爆竜戦隊アバレンジャー

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爆竜戦隊アバレンジャー - (2021/03/07 (日) 16:56:53) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/09/09 Fri 22:25:58
更新日:2023/10/29 Sun 20:03:34
所要時間:約 6 分で読めます





荒ぶるダイノガッツ!

ー!

『爆竜戦隊アバレンジャー』は2003年に放送されたスーパー戦隊シリーズ第27作目の作品。

●目次

【概要】

恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992年)』に続く恐竜がモチーフの作品だが、本作は我々が住む世界とは別の次元にある「ダイノアース」という世界で独自の進化を遂げた爆竜という生き物という設定。人間の言葉を話すだけでなく変形や合体が可能になった。
『釣りバカ日誌』とのコラボという大胆な企画も行われた。

「恐竜らしさ」を重視した極めて荒々しい戦闘スタイルが特徴的で、個人武器こそあるものの武器を使わない方が強いんじゃないのか?と思わせる描写が多いのが印象的。
全体的な作風やキャラの性格などは『激走戦隊カーレンジャー(1996年)』でメインライターだった浦沢がサブライターにいることもあってか、明るめかつギャグ重視(特に中~終盤のトリノイド)なのだが、
暗黒の鎧を筆頭とした敵側の設定周りや、アバレブラック個人に関連した設定などはかなり陰鬱なものが多い。
そして「私利私欲のために敵組織に媚びを売る一般人」が他の作品とは比べ物にならないぐらい出てくるのも特徴。
更には設定上必須だった(無いと色々悲惨なことになってしまう)とはいえ、ニチアサにも拘わらずベッドシーンがあることが一部で有名。
人間の悪意をこれでもかという程描いた次の週にカオス回をぶち込んでくるのが当たり前のように起こる為、
シリーズでも他に類を見ない程「ギャグとシリアスの落差が激しすぎる」作品である。

ちなみにこれらニチアサと思えないような設定・描写各種は、スタッフが一部共通していること(脚本陣など)から『仮面ライダークウガ』の続編の声に応えるという意味で同様のテーマを盛り込んだ結果らしい。


ジャッカー電撃隊(1977年)』以来の4人制戦隊である。
もう一人の追加戦士に至っては、第三勢力から悪の組織の首領となり、仲間に加わったのは物語の終盤のみという異色なものとなった。

海賊戦隊ゴーカイジャー』などでメインライターとなる荒川稔久が、スーパー戦隊シリーズでは初めてメインを務めた作品でもある。


【登場人物】


◆爆竜戦隊アバレンジャー

元々の居住地からして異なり面識すらない3人が戦場に直接呼び出され、初戦から対幹部戦というなかなか異色の誕生経歴を持つ戦隊だったりする。
また、戦隊シリーズ恒例の秘密基地も店の奥を一般人の技術者に改造してもらって作るという珍しい作られ方がされている。

伯亜凌駕(はくあ りょうが)/アバレッド/アバレマックス(演:西興一朗)
穏やかな性格で、仲間にも敬語で話す好青年。
争いを嫌う穏和な人柄だが、内には高い闘争本能を秘めている。
ただ、時に楽天家過ぎて幸人などからバカにされてしまうこともある。
両親を失った姪の舞を引き取り、親代わりに育てている。
物語の中盤以降はブルー、イエローの力を得て強化形態の『アバレマックス』へと二段変身が可能になる。

三条幸人(さんじょう ゆきと)/アバレブルー(演:冨田翔)
カリスマ整体師の腕前を持つクールな男。その腕で大金を稼いでおり、アバレンジャーを資金面でバックアップしている。父親はブラック指令
えみポンといい雰囲気であり、エヴォリアンを倒した後は同棲している。
『海賊戦隊ゴーカイジャー(2011年)』ではジョーの担当。幸人はジョーと同じくクール系男子なので馴染んでいた。

樹らんる(いつき ―) /アバレイエロー(演:いとうあいこ)
九州出身の天才的なメカニックの腕前を持つ元アイドル。
勝ち気で気が強く、感情が高ぶると博多弁になる。
自転車で福岡の博多から東京まで来る強者。ヤツデンワニに惚れられている。
ゴーカイジャーではルカの担当者。らんるとルカはどちらも男勝りキャラなので違和感なく馴染んでいた。

アスカ/アバレブラック(演:阿部薫)
ダイノアースから地球にやって来た竜人でアバレンジャーの司令官。
アバレンジャーに変身する力・ダイノガッツを持っている凌駕、幸人、らんるの3人を紆余曲折あってスカウトした。
地球の文化に馴染めず天然ボケな所がある反面、恋人のマホロや娘のリジェをデズモゾーリャに洗脳されてしまうなど重い過去を持つ。
…というか、アバレキラー関連があまりにも有名である本作のシリアス要素だが、ぶっちゃけ彼の設定回りのシリアスな要素はそれを超えるレベルである。
彼もまた凌駕と同じく普段は敬語で話すが、マホロと話す際には普通の口調となる。
Vシネマ『轟轟戦隊ボウケンジャーVSスーパー戦隊(2007年)』では、アカレッドの申し出を受け、ボウケンシルバー/高丘映士に協力。2代目ドリーム戦隊の一員として活躍した。
2番目の戦士だがゴーカイジャーではハカセの担当。しかしこいつもよりによってクール系男子からお茶目キャラへと綺麗に逆転してしまう。

仲代壬琴(なかだい みこと)/アバレキラー(演:田中幸太朗)
天才的な頭脳を持つ外科医だが、その頭の良さで幼い頃から友人や仲間に恵まれず退屈な日々を送っていたところ、ある日、アバレンジャーへの変身能力を偶然手にする。
その後は自分が勤めている病院を辞め、自身のときめきを目的に動く所謂第三勢力的な存在でアバレンジャーたちの前に現れ、幾度となく苦しめるが、ある日、リジェとの出会いを切っ掛けに何と悪の組織であるエヴォリアンの首領の座に収まってしまう。
しかし、物語の後半で幼い頃から自分の体内に潜むデズモゾーリャの邪命因子が自らの人生を歪めた切っ掛けである事を知り、アバレンジャーたちの仲間になり、仲間から貰ったダイノガッツと自分のダイノガッツを合わせ体内に潜むデズモゾーリャの邪命因子を消滅させるが、その反動で不死身の力を失い死亡する。

後日談のOVA『特捜戦隊デカレンジャーVSアバレンジャー(2005年)』では彼の死亡した後の話のため出番はないと思われたが、トリノイド.サウナギンナンがデズモゾーリャを蘇らせようとしたところ、一番強い彼を蘇らせてしまいデカレンジャーたちと共闘する。サウナギンナンとカザックを倒した後は再び死後の世界に帰っていった。
死後は、緑色の恐竜戦士シティガーディアンズの元隊長と仲良くやってる模様。

本来ヒーロー側の追加戦士枠でありながら、登場期間の大半を「アバレンジャーの敵」だったり*1、さらに敵組織の首領にまでなってしまうという、戦隊シリーズでも異例中の異例の存在。描写的には「最初は敵だが味方になる追加戦士」というよりも「終盤で正義の心に目覚め、味方に寝返った敵幹部」といったほうがしっくりくるものであった。*2

東映プロデューサーの日笠淳によれば、彼が終盤まで敵対していた理由は、テレビ朝日プロデューサーの中嶋豪の強い意向であり、キャラグッズの売上を推進したいバンダイをはじめとするスポンサーからは反対され、度々衝突していた。
脚本家の荒川稔久の構想ではアバレキラーは味方になることなく、悪役のまま最期を迎える構想をしていたが、スポンサーの各企業やBPOからの抗議に押されたテレビ朝日の上層部からの圧力嘆願に屈し、終盤に味方になる方向へ妥協せざるを得なくなった。*3
敵→仲間の期間が長いことが物語やグッズの売上に支障をきたしたため、以後このような体制の追加戦士は『動物戦隊ジュウオウジャー』のジュウオウザワールドまで13年間登場しせず、ザワールドも短期間で仲間になっている。*4

名前の由来は英語で「殺し屋」を意味する「Killer」から。
プロトタイプのアバレスーツから「0号」と呼ばれることも。
戦士の名前を番号で呼称するのは『烈車戦隊トッキュウジャー』や『警察戦隊パトレンジャー』受け継がれている。
ちなみに追加戦士枠なのでゴーカイジャーではガイの担当なのだが、クール系キャラから三枚目キャラへと綺麗に逆転してしまうことになる。  

◆アバレンジャーの協力者

今中笑里/アバレピンク
通称えみポン。アバレンジャーに協力する眼鏡と三つ編みがトレードマークの女子高生。
残念ながらアバレンジャーになる事は出来なかったが、自作のスーツで一度だけアバレピンクに変身した。
ちなみにカラーからゴーカイジャーのアイムが変身したことがあるが…。
詳しくは個別項目を参照。

〇杉下竜ノ介(演:奥村公延)
アバレンジャーの基地であるカレー店「恐竜や」を経営する老人。あだ名は「スケさん」。
なお、恐竜やの常連客には少なくともデカマスターマジマザーゲキチョッパーとその妹の幸子がおり、ゴーオングリーンがバイトしていた時もある。
その時は既にスケさんは秘書に成り下がっていたと思われるが……

○伯亜舞(演:坂野真弥)
凌駕の姪。しっかり者の幼女。
他界した両親に代わり叔父の凌駕に育てられているが、凌駕を本当の父親のように慕っている。
後にアメリカでアイドルデビューする。

○マホロ(演:桜井映里)
アスカの恋人。
エヴォリアンとの戦いの中、策略によって洗脳され……

○カスミ(演:鈴木かすみ)
突如現れた謎の少女。リジェと瓜二つの姿をしているが、その正体は……

○フリージア(演:小向美奈子)
劇場版『DELUXE アバレサマーはキンキン中!』に登場したダイノアースに伝わる伝説の王女。


邪命体エヴォリアン

邪命神デズモゾーリャが率いる、6500万年前に地球に衝突した巨大隕石に付着していた邪悪な生命体を発端とした敵組織。
ダイノアースを滅亡に追いやり、アナザーアース(地球)侵略に乗り出した。
名称はエボリューションエイリアンから。
詳しくは個別項目を参照。


ヤツデンワニ
ミケラが産み出したトリノイドだが、生まれてすぐに愛想を尽かされアバレキラーの下で働く。
いつの間にか恐竜やに住み着いただけでなく、何と恐竜やを乗っ取ってしまった。それでも、普通のカレー屋をホリエモンもびっくりする程の大企業に成長させた辺り経営の才能はあるのかもしれない。
彼が恐竜やを大企業にしたことで、遠回しに数々の戦隊を繋げる架け橋となっている。ある意味、レジェンド大戦の影の立役者なのかも……
ゴーカイジャーVSギャバン』では魔空監獄に囚われていた。
ゴーバスターズVSゴーカイジャー』では2005年に飛んだゴーカイレッドレッドバスターが彼の働く恐竜やの一店舗でカレーを食べている。


◆爆竜巨人

アバレンオー
アバレンジャーの戦隊ロボ。
詳しくはリンク先参照。

キラーオー
アバレキラー専用ロボ。
詳しくはリンク先参照。

マックスオージャ
アバレマックス専用ロボ。
詳しくはリンク先参照。

◎バクレンオー
劇場版に登場した凶悪ロボ。
公式外伝漫画『若草のフリージア』にて、このロボとフリージアの秘密が語られる。


海賊戦隊ゴーカイジャーにて】

第18話『恐竜ロボット ドリルで大アバレ』にて壬琴が登場。
ゴーカイシルバー/伊狩鎧の夢の中に現れ、恐竜戦隊ジュウレンジャードラゴンレンジャー未来戦隊タイムレンジャータイムファイヤーと共に、彼に3つのスーパー戦隊の大いなる力を与えた。
その三つの大いなる力の結晶こそが、ゴーカイジャーの2号ロボ・豪獣神である。


壬琴「思い切りときめけ!」

第29話『アバレ七変化新合体』にも幸人と笑里ポンが登場。

何と二人は結婚していたことが判明。

ちなみに、戦隊ヲタである鎧からの認知は……


鎧「アバレブルーの三条幸人さんと…………知らない人ォ~♪」

笑里ポン涙目である。
また、この回でアバレンジャーにゴーカイチェンジした際
本編では見れなかったアバレキラー(とアバレピンク)の変身バンクが拝見できる。

アバレンジャーの大いなる力でゴーカイオーと豪獣神が合体できる事を伝えた上に、笑里ポン特製アバレピンクのレンジャーキーまでプレゼントした。
なお、笑里ポンの中の人はいつの間にか子供達にとてもじゃないが見せられない写真集を出していた。さらに2020年には『魔進戦隊キラメイジャー』のエンディングのダンスの振付師として久々にスーパー戦隊シリーズに関わる事となる。
一方、らんるの中の人は結婚、引退、スケさん役の人が09年に死去。そのため企画されていた10周年記念のVシネマ制作が見送られた。


【メディアミックス】

夏の劇場映画『アバレサマーはキンキン中!』の公開に併せ、角川書店「特撮エース」誌にて公式外伝漫画『爆竜戦隊アバレンジャーDELUXE 外伝 若草のフリージア』が掲載された。


【余談】

本作が放映されていた2003年のニチアサはその後に555ナージャと続いていて、いずれもかなり内容がディープでシリアスだったことで有名。
そのため「当時のニチアサはヤバかった」と回顧する人も多い。


幸人「アバレた数だけ強くなれる…もっとアバレまくれ!」


「追記・編集!アバレッド!」

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