最上の空陸両用 13
953 :最上さん:2011/06/03(金) 21:03:48
◆――――
俺「首尾よく転針、離脱できた…か」
俺「エイラ、そっちは大丈夫か?
お前の位置とは輸送機の胴体を挟んでいるのでそっちの様子が確認できない、応答してくれ」
俺「…エイラ?」
エイラ『聞こえてる』
俺「お前なあ、返事くらい普通にしろよ。心配するだろーが」
エイラ『…なあ、後ろ見てみろよ。
もう、サーニャの姿も見えなくなっちゃったな』
俺「…ん?
あ、ああ…まぁ、結構距離稼いだからな」
エイラ『でもさ、たまにチカチカ光るのは、ネウロイのビームなんだろうな。
サーニャのフリーガーハマーはさ、もうちょっと鈍くて大きな光なんだ』
俺「…エイラ?」
エイラ『きっと、まだ、サーニャは戦ってさえいないんだ。
私たちと輸送機を守るために、慎重にネウロイの位置を確認してシールドを張ってるに違いないんだ。
私たちを庇って、撃たれるままに、撃た、うたれてるんだ…』
954 :最上さん:2011/06/03(金) 21:04:36
俺「…エイラ、おい」
エイラ『私たちのために…私を守るために…わた、わたしがいるせいで…サーニャが…』
俺「それは違う、俺たちは3人で、この輸送機と搭乗員を助けるんだ。
サーニャがあそこに残ってるのはあくまでそういう役割だってだけで」
エイラ『わかってるよ!
そんな事オマエに言われなくたってわかってんだ!
でも、でも…わたしは…!』
俺「…そりゃそうだ。納得なんて、出来ない、な」
エイラ『え?』
俺「そうだよな、それが正しいから、とかそうするしかないから、とか。
そんなセリフで納得なんてできないよな、戦場に友達を一人で残すなんて」
エイラ『…ぐす』
俺「俺も、同じだ。いや、俺だって、とても…ある意味お前より辛いんだ」
俺「だって、子供だぞ…!
あんな小さくて、いい子を、いい大人が置いてけぼりにしたんだ…。
畜生、何が…なにが【三人の中で、それが出来るのは…】だ。
くそったれ!物分りがいいようなクチをききやがって、俺は…」
エイラ『オマエ…』
955 :最上さん:2011/06/03(金) 21:05:52
俺「…恨むんなら、俺だぞ、エイラ」
エイラ『え?』
俺「俺は、無力だ、ブザマだよ。
だけど、だからこそやれることは、やる。
絶対に、輸送機を守ってみせる」
エイラ『オマエ…』
俺「だから、エイラも一緒に…頼む。俺ひとりじゃ、ダメなんだ。
一人じゃ、コイツは運んでいけないから…。
そのために、割り切るために恨む相手が要るんなら、俺がなるからさ」
エイラ『…バカ』
俺「ん?」
エイラ『オマエって、ほんと、バカだよな。ばーか』
俺「!
…はっははは、そうかもな、俺ぁまったくのバカだわ。まぁひとつ頼むな、エイラ」
エイラ『うん』
どかん!
俺「うわっ!?」
エイラ『ひェッ!?』
956 :最上さん:2011/06/03(金) 21:06:50
俺「なに、なになに!?」
エイラ『見ろ、エンジンが…燃えてる!』
俺「なんで…まさか、最初の一撃目がかすってたのか?
にしたって脆すぎるだろ、ったくこれだから民間は!」
エイラ『推進力落ちてる、やば、重…っ』
俺「くお…待て待て待て、きっつ…!」
輸送機>チカッチカチカ
俺「ぐええ、おいおいおい、両手塞がってるからこっちは返事できねえぞ、っと…。
だああ、もー、りょおおおかい!!…聞こえたかな?」
俺「エイラ、今の爆発で輸送機の搭乗員に負傷者が出た、急がないとまずいけど…参るな」
エイラ『バカ!弱音吐いてる暇ないだろ、サーニャが…待ってんだぞ!』
俺「…ふぅ。オーライ、そうだよな。
こうなったら全力全開だ、さっさと運んじまおうぜ」
エイラ『おう!』
俺(…とはいえ、これはなかなかヘヴィだ。
意気込みだのなんだのの問題じゃなく、急がないと体力も魔力も持たねえ…)
957 :最上さん:2011/06/03(金) 21:07:46
◆――――
俺「よし…やっと、基地の、灯りが、みえてきた…」
エイラ『ゆ、ゆだんすんなよ、ちゃくりくのときがいちばんあぶねーんだぞ』
俺「お、お前、声がへろへろ、じゃねえか…」
エイラ『お、オマエだってこえにちからがはいってないぞ。 オトナなんだろ、しゃんと、しろよな』
俺「う…あいよ。よし、気合い、入れるぞ…!」
エイラ『おう…!』
俺「よし、ランディングアプローチに入る。エイラ、ちょっとそっちで支えててくれ、輸送機に発光信号送る」
俺「前方の滑走路に着陸する、こちらの指示に従いランディングせよ。まず、ギアダウン実施せよ」チカチカッ
俺「……あれ、応答がねえぞ。おい、ギアダウンだよ、ギ・ア・ダ・ウ・ン!タイヤおろせっつーの!」
輸送機>チカチカチカッ
俺「…は?おいおい笑えねーぞ、マジか?」
輸送機>チカッ
俺「マジかよ…」
エイラ『な、なんだよ、どうした?』
俺「…ギアダウン出来ない、故障でタイヤがでねーって…言ってる」
958 :最上さん:2011/06/03(金) 21:08:45
エイラ『た、タイヤがでないって…じゃあどうすんだよ…』
俺「胴体着陸しか、ないんじゃないか」
エイラ『う、海に落とす…っていうのは?』
俺「負傷者がいなけりゃ、そうも出来たかもしれないけどな…いや、もうこの高度じゃ無理だ。
輸送機の推進は死んでるし、この状況から方向転換して海に落とすなんて力技は、不可能だ」
エイラ『でも、胴体着陸って言ったってこんな重量のある輸送機、無事に着陸できる保証なんてないだろ!』
俺「わかってるよ…わかってる。考えてるからちょっと待て」
エイラ『機械が壊れてるったって、タイヤはちゃんとあるわけだろ?
なら無理やりタイヤを引き出しちまえばいいんじゃないのか?』
俺「んな無茶な…いや、待てよ…タイヤがありさえすればなんとかなるのか
…いや、それは…うわあマジか」
エイラ『…なんだよ、なんか思いついたのか?』
俺「………ああ、一応な。
タイヤは、輸送機にあるヤツ以外にもあることを思い出したんだ。
思い出しちまった」
エイラ『なんだって?』
俺「俺のストライカー。
Fw61の走行用ホイールで着陸する」
959 :最上さん:2011/06/03(金) 21:10:23
エイラ『で、でもオマエ、そんな事出来るのかよ…』
俺「出来るか、じゃなくてやるっきゃないだろ、この状況じゃ。
…まぁ、シールドで機体を押し上げてやればなんとかなる、んじゃねーかなあ、多分」
エイラ『た、たぶんかよ…』
俺「少なくともこのまま直接胴着させるよりはいくらかマシだ。
スピード落ちたら滑走路におっことして逃げるから潰されるこたあねーよ。
エイラは尾翼についてラダー役だ、横方向の微調整頼むぜ」
エイラ『お、おう…』
俺「というわけで、俺は機体の真下に着くぞー…っうわ、思ってたより重量感あるな。
…おし、こっちは準備おっけー。始めるぞエイラ、準備はいいか?」
エイラ『だ、だいじょうぶ…』
俺「よし行くぞ、ランディングアプローチ再開。
着陸速度を維持。進入角3.5…ちょっとキツい、こっちで微調整する」
エイラ『かか、風向きよし、し、進路よし…ちがう、ちょち右…うわ、行き過ぎた!』
俺「エイラ」
エイラ『ご、ごめん』
俺「…バカ、大丈夫だ。俺だって怖い」
エイラ『う、うん』
960 :最上さん:2011/06/03(金) 21:11:07
俺「高度300。エイラ、滑走路との並行は維持出来てる?」
エイラ『大丈夫、そっちは?』
俺「こっちもおっけー…さんにーいち、ぜろのカウントで俺はシールド展開して機体を抑えに掛かるから、
エイラは機体が横にぶっ倒れないように後ろで支えててくれるか?」
エイラ『わかってる、ドジるなよ』
俺「オーライ。
高度100、接地準備完了、さらに高度さがる」
俺「……!
さん、にー、いち」
「「 ぜ ろ ! 」」
がが、ぎゃりぎゃりぎゃりっ
俺「シールドよし、ぐおおっ…よし、着地!
おっしゃあああああ、とめるぞおおおおおお!」
エイラ『す、すごい、振動が…!』
961 :最上さん:2011/06/03(金) 21:11:58
きゅらきゅらきゅらぎゅらっ
俺「くうぅ…!」
エイラ『だ、大丈夫かあ!?』
俺「なんとか、な」
(やばい、単純に、重、い…!)
ぎゅきゅききぎゃぎゃぎゃりり
俺「あああああああっ!クソッタレがああああ!シールド、さいだい!!」ぎゅおん!
俺「ぬ…えいら、だいじょーぶか!?」
エイラ『わたしより、じぶんのしんぱいしろ…!』
俺「はは、おう。でも、もうちょい…もうちょいでスピードが落ちはじめて…」
ぱきょんっ!
俺(ぱきょ…ん?)
ずずずずぎゃごりごりごりごり
俺「…あ」
俺(右が…右の…ホイールが潰れて飛んだ…)
962 :最上さん:2011/06/03(金) 21:13:40
ぎゃりぎゃりぎゃりぎゃりぎゃり
ざり…ざりざりりっ
俺(急転直下で大ピンチだな…左足のホイールひとつじゃ、この重量を支えきれない。
このままだと、じき左のホイールも潰れて、その瞬間機体に潰されるか。
それとも大根おろしみたいに滑走路にすりおろされるかの二択だが…うわーどっちみち助からねーじゃんか。
死ぬ…し、死ぬ、よなこれ。うひあ、死ぬだって?)
俺「…なあ、エイラ」
俺(今すぐコイツを投げ捨てないと、助からない。でも、この速度で胴体着陸に入れば輸送機はどうなる…?)
エイラ『なんだよこんな時に、どうかしたのか?』
俺(まるでマッチをすったように底面が燃え始めて、そこから先は…どうかな。
最悪の場合、燃料に引火してどかんってところか。爆発半径はどれくらいになるかな。
輸送機に燃料捨てさす余裕があればよかったんだが、でもほとんどぶっ壊れてた感じだし、無理だったかな)
俺「エイラ」
エイラ『なんだよ、もっとおおきいこえでいえよきこえない』
俺「逃げろ。右の車輪が死んだ。左足だけじゃこの重量を支えられない、だから」
エイラ『え…?』
俺「…ごめんな、やっぱりちょっと、無茶だった。俺も、ひょっとしたらこの輸送機もダメかもしんない。
だから…せめてエイラだけでも助かって欲しい、逃げろ」
俺(ああ、やっぱり最後の最後まで、俺は降りない…っていうか降りられないわな)
963 :最上さん:2011/06/03(金) 21:15:12
エイラ『な、なにいってんだよばか、オマエなにいってるかわかってんのか?』
俺「すぐ、そこから離れろ。最悪の場合、輸送機の燃料に引火して大爆発を起こす危険がある」
エイラ『…イヤだ』
俺「エイラ、ワガママ言ってるヒマはねえんだ」
エイラ『いやだ、いやだ!なんでひとりで死ぬ気になってんだよ、バカ!』
俺「たのむ、もうそんなには持たない…!
お前になんかあったら、サーニャにあわす顔がない」
エイラ『死んだら…死んじゃったらそもそもサーニャに会えないだろ!』
俺「……!」
エイラ『ひとりでかっこ付けるな、バカ!こんなの、私が力いっぱいひっぱってやれば…!』
俺「…すまん、ありがとうなエイラ。…でも、もう限界みたいだ」
ざりざりざりざりざり…ぱき
俺「もう、ダメだ…!」
「まったく、ふたりとも大馬鹿者だ」
どしん!
964 :最上さん:2011/06/03(金) 21:16:26
俺「……!」
エイラ『う…ううう…!』
俺「…爆発…して、ない?
っていうか、あれ、なんか、急に輸送機が軽くなったような」
エイラ『スピードが落ち始めた…?』
ずず、ずずず…ぴた
俺「…とまった?」
バルクホルン「とまった、ではない。
さっさと輸送機の下から除け、<俺>少尉」
エイラ『ば、バルクホルン、たいい…?』
俺「バルクホルンさん!?」
バルクホルン「まったく、力押しにしたって無理があるだろう…よい、せ!」どざっ!
エイラ『まさか、大尉が輸送機を止めてくれたのか?』
俺「ゆ、輸送機の鼻っ柱を掴んで持ち上げるなんて…すごい」
バルクホルン「私だけじゃないぞ。すでにミーナを始めとした各員が対応に当たっている」
ミーナ「輸送機の着陸を確認しました、整備班と消化班は火災と二次災害の予防を開始してください。
医療班は大至急負傷者の搬送と救命処置を。宮藤さん、リーネさんもよろしくね」
965 :最上さん:2011/06/03(金) 21:17:02
◆――――
エイラ「く、くたびれた…」ばたんきゅー
俺「……」ばたんきゅー
ミーナ「ふたりともご苦労様。大変だったみたいね」
バルクホルン「しかし、状況が逼迫していたとは言え、一歩間違えばどうなっていたかわかっているのか。
もっと安全な方法を採ることはできなかったのか?」
俺「…すみません」
エイラ「でも、あんな状況じゃああするしかなかったじゃないか」
バルクホルン「だが、もう少し連絡を密に取っていればだな…」
エイラ「こっちはエンジンの死んだ輸送機を担いでたんだぞ、そんな余裕ねーよ」
俺「…いや、実際にバルクホルンさんがいなければヤバかった以上、俺らの落ち度ではある。
すみません、ミーナ中佐、バルクホルン大尉。責任はとります」
バルクホルン「む…いや、別に糾弾するような意図ではなくてだな、その、あまり心配をだな…」
ミーナ「まぁまぁ…トゥルーデの気持ちはきっと伝わっているわよ、ね?」
エイラ「…ん。助けてくれてありがとう、バルクホルン大尉」
バルクホルン「あ、ああ…その。わかってくれたのなら、いい。
お前たちに何かあっては、サーニャも心配するし…」
966 :最上さん:2011/06/03(金) 21:17:54
エイラ「さ、サーニャ!」がばっ!
バルクホルン「!?」
エイラ「うわー、私ったら、何をのんびりやってんだ、私のバカバカバカ!
って、そんなことより…サーニャが待ってる、いかなきゃ!」どばしゅーん!
俺「!」
ミーナ「え、えいら…さん?」
バルクホルン「あ、あいつめ…あっという間に飛び出していってしまった」
俺「…アイツ、ほんとすっげーな…マジだよなあ。
本当に、サーニャの事大切にしてるんだ」
ミーナ「…エイラさんったら、話も聞かずに行ってしまったわね。
すでに基地からは坂本少佐たちがスクランブルでサーニャさんのもとにむかっているっていうのに」
俺「そうなんですか。じゃあ、多分サーニャさんは大丈夫だな。
…よし、じゃあ俺も、行きます」ぶぉろろろろろ
ミーナ「!?
ちょっと待ちなさい、<俺>さん」
俺「はい」
ミーナ「あなたの飛行を認めるわけにはいきません、待機なさい」
俺「はい?」
967 :名無しの俺:2011/06/03(金) 21:18:00 ID:pGtrAh0Q
お姉ちゃんスゲエ
支援
968 :最上さん:2011/06/03(金) 21:19:21
俺「どういう、事でしょうか?」
バルクホルン「言わずともわかるだろう、お前のストライカーは見ての通り半壊状態だ。
発進許可なぞ出せるはずがないだろう」
俺(ふむ……)ぼすん、ぷしゅーん
俺「大丈夫、飛べますよ。ストライカーについては、穿いてる人間が一番わかるんです、だからだいじょうぶ」
ミーナ「あなたはすでに長時間の飛行、そして先程の強制着陸のために魔力をほとんど使い果たしているはずです。
今はおとなしく静養しなさい」
俺「このFw61はポンコツだけど、飛ぶのに魔力が多く要らないってのが数少ない利点でしてね、大丈夫、行けますよ」
ミーナ「そういうことを問題にしているわけじゃないくらい、あなたならわかるでしょう!」
俺「!!」
バルクホルン「み、ミーナ…」
ミーナ「<俺>少尉、もう一度言います。
ストライカーユニットを脱いで、自室にて待機しなさい」
俺「…それは命令、ですか?」
ミーナ「そう捉えてもらってかまいません」
俺「…すみません、抗命します」
ミーナ「<俺>さん!」
969 :最上さん:2011/06/03(金) 21:21:54
ミーナ「サーニャさんを心配しているなら大丈夫、坂本少佐たちが向かっているわ。
あなたもさっき聞いたでしょう?」
俺「ええ、聞きました。 でもそういう問題じゃないんです」
ミーナ「…なら、どういう問題なのかしら」
俺「俺は、サーニャを放っておけません。
俺は…俺と、エイラは、同じ夜間哨戒班だから。俺は、迎えに行かなきゃならない。
同じ仲間の俺が迎えに行かなきゃ、ウソだ」
ミーナ「……」
俺「エイラのヤツが、約束したんです。ぜったい助けにくるから、って。俺も、同じ気持ちです。
例え無事かもしれなくても、ここでただ待ってるなんて、俺にはできない。
そんな事をしたら、俺は、もうサーニャと一緒に空を飛べない…だから」
俺「…いえ、すいません。なんだかんだと理屈をこねちゃあいますが、結局のところ、これは俺のワガママです。
サーニャが心配で、ただ、サーニャのところに行きたいだけ、です」
ミーナ「……。
かならず。かならず3人で帰ってきなさい。これは命令です、絶対に実行しなさい」
俺「…はい!」どしゅん!
バルクホルン「…いいのか、ミーナ」
ミーナ「…やっぱり、<俺>さんも、扶桑のウィッチ、なのね」ふぅ…
970 :最上さん:2011/06/03(金) 21:23:28
俺「よし、いいぞ、飛べる飛べる…高度1000…2000…いいよいいよー」ぶぉろろろろろろろろ…ぽすん
俺「ん?」
…ひゅーっ
俺「…ひいぃ、落ちてる落ちてる!
エンジン再起動、再起動…うわ、やべえ落ち着け俺!」ひゅー
俺「あわわわわ!
地面とキスする5秒まえ、よん、さん、にい、いひひひひひひーー…!」
ばしっ
エイラ「…ったく、危なっかしくてみてらんねー」
俺「え、エイラ!?
おまえ、先に行ってたんじゃないのかよ!」
エイラ「そのつもりだったけどな。 でも、その…」
俺「…ひょっとして、俺が心配になって戻ってきてくれたのか?」
エイラ「!!
そ、そんなわけないだろ!たまたまだ、たまたま」
俺「…そっか。助かったよ、エイラ。ネコみたいに首掴まれてるのはちょっと痛いけど」
エイラ「ば、バカ…。
いいから、さっさと魔導エンジンのリスタートしろよな」
971 :最上さん:2011/06/03(金) 21:24:22
◆――――
エイラ「サーニャ、サーニャあ!
どこだー!?」
俺「このあたりのはずなんだが…戦場が移動したのか?
それとも、まさか…」
エイラ「――そ、そんなわけないだろ!変なコト言うと怒るぞ!」
俺「ちげーよ早まるな。
…お前は聞いてないから無理もねーけど、もうすでに坂本少佐たちがスクランブルで来てるはずなんだよ。
ひょっとしたらもうとっくにネウロイやっつけて、あっちは帰りで行き違いになってるんじゃねーかな、とか」
エイラ「そ、そっか…少佐たちが来てくれたのか。
そっか、それならもう帰ってる可能性も、あるよな…」
俺「……。
いや、もうちょっと探そうぜ」
エイラ「でも、もう…」
俺「お前が助けに行く、って言ったんだろ、なら…待ってるかもしれないじゃんか」
エイラ「うん…」
『…エイラ』ざざっ
エイラ「!」
972 :最上さん:2011/06/03(金) 21:26:02
エイラ「サーニャ…サーニャの声が…聞こえたよな?な?」
俺「聞こえた。…ああ、ほらあっちあっち」 -ω・)ァ チョイチョイ
エイラ「…あ!」
サーニャ「エイラ…やっぱり、きてくれた」
エイラ「さーにゃ…サーニャああああ!!」だきっ
サーニャ「あう…もう、エイラったら…。ありがとう」ぎゅ…
エイラ「サーニャ…よかった、よかったようぅ」
坂本「サーニャが『必ず来る』と言ったから待っていたが…本当に来るとはな。
ミーナから聞いたぞ、ずいぶん無茶をしたみたいじゃないか」
ペリーヌ「きゃ…あなたのストライカー、ボロボロじゃありませんの。よく飛べましたわね」
俺「ははは…まぁ、ご都合主義と結果オーライ、って事で」
エーリカ「エイラとサーニャ、頑張ったねえ」
俺「…うん」
エーリカ「<俺>も、ふたりを助けてくれてありがと」
俺「あはは、たいした事はしてないけど…まぁ、どういたしまして」
973 :最上さん:2011/06/03(金) 21:27:26
翌朝、ブリーフィングルーム
………
……
…
ミーナ「みんな、昨日はご苦労様。
思った以上に大忙しな一夜だったわね」
シャーリー「出撃した連中も大変だったろうけど、基地にいたあたしたちも大変だったぞ。
あのあと、輸送機に積んでた物資のなかに急ぎの手術で使う輸血用血液がある、とか言われて
荷物と技師をストライカーで超特急で運ばされたりな」
ペリーヌ「そんな事がありましたの?」
ルッキーニ「ねーむーいー」
バルクホルン「まあ、最終的に犠牲者が出なかったのは幸いだが、な」
宮藤「そうですね、みんな助けられてよかったです」
エーリカ「手術も無事に成功したみたいだしね。ほら、新聞に載ってる」びらっ
リーネ「わあ、本当だ。よかった」
シャーリー「おお、見ろルッキーニ!あたしとお前が病院に着いたときの写真が一面に載ってるぞ」
ルッキーニ「ホント!?うひゃー、やったあ」
坂本「ほらほら、そこまでにしろ。朝のミーティングを始めるぞ」
974 :最上さん:2011/06/03(金) 21:28:49
坂本「ん? 夜間哨戒組の3人はまだ着ていないようだな…まあ、明け方までごたごたしていたからな。
今頃は風呂にでも入ってるか、ベッドの中か」
ミーナ「3人には、あとで別個に話をしておくことにしましょう。それでは、ミーティングを…」
サーニャ「遅れました、すいません」とてとて
エイラ「みんな、おっはよー」てくてく
バルクホルン「ふたりとも、おはよう。眠っていたんじゃなかったのか」
エイラ「そのつもりだったけどさ、なんか目が冴えちゃって…ミーティング出て朝飯だけ食って寝よう、って」
坂本「ふたりとも、昨夜はご苦労だった、さあ、座れ」
宮藤「あれ、<俺>さんは一緒じゃなかったの?」
サーニャ「帰ってきた後、<俺>さんは軽く食事してからお風呂にはいる、って言ってたから…
わたしとエイラはサウナに行くことにしたから、そこで別れたの」
エイラ「にひひ」
坂本「まだ風呂に入っているのかもな…まさか、中で寝潰れていないだろうな?
ちょっと様子を見に行ってみるか」
ミーナ「み、美緒!いいえ、坂本少佐…それは、当番兵の人に命じておくから、いいのよ」
坂本「そうか。まぁそれならば、改めて朝のミーティングを…」
「 エイラああああああああああああああ ! ! ! 」
975 :最上さん:2011/06/03(金) 21:31:44
ミーナ「なに、誰の声…<俺>さん!?」
どたどたどた…ばたーん!
坂本「騒がしいぞ、<俺>!なに…を…む…なに…」
シャーリー「ほぇ、どーした…ぶ、だーはっはっはっはっは!」
宮藤「どうしたんですか…ぷっ」
ペリーヌ「<俺>さん、そ、それは…?」
エイラ「にひひ」
俺「エイラ、てめえやってくれたなあああ!」
∧ ∧
俺 :(#゚Д゚)ゴルァ!! ニヤニヤ
(・∀・ )エイラ
サーニャ「ネコペンギンの、着ぐるみ…」ぽっ…
バルクホルン「お、おい<俺>、お前というヤツは、なんという格好で…」
エーリカ「ぷぷぷ、くすくすくす…で、どったの?」
∧ ∧
俺:(#゚Д゚)「ぜんぶコイツの仕業です、コイツの!」
エイラ「にへへ、サーニャが一度オマエのネコペン姿をみたいって言ってたからさあ、
ちょっと風呂場に忍びこんで服を取り替えっこしておいたんだ」
976 :最上さん:2011/06/03(金) 21:32:57
リーネ「くすくす…だめ、だめよ笑っちゃ…くすくす」
∧ ∧
俺 (;・ω・)「うう、恥ずかしい…おいエイラ、俺の服どこに隠したか正直に吐け」
エイラ「オマエの部屋にあった他の着替えもあわせて洗濯かごの中に放りこんでおいたぞ。
今日はいい天気だし、よく乾くだろうな。服をキレイにしてやったんだからありがたく思えよ」
宮藤「そういえば、<俺>さんの服が妙にたくさん入ってた気がする…普通に洗濯しちゃいましたけど」
∧ ∧
俺(;゙゚'ω゚'):「ばっきゃろ…予備の服は最上にしかねーんだぞ!」
エイラ「なら代わりの服を船に取りに行ってくればいいじゃないか。ま、今日一日それで過ごすのもいいんじゃないか?」
バルクホルン「やれやれ、なんということを…」
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「ぷっちーん!さすがに温厚な俺も怒った」
エイラ「怒ったあ?フフン、どうしよってんだ」
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「お前みたいな悪ガキを折檻するときにはな、こうするって相場が決まってんだ。
おりゃくらええ、扶桑伝統のウメボシの刑だー!」
ぐりぐりぐりぐり
エイラ「いってええええええ!
おいバカ、ヤメロこれマジで痛いって!」
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「うりうりうりうり、まだまだこんなもんじゃすまないぞー!」
エイラ「うにゃあああああああ!」じたばたじたばた
977 :名無しの俺:2011/06/03(金) 21:33:11 ID:Jkk9RKL.
顔文字ww
支援
978 :最上さん:2011/06/03(金) 21:34:32
坂本「こら、ふたりともやめないか!今はブリーフィング中だぞ」
∧ ∧
俺 (`・ω・)「すみません坂本少佐、
でもこーいう悪ガキにはその場で教え込まないとダメなんです!どーだ、反省したか!」
エイラ「ぐおおおおお、うあああああ、まだまだあああ!」じたばた
バルクホルン「まったく…この前の一件から、少しは仲も直ったとおもったらこれだ。
やれやれ、この二人の仲が悪いのはどうにもならんのか」
サーニャ「ふふ…バルクホルンさん、仲が悪いどころか、エイラと<俺>さんはすっかり仲良しです」
バルクホルン「しかしサーニャ、見ての通り今もケンカを…」
エーリカ「…ああ、そういう事かあ!」
宮藤「え、なにがどういう事なんですか?」
エーリカ「トゥルーデも宮藤もにっぶいなあ。前にも似たようなシチュエーションあったじゃん」
リーネ「そういえば、この前もエイラさんが悪戯で<俺>さんを怒らせて…あ、なるほど!」
バルクホルン「なんだ、いったいどういう事なんだリーネ!?」
エーリカ「あーダメダメ、答えをそのまま言ったら面白くないから、ヒントだけね。
ヒントは、エイラの固有魔法、だよ」
宮藤「…あー、そっか、そういう事ですかあ」
バルクホルン「み、宮藤もわかったのか…むむむ、いったいどういう事だ…?」
979 :最上さん:2011/06/03(金) 21:36:26
ミーナ「ふたりとも、ちょっと落ち着いて…<俺>さんも、その…こらえて、ね?」
∧ ∧
俺 (`・ω・)「はあ…まぁ、さすがにエイラも少しは懲りたでしょうし、その…どうだ?」
エイラ「いてて…わかったよちくしょー、私もちょっとやりすぎたよ、わりい」
∧ ∧
俺(`・ω・)ゞ ビシッ 「というわけで…失礼しました、ミーナ中佐。ブリーフィングを…」
ミーナ「…… ぷっ!」
∧ ∧
俺( д) ゜゜「…!?」
ミーナ「あ…ご、ごめんなさい…その、その格好で大真面目に敬礼されると、かえってシュールで…」くつくつ
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「み、ミーナ中佐にまで笑われた…くおおおおおおおっ!
……えーいーらああああああ?」
エイラ「ぎくっ!な、なんだよもうハンセイしたろっ」
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「やっぱそういう問題じゃねえ!今すぐ俺の着替えをどうにかしろ、今すぐ!なう!」
エイラ「そ、そんな事言われたってさあ…そりゃ、無理ってもんだろ…。逃げよっ」ばたたた
∧ ∧
俺 (#゚Д゚)「あ、こら待てエイラ!責任とれー!」どたどた
エイラ「取れるかー!」ばたたた
どたばたどたばた
坂本「…………」ぶちっ!
980 :最上さん:2011/06/03(金) 21:36:59
坂本「いいかげんにしろ、このおおばかものどもがー!!!」
981 :最上さん 〆パート:2011/06/03(金) 21:39:37
――――
エイラ「ちぇー、頭ぶんなぐられた上にバケツ持って滑走路で立ってろ、とかカンベンしてくれよー」
∧ ∧
俺 (´-ω-)「俺だって巻き添えを食ってるんだぞ、ガマンしろ。
しかも俺は着ぐるみのままだぞ。思いっきり生き恥晒しまくりじゃねーか…」
エイラ「あー…いや、さすがにちょっと本気でごめん。
その姿で外に立たされるのはちょっとキツイよな…」
∧ ∧
俺 (´-ω・)「反省したか?ならもういいよ、今回は許してやる。
まあ、次からはせめて替えの服はとっておいてくれると助かるが、な」
エイラ「うん…。 ところでさ、その…サーニャ?」
サーニャ「なに、エイラ?」
エイラ「サーニャは、別に悪いことしてないんだから、私たちと一緒にバツをうける必要なんかないんだぞ?」
∧ ∧
俺 (´・ω・`)「うん、そーだな。バケツだって重いだろうに、なんで俺たちに付き合ってるんだ?」
サーニャ「ふふ。だって、わたしたちは三人で夜間哨戒班、でしょ。
だから、バツをうけるなら、わたしもいっしょ。いっしょにしたいの」
エイラ「サーニャ…ありがとな」
サーニャ「ううん。それに、<俺>さんのネコペンギン姿、もっとちゃんと見たかったから…」
「「え?」」
(・×・)お、おわり…なんだナ?
982 :名無しの俺:2011/06/03(金) 21:40:12
というわけで今回はここまでです。
ではまた
983 :名無しの俺:2011/06/03(金) 21:41:31 ID:Jkk9RKL.
乙!!
いやあいい話でした
984 :名無しの俺:2011/06/03(金) 21:46:59 ID:r0ZpMwIA
おつ
ネコペンギンの着ぐるみ・・・
どんなのだろ
985 :名無しの俺:2011/06/03(金) 22:01:05 ID:WX5HYfPI
乙乙
次スレの季節だねラウラちゃん
986 :名無しの俺:2011/06/03(金) 22:08:32 ID:gc4iLfhk
たまにはトートさんのことも思い出してやれよちゅっちゅ
987 :名無しの俺:2011/06/04(土) 01:13:08 ID:9HyThBIk
乙!
俺かわいい
今回はここまでです
今回では最上さんのいちエピソードのほか、エイラーニャにおける「私がサーニャを守る!」っていう
テーマに対して、1期/2期6話のように直接守れないような場面での話を書いてみる、という目的がありました。
結果できたモノは原作のオマージュのような、ある意味アンチのような、はたまた関係ないような…うーん。
エイラと<俺>が仲良くなったように思えないお姉ちゃんは
このあたりから
振り返るといいんじゃないかな。
最終更新:2013年01月30日 14:16