最上の空陸両用 17
679 :最上さん:2012/02/29(水) 22:36:19
そろそろ始めます、最上さん@17回
あらすじは…というか、うん。
今回は途中は全部読まないで最後までかっ飛ばしても一応は大丈夫
忙しいみなさまの生活に優しい仕様となっております
とはいえわざわざwikiのこんな辺鄙なページまで見に来るくらいなんだから
この際ゆっくり全部読んだって別にいいんだからねっ
更新履歴に引っ張られた人は乙
680 :最上さん あらすじパート:2012/02/29(水) 22:39:31
艦長「さて、ついに今日だな。
開始は何時からだったか?」
副長「本日正午です、艦長」
艦長「そうか。
ところで、あっちのほうの倍率はどうなっているかね?」
副長「なんとかミーナ中佐の許可も取り付けて、若干規模を抑えつつもなんとか賭け札は回っているようです。
<俺>くんペリーヌ中尉が青、バルクホルン大尉ハルトマン中尉が赤の票ですが
倍率は意外にもそれほど開いていませんな」
艦長「まあ、多少の贔屓目もあるだろうからな。
しかし、考えてみれば数奇な話じゃないかね?」
副長「は」
艦長「革新を唱えて中央から排斥された船の、特別でもない評価もされていないただの一人のウィッチが
よもや『世界最強』と堂々真っ向勝負をする機会を得るとはね」
副長「…確かに、そうですな」
艦長「いったいどこまで行けるのか、正直楽しみでならんよ」
副長「時に艦長、さっき買われた票の色は赤ですか、青ですか」
艦長「わしは冒険はしない主義だよ、副長」
副長「…やはり堅実が一番ですな」
681 :最上さん:2012/02/29(水) 22:40:24
朝、ブリーフィングルーム
………
……
…
坂本「というわけで、本日正午から501全隊員参加の戦闘演習を実施する。
代表の4名が模擬戦を実施、その決着後再びブリーフィングルームにて反省、検討会だ。
特に宮藤、リーネ。
おまえたちにはあとでみっちり質問するからしっかり見ておけよ」
「は、はいっ」「了解です、少佐」
坂本「4名は朝食後は自由時間とする。
ちゃんと時間までに準備しておけよ」
「了解」「りょーかーい」「了解だ、少佐」「了解しました」
ミーナ「では解散。
各々、演習までは予定通りの任務にあたってください」
俺「さて、泣いても笑っても…か。
まあいっちょ、やってみますか」
682 :最上さん:2012/02/29(水) 22:42:42
食堂にて、朝食
………
……
…
俺「もぐもぐ」
シャーリー「…で、調子のほうはどーなんだ、<俺>?」
俺「もぐ…えと、何の話ですか?」
シャーリー「何いってんだよ、今日のことに決まってんだろ。
昨日の事とかもあってさ、ちょっと気になってなあ」
坂本「もぐもぐ」ちらっ
俺「ああ、そういうことですか。えーと…」(チラッ
………
ペリーヌ「もくもく…」ちらっ
エーリカ「もっしゃもっしゃ。
宮藤、おかわりー!」
………
俺「うーん、本番を楽しみに…と言いたいところではありますが、率直に言ってしまうと
…そうですね、いい感じですよ。
今回の作戦は割りと自信ありますね」
シャーリー「ふーん」
バルクホルン「ふむ」
683 :最上さん:2012/02/29(水) 22:43:48
俺「実際やってみないとなんとも言えない部分はありますが。
でもまあ、ハルトマンさんあたりは」ちらっ
エーリカ「もっしゃもっしゃ…ん?」
俺「…こほん、ハルトマンさんあたりはカタにはめれば案外倒せちゃうかもしれないですね」
シャーリー「うへええ、そりゃ大きく出るなあ」
エイラ「お、おいおいそんな事言っちゃって大丈夫なのかよ」
俺「…あー、あはは、まあ見てなって」
エーリカ「もしゃしゃ…ふーん」
俺「んーむ…当の本人にはあまり信じられてない感じですね。
なんだったら賭けましょうか、ハルトマンさん?」
リーネ「かけ、ですか?」
俺「もし俺たちが負けたら、お菓子買ってきましょう」
エーリカ「おかし、ねえ」ちらっ
俺「袋なんてケチな事いいません、台車いっぱい買ってきますよ?」
エーリカ「……のった」
バルクホルン「なっ!?」
684 :最上さん:2012/02/29(水) 22:45:51
バルクホルン「おい、エーリカ。お前また勝手に…!」
エーリカ「まぁまぁ、いーじゃんトゥルーデ。だってさあ…」ひそひそ
バルクホルン「…まったく、お前というやつは」
ペリーヌ「……?」
バルクホルン「ふー……ところで<俺>少尉。
賭けをやるのはともかく、そっちが勝った時には何を要求するんだ?」
俺「…え?」
シャーリー「まあ、賭けするんなら、勝った時の条件も決めとかないといけないよなあ」
俺「あ、あー…えーと、そうですね。
あー、そーだな、えーと…じゃ、じゃあもし勝ったら今後ハルトマンさんのこと、エーリカって呼ばせてもらう…とか?」
エーリカ「そんなの、別に今すぐ呼んだっていーよ」
俺「かか、勝って権利を勝ち取る事に価値があるという事で!」
ミーナ「…止めないの?」
坂本「もう勝負は始まっているようだからな」
ミーナ「あなたは面白そうね。まったくもう…」
685 :最上さん:2012/02/29(水) 22:49:11
そして開始直前、ハンガー
………
……
…
きゅいいいいん…ぶるるん
俺「さて、いよいよか」ねこ耳ぴょこ
ペリーヌ「あの<俺>さん、本当に大丈夫なのかしら」ねこ耳ぴょこ
俺「ん、何が?」
ペリーヌ「<俺>さんの朝食の時にハルトマンさんの事を挑発されていたみたいですけど、
あれ、完全に看破されているような気がするのですけど」
俺「うっ…い、いや大丈夫、ちょっとでも気を引けてれば多分なんとかなる。多分」
ペリーヌ「まあ、今更言っても仕方ありませんものね…背中は任せますわよ、その」
俺「こちらこそ、空は預けますよ。まあ」
「 「 こっちがうまくやれれば 」 」
俺「ん」
ペリーヌ「…!」
ペリーヌ「行きましょ」くすくす
俺「はー。はは、そーだな、行こう」
686 :最上さん:2012/02/29(水) 22:51:35
上空、戦闘演習開始5分前
………
……
…
バルクホルン「上がってきたか、ふたりとも。
さて、少佐から指示が来るはずだが…」
坂本『バルクホルン、ハルトマン。それにペリーヌ、<俺>。4人とも聞こえているか?
こちら坂本、今は他の隊員たちと共に、離れた位置で待機している。
4名とも、特に異常などはないか?』
「ない、少佐」「問題なーし」「ありません、坂本少佐」「ありません」
坂本『よろしい。
演習中は他の隊員からの通信は一切繋がらないのでそのつもりで。
こちらから何らかの指示を行う場合は私かミーナから通信を送るから従え。
では各機、予定の位置についているな』
俺「はい」
ペリーヌ「はい」
坂本「4名とも、スタート位置を確認した。
では、これより演習戦を開始する。
4名とも、予定通り対向して接近、交差した瞬間から戦闘開始だ。
では、始めろ!』
687 :最上さん:2012/02/29(水) 22:54:54
◆===
ミーナ「交戦開始。
へえ…ペリーヌさんが一直線に上空に駆け登っていったわね」
リーネ「バルクホルン大尉たちも上昇しようとしたみたいですけど…」
シャーリー「<俺>が急旋回して牽制射撃で出足を止めたな。
登りはじめの一番無防備なところを突っついた格好だけど、それにしても」
===◆
バルクホルン「大胆だな、少尉は。
ペリーヌを上げるためとは言え、私達をふたりとも足止めしたら2対1で喰われるとは考えないのか」
エーリカ「まったくねえ。で、喰っちゃうの?」
バルクホルン「セオリー通りにやるならそうするところだが、向こうは状況を複雑化させようとするはずだし、なんともな。
それに、少尉がまさかリスクを考えてないとは思えん。迂闊に手を出すのは危険だ」
エーリカ「二人がかりなら楽勝ってタカくくって、ペリーヌに奇襲されてぼぼぼぼーんとかもあるもんね。
ここは手分けしようか」
バルクホルン「まあ、このあたりは想定通りか。では、割り振りは…」
エーリカ「というわけで、ペリーヌはよろしくねー!」ばびゅん
バルクホルン「あ、こらハルトマン貴様勝手に…!
…まあいい、まずはペリーヌだ。
まずは出遅れを取り戻さないとな」
688 :最上さん:2012/02/29(水) 22:56:40
俺「釣れた!
ま、釣り師になれるかエサと喰われるかはお楽しみだが」
エーリカ「挨拶がわりねー」どがががっ
俺「ひょいっと!」
エーリカ「さて、いつかの二回戦って感じかな」
俺「ドッグファイトならそう簡単に当たり負けはしないつもりですけどね。
それに…」ひゅーん
エーリカ「あ、逃げる」
俺「今回は高度を贅沢に消費させていただくっす」ががが
エーリカ「ひょい。
低空に誘い込むつもりかー。
のってあげてもいいけどさ、退屈させないでよね」どがががっ
俺「うひぇ。
おて、お手柔らかに!」
◆===
サーニャ「<俺>さん、ハルトマンさんとドッグファイト状態になりました」
エイラ「ぐるぐるとよく回るなあ」
ミーナ「最初から飛ばしてるわね」
===◆
689 :最上さん:2012/02/29(水) 22:59:19
◆===
シャーリー「こうして俯瞰してみると、見事に戦場が二分されてるな」
ミーナ「上空ではペリーヌさんとバルクホルンの追いかけっこ、
下ではハルトマンと<俺>さんがドッグファイト、ね」
坂本「今のところ、<俺>ペリーヌ組の描いた構図通りに推移しているようだな」
リーネ「そうなんですか?」
ミーナ「バルクホルンとハルトマン両者が連携した場合、対抗できる人間はほぼいないわ。
ペリーヌさんたちが作戦を組み立てる時の大前提として、二人の分離は念頭に入っていたはずね」
坂本「相手を分離させたい時に、どういう手を打つべきか、一番簡単なのは先に自分たちが分離する事だ。
どちらか一方が相手を引きつけて、分離し切るまでの時間を稼ぐのも悪くない」
宮藤「へー、いろいろ考えなきゃいけないことがあるんですね」
坂本「さて、上空でもそろそろ戦闘が始まりそうだぞ」
ミーナ「最初に充分に時間を稼げた分、優位取り競争ではペリーヌさんの圧倒的優勢からの戦闘開始ね。
宮藤さん、よく見ておきなさい」
宮藤「え?」
ミーナ「空戦において、高度とスピード…空戦エネルギーの優劣がどれほど影響を与えるかを、ね」
===◆
690 :最上さん:2012/02/29(水) 23:00:45
ペリーヌ「……」ぶぉろろろろろろ
バルクホルン「……」ぎゅろろろろろ
バルクホルン「く、太陽に紛れてよく見えんな」
ペリーヌ「…さて、ずいぶんと高度を稼ぎましたわね。まずは一刺し…!」ふぉろろろ
バルクホルン「くそ、さすがにすぐに追いつけるほど甘くはないか…」
ペリーヌ「行きますわよ!」ぎゅーん!
バルクホルン「!」
ペリーヌ「当たって!」どがががっ
バルクホルン「ちっ!」ひゅん
バルクホルン「かわせたか…」
ペリーヌ「さすがですわね。
ですけど、また次ですわ」どひゅーん
バルクホルン「く…やはりすぐさま上がって行くか。教本通りだが、厄介だな」
691 :最上さん:2012/02/29(水) 23:02:18
◆===
シャーリー「まあ予想は出来てたけど、上は一方的だなー」
ルッキーニ「大変そうなバルクホルンってめずらしくて面白いけど」
===◆
ペリーヌ「これはどうですの!」どががが
バルクホルン「づっ!」ぎゅんっ
ペリーヌ「また!?
でも今度こそ」ばひゅーん!
バルクホルン「くそ、また上がるか」
◆===
宮藤「あの、坂本さん。
さっきからペリーヌさんが一方的にバルクホルンさんに攻撃してるんですけど、どうしてですか?」
坂本「どうしてとは、なんだ。質問は明確にしろ」
宮藤「すいません。ええっと、どうしてバルクホルンさんは反撃しないんでしょうか?」
坂本「よく見てみろ。
反撃しない、というのは正確ではない、できないんだ」
ミーナ「ペリーヌさんは常に上方から、ダイブする形でバルクホルンに攻撃を仕掛けているでしょう。
一方のバルクホルンは、ペリーヌさんを追うために上昇しているところに攻撃を受けている。
上昇中はスピードも遅くなるし、この状況で上からスピードを上げながら突進してくるのに合わせて
反撃するのはさすがに無理ね」
===◆
692 :最上さん:2012/02/29(水) 23:03:59
バルクホルン「くそ、あと1,2回は撃たれっぱなしか」
ペリーヌ「まだ当たらないなんて…でもまた!」ばびゅーん!
◆===
宮藤「高い方にいるほうが有利っていうのはなんとなくわかりますけど、
ペリーヌさんってバルクホルンさんを撃つたびにすれ違って降りていきますよね。
なんでバルクホルンさんは追いかけていかないんですか?」
シャーリー「よく見なよ宮藤、ペリーヌは落ちてく勢いも利用して猛スピードで飛び去っていくんだから。
いくらバルクホルンでも追いつけないよ」
リーネ「ペリーヌさんは高度を速度に変換してる、という事ですか?」
ミーナ「そうね、その上で射撃後にダイブしたスピードを利用して急速上昇、速度を高度に再変換してるわ。
極端に言えば、やっていることは勢いを付けて落ちることと落ちた勢いで上に上がること、のふたつだけなのだけど」
坂本「一方バルクホルンはただでさえ上昇中でスピードが遅くなる上、さらにペリーヌに射撃された際に
回避運動を取らざるを得ないために、さらに行動を制約されているわけだ」
ミーナ「こう言ってはなんだけど、バルクホルンとペリーヌさんではバルクホルンのほうが技量は上よ。
でも、空戦においてエネルギー的有利に立つということは、多少の技量差をも覆すほど大きな影響を持つの。
よく学習しておきなさい、ふたりとも」
===◆
バルクホルン「とはいえ、もうすぐ追いつくぞ、ペリーヌ・クロステルマン…!」
ペリーヌ「殺気で背筋が凍りますわね。
<俺>さんはまだなの…?」
693 :最上さん:2012/02/29(水) 23:05:47
◆===
ルッキーニ「いつもより多めに回っておりマス」
シャーリー「ものすごいケツの取り合いだなあ」
坂本「宮藤もよく見ておけよ、あれが典型的なドッグファイトだ。
近接戦というのは、基本的に旋回し続けるということ、そして旋回し続けるうちに、速度を失い、そして…」
===◆
俺「タフだな!」どががが
エーリカ「そっちもね!」ずがががっ
俺「くそ!」ひょい
エーリカ「ちょろい」ひょいっ
俺「……ふぅ」
(ペリーヌさんも、そろそろケツに火がつく頃合いか)
エーリカ「ありゃ、そろそろ息上がってきた?」
俺「まあ、それなりに。
でも、この時点でほとんどこっちの描いた絵通りの戦況ですから、いいです」
エーリカ「へー」
俺「ま、一度落ち着いて周りを見て見ることですよ、ハルトマンさん」
エーリカ「…ここは、森の真上?」
694 :最上さん:2012/02/29(水) 23:08:31
◆===
宮藤「いつの間にか、あんな低い場所に…?」
坂本「あれがドッグファイトの行き着く先だ。
旋回につぐ旋回は機体の速度を殺し、いずれ高度を維持できなくなる、その結果があれだ」
ミーナ「上空では一撃離脱戦、下ではドッグファイトの、それこそ教本通りの戦闘を展開しているわね」
坂本「しかし、本番はここからだ。
下では戦況が膠着し、上ではそろそろ攻守が交代する頃合いだぞ」
===◆
ペリーヌ「こちらが上手を取れる機会はあと1,2度、もうそろそろこっちは限界ですわよ…!」
エーリカ「さて、ここからどうするの?」
バルクホルン「お互い、ここからが本番ということだろう」
俺「ああ、もちろん。ここからがいっちゃん大事な局面だ」
俺「…というわけで、次のステージはこっちですよ」ぱさん!
エーリカ「樹の下に…?」
俺「ここまで来たなら、勝負にのる以外の選択肢はないでしょう?」どがががっ
エーリカ「うわわっと、木陰に隠れて撃ってくるなんてちょっとズルイな。
はいはい、のってあげるのってあげる」ぱさん!
最終更新:2013年01月30日 14:19