ゴスペル(ボス)

「『バグ融合』から究極のナビなんて作れやしない! もし、できるとしたら・・・それは『究極のバグ融合体』だ!」

【名前】 ゴスペル
【読み方】 ごすぺる
【分類】 ボス
【属性】 無属性
【所属】 ゴスペル
【登場作品】 『2』
【基本装備】 ブレスオブゴスペル
【チップ】 ゴスペル(チップ)
【関連チップ】 バグチャージ
【英語名】 Gospel

【詳細】

ネットマフィア・ゴスペルが集めた大量のバグのかけらが強力な電磁波によって融合して誕生した電子生命体。
ライオンの如く広がる立て髪を持つ黒い狼と言った風貌で、知能は持たず、ただ本能の赴くままに破壊を行う見た目通りの獣。

誕生当初は「バグ融合体」と呼ばれていたが、直後の会話で光熱斗がこのバグ融合体そのものを、生み出した組織の名を取って「ゴスペル」と呼んだ。

元々は、ゴスペル首領が大量のバグのかけらを原料に作成した最強のネットナビであるフォルテのコピー
ただ、いくらオリジナルが強力でも所詮は偽者のフォルテであり、ロックマン熱斗のコンビには力及ばず敗北してしまう。

激昂した首領がさらなるパワーアップを行おうと、強引にサーバーの出力を上げた結果、ページ冒頭の獣の様な姿に変貌してしまった。

強大なパワーを発揮する姿に一度は喜んだ首領だったが、もはや命令を聞く知能は持ち合わせておらず暴走。ただでさえ、街全体に悪影響を及ぼすレベルに達していたサーバーパワーをこの生命体が強制的に引き上げ続けた結果、首領はおろか、熱斗が着込んでいた「通常の5万倍の電磁波に耐えられる防磁スーツ」すら貫通するほどの電磁波を発生させ、両者を気絶させてしまう。

しかし、ロックマンがココロ・プログラムを経由して強引にフルシンクロ状態を発現。光熱斗は半ば意識のみでオペレートする事が可能になり、ゴスペルとの最終決戦に臨む事になる。

大量のバグのかけらで構成された体は極めて頑強で、大半の攻撃では傷一つ付ける事が出来ない。また、元が不定形のバグである為か、頑強でありながら変幻自在で、頭部はドリルや元ゴスペルのナビに変形させて攻撃する事も可能。なお、フォルテからこの姿という似ても似つかない程の変貌っぷりに加え、最終作の「エグゼ6」ではゴスペルを強く想起させるバケモノも登場。

有志の間では両者のストーリー上の関連性も考察されていたが、後に明かされた公式設定によると、元々バグのかけらの集合体は獣を模した姿をとる性質があるとの事。
一応、デザイン上は「ゴスペルの完全形態をイメージしてデザインされた」というメタ的な側面もあり、作中でもケイン市長によると「両方とも同じ経緯で生まれている」という説明がある。

(「……俺を……助けるというのか?」)
死闘の末にロックマンと光熱斗のコンビに敗れ、今度は完全にデリートされたと思われたゴスペルだったが、なんと続編の「エグゼ3」で再登場。

不完全にデリートされたままインターネットを漂っていたようだが、恐らくWWWエリアを経由する形でプロトの内部へ侵入できたようで、これまた何の因果か、プロトに飲み込まれてしまった本物のフォルテに接触する事に成功。同じくデリートされかけのまま身動きが取れなかったフォルテと融合し、フォルテGSとなった。

元ネタは初代のロックマンシリーズに登場するワイリーが発明したオオカミ型のサポートロボット。
主人であるフォルテと合体して「スーパーフォルテ」へと変身する機能を持ち、エグゼシリーズの「フォルテGS」もこの設定が元ネタと思われる。
大まかなフォルムも初代と同様だが、バグ融合体としての不気味な風貌と、何より巨大さが異なる。
ちなみにエグゼシリーズのバグ関連のデザインに共通する「(発疹などの病気を連想させる)無数の光の点」は、このゴスペルが初出である。

【戦闘】

ラスボスの中では(「エグゼ2」のチップが全体的に強力という点も含めて)あまり強いほうではなく、かといって弱すぎるという訳でもない……と比較的 影が薄い一方、歴代ボスの中でも珍しく「HP半分以上」、「HP半分以下」、「HP4分の1以下」と、三つの攻撃パターンを持っているという特徴がある。

更にラスボスでありながら、実はエリアスチールを所持しているので、ジェラシーが効く等、割とイレギュラーな存在。
なお、「通常のラスボスはHP2,000」という、シリーズお決まりの要素はこのゴスペルが始まりだったりする。

頑強という触れ込みのボディは伊達ではなく、弱点である口を開いたとき以外は常にガード状態。行動パターンは比較的単純だが、何分、本体以外にも常に攻撃が飛び交う状態の為、無理に攻撃に向かうとチップが無駄になりやすい点にも注意。
逆に、ブレイク性能さえあれば鈍重な弱点を突けるため、真面目に戦うならホウガンなどを使っても良い。

【使用技】

ダイナウェーブ
ショックウェーブ系と同じ、横1列を進む衝撃波。
メットール系の使用するそれと同じだが、名前の通り、進行速度はダイナウェーブとほぼ同等で速い。

ジャンクフライヤー
横方向に飛来するバグの塊。出現位置はランダム。
威力は50とラスボスの攻撃としてはかなり低いが、完全自動攻撃で、とにかく常時飛来し続ける。
当然、ゴスペル本体の攻撃と同時に迫ってくることもある為、惑わされてより大きなダメージを喰らわないようにしたい。
耐久値はさほど高くない為、チャージショットでの破壊は容易。
ガッツスタイルまたはサイトスタイルならバスター連発でも破壊できるが、それ以外ではアタック、ラピッドLV5であってもかなりギリギリでの破壊となるので非推奨。

ゴスペルショックパワー
ダイナウェーブを3回使用した後、いずれかのタイミングで放つチャージ攻撃。若干スピードは遅いが、追尾性能持ちの衝撃波。通過したパネルをヒビパネルにする。
追尾性能がミソで、最後列まで必ずヒビになる為、行動範囲にかなり広めの制限が掛かる。
可能であれば最後列の上か下のマスに誘導し、下記の技を回避する余裕を作りたいところ。
なお、ダイナウェーブ3回の直後に使用するという訳ではなく、合間合間に下記のドリリングヘッド等も使用するため、
文字面ほど連続で使用してくるわけではない。

ちなみに、偶数回目は目の前のヒビパネルのを自分で開けてしまうため不発になり、しばらくダイナウェーブが無意味になる……
……が、そこは流石に次の技で対策されている。

ドリリングヘッド
頭部を巨大なドリルに変えて飛ばす。ブレイク性能持ちで、逆にこの間のゴスペルはガード状態。
また、ドリル化した頭部は画面外まで飛んでいくため、画面外に出ている僅かな間は完全無敵状態となる。
攻撃を食らうと後ろのマスに押し出されて多段ヒットする。

巨大な見た目でインパクトは凄いが、攻撃範囲はあくまで横1列なので、上下にずれると簡単に避けられるが、発動条件が厄介。
まず、上記のゴスペルショックパワー使用後は必ずこの技を使用する。
その特性上、中央のパネルがヒビか穴である事が多い為、避ける位置には注意が必要。
また、ゴスペルの目の前のマスが穴パネル状態の間はダイナウェーブの代わりにこの技を連発するようになっている。
偶数回目のゴスペルショックパワー直後の他、こちら側から穴パネルを開けた際にも起こり得る。
避ける事自体は容易だが、穴パネルが復活するまでこちらの攻撃手段も限られてしまうので気を付けたい。
ドリル発射中は元のマスにいないことになっているのでエリアスチールで敵エリア2列目を奪える。また、ドリル発射時にマスが重なっているとドリームオーラ3(耐久200)を破られる。

ちなみに、頭部を丸々変形させて飛び道具として扱う関係上、発射口などではないボディ内部を見る事が出来る唯一のボスだったりもする。
内部は紫色を中心とした不気味な光で埋め尽くされており、ドリル部分に負けず劣らずインパクトがある。

ダークネスクリエイター
ゴスペルのHPが半分以下になると使用してくる。
自分の頭をエアーマンカットマンクイックマンのいずれかに変形させて攻撃する。
エアーマンはエアシューター、カットマンはサプライズチョッキン、クイックマンはクイックブーメランを使用。
技のパターンはV2以降を参考にしているらしく、クイックマンのブーメラン軌道がナナメ方向になっている他、
カットマンは本人と違い、ロックマン側のエリアに侵入して攻撃を行うことができる。

ちなみに、この技の使用中は頭部=弱点をナビへと変形させている為、登場しているナビを攻撃すれば直接ゴスペルへダメージが通る。
また、攻撃の間はガード状態ではないため、動きをキッチリ見切る事が出来れば十分攻撃チャンスになり得る。

ブレスオブゴスペル
ゴスペルの代名詞とも言える技で、HPが1/4以下になると合間にジャンクフライヤーを飛ばす以外はこの技のみをひたすら連発してくる。
口を開けてスイコミを発動し、自身の目の前1マス+横2×縦3マスの放射状に広がるブレス攻撃を3セット行う。
攻撃範囲が広い上、攻撃の属性は自動的にロックマンの現在の属性の弱点に変化する点も厄介。
基本攻撃力は100だが、スタイルチェンジ込みで実質的に200ダメージの攻撃ということになる。
ちなみにロックマンがノーマルかサイトスタイルの場合、無属性のブレスを含めた5つのブレスのうちランダムに3種が選ばれる。もちろん、ダメージも元々の100のまま。

範囲の関係で基本は最後列が安置になるが、スイコミの風はブレス攻撃の合間にも発生する。
タイミングよく後ろに回避しなければ当たってしまう、回避が非常に難しい攻撃のようにも思えるが、
実は避け方は単純で、上段または下段列にいる状態で左を押しっぱにしていれば避けられる。
ただし中央列にいる場合、ブレスが残っている内から中央列にスイコミの風が発生してしまう為、ブレスに当たってしまう。
無理に攻撃を当てようと中央列に居座ろうとすると、手痛いダメージを受けてしまうので注意。
攻撃開始前の長時間スイコミ中にのみ攻撃を当て、ブレス攻撃中は上下段で回避に専念するか、
どうしても攻撃を当てに行きたいならインビジブル等の回避系チップを使うのが無難だろう。

なお、攻撃範囲とゴスペルの移動しない特性から、エリアスチールを使って頭部の上下マスに移動すると、簡単に無効化できる。
どうしても苦戦する場合はフォルダに組み込んでみるのも一興。
ただし合間合間に飛んでくるジャンクフライヤーは健在なため、安置だからと油断せずさっさと倒しきってしまおう。

なおゴスペルのバトルチップの効果は、この技を再現するもの。
特別配信チップのため入手難度は低くなかったが、WiiU版やアドバンスドコレクションなどの移植版では容易に入手可能となった。

その他、関連性のあるチップ・PAとして、「フォルテGS」「バグチャージ」「ダークメシア」「ダークメシアネオ」がある。

【メディアミックス】

アニメ版

『無印』第49話にて初登場。
原作と違い、Dr.ワイリーファラオマンの「究極プログラム」を解析した結果生まれた「電脳の魔物」。
ゴスペルが成熟するまでは、Dr.ワイリーは表舞台には出ず、裏からゴスペル首領とネットマフィア・ゴスペルを操ってゴスペルを育成していた。

究極プログラムの力で様々なデータを吸収して成長する能力を持っている。*1
ナビやデータだけでなく、他のナビの究極プログラムさえも取り込むことが可能。

最初はスライム状の姿をしていたが、エアーマン、そしてネットシティのさまざまなナビを吸収することで獣型に変化。
ゴスペルを止めるべく挑みかかったブルース、果てはゴスペルを吸収しにきたフォルテさえも返り打ちにして吸収してしまうが、バグスタイルと化したロックマンの力により分解されて撃破された。

ちなみに鳴き声はアニメ・ZOIDSシリーズのライガー系ゾイドの鳴き声。アニメの製作会社が同じこともあり、
ヒートマン誕生の経緯など、セルフパロディや素材の引用が散見される。

漫画版

コロコロ版「ロックマンエグゼ」21話~23話に登場。ゲーム版と異なり「バグのかけらの集合体」でも「フォルテのコピーを作ろうとして偶然生まれた姿」でもなく、世界中から奪った研究データから意図して産み出されたものとなっている*2。鷹岬版ではロックマンに発現したサイトスタイルを手中に収める事が組織の目的となっており、本物のフォルテとの協力関係を築くことにも成功していた(なので、フォルテのコピーを作る必要が無かった)。

電脳獣ゴスペル」と名乗っているが、『6』どころか『3』さえ発売されていない頃に描かれたもの(2002年頃)であり、『6』の「電脳獣」とは何の関係もない。……のだが、過去に似たような姿をした電脳獣が電脳世界で暴れまわっていた事実が明らかになった今となっては、鷹岬版ゴスペルはむしろその伝説にあやかって研究データをこの姿にし、電脳獣と名付けたかのようにも見えてくるため、「電脳獣」という肩書に違う意味が生まれた『6』以降の設定を加味してもそれほど違和感を覚えさせない。

ゴスペルとの激闘でロックマンがサイトスタイルに切り替わると、ゴスペル首領は即座にデータ吸収を指示。サイトスタイルの力を取り込み最強の存在になろうとしたが、ロックマンに逆に膨大なエネルギーを流し込まれて暴発、吸収に失敗する。

その後、暴走を経てサイトスタイルの制御に成功したロックマンの猛攻で撃破寸前まで追いつめられるが、首領のケイ・ユウキ*3がフォルテを呼び寄せ、ロックマンとの共闘を開始する。

フォルテがロックマンとの決闘を純粋に楽しむさなか、ケイ・ユウキはゴスペルマキシマムモードを発動。パワーを10倍に引き上げ、今度こそサイトスタイルの吸収を試みようとしたが、闘いに介入されることを嫌ったフォルテに「邪魔だ」と一蹴され、エネルギー弾の一撃でデリートされてしまった。フォルテの裏切りにケイ・ユウキは抗議するが、「手を組んだ覚えはない」と切り捨てられている。

【余談】

2016年に、花やしきのコラボイベントにおいて、パンダカーそっくりの姿になった事があった。
それでいて一枚絵とポージングが一緒なので、何となくノリノリでやっているようにも見える。

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無属性 ボス EXE2
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最終更新:2025年01月04日 16:48

*1 このプログラムはファラオマン(現フォルテ)が持っていたもののコピー。ゲーム版の「フォルテのコピー」を踏まえた設定か

*2 ガウス・マグネッツ曰く。ただし登場時はロックマンとブルースに撃破されたゴスペルナビ達の破片が集まって形作られたかのような演出がされている。あらかじめナビ達の身体に研究データを断片的に仕込んでいたのだろうか?

*3 帯広シュンの偽名で鷹岬版オリジナル設定。執筆当時、まだ帯広シュンの名が鷹岬氏にも明かされていなかったため