行っているようで良かった」

ミーナ「それよりも私としては、今回のネウロイの動きが気になったわ」

俺「? 別にいつも通りだったような……」

バルクホルン「ネウロイ単機のことではなく、奴ら全体の動向のことを言っているのだろう」

俺「……なるほどね。確かに最近の奴らは少し変だな」

坂本「リーブラや第二のパトゥーリア級、奴らと戦ったころに比べると出現頻度が明らかに低すぎる。今では週に一度出るか出ないかぐらいだ」

俺「こっちとしてはありがたい話のような気もするけど……素直に喜べないよな」

ミーナ「敵の戦力が低下している……なんてことなら、此方としてはありがたいのだけれど」

俺「……本当にそうならな」

坂本「しかし、いつまでもこんな局地戦を続けてはいられないだろう。リーブラを沈め、インペラトールを倒して状況が一区切りされた今……」

坂本「上層部より、何らかの大規模な作戦の指令が下る可能性もある。敵が少ないとしても戦いの準備は進めておいた方がいいだろう」

ミーナ「そうね。今以上に備えを充実させておくようにするわ」

バルクホルン「…………」

─────

<翌日・俺の部屋>

コンコンッ

俺「はい、誰ー?」

バルクホルン「わ、私だ。今いいか?」

俺「トゥルーデか。ドアなら開いてるよ、どうぞ」

ガチャッ

バルクホルン「入るぞ」

俺「どうかしたのか?トゥルーデ」

バルクホルン「い、いやどうもしない」

俺「へ?」

バルクホルン「特別な用事は、な、無かったんだが……駄目か?」

俺「ははっ、そんなこと無いって。寧ろ嬉しいよ」

バルクホルン「そ、そうか!よかった……」

バルクホルン(あんな事までした後なのに、妙に緊張する……。鼓動が大きくなってる)

バルクホルン(今までと同じように1対1で話しているけど、今までとは違う。前とは立場も違うんだよな……)

バルクホルン(そうだ。あのとき俺も、わ、私のことが、すっ…………好き───)

俺「トゥルーデ?」

バルクホルン「わっああ!きゅ、急に顔を覗き込むな!!///」

俺「あっ、ご、ごめん」

バルクホルン(か……顔から火がでそうだ…………)

バルクホルン(えぇい余計なことを考えるなゲルトルート!考えずに感じるんだ!)

バルクホルン(そう、今まで通りだ!私一人で舞い上がってどうする。落ち着けゲルトルートォ!!) ブンブン

俺(……なーんか見てて面白いな)

バルクホルン「そ、そう言えば俺。この部屋模様替えでもしたのか? 前より変わっている気がするぞ」

俺「ああ。前にホラ、ここから去った時に一部は荷物として持ってったからさ、だからだと思う」

バルクホルン「あ……そ、そうだったのか」

俺「しかもその荷物も、インペラトールのせいでラオホウの部屋ごとぶっ飛んじまったし、仕方ないかな」

バルクホルン(い、嫌な話を掘り返してしまった……)

俺「あ、でも凄いんだぜ。ホラ」 スッ

バルクホルン「この写真……」

俺「あの時ローマの写真館でとったヤツ(※17話)。これだけが焼け残ってたんだよ。写真なんて真っ先に燃えちまいそうなのに、凄くないか?」

バルクホルン「この写真だけが……」

俺「いつか、また行こうよ。俺はトゥルーデと行きたい」

バルクホルン「そうだな。いつか世界が平和になったら、ローマだけじゃない。扶桑やガリアやオラーシャや……色んな所に行ってみたいな」

俺「へへっ、約束だからな?」

バルクホルン「ああ。約束だ」


633 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 21:00:24.43 ID:KALLL1P90
支援ほーい
634 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 21:02:52.70 ID:cYaMrbIJ0
しえんぬ
635 :試作な俺ー28話 支援ありがとう:2012/05/29(火) 21:03:33.87 ID:7TDsh/xyO

俺「それにしても、やっぱりトゥルーデこのワンピース似合っているよなー。スッゴい綺麗だ」

バルクホルン「そ、そうか?」

俺「ああ。髪も艶やかだし、この時のトゥルーデ物凄い綺麗だった。あ、いつものトゥルーデだって凄い綺麗だけどな」

バルクホルン「……お、煽てても何も出ないぞ///」

俺「いいや、トゥルーデの照れた可愛い顔が見れる」

バルクホルン「か、かわい……っ!? バ、バカ!何を言うんだ!」

俺「あっはははゴメンゴメン。調子に乗りすぎた。つい、ね」

バルクホルン「全く……」 ニヘラ

俺「そうだトゥルーデ。髪、触ってみてもいい?」

バルクホルン「髪を……?なぜ」

俺「いや、やっぱり好きな人の髪だから、触ってみたいなーって」

バルクホルン「そ、そういうことならわざわざ聞かなくてもいいんだぞ?私はお前なら……」

俺「女性の髪を勝手に触るのは失礼って聞いたんだよ。……まぁいいや。触るよ」 スッ

バルクホルン「んっ……」

バルクホルン(俺の手……あったかい)

636 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 :2012/05/29(火) 21:03:39.40 ID:fmhSkeXwP
支援
今日は懐かしい顔が多いな
637 :試作な俺ー28話 支援ありがとう:2012/05/29(火) 21:07:25.34 ID:7TDsh/xyO

─────

俺「……っと、もうこんな時間か。少し時間を忘れてた」

バルクホルン「あ……本当だな」

俺「さて、今日はこれでお開きかな。これ以上は明日に響きそうだ」

バルクホルン「えっ?あ…………いや、そうだな。お前の言う通りだ」

俺「あ、それとトゥルーデ。昼の少佐たちの話を覚えているか?」

バルクホルン「あ、ああ。ネウロイ達の動向がおかしいと言うことだな」

俺「そう、奴らの巣が変に静まり返っている。今日だって9日ぶりの出現だった。……トゥルーデはどう思う」

バルクホルン「そうだな……簡単に考えられるパターンはまず2つ。1つはミーナが言っていたように、『本当に奴らの戦力は弱体化しており、だから攻撃が弱まっている』」

バルクホルン「そして2つ目は───」

俺「『弱体化ではなく、ただ連中が戦力を温存しているから、侵攻が手薄になっている……』だろ」

バルクホルン「……ああ、その通りだ」 コクン

俺「俺はこっちが正解だと思う。思えばリーブラの時だって前触れはあった」

バルクホルン「侵攻頻度の大幅な増減か……。確かに何らかの関係はありそうだが」

俺「……と言っても、理論も何も組み上がっていないんだけどな。でも俺はそうだと思うよ。予感がするんだ」

638 : 忍法帖【Lv=31,xxxPT】 :2012/05/29(火) 21:10:17.18 ID:XILMbHcY0
しえーん
639 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 21:12:23.21 ID:ifek4U670
支援
640 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/05/29(火) 21:12:55.91 ID:XWdPGrnB0
しえ
641 :試作な俺ー28話 支援感謝です:2012/05/29(火) 21:13:38.84 ID:7TDsh/xyO

バルクホルン「予感?」

俺「そう。計算でも推理でも無い。ただの直感だよ」

バルクホルン「しかしミーナが言っていたように、用心しておくに越したことは無い。一応、上への報告を検討してもらおう」

俺「ああ。ありがとうトゥルーデ」

バルクホルン「私も同意見だし、気にすることはない。……あ、それと……だな」

俺「ん?」

バルクホルン「髪だけじゃなくて、その…………」 ソワソワ

俺「……ああ」

バルクホルン「い、いや、やっぱり何でも───んっ……!」 ムグ

俺「……これでいいかな」

バルクホルン「……///」 コクリ

俺「それじゃおやすみ、トゥルーデ」

バルクホルン「お、おやすみ。……俺っ」

ガチャッ、キィッ……ガチャン!

俺「トゥルーデって、ああ見えて箍が緩むと結構……」

俺(とは言え、実は俺も……かなり恥ずかしいんだけどね/// 本人には絶対に見せないけど)


???

男「……首尾は?」

部下「作業は順調に進んでおります。艦への取り付け、明朝0900に完了致します」

男「よし。では、”弾薬ども”の方はどうだ」

部下「問題ありません。各定期検診は正常。チャージユニットカプセルへの接続、いつでも可能です」

男「順調だな。いいぞ」

部下「……ただ、昨日の501戦闘航空団の報告にあった、ヴェネツィア上空の巣に何らかの前兆が現れている可能性があるという報告が少々気にかかりますが……」

男「その程度の報告、気にすることはない。作業は間もなく終わるのだろう?」

部下「はっ。間もなく、全ての準備が完了致します。中将殿」

中将(男)「よろしい。……では、いよいよ始めるとしようじゃないか」

中将「我々の為の戦争を」


薄暗いドックの中。”中将”と呼ばれた男の監視の元、彼直属の部下達は船の上で作業を進める

そこには通常の艦船には搭載されていない筈の、不気味な”何か”の陰があった



<2日後・基地内ブリーフィングルーム>

俺(緊急ブリーフィングって……何があったんだろう)

ミーナ「集まってもらったのは他でもないわ。緊急事態発生よ」

サーニャ「ネウロイですか?」

ミーナ「ええ。数時間前ヴェネツィア上空の巣で動きがあったの。偵察隊から報告があったわ」

シャーリー「わざわざこうしているってことは……、それなりにヤバいことがあったのか?」

エーリカ「えぇー、もうリーブラみたいな奴は懲り懲りだよぉ」

坂本「そうだな。確かに大きい”動き”こそある。それも、飛びっきり大きい動きがな」

宮藤「坂本さん。それっていったい……」

坂本「巣だ」

リーネ「へ?」

坂本「動いているのは”巣そのもの”だ。単体の大型ネウロイとかではない。ヴェネツィアの巣が丸々それごとこちらに向かって来ている」

一同「!」

ペリーヌ「巣、そのものが……?」

シャーリー「ま、まさか本当に巣ごとくるなんて」


その後のミーナ、坂本による説明を纏めるとこうだ

現在ヴェネツィア上空のネウロイの巣が、ロマーニャ方向に向かって南下中

巣は高度を維持したまま一旦海上へ出て、そこから真っ直ぐローマへ向かって来ている

現在は時速数kmにも満たない低速で移動しているが、徐々に速度が上がっており、数日以内にはローマ圏へ辿り着くことが予測されるということ

ロマーニャ上陸を防ぐ為の、迎撃作戦を行う空域が地図で示される。この地点でネウロイを迎え撃つ

この戦いで敗走することは、ロマーニャの陥落を意味する。何としても勝利せねばならない

───ロマーニャを、そこに住む人々を守るため


『オペレーション・アポロ』


ロマーニャの命運を分ける戦いの時まで、あと3日───

─────

ルッキーニ「あと3日……たったの3日しかないの……?」

シャーリー「大丈夫だルッキーニ。負けたりなんかしないよ」

俺「そうそう、あの滅茶ヤバいリーブラの時だって何とかなったんだ。今度だって勝てるさ」

ルッキーニ「……うん、うん!そうだよね、絶対勝てるよね」

328 :試作な俺-28話:2012/06/01(金) 15:24:27.82 ID:QRQR0N3p0

坂本「作戦の説明をする」

ミーナ「私たちの主な任務は、作戦の要となる攻撃艦の護衛。大和を中心とした護衛艦隊と共に船を守ります」

坂本「攻撃艦の名前は”ヘクトル”。我々の役目は接近してくるネウロイを迎撃し、攻撃が行われるその時までヘクトルを守り抜くことだ」

バルクホルン「攻撃艦……?どういうことだ」

ミーナ「上層部は元々、近いうちに巣への強襲を計画していたわ。消耗戦に終止符を打ち、この戦いの決着をつけるために」

坂本「そしてネウロイが動きだした今、その強襲作戦の戦略がそのまま本作戦に適用される。それが攻撃艦だ」

エイラ「でも結局、その攻撃艦はどうやって巣を倒すんダヨ。肝心の方法は何なんだ?」

リーネ「もしかして、量産型のウォーロック、とか……?」

宮藤「まさかそんな」

ミーナ「……それは分からないわ」

サーニャ「分からないって……?」

坂本「上層部から伝えられたのは我々の配置や行動、艦隊の情報などのみだ。攻撃艦に関しての詳細は得られなかった」

エーリカ(今更になって……なんだかなぁ。まぁどうでもいいけれど)

シャーリー(決め手を知る必要はない。ただただ戦えってことか)

エイラ(ずっとこの最前線で戦って来たのは私達なのに……ちょっとスッキリしないゾ)

俺「上の思惑なんてどうだっていいさ。俺たちは、俺たちに出来ることをやるだけだ」

バルクホルン「俺」

俺「ウィッチに不可能はない……だろ?トゥルーデ」

バルクホルン「ああ、その通りだ」

俺「それに、万が一その決め手とやらが失敗しても、俺はみんなと一緒なら巣にだって勝てると信じているからな」

宮藤「私も信じるよっ。俺さん」

坂本「そうだ。今までどんなに大きな壁が立ちはだかっても、私達は勝利を収めてきた」

エーリカ「結局、いつも通り全力でやればいいんだよね。ラクショーだよ」

ルッキーニ「私も頑張るっ。ロマーニャをネウロイになんて渡さないんだから!」

坂本「よし!それなら早速決戦に向けて特訓だ。リーネ、宮藤、外に出ろ」

宮藤・リーネ「「はい!」」

ペリーヌ「坂本少佐。わ、私も参加させていただきますわ」

ルッキーニ「私もするー!」

不透明な作戦内容に対し、彼女たちの胸に抱かれた疑念

しかしそんな小さな悩みを吹き飛ばすように、全員が決戦へ向けて闘志を燃やすのであった

330 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 15:36:56.21 ID:oiRwhKqb0
支援

331 :試作な俺-28話 支援感謝です:2012/06/01(金) 15:38:03.90 ID:QRQR0N3p0

ミーナ(……でも確かに気になるわ。作戦の決め手となる、恐らくは何らかの兵器の存在)

ミーナ(以前に聞いたことのある、魔導ダイナモと言う装置はまだ実用化には程遠かった筈。だけどそれなら、一体何があるというの……?)


─────



<翌日・基地内ハンガー>

助手「では、どうぞ」

俺「魔導変換開始……」 ジャキッ

助手「いいですね。チャージ、問題ありません。続けて下さい」

俺「…………………………」

俺「…………………………」

俺「……変換完了。ターゲット・ロック。フルブラ───」

助手「ちょっ、ちょちょちょっと待って下さい!こんな所で発射したら基地が吹き飛んじゃいますよ!」

俺「わかってるって。久しぶりにやってみたくなっただけだよ」

助手「はぁー、びっくりしました」

バルクホルン「……? 何をしているんだ?」

俺「ああトゥルーデ。見ての通り、コイツの調整だよ。最近使ってなかったからな」

バルクホルン「バスターライフル……使うつもりなのか」

俺「うんにゃ。あくまで念のため。万が一の時、使えた方がいいと思って」

バルクホルン「しかし、この兵器はお前には……」

俺「……まぁ確かに、魔力変換の能力は残ってても、今の俺じゃあコイツを扱うのはキツいよ。多分バースト一発だけでも撃とうものなら、それで魔法力はスッカラカンさ」

助手「なのでこれを使わないで済むのなら、それに越したことは無いんですけどね。俺にも大きく負担がかかりますし」

俺「ってなわけで。コイツの出番を与えない為にも、明後日は絶対に作戦を成功させるぜー」

バルクホルン「そうだな。……ところで、バスターライフルで以前から気になっていたんだが、どうして事前にチャージをしておかないんだ?」

俺「魔導変換のことか」

バルクホルン「そうだ。作戦外のときにでもチャージを済ませておけば、戦闘の時にすぐに撃てる。戦場で動きを鈍くするような危険を冒すことも無くなるだろう」

俺「はぁー……、トゥルーデぇ。それが出来たら苦労しないって」

バルクホルン「と言うことは、やはり出来ないのか?」

助手「詳細は長くなるので簡単に説明しますと、まず現在の研究段階では保存可能なエネルギーストックを作ることは不可能です」

助手「長時間保存、またはストックとして魔導変換した魔法力を留めておくことはやっぱり難しくて。撃つのには結局その場で魔力を抽出するしかないんですよね」

バルクホルン「ああ・・・それもそうか」
      (もし実現できていたのなら、とっくに量産されているだろうしな)

バルクホルン「そうだ。それなら複数人の力で撃つのはどうだ」

助手「と言いますと?」

バルクホルン「一人だと負担が大きくなるのなら、数人で配分して変換すればいい。もしくは撃ち手と変換する者を別々にすれば、もっと有効な戦術を組め───」
俺「ムリダナ」

バルクホルン「む……何故だ」

助手「ええっと、変換中は移動不可の無防備になることや、10分以上かかることはひとまず置いておきまして。この兵器は内部の魔導変換炉で、ウィッチの魔法力を変換して撃ち出す兵器です」

バルクホルン「それは以前にも聞いたな」

助手「それでですね、チャージしたのを発射するには条件がありまして。実は撃ち手と魔導変換をした者が同一、つまり自分がチャージした魔法力でないと発射が出来ないんですよ」

バルクホルン「そうだったのか……?何でそんなまた面倒な」

助手「原因は解明できていません。例えば識別をその者の魔法力で行っているのか、遺伝子で行っているのかとか……。とりあえず、私達はその仕組みを”魔導共振”と呼んでいます」

俺「ストックも駄目。撃ち手と溜め手が別人なのも駄目。結局リスクを背負うしかない。今更ながらヒデーじゃじゃ馬だよコイツは」

バルクホルン「こうして考えると……お前いつも凄いことしてたんだな」

俺「人間超えてたからな、ある意味」

バルクホルン「でも、今は同じだぞ」

俺「ははっ、そうだったな」

助手(仲良いなー2人……)


335 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 15:51:35.62 ID:oiRwhKqb0
しえーん

336 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2012/06/01(金) 15:52:18.30 ID:sJmrUOlW0
改めて分かるなぁ…俺もよく生きてるよ

337 :試作な俺-28話 支援多謝です:2012/06/01(金) 15:55:17.56 ID:QRQR0N3p0

<翌日・基地上空>

俺「よしっ、条件はさっきのでいいな?」

バルクホルン「ああ。『負けた方が一つだけ何でも相手のいうことをきく』、だろ」

俺「そうそう。それにしても、あんたとこうやって模擬戦するのも久しぶりだな」

バルクホルン「おまえがここに来たばかりのとき以来か。……いや、その後にも一度やったか」

俺「あれはノーカンだっての。とにかく、俺はまだあんたに0勝1敗なんだ」

俺「勝ち負けには執着しない性分だが、あんたが相手となると話は別だ。いつぞやの借りを返させて貰うぜ……”バルクホルンさん”よ!」 チャキッ

バルクホルン「フッ……行くぞ、俺ぇ!!!」 ギュォッ!



<坂本の部屋>

坂本「あれは……バルクホルンと俺か」

ミーナ「ちょっと懐かしい光景ね。俺さんがここに来たばかりの頃を思い出すわ」

坂本「そうだな。あれから結構時間が経った。あの2人も変わったな」

ミーナ「それで美緒……いえ、坂本少佐。あなたは大丈夫なの?魔法力は」

坂本「はっきりと聞くんだな」

ミーナ「状況が状況ですもの。それで……」

坂本「……ミーナも知っての通り、私の魔法力の枯渇問題は深刻だ。先日の出撃もバルクホルンに代わってもらったからな」

ミーナ「そ、それじゃあ……」

坂本「でも大丈夫だ。私は飛べる」

坂本(そうだ。これは意地でも強がりでもない。私はあと、もう少しだけ飛べる。戦える)

坂本(魔法力の枯渇……。当初の予測通り戦い続けていたのなら、私は既にこの時期には飛べなくなっていた。この烈風丸に、ウィッチとしての寿命を吸い尽くされて)

坂本(しかしそれは外れた。戦いによる私の消耗が、幾らかか予測を下回ったからだ。……そう、大火力の兵器を使うアイツがここに配属されたから)

坂本(だから私はまだ飛べる。12人の中で戦うことが出来るんだ)

ミーナ「美緒……」

坂本「ミーナ。私は死なない」

ミーナ「……いえ、死なせないわ。私が、私達が居るからには」

坂本「ふっ……お互いにな」

ミーナ「ええ。勿論よ」


─────

<夕方・基地内食堂>

俺「~~~♪」

宮藤「俺さん何かあったの?やけに上機嫌だけど」

俺「おお宮藤。……あっははは!上機嫌にもなるさぁ。今の俺は、宛ら”最後の勝利者”だからなっ」 フフン

宮藤「さいごのしょうりしゃ?」 キョトン

バルクホルン「一回勝ったからって調子に乗りすぎるな。……くっ、まさか爆風に乗って突撃してくるなんて」

俺「不意をついた戦法は前に俺もトゥルーデにやられたからな。返させてもらったぜ」

俺「……それよりも、エプロン姿も似合っているな。可愛いぞ、お姉ちゃん」

バルクホルン「かか、勝手に人をお姉ちゃん呼ばわりするな!まったく……」

宮藤(バルクホルンさん嬉しそう)

宮藤「それで俺さん。一体何があったの?」

俺「ああ。それは───」カクガクシカジカ

宮藤「そうなんだ。それで負けた方が言うことをきくってことで、バルクホルンさんが料理しているんだね」

俺「考えてみたら俺、トゥルーデの料理を食べてみたことなんてなかったからさ。だから今回は特別にね」


ルッキーニ「あー、何だかいいニオイ~♪」

ルッキーニ「あれ?バルクホルンがエプロン着けて料理してるよ?」

シャーリー「こりゃまた珍しい……。おまえ料理得意だっけ」

バルクホルン「これくらいは出来て当然だ。でないとクリスに食べさせる料理が作れないじゃないか」 テキパキ

シャーリー「ハイハイごちそうさま。……それで、何を作っているんだよ」

バルクホルン「アイスバインだ。カールスラント料理をリクエストされたからな」

シャーリー「リクエスト……?」 チラッ


俺「少佐じゃないけどさ、技名叫ぶのってどうかなぁ」

宮藤「私はかっこいいと思うよ?」


シャーリー(……なるほど。お熱いねぇ)

バルクホルン「何を笑っているんだ」

シャーリー「いいや?何でも」

ルッキーニ「ねぇねぇシャーリー!あたし達も何か作ろうよ」

シャーリー「料理か……いいね。よし、あたしたちも何か作るかルッキーニ」

ルッキーニ「うんっ♪」

宮藤「あっ、それじゃあ私も何か作ろうかな……」

俺「良いんじゃないか?いっそのこと作戦前の景気付けって事で。その方が楽しいだろ」

宮藤「そうだよね。じゃあ、俺さんも一緒にやろうよ」

俺「ああ勿論だ。手伝いくらいなら任せておけっ」 スタッ


その後、リーネやペリーネを始めとする残りの501の面々も、1人2人と次々に食堂へ姿を現す

そして、いつもより少し豪華で量の多い夕食が出来上がる。
料理をテーブルの上に両端の席に座り、食べ、語り、笑い、いつものように食事を進める

しかしながらその胸の内には、今までよりも更に大きい「戦い抜いて勝利する」という闘志を秘めていた

そして2、3時間後。明日の作戦を前にしたミーナの一言を最後に、決戦前の小さな宴はお開きとなった

そうして夜は更けて行き、日付も変わる頃───


<バルクホルンとエーリカの部屋>

バルクホルン「…………」

エーリカ「……ねぇ。まだ起きてる?」 ゴロン

バルクホルン「……ああ」

エーリカ「えへへ、私も」

バルクホルン「明日は最終作戦だ。無理にでも寝たほうがいい」

エーリカ「わかってるよぅー」

バルクホルン「わかっているなら寝ろ。特におまえは寝坊するわけには行かないのだからな」

エーリカ「……ねぇ。明日勝てると思う?」

バルクホルン「勝てるさ。必ず勝つ」

エーリカ「うん、そうだよね……。絶対に勝てる」

バルクホルン「おまえは明日の戦いよりも、その後に待っている部屋の片付けの心配でもしていた方がいいかもな」

エーリカ「ええっ!片付けぇ!?」

バルクホルン「ここでの戦いが終わるとなれば、この基地からも離れることになる。自室の美化くらい、カールスラント軍人として当然の行いだ」

バルクホルン「……まさか、部屋をその状態にしたままここを発とうと思ってたわけではないな?」

エーリカ「それは違うけど……。はぁ、面倒くさーい」

バルクホルン「私も手伝うからちゃんとやれ。ああ、それと俺にも手伝ってもらおうかな」

エーリカ「いいね。馬車馬のように働いてもらおっと」

バルクホルン「言っておくが、ちゃんと自分もやるんだぞ」

エーリカ「……あ、そう言えば俺のことなんだけどさ」

バルクホルン「何だ?」

エーリカ「トゥルーデ、俺に”好き”って言ったの?」

バルクホルン「え、えええっ!?」

エーリカ「言ってないの?あ、それとも言われたのかな」

バルクホルン「い、いきなり何を言うんだ」

エーリカ「わかるよ。だってトゥルーデのことだもん」

バルクホルン「う……」

エーリカ「セバーン島に行って戻って来てから2人の間の雰囲気が変わった気がするし、島で何かあったんでしょ」

バルクホルン「わ、私は別に何にも……」

エーリカ「はいはいわかったわかった。わかっているからぁ~」 ニヤニヤ

バルクホルン「フラウ!」

エーリカ「にゃはははー。それよりもさ、いいの?俺に会いにいかなくて」

バルクホルン「夕食のとき普通に一緒だっただろう。それにもう寝ているかもしれない。だからいい」

エーリカ「へぇー。本当にいいんだ」

バルクホルン「…………」

エーリカ「ところで、俺ってオペレーション・エピオンが終わったときに、私達に何も言わずに居なくなっちゃったよね」

バルクホルン「そのことは言うな。アイツにも事情があったんだ」

エーリカ「うん。だけどそれってさ、俺が物事を1人で背負い込みがちな性格ってことになるでしょ?」

バルクホルン「それはまぁ……間違ってはいないかもしれないが」

エーリカ「だからさ、また俺が何か重大なことを抱え込んでいて、今にも1人で先走っちゃう可能性が微粒子くらいのレベルで存在───」

バルクホルン「馬鹿なことを言っていないで早く寝ろ」 ゴロン

エーリカ「ちぇっ、なんだよー。奥手なトゥルーデの為に気を使ってあげたのに」

バルクホルン「…………」

エーリカ「あれ、寝ちゃった?」

エーリカ「……じゃあ私も寝よ。おやすみトゥルーデ……」 zZZ

バルクホルン「…………」

──────


俺『……ごめん、トゥルーデ』 チャキッ

ダルシム『01・・・!貴様、自害するつもりか!?』

ダルシム『やめろ01!貴様、自分が何をしているのか分かっているのか!私が死ねば、貴様も……!』

俺『悪いなクソジジィ。俺は、おまえに殺されるつもりはねぇよ』

ダルシム『貴様ァァァァァ!!!』

俺『……あんたは生きてくれ。それが俺の望みだ』


俺『さようなら。トゥルーデ』


(やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!!)


 パ ァ ン ッ !!


──────


バルクホルン「……っ!!?」 ガバッ!

バルクホルン「ゆ、夢……!?何て酷い夢だ!今更になってこんな……!」

エーリカ「……う~ん」 ゴロッ

バルクホルン「!」

エーリカ「はぅん……」 zZZ…

バルクホルン(起こさなくて済んだか……) ホッ

バルクホルン(なんだ、まだ寝てから30分しか経ってないじゃないか。あんな悪夢を見たせいで……くそっ)

バルクホルン(それにしても先程のあの光景……救出に向かった時にラオホウの甲板で、俺がダルシムを撃って私を逃がそうとしたところ……)

バルクホルン(本当なら私が俺に薬を飲まして首輪を解除し、そのまま奴らを取り押さえた筈だ。なのにさっきは、俺がそのままダルシムを撃って、首輪が……)

バルクホルン(くそっ、何故今になってこんな……!何だと言うんだこれは)

バルクホルン(それにこの感覚は、あの時に似ていて……)

バルクホルン(…………)

バルクホルン「……俺、まだ起きているだろうか」


<俺の部屋>

バルクホルン(結局ここに来てしまった)

俺「消灯過ぎてからくるのは初めてだっけ。トゥルーデも眠れなかったのか?」

俺(シャツとズボンだけって……かなり際疾い格好だなトゥルーデ。前くらい閉めないのか?……いや嬉しいけど)

バルクホルン「大体そんなところだ。おまえは何してたんだ」

俺「ん。コレッ」 スッ

バルクホルン「指輪……?」

俺「母さんの形見だよ。あのとき、親父に渡された奴さ」

バルクホルン「そうか。あの時の……」

俺「俺はこれ自体には何の思い出もないんだけどさ。こうして握っていると、不思議と体の底から力が湧いてくるような気がするんだ」

バルクホルン「ひょっとしたら、おまえの母が守ってくれているのかもしれないな」

俺「そうかもな。……それで、これ握りながら色々思い出してたら、こんな時間になっちまったんだ。トゥルーデは?」

バルクホルン「い、いや。私は……」

俺「あ。言いたくないなら無理に言わないでいいんだ。気にしないでくれ。決戦前だし、思うことも多いだろう」

バルクホルン(……首が飛ぶところを見たなんて言える筈もない)

俺「とにかく、落ち着くまではここに居なよ。俺はどこにも行かないからさ」 ニコッ

バルクホルン「っ・・・・・!」

ガバッ、ギュッ・・・!

俺「っ! トゥルーデ……?」

バルクホルン「……すまない。でも、約束して欲しいんだ」

バルクホルン「絶対に……絶対に死なないと!生き残ると!私を残して先に死んだりしないと、約束してくれ!」

俺「き、急にどうしたんだよトゥルーデ。いきなり抱きついて───……!」

バルクホルン「頼む……っ!」

俺(トゥルーデ……なんて消え入りそうな顔をしているんだ)

バルクホルン「…………」 ウルウル

俺「……大丈夫だトゥルーデ。俺は死なない」

バルクホルン「俺…………」

俺「約束するよ。だから、必ずみんなで帰ろうな」

バルクホルン「ああ……!信じているぞ、俺」

俺(やっと笑ってくれた……。どうやら俺は……まだまだ半人前らしいな。惚れた人にあんな顔させてしまうなんて)

俺(でも、トゥルーデはこんな俺に「信じてる」って言ってくれた。一度みんなを騙した俺に……)

俺(誰かを心の底から完全に信じるなんて、本当は出来ないことなのかもしれない。だけどそうだとしても、俺はトゥルーデの言葉に応えたい)

俺(この笑顔を守るのが……俺の戦いだ) ギュッ

バルクホルン「あ、俺……」

俺「…………」

バルクホルン(俺……本当は、またおまえが遠くに行ってしまうような気がしたんだ。まるで、あの時みたいに……)

バルクホルン(でもこうして俺に抱きしめられてると、その不安が嘘だったかのように消えて行くような気がする)

バルクホルン(心も……体も……あったかい。ずっとこうしていたい)

220 :試作な俺ー28話:2012/06/05(火) 02:09:13.53 ID:R5Udnen1O

バルクホルン「俺……離れたくない。今日はおまえと一緒に居たい」

バルクホルン「今夜はこのまま……ここに居させてくれ」

俺「ここに?」

バルクホルン「ダメ、か……?」

俺「いいや、ダメなモンか。俺もトゥルーデと一緒がいい」

バルクホルン「俺……んっ」 ドサッ

俺「トゥルーデ」 ギュッ

バルクホルン「俺……俺ぇ……っ」


2人はそのままベッドの上に倒れ込む

しばらくの間、2人だけの時間が流れていった

─────────
───────
─────
───


チュンチュン...

<朝・バルクホルンとエーリカの部屋>

ガチャッ……

バルクホルン「…………」 ソ~~~ッ

エーリカ「んん…………」 zZZ…

バルクホルン(よし。寝ているな) ソロリソロリ

エーリカ「あ、おはよートゥルーデ」 ムクリ

バルクホルン「! お、おおおはようハルトマン!1人で起きれたんだな!」

エーリカ「どーしたの?そんなに慌てて」

バルクホルン「えっいや、その、気にするな」

エーリカ「ふぅーん、怪しいなぁ……」 ジィー

バルクホルン「ははは……」

エーリカ「まぁいっか。それよりもさトゥルーデ、何かいいことでもあったの?」

バルクホルン「いいこと?」

エーリカ「うん、いいこと。だって昨日よりも、明らかに「吹っ切れた」って感じの顔しているんだもん」

バルクホルン「そうなのか……」


───30分ほど前

<俺の部屋>

俺「はい紅茶。それともコーヒーの方がいいか?」

バルクホルン「いや、大丈夫だ。ありがとう」

俺「眠れた?」

バルクホルン「ああ。体調は万全。作戦行動に支障は無いぞ」

俺「良かった。俺も眠れた。全力で戦える」

バルクホルン「……いよいよだな。今日がヴェネツィアの巣との……最後の戦いの日だ。もしも勝てなかったら、ロマーニャは……」

俺「不安か。なぁに、絶対に勝てるさ」

バルクホルン「俺……」

俺「大丈夫、トゥルーデは俺が守る。それに、俺の背中はトゥルーデが守ってくれるんだろ」

バルクホルン「勿論だ。絶対に守ってみせる……」

俺「みんなを死なせやしない。全員で生きて帰るんだ」

バルクホルン「ああ……!」

─────

<再びバルクホルンとエーリカの部屋>

エーリカ「……それで、何かいいことあったの?」

バルクホルン「それは内緒だ」

エーリカ「えぇーっ、ケチー」 ブーブー

バルクホルン「ダーメだ。プライベートだからな」


バルクホルン(どうやらエーリカには、私が抜け出して俺の部屋に行っていたことに気がつかれなかったようだ。よかった)

バルクホルン(普段口うるさく言っている手前、朝帰りしたなんてバレてしまったら何を言われるものかわからないからな)

エーリカ「あ、そうだトゥルーデ。それはそうとさー」

バルクホルン「ん、どうした?」



エーリカ「昨夜はお楽しみでしたね」 ニヤニヤ


バルクホルン「」


225 :試作な俺ー28話:2012/06/05(火) 02:20:38.40 ID:F6rSouTE0

バルクホルン「おおおおお前!いきなり何を言い出すんだ!」

エーリカ「あり、違った?こういう時に使う言葉じゃなかったっけ」

バルクホルン「それなら間違っていな……って、そうじゃない!だ、大体何故、急にそんなことを……」

エーリカ「だってトゥルーデ、夜の間に俺の部屋に行ってたでしょ」

バルクホルン「なっ・・・!」

エーリカ「夜中に一回起きちゃったらいないんだもん。わざわざ隠れて行くくらいなら、最初の時点で行けばよかったのにぃ」 ニンマリ

バルクホルン「べ、別に私は最初からそんなつもりだったわけじゃない。それに、俺とは、その……魔法力を失うようなことまではしていない」

エーリカ「『までは』って何だよー。じゃあ、それに似たようなことはしたんだね」

バルクホルン「! な、なぁっ……/////」 カァァ

エーリカ「エッチだねっ、トゥルーデ」

バルクホルン「ハルトマン!」

エーリカ「にゃはははー♪ これ以上聞くのも野暮だし、ウブなトゥルーデには可哀想だからこれぐらいにしといてあげる」

バルクホルン「こ、ここに座れ!ネウロイの前にまずお前の性根を叩き直してやるぅ!!!」

エーリカ「やーだよー」 テテテテ

バルクホルン「待ぁてー!!」

エーリカ「えへへ……」 テテテテ


(ごめんねトゥルーデ。さすがにちょっと野暮なこと言い過ぎだったよね。でも……)

(夜に一度起きた時、トゥルーデが居なくて少し寂しかったんだよ?……いや、寝る前にあんなこと言ってた私が言うのも矛盾してるけどさ)

(俺なら大丈夫だと思うけど……。トゥルーデのこと、大切にして。クリスとも仲良くしてあげて、浮気なんてサイテーなこと、絶対にしたりしないでね)

(もしもトゥルーデを泣かせたら承知しないんだから。泣かせちゃったその時は───)


(まず俺子にでもさせて、マジ泣きするまで苛めたうえに社会的に抹殺しちゃうから。だから、覚悟しててよね)

ガシッ!

エーリカ「はううっ!」

バルクホルン「ハールートーマーンーーッ!!」 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

エーリカ「や、やだなぁトゥルーデ。ほんの冗談だよ冗談。って、何でそんな目をしているの。ちょっと、何で目が本気───」

< ウギャァァァーーー


<俺の部屋>

俺(今なんか悲鳴が聞こえたような気が……いや、気のせいか)

俺(いよいよ始まる……。もう時間はない)

俺(02……06……みんな。俺、やるよ)

俺(親父……母さん……アンジェ)

俺(俺に力を貸してくれ……!)


俺は形見の指輪をポケットにしまい、ゆっくりと椅子から立ち上がる

戦いへの決意と共に、部屋を後にするのだった


続く
最終更新:2013年01月29日 15:41