ユースティティアの天秤
[解説]
自由都市同盟に拠点を置く、比較的規模の大きな冒険者ギルドで、設立時期も最古参の部類にはいる。
また同盟内の冒険者ギルドの中でも、上位の実力を誇っており、聖華暦830年代においては、同盟でも指折りの最上級ウォルである女性、メルティア・ヴァーリスがギルドマスターを務めている。
また同盟内の冒険者ギルドの中でも、上位の実力を誇っており、聖華暦830年代においては、同盟でも指折りの最上級ウォルである女性、メルティア・ヴァーリスがギルドマスターを務めている。
ギルドとしてのモットーは「責任を伴った自由を謳歌せよ」というもので、ギルドメンバー達の活動にはかなり高い自由度が認められていることが特徴。
もっとも、犯罪行為やユースティティアの天秤の名を汚すような行いをした場合には、厳正な処分が下されることになるため、あくまで〝責任を伴った自由〟であることを忘れてはならない。
もっとも、犯罪行為やユースティティアの天秤の名を汚すような行いをした場合には、厳正な処分が下されることになるため、あくまで〝責任を伴った自由〟であることを忘れてはならない。
聖華暦830年代において、正規のメンバーが65名程度所属しているほか、後述のシームド・ラボラトリーズ社とのスポンサーパートナーズ契約に基づいて派遣された技術者も数名所属している。
また、中央都市アマルーナの冒険者区画にギルドホーム「揺れる天秤亭」を構えており、ユースティティアの天秤に所属する者であれば、ここに自室を持つこともできる。
また、中央都市アマルーナの冒険者区画にギルドホーム「揺れる天秤亭」を構えており、ユースティティアの天秤に所属する者であれば、ここに自室を持つこともできる。
中規模以上のギルドでは稀に見られる構造ではあるが、ギルド内にはメンバー3〜8人、機兵2〜6機程度で構成された複数のチームが存在しており、それぞれのチームにある程度の自由裁量権を与えた上で、ギルドとして受注した依頼をそれぞれのチームに割り振ることで、効率的に複数の任務をこなす。という活動方針をとっている。
チームの数は時代によっても変化するが、聖華暦830年代、メルティア・ヴァーリスの代においては9チームが存在している。
古くは、後述する設立経緯に関連して帝国系猟兵が多く所属する「右の秤」と聖王国系猟兵が多く所属する「左の秤」と呼ばれる2つのチームにギルドマスターの率いる「指針」と呼ばれるメインチームを加えた3つのチームがあったとされているが、ほぼ全員が同盟に籍を置く冒険者となった現在では、この呼び名は形式的なものとなっている。
具体的には、それぞれの出身や所属ではなく、主に近接戦闘を得意とするチームが「右の秤」、遠距離戦闘や魔法を用いた戦闘を得意とするチームが「左の秤」、そしてギルドマスター率いるメインチームと情報収集などを行う支援チームが「指針」と呼ばれている。
具体的には、それぞれの出身や所属ではなく、主に近接戦闘を得意とするチームが「右の秤」、遠距離戦闘や魔法を用いた戦闘を得意とするチームが「左の秤」、そしてギルドマスター率いるメインチームと情報収集などを行う支援チームが「指針」と呼ばれている。
現在、これらのチームのリーダーを務めるのは、ギルドマスターを含め、ギルドの中核と呼ぶに足る9人の冒険者たちで、いずれも冒険者としても名の通った歴戦の実力者である。
また、それぞれのチームの所属メンバーについては、それぞれの性格的、能力的な相性の関係もあり、ある程度決まった「いつもの顔ぶれ」というものが出来上がってはいるものの、完全に固定されているわけではなく、任務の特性にあわせて、臨時編成としてメンバーが入れ替わることや、複数のチーム共同で動くことも珍しくはない。
また、それぞれのチームの所属メンバーについては、それぞれの性格的、能力的な相性の関係もあり、ある程度決まった「いつもの顔ぶれ」というものが出来上がってはいるものの、完全に固定されているわけではなく、任務の特性にあわせて、臨時編成としてメンバーが入れ替わることや、複数のチーム共同で動くことも珍しくはない。
さらには、大規模な盗賊団の一斉捕縛のような、ギルドを挙げて大きな仕事に取り組むような場合や、聖華暦834年に同盟を襲ったバフォメット事変のような緊急事態に対処する場合には、ギルドマスターの指揮の下、各チームが連携しあい、ユースティティアの天秤という一つの集団として戦場に赴くことになる。
ユースティティアの天秤が、このような流動的な組織構造かつ、自由な活動方針をとりながらも、必要に応じて十全な連携を可能としている背景には、ギルド設立以来、代替わりを経つつも積み重ねられてきたギルドマスター、そしてメンバー同士への信頼によるものが大きいといえるだろう。
[構成メンバー]
[指針]
- チーム[黒鯨](メインチーム)
- メルティア・ヴァーリス(ギルドマスター)
- エルマ・マーティネス
- アッシュ・デルフィン
- 他
- チーム[アルアイン](情報収集、機兵整備等後方支援)
- エレイン・デュラック(チームリーダー)
- ルント・デルフィン
- シームド・ラボラトリーズの技術者達
- 他
- チーム[アプレンティス](新人教育)
- ドミニク・ヴァーリス(チームリーダー)
- スレーカ・ダートズ
- 他
[右の秤]
- チーム[蹄鉄](強行偵察、機動戦等)
- ブラウ・ヴァーリス(ブラウ・バーゼル・ファミリア)(チームリーダー)
- 他
[左の秤]
- チーム[]
- [[]](チームリーダー)
- 他
- チーム[ギアボックス](探索、護衛、迎撃)
- ダリル・スピネル(チームリーダー)
- フレア・ミカゲ・ファミリア
- アトリー・ベンジャミン
- 他
[関係団体及び関係者]
ユースティティアの天秤が結んでいるスポンサーパートナーズ契約は、シームド・ラボラトリーズ社が有力な冒険者ギルドや傭兵団を対象として結んでいるもので、シームド・ラボラトリーズ社からは同社製試作機及び先行量産機を含む機兵や武装類、カスタムパーツ等の贈与と取り付け及び整備のための技術者の派遣サービスの提供がなされ、その見返りとして、テストパイロット派遣等、同社からの依頼の優先受注や同社製品の運用データの提供等を行うというもの。
なお、余談ではあるが、ユースティティアの天秤はシームド・ラボラトリーズ社がこのスポンサーパートナーズの参加団体を募集し始めた聖華暦794年からの第1期参加団体であり、最古参の団体の一つである。
ユースティティアの天秤が、懇意にしている機兵工房。
同盟の機兵技師、シュウ・フォールズは現ギルドマスターのメルティア・ヴァーリスが、同盟に移り住んできた頃からの馴染みの機兵技師であり、さらにはその師匠であり夫でもあるブラウ・ヴァーリスや弟子のエルマ・マーティネスをはじめ、ユースティティアの天秤に所属する多くのギルドメンバーも世話になっている。
なお、余談ではあるが、シュウ・フォールズの機兵技師としての実力はユースティティアの天秤に派遣されているシームド・ラボラトリーズ社の機兵技師達からも高く評価されており、本社を通じて幾度か入社の打診が送られているのだが、シュウ自身にはその気はないらしく、ことごとく、うまく躱されてしまっている。
また、シュウは、自身の弟子であるルント・デルフィンが普遍の幻装兵、フレッシル・アウスラ・シルフレイの復元を成功させて以降は、実力のある機兵技師としてルントと彼の工房を紹介しており、聖華暦837年以来、ルントは冒険者兼機兵技師としてギルドに加入し、情報収集、機兵整備などを担当するチーム、アルアインに参加している。
栄光の宴を中心として、ユースティティアの天秤を含む複数のギルドで構成された調査団によって、聖華暦830年代後半に行われた禁断の地の大規模な調査において発見された修祓の幻装兵 ザラシュトラ・リグ・アヴェスターとそのLCE 、〝BLACKMORE〟ことアッシュ・デルフィンもユースティティアの天秤のメンバーの1人として参加している。
スリープ状態からの覚醒後、ルント・デルフィンに引き取られ、養子としてアッシュ・デルフィンの名を与えられた彼女の素性を知る数少ない人物の1人でもあるメルティア・ヴァーリスの計らいで、内弟子という形で迎え入れられることになったのだ。
もっとも、この決定には、現状、人物としてのその性質に問題は見られないとはいえ、新人類と比較して規格外の能力を持つアッシュに対する一種の保険として、実力、実績共にそなえるユースティティアの天秤を当てがいたかったという冒険者組合側の意向も無関係ではないだろう。
ユースティティアの天秤の創設者にして初代ギルドマスター。
ギルドの設立経緯については下記を参照のこと。
ギルドの設立経緯については下記を参照のこと。
[設立経緯]
その歴史は古く、設立は聖華暦600年代前半に勃発した第三次聖帝戦争にまで遡ることになる。
災禍旅団の仲間達と共に、数多くの戦場を駆け抜けたミリューであったが、公式な記録に残る災禍旅団としての最期の戦いであるパンデモニウム防衛戦における乱戦の中で、多くの仲間達を喪いながらも生き延び、同盟に渡ることになる。
その後、ミリューは同盟において、第三次聖帝戦争の中で、災禍旅団と同じように、猟兵団として瓦解し、バラバラになったカナド人猟兵達を、帝国、聖王国どちらの陣営に属していたかの区別なく受け入れ、冒険者ギルド、ユースティティアの天秤を設立する。
このことについては、猟兵として仲間を喪い、部族での暮らしにも戻れれない猟兵達の受け皿を作りたかったのだとも、パンデモニウム防衛線において、消息不明となった災禍旅団の団長、シデン・カレナ・ファミリアをはじめとするかつての仲間達との再会を夢見ていたのだとも語られるが、ミリュー自身は生涯、その真意を語ることはなかった。
以来、ユースティティアの天秤は、脈々とその歴史を積み重ね、現在の規模にまで成長していくこととなる。
なお、現在でも、正規メンバーの3分の1ほどは、設立時のメンバーであったカナド人猟兵の3世、あるいは4世にあたるほか、ギルドとして親交のあるリュトフ族をはじめ、冒険者として活動するために同盟に訪れたカナド人も広く受け入れてきているため、カナド人の血筋を持つギルド員の比率は他のギルドと比較しても高いことで知られている。