最上の空陸両用 16
(仮出来)
296 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 20:51:03.16
ふたたび資料室
………
……
…
俺「作戦会議再開、っと。
まぁさしあたっての結論としては…2対2になったらほぼ勝ち目がないって事だな」
ペリーヌ「どちらか一人だけでも厄介なのに、二人に連携して掛かられたら手のつけようがありませんわね」
俺「特に俺のFw61はどっちかというとドッグファイト向きの機体ではあるけど
まっとうな空中戦を想定した場合、スピードがとにかく死んでるからなあ。
まぁアレの空戦モードにしたって、もともとの設計思想が地上支援だから仕方ないんだけど」
ペリーヌ「足並みを揃えて飛ぶ、ということはつまり、どうしても足の遅い方に合わせることになりますものね。
…そういえば今回の戦闘演習ではストライカーの選択も許可されているんでしょう、
零式戦闘脚か少佐の紫電改をお使いになったほうがよろしいのでは?」
俺「確かに零式だったら完熟訓練が済んでるから取り扱いはできるけど、カールスラントの新型に対抗できるかな。
紫電改ならなんとかなるかも知れないけど、使ったことない機体でぶっつけ本番で性能を引き出せるか不安だ」
ペリーヌ「そう、ですの」
俺「うーん…その、ごめん」
ペリーヌ「え?」
俺「俺が、最初からちゃんと頑張ってればひょっとしたら選択肢もまだあったかも知れない、と思って」
ペリーヌ「……。あのね、いくらなんでも一日で新しい機体に完熟なんて出来るわけないでしょう。
そもそも今回は期限が短すぎるのだし、今のわたくし達にできることだけで立ち向かうしかないですわ」
297 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 20:55:54.30 ID:nArVSyoi0
ペリーヌさんペロペロ支援
298 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 20:56:54.34
チクタクチクタク
………
俺「…さて、勝ちを得たいなら、1対2、ないしは」
ペリーヌ「1対1、ですわね」
俺「理屈ではそうなるけど…1対1でやりあった場合は俺だと、多分勝率は2割くらいかな…。
ペリーヌさんは?」
ペリーヌ「五分、と言いたいところですけど、正直なところ3割いけば上等というところ、ですわね
もちろんこちらが優位を取れてればかなり有利に戦えると思いますけど」
俺「…だとすると、考えなきゃならないのは、1対1を2組創り上げるとした場合、
それを如何にしてこっちの有利な状況に仕上げていくか、だね」
ペリーヌ「高度なら相手よりもより高く、ドッグファイトであればより一方的に撃ちやすい位置で。
戦闘が始まる前にそういう環境づくりができればベストですわね」
俺「今回は同位反航戦だったっけ。
同高度から巡航速度で対向して、すれ違った瞬間にスタート、だよね」
ペリーヌ「ええ」
俺「となると勝負は開戦直後、か」
ペリーヌ「最初の行動が勝敗をわけますわね。慎重に、方針を練りましょう」
俺「まぁ最初の一合目で叩き落されたりしたら作戦以前の問題だし目も当てられないけど、ははは…」
ペリーヌ「そ、それは言わないお約束ですわ!」
299 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 20:59:23.54
チクタクチクタクチクタク
………
俺「戦闘に使えそうな地形はあるかな?」
ペリーヌ「ち、地形ですか…? ええと、これがこの辺り一帯の地図ですわ」ばさっ
俺「ありがとう。…そういえば、明日の天気は晴れなんだっけ」
ペリーヌ「ええ、観測所からの通知では、雲もほとんど出ないほどの快晴ですわ。
雲を使って隠れたり、なんて小技は使えそうにありませんわ。
まぁ、実際に雲の中に入ったらペナルティをもらうでしょうけど、視界を殺す手段がないのは厄介ですわね」
俺「そっか…えーっと、ここが基地、そっちが広葉樹林で…ここから先は海だよね。
例えば戦闘のさなかに俺がこっそり海にもぐって、スキを突いて奇襲、っていうのは?」
ペリーヌ「海に落ちたら普通に墜落扱いだと思いますし、下手すればそのまま訓練中止、捜索開始ですわ。
だいいち、あなたがこっそり潜ってる間、わたくし一人にあの二人をおさえろと?」
俺「むむむ」
ペリーヌ「あの…ほとんど上空での戦いになるのだし、そもそも地上の地形なんて覚えても意味はないと思いますけど?」
俺「うーん…いや、ちょっと待った。『ここ』は、どうだろう?」
ペリーヌ「え、ここは……えと、何を考えていらっしゃるの?」
俺「多少の無理くらい通せなくちゃ勝てない…かなとか。例えば」ごにょごにょ
ペリーヌ「あ、なるほど…って、結構ムチャですわね。
確かに、一考の余地はありますけど…となると、どうやってそこに相手を誘引するかが問題じゃなくて?」
300 :最上の空陸両用 「投下したいんだけど」って方いらっしゃるかしら?[sage]:2012/01/27(金) 21:00:51.61
そして夜、執務室
………
……
…
ミーナ「…そう。ペリーヌさんを選んだ理由については、わかったわ」
坂本「まあ、私の見立て通りうまく行ってくれるかは、なんとも言えん。
うまく行ってほしいものだが……む。
もうこんな時間か」
ミーナ「今日も行くの?」
坂本「ああ。
多分今日もあそこにいるだろうからな」
ミーナ「ペリーヌさんに、身体を大事にするように伝えて頂戴」
坂本「ああ、わかっている。
では、しばらくたのむ」
ばたん
……
…
ミーナ「…私が<俺>さんを気にかけているのとは別の意味で、美緒は<俺>さんに執心している気がするわね。
同じ扶桑のウィッチだから、にしてもちょっと…」
ミーナ「…!
ひょっとして美緒、あなた…」
301 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:06:19.76 ID:nArVSyoi0
支援ー
302 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:06:41.81
みたび資料室
………
……
…
ペリーヌ「……こんなところ、かしらね」
俺「とりあえず、机上で考えられる手はこれで限界かな。
こっち側の戦術の大方針と、相手側の動きと合わせたシナリオが3つ、か。
…まぁ、正直言ってこの作戦どおりちゃんとやりきれるか不安だけど…」
ペリーヌ「やってみるしかありませんわね。
でも、本当にこの作戦で大丈夫ですの?
想定通りいけば、<俺>さんは結構危ないことになる可能性もありますけど…」
俺「仕事の難しさでいえば、ペリーヌさんのほうが断然上だよ。
最後のトドメもペリーヌさんにやってもらわないといけないしね。
…それにしても一度くらいはリハーサルしておきたかったところだけど、残念だな」
ペリーヌ「まあ、仕方ありませんわね。
でも、時間がなかったのは向こうも同じですもの。
この作戦で実力差を埋められることを期待しましょう」
俺「そうだね。
…でも、必ずしも絶望的じゃないってことはわかったよ。
やりようによっては、なんとかなるかなってくらいには」
ペリーヌ「ですわね」
俺「よし、作戦会議、しゅうりょー…お疲れ様でした」
303 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:11:48.63 ID:KIlPvOQm0
支援支援
304 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:12:18.55
ペリーヌ「あの…<俺>さん、本当にありがとうございました」
俺「ん?」
ペリーヌ「わたくし一人では、ここまで具体的な作戦を完成させることはできなかったと思います。
やっぱり、ひとと一緒に考えると発想が広がりますわね」
俺「いやそんな。礼を言うのは俺の方だよ。ありがとう、ペリーヌさん。
いままでずっと中途半端だった俺だけど、こうして精一杯頑張れてるのはペリーヌさんのおかげだと思う」
ペリーヌ「そ、そんなことはありませんわ。
そんなことより、昨日あなたにひどい事を言ってしまったこと、気になってたんですの」
俺「あー…えーと、いい一喝だったよ、あれは」
ペリーヌ「あの時はもう、本当に頭に血がのぼってしまって…。殿方にあんな言葉を言うなんて初めてで、もう」
俺「あはは、そうだったんだ」
ペリーヌ「……ふふ。ああもう恥ずかしいですわ」くすくす
「「 」」くすくす
「「……」」
「「…あの」」
扉<ばたーん!
坂本「こらお前たち、またこんな時間まで!」
305 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:13:11.38 ID:ShLRnqv0O
これは期待
支援支援
306 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:16:25.17 ID:dL56u5xh0
しえんえn
307 :最上の空陸両用 支援たすかるます[sage]:2012/01/27(金) 21:17:24.66
坂本「お前たち、なに二人して尻餅なんぞついてるんだ?」
俺「はは…ちょっとびっくりしまして。すいません」
ペリーヌ「いたた…て、あわわ、しょ、少佐!
その、わたくしたちは」
坂本「まったく…明日が本番だからとのめり込む気持ちはわかるが、あまり遅くなると体に良くないぞ。
せっかくがんばったのに、体調が悪いせいで全力がだせなくなったらもったいないだろう」
ペリーヌ「申し訳ありません、少佐…」
俺「すみません、坂本少佐」
坂本「まあいい。廊下で待っているから、後片付けをして出てこい」すたすた
俺「……かたそうか」
ペリーヌ「そうですわね」
俺「じゃあ、俺は資料を棚に返してくるから、ペリーヌさんはテーブルをきれいにしておいてくださいな」よいしょっと
ペリーヌ「資料はそっちの奥の棚です、お願いしますわね」
……
…
俺「よし、この棚に返せば…って、これだけの冊数を抱えながら片手で作業するのはあぶな…わわっ」どさどさどさっ
俺「だあああっ、何冊かおっことしてしまった。拾わなきゃ。
あ。こ、この資料は……!?」
308 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:19:13.71 ID:nArVSyoi0
支援っと
309 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:21:30.10
廊下
………
……
…
ペリーヌ「おまたせいたしました、坂本少佐」
坂本「来たな。
ではいくか」
ペリーヌ「はい」
俺「はい」
……
…
坂本「で、ペリーヌ。
明日の準備はどんな具合だ?」
ペリーヌ「は、はい!
作戦はその、わたくしたちなりに、満足できる内容にしあがったかと思います。
あとは実際に考えたとおりに動けるかどうか、だと思いますけれど…」
坂本「そうか。
期待しているぞ、ペリーヌ」
ペリーヌ「光栄です、少佐!
わたくし、頑張りますわ!」
俺(ペリーヌさん、嬉しそうだな)
310 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:26:16.04 ID:9jwWa9sVO
支援
311 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:27:23.59
ペリーヌ、リーネ、宮藤の部屋の前
………
……
…
ペリーヌ「それでは少佐、<俺>さん。
わたくしはこれで失礼致します」
坂本「ゆっくり休めよ、ペリーヌ」
ペリーヌ「はい、少佐。
では、おやすみなさい」
俺「おやすみなさい、ペリーヌさん」
ペリーヌ「おやすみなさい、<俺>さん。
…明日は、よろしくお願いします」
ぱたん
俺「では、わたしも失礼します、少佐」
坂本「まあ待て。
<俺>の部屋は、みんなの部屋からは若干離れたところにあったな?」
俺「え? ええはい、まぁ」
坂本「せっかくだから送ってやる…というのはおかしいか。
お前の部屋まで歩きがてら、少し話をしないか」
俺「は、はい」
312 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:28:14.23 ID:xSLUNgZC0
なんすか?今日は大長編すね先輩www
313 : 忍法帖【Lv=40,xxxPT】 [sage]:2012/01/27(金) 21:29:14.97 ID:51YU39aa0
しえんしえん
314 :最上の空陸両用 開き直るわけじゃないが、長くてすまんね[sage]:2012/01/27(金) 21:30:26.49
坂本「いい夜だな」すたすた
俺「月が綺麗ですね」すたすた
坂本「……」すたすた
俺「……」すたすた
俺「坂本少佐、ありがとうございました」ぺこり
坂本「何がだ?」
俺「私をあの資料室まで連れていってくださったこと、です」
坂本「そうか。
たしかに、あれから半日足らずでずいぶんいい顔になったようだな」
俺「は…」
坂本「夕方会った時のお前は、まるで幽鬼のような青い顔をしていたからな。
足取りも重かった。あの時は犬のようだと言ったが、実のところまるで半病人のようだったぞ。
だが今は、疲労の中にも瞳は熱意に燃えているように見える」
俺「そんな、大げさですよ。
…でも、そうですね。確かに、今は妙に気持ちが高ぶっている感じです。士気が昂ぶる…といいますか。
年甲斐もなく、こう…キアイはいってるって感じです」
坂本「そうか」
315 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:36:54.50
坂本「急な話ではあったし、力量的に対戦相手が強大すぎるのも確かだからな。
お前たちの状況によっては、最悪取りやめさえ考慮にいれてはいたが…この分なら大丈夫か」
俺「はい」
坂本「ん、そうか。
まあ、頑張れ」
俺「はい、任せてください。
今なら、さっきみたいに勝てと命令していただいても素直に『はい』と言えそうな気分です」
坂本「ほう、強気だな」
俺「ああその、半分はカラ元気、というかカラ強気のようなものですが。
…でも、ペリーヌさんと一緒にかなり細かく考えましたから、ひょっとしたら本当に行けるかも、なんて。
まぁ、少なくともやる前から気持ちで負けてたらダメだって、ペリーヌさんに怒られてしまいますから」
坂本「そうか、ペリーヌはそんな事を言っていたか」
俺「ものすごい勢いで怒られてしまいました。
こっちも一応考えてたところもあって、一瞬大げんかになりかけましたけど、まぁなんとか…」
坂本「はっはっはっ、それは大変だったなあ」
俺「この501に来てからはいろんな人に怒られてますよ。
今思い出すと…あうう、オトナのオトコとしての自信が根こそぎになりそうです」
316 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:37:15.00 ID:nArVSyoi0
まぁ一言断ったんだからいいだろう支援
317 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:39:44.34 ID:CuXXMKwjO
単発はほっとけ支援
318 :最上の空陸両用 繰り返すけど、投下したい人は言ってね[sage]:2012/01/27(金) 21:40:58.97
坂本「おいおい、しっかりしろ。貴重な男性ウィッチがそんな事ではいかんぞ。
扶桑の男児たるもの、立居振舞いは威風堂々、心根は天上天下唯我独尊とだな…」
俺「あはは…それ、私と完全に真逆ですねえ」
坂本「笑ってる場合か、まったくお前というやつは。
…とはいえ、お前のそういう部分こそが、お前がこの501に溶け込めている理由なのかもしれん」
俺「あ、あはは…でも、今回は結構本気でいい感じの作戦ができました。
俺がこういうとちょっと不遜ですけど、ペリーヌさんって優秀ですね。戦意も高いし、戦力分析や作戦案も堅実です。
さすがガリアのトップエースですよね。ブループルミエっていうんでしたっけ」
坂本「……。
ブループルミエ、か。その二つ名、誰から聞いた?」
俺「えと、昨日の食事中にシャーリーさんから…意味まではよくわかりませんでしたけど」
坂本「ブループルミエとはな、『青の一番』という意味だ」
俺「青の一番、ですか。
ええと…ひょっとして着ている服が青いから、とかですか?」
坂本「あいつの、二つ名はな…」
俺「……?」
319 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:42:40.51 ID:MQU6qX4j0
普通に言い出しにくいだろjk
320 :最上の空陸両用 あと5,6レスれす[sage]:2012/01/27(金) 21:43:46.99
ちょっと前、執務室
………
……
…
ミーナ「たしか、青小隊の一番機…ブループルミエっていうのはペリーヌさんを称える呼び名のことよね。
でも、それが今回のお話とどう絡んでくるのかしら?」
坂本「うん…私はな、あのペリーヌの闘争心がヤツを変えてくれるのではないかと期待しているんだ」
ミーナ「闘争心…ねえ?
確かに、ブリタニアにいた頃のペリーヌさんはピリピリしていたわね。
でも、闘争心と言われると、私としてはあなたかトゥルーデのほうをイメージするけれど?」
坂本「フム、確かにバルクホルンも筋金入りの闘争心を持ってはいるが。
バルクホルンには今回、あの二人が立ち向かうカベの役割をさせたくてな」
ミーナ「…なにか、考えていることがあるようね」
坂本「ああ。
ペリーヌがこの二つ名で呼ばれるようになった部隊について、ミーナは知っているか?」
ミーナ「たしか、ブリタニアの自由ガリア空軍、第602飛行隊よね」
坂本「そうだ。ガリアが陥落して単身ブリタニアに渡り、同地の自由ガリア空軍に入隊したんだ。
あいつを当時設立前の段階だった501にスカウトに行った頃には、あいつはすでに隊のエースだったが…
…ミーナは、ガリア撤退からブリタニアにいたから、当時の混乱は覚えているだろう?」
ミーナ「大陸から大量の難民を受け入れた当時のブリタニアは、治安の面でも物資の面でも大混乱だったわね。
軍の装備についても機体、部品ともに多くが失われていて…ひどい状況だったわ。
本当に……」
321 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:43:59.70 ID:51YU39aa0
てか、弾薬があったら予約してるから気にするな
322 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:44:35.62 ID:9301snCc0
とにかく支援よ
323 :最上の空陸両用 >>319いやまぁ、言われりゃ避難所いくだけだからサ[sage]:2012/01/27(金) 21:46:27.50
坂本「…すまんな」
ミーナ「…ありがとう美緒、心配してくれて。でも私は大丈夫だから。それで続きは?」
坂本「ペリーヌが自由ガリア空軍に入隊した頃のブリタニアは、度重なる戦闘と大陸からの難民の大量流入で
武器弾薬に食料と、ありとあらゆる物資が不足していただろう」
ミーナ「欧州本土からの全面撤退の時期だったもの。
弾薬すら不足するような有様で、ずいぶん苦労させられたわねえ……。
ストライカーだって機体も部品も足りなくて機体の整備もどんどん質が低下していったし、
それにも関わらず連日のように戦闘はあるし、本当に厳しい時期だったわね…。
ところで、それがペリーヌさんの話とどうつながるのかしら」
坂本「ああ、うん…そういう状況で当時ブリタニア防衛の主戦力を重視される中で、
ペリーヌたち自由ガリア空軍に回される機は不足していて、それに加えて
与えられる任務も後方の護衛ばかりで、戦闘に参加できる機会も少なかった」
ミーナ「そう……ペリーヌさんはきっともどかしい思いでいたでしょうね。
ブリタニアにいた頃は、祖国奪還にあれほど燃えていた彼女の事だもの」
坂本「だが、さっきも言ったとおり、そんな自由ガリア空軍であいつはあの頃すでにエースになってた。
ロクに戦果を上げる機会がなかったはずのあいつが、少ないチャンスを確実に掴み続けて
小さい戦果を重ね続けて、やがてエースと呼ばれる程になったんだ」
ミーナ「話には聞いたことがあるけれど、たいしたものね」
坂本「そう考えてみれば、あの二人は対照的だとは思わないか?
本土からずっと戦い続けてきたことで闘争心を燃やしてきたバルクホルンと、
不遇に屈せず燻るような闘争心を抱いて戦ってきたペリーヌ…」
324 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:49:58.21 ID:WcicWp/N0
支援
325 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:50:50.93
坂本「ペリーヌはな、祖国奪還の一念を胸に、ちっぽけなチャンスを逃すこと無く積み上げ続けてきた子なんだ。
今でこそあの頃のような苛烈さは薄まってきているが、不遇な環境にも負けない芯に秘めた忍耐強さと
生来の負けん気の強さがある」
ミーナ「……なるほどね。
確かに、彼に不足しているものをうまく補完してくれるかも知れないわ」
坂本「きっとヤツにいい影響を与えてくれるだろう。
それに普段から訓練にはマジメに取り組む子だからな、ペリーヌは」
ミーナ「彼女が訓練に熱心なのは、あなたの存在も大きいと思うけど」
坂本「ん?」
ミーナ「ううん、なんでもないわ。
……たぶん、言ってもわからないだろうし、そこが美緒の良いところだと思うから」
坂本「そ、そうか?
よくわからんが、まあいいか」
ミーナ「ま、あなたの考えはわかったわ。
そういう事なら、確かにトゥルーデたちはあの二人の相手として適任だと思う。
今回はすべてあなたに委ねます、坂本少佐」
坂本「ありがとう、ミーナ。
まあ、ペリーヌもな……<俺>のタフネスや戦術眼を吸収してくれれば、と思ってるんだ。
ヴェテラン相手にどこまで食い下がれるか、楽しみだ」
ミーナ「成長期のウィッチだものね、ペリーヌさん。
今回のような特別な状況を通じて得るものがあるといいわね」
326 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:51:56.02 ID:nArVSyoi0
頑張れペリーヌさん支援
327 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 21:53:25.38 ID:xSLUNgZC0
成長期のウィッチという単語だけで
私は今まで自分がして来た行為の愚かさを知った
328 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:54:09.60
………
……
…
坂本「……」
俺「…少佐?」
坂本「いや、なんでもない。
気にするな」
俺「はあ」
坂本「ごほん。まぁ、そのなんだ。
階級こそ下だが年齢ではお前のほうが上だからな。
期待している部分が大きいことは察してくれ」
俺「は、はい」
坂本「…さて、そろそろお前の部屋だな。
もう遅いが、今日はしっかり休養を取ることだ」
俺「はい。失礼します、坂本少佐」
坂本「ああ」
ばたん
坂本「…ふう。
男の軍人と言っても、土方からあいつまで、いろんな男がいるものだな……。
だが、まあ」
329 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:55:49.13
坂本「何はともあれ、楽しそうな事になってきたな」
330 :最上の空陸両用[sage]:2012/01/27(金) 21:58:49.81
――――
サーニャ「エイラ、きのう<俺>さんたちの戦闘演習を占ったときに出たトランプのジョーカーって
どういう意味なの?」
エイラ「そもそもタロット占いでジョーカーが出ること自体なにかおかしいんだけどなー。
まぁ、ジョーカーっていうのはよくわかんないカードなんだよ。
どうとでも意味を取れるっていうか」
サーニャ「トランプ遊びだと、ルールによっていろんな役割をするよね」
エイラ「ワイルドポーカーとかのワイルドカードありのゲームだと【どんなカードのフリも出来るワイルドカード】だから
一見強そうなイメージだけど、ババ抜きだと【最後まで持ってたら負け】だし
神経衰弱みたいに【そもそもジョーカーを使わない、関係ない】ってゲームもあるしなー」
サーニャ「確かに、これだとどう解釈したらいいのかわからないね」
エイラ「いや、そーだな……。
そうか、ルールによって強さが変わるっていうのは、逆に考えると……」
サーニャ「なにかわかったの、エイラ?」
エイラ「うーん、なんか浮かんだ気はするけど、うまく言葉にできないな」
サーニャ「???
そう…」
エイラ「まあ、明日になってみればわかるだろ」
(・×・)おわりなんだナ
331 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 22:01:02.63
…というわけで今日はここまでです。
久しぶりなのに谷間回っていうくせに長々と失礼しました。
ではまた
ところで>>327、ちょっと聴取したいことがあるから屋上行こうか
332 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 22:02:16.32 ID:WcicWp/N0
乙乙
333 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします[sage]:2012/01/27(金) 22:02:38.50 ID:nArVSyoi0
乙!
続き待ってるよー
最終更新:2013年01月30日 14:18