鳥人戦隊ジェットマン

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鳥人戦隊ジェットマン - (2021/09/21 (火) 13:49:59) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/05/10(火) 21:39:18
更新日:2024/04/15 Mon 17:09:54
所要時間:約 6 分で読めます






画像出典:「鳥人戦隊ジェットマン」Bパートアイキャッチより
1991年2月15日から1992年2月14日までテレビ朝日系列にて放送
© 東映



鳥人戦隊!

ジェ!!



『鳥人戦隊ジェットマン』とは、1991年2月15日~1992年2月14日の間に放送された特撮ドラマである。
スーパー戦隊シリーズの第15作目にあたる作品であり、脚本は井上敏樹、監督およびキャラクターデザインを雨宮慶太が担当した。
当時、『秘密戦隊ゴレンジャー』『ジャッカー電撃隊』はシリーズから除外され『バトルフィーバーJ』からカウントしすると13作目だったため後の5年おきの作品と違い記念作品扱いはされていない。


【あらすじ】


西暦199X年、地球の平和は防衛組織「地球防衛軍スカイフォース」により守られていた。
スカイフォースは人間の身体能力を強化できるバードニックウェーブを開発、
これを利用した超人戦士開発計画「Jプロジェクト」を極秘に進めていた。

しかし、様々な次元を侵略してきた「次元戦団バイラム」の突然の襲撃により宇宙基地は壊滅し、
バードニックウェーブを浴びる予定の戦士も一人を除き全滅。バードニックウェーブは地球に飛散し4人の一般人に吸収された。

スカイフォース隊員として唯一バードニックウェーブを浴びていた天堂竜とプロジェクト責任者の小田切綾は、
バードニックウェーブを浴びた4人の戦士を探しだしバイラムに立ち向かう。


【簡単な解説】


本作は、視聴率低迷に苦しんでいた「地球戦隊ファイブマン」の反省を踏まえ革新的な要素を多く取り入れた意欲作。
これまでターゲットだった低年齢層でなく、高年齢層向けにシフト。
タブー視されていた「チーム内恋愛」を物語の中心に入れ、さらに戦隊メンバーの恋人を巡った敵側のも絡めた恋愛物語は、
まるで昼ドラのような愛憎劇を展開した。
似たようなものとしては「光戦隊マスクマン」があるが、あれはあくまでも主人公のレッドマスク/タケルと
敵側の姫である美緒/イアル姫の関係に終始していただけに、ジェットマンで盛り込まれたこれらの要素は
「戦うトレンディドラマ」と言わしめるほどだった。
当然ハードな展開ゆえ、一般人が殺害されるシーンも結構多い。特に初回で子供向け番組としては珍しく子供が次元虫に捕食されて殺害されるシーンがあったりする。

他にも

  • 若いキャスティング
  • 変身後もコードネームではなく、本名で呼び合う(全編通してでは初)
  • ヒーローが毎回変身するとは限らない
  • シリーズ初の女性長官
  • 三号ロボやサポートロボの導入
  • Aパートで終わる最終決戦と後日談にあてられたBパート

などが特徴として挙げられるが、従来のように王道のヒーロー回やコミカル回も見られる。
特にサブタイトルは「カップめん」「紙々の叛乱」「歩くゴミ」「ゴキブリだ」などカオスなものが多い。文字数も前作のファイブマンの中盤から引き続いて34話までが最大で5文字と短い物だったが、35話からは最大9文字となっている。 
以降のシリーズの礎にもなった作品である。

オーディション当時の仮題はもっとストレートな『超人戦隊バードマン』とされていたことが、
ブラックコンドル / 結城凱を演じた若松俊秀の回想の中で語られている。
ジェットマンの基本銃である「バードブラスター」、ジェットイカロスのである「バードニックセイバー」、
ジェットマンになるための力である「バードニックウェーブ」と「バードニックスーツ」はその名残。
「バードマン」だと、「パーマン」のキャラクターと被ってしまう懸念もあったのかもしれない(そうでなくても「鳥人」を指す一般名詞であるし…)。

他にも本作はスーパー戦隊史上初めて単独でゲーム化された作品でもあり、ファミリーコンピュータからアクションゲームが発売された。

視聴率面では裏番組である『らんま1/2(熱闘編)』(フジテレビ系)に依然として押され気味ではあったものの、前作『ファイブマン』後半からの復調傾向を維持しており、これらの要因はその後の戦隊シリーズの建て直しに繋がる布石となった。

ナレーションを努めたのは垂木勉氏。この番組を担当して以降、様々な番組でナレーションを務めることになる。

主題歌を歌唱したのは光戦隊マスクマン以来となる影山ヒロノブ氏。主題歌の作曲はバイオマンからの歌謡曲・ポップス畑*1から一線を画し、アニソンや子供向け番組の音楽を担当している「つのごうじ」氏を起用。特にOPは王道のヒーローソングに仕上がっている。作詞は引き続き歌謡曲畑から荒木とよひさ氏が担当している。OPは戦隊としては初となる全編メジャーコードが採用された*2。EDも3年連続でメジャーコードが採用されている。

次回予告は本放送時は20秒だったが、映像ソフト版およびネット配信版は当時の番宣CMで使用されていた15秒の物に差し替えられている。

映像ソフト化では、本作以降から全話収録のVHSが発売されるようになり*3、以後2005年の「魔法戦隊マジレンジャー」まで定着化され、翌年の「轟轟戦隊ボウケンジャー」からはセル•レンタルともにDVDのみの展開に移行した。

【登場人物】


◎ジェットマンおよびスカイフォース関係者


天堂竜/レッドホーク(演:田中弘太郎)
25歳(作中で26歳に)のスカイフォース隊員で、正規のジェットマン。
詳しくは当該項目を参照。


★鹿鳴館香/ホワイトスワン(演:岸田里佳)
名門「鹿鳴館財閥」のお嬢様で22歳。チェンジマン以来の白い女性戦士。
最初から一人だけ進んでジェットマンに加入した(ジェントルマンと勘違いしていたが)。
お嬢様らしく世間知らずで我が儘な面*4があったが、後に成長。
凱や雷太に惚れられるが香は竜に惚れ、竜はリエを忘れられないと言うドロドロの恋愛関係を展開。
まさに作品の中心をなすヒロイン。
隠された性格は「金持ち根性丸出しの嫌味女」。



★大石雷太/イエローオウル(演:成瀬富久)
農業家で野菜をこよなく愛する22歳の青年。キレンジャーとゴーグルイエローに続く、「大食漢で力持ちでぽっちゃり系の戦隊イエロー」。
名前もキレンジャー/大岩大太のオマージュである。本編でカレーを食すシーンはあるが、大好物というワケではない。
当初は暴力反対と誘いを断るも、敵に畑が荒らされてブチ切れて、鍬を持って暴れた末にジェットマンになることを決意した。
シリアスと二枚目担当の竜と凱とは逆にコミカルな三枚目担当であり、基本的には温厚なのだが、卑屈な一面から、余計な一言を言ってしまうことも。
香に好意を抱くが、コンプレックスから高嶺の花であり、原始時代で出会った香そっくりの女性と恋仲になりながらも、現代を守るために彼女と別れる。この一件以降、香への恋心は昇華した。
隠された性格は「キザでツッパリ」。

戦いが終わった後は、幼馴染みのサツキと結婚し、彼女との間に子供ももうけ、無農薬野菜販売の事業が成功して社長になった。ジェットマンで一番の勝ち組かもしれない。
なお、演じる成瀬富久氏はもう既に俳優業を引退しているが、イエローオウル自体は仮面ライダーや他のスーパー戦隊との共演作に出演しており、特に後者では恐らく代役の人だろうが27年振りに言葉を話すイエローオウルが見られるという感動物。


★早坂アコ/ブルースワロー(演:内田さゆり)
18歳の女子高生で処女。金にがめつい面があるが小市民。自分より年上はオバンなんだとか。
先輩やら裏次元の戦士ダンなどど恋愛描写があるものの、隊内恋愛には関わらなかった。
隠された性格は「乙女チック」 。
現在ではアイドル。
歴代で6人いる女性ブルー戦士の中で、唯一水属性でない。

演者は子供時代ピンク色のマスコットと共に過ごしていた。
また2年前は都立武蔵野学園高校の生徒であり、10年後には結婚式場の着付け役として働いていたところを鋼の猛牛に一目惚れされた



結城凱/ブラックコンドル(演:若松俊秀)
25歳のギャンブラー。職業も含めて、ヒーローらしくないが、ヒーローでもある男。



★小田切綾(演:三輝ゆきこ)
スカイフォース幹部で怒らせると怖いジェットマンの女長官。オバンではない。
指揮官としてでなく戦闘力や技術力も高い、戦隊シリーズ随一の女傑。
ジェットガルーダでバイオ次元獣を撃破したほか、最終決戦でもガルーダに乗り込み参戦。ジェットマンたちと戦いぬいた。あんたが追加戦士になれよ。
結婚願望ありで2年後にはゴーマと結婚。その際に雷太とそっくりなカメの気伝獣の中に匿われた。


一条総司令(演:手塚秀彰)
ネオジェットマンを率いてやってきた人物。詳しくは当該項目も参照。
権威の塊で部下を自己顕示欲を満たす道具としか考えてない。
自分を差し置いて長官になった小田切長官を嫉んでいるが、最後は完全にプライドを砕かれてリタイア。


★ネオジェットマン
一条総司令が用意した新しいジェットマン。J1、J2、J3、J4の男性4人と紅一点のJ5で構成されている。ジャッカー電撃隊以来のサイボーグチームでもある。
ジェットマンが変身能力を失ったことを機に成り代わろうとするものの、実戦経験が足りないために窮地に陥り、
自分たちの力と引き換えにジェットマンを復活させた。
演者は全員がJACであり、J1(演:望月祐多)は次作のヤマト族プリンスでもある。J2(演:笠原竜司)は後に神谷町(当時)の放送局で新幹線のパワーを持つ牛乳大好きな愛の舞踊家になって全国の幼稚園児と踊ったり、お台場の放送局ではハンター1号機になって芸能人を追っかけ回している。


次元戦団バイラム

裏次元を征服し、地球を侵略しにきた侵略者。
支配者の女帝ジューザが行方不明になって以来、幹部間の勢力争いが激しい。
明確なボスが存在せずヒーローを倒したものがボスになり、足の引っ張り合いから全滅したのは『仮面ライダーストロンガー』のデルザー軍団と似ており、脚本も井上敏樹の父親である伊上勝である。
その意味では仲の良い次回作『恐竜戦隊ジュウレンジャー』のバンドーラ一味とは真逆。


ラディゲ(演:舘大介)
レッドホークの(昼ドラ的な)ライバルであり、本作のラスボス。
当該項目参照。


★マリア(演:丸山真穂)
バイラムの女幹部。
その正体は天堂竜の恋人・藍リエが洗脳された姿。ピアノの演奏が得意なのはリエだった名残。
49話でついに元の姿を取り戻し、ラディゲにブリンガソードで傷をつけ殺される。
だが、傷が最終回でラゲムになった際に大きく開いてしまうことになり、ジェットマン逆転の鍵になった。


グレイ(演:日下秀昭)
マリアに想いを寄せるロボット幹部。
ブラックコンドルのライバル。
当該項目参照。


★トラン(演:久我未来)
子供幹部。超能力を武器にしていたが、子供であるために馬鹿にされたり情けをかけられたりしたため…

ちなみに演者はこの後金八先生に出演し、キバレンジャーと同級生になった。


★トランザ(演:広瀬匠(現:広瀬裕))
キレたトランが急成長した姿。圧倒的戦闘力で他の幹部を支配するも、高慢な性格が災いして最後は……。
頭脳の方も成長し魔神ロボ・ベロニカやバイオキラーガンといった様々な物を開発し、ジェットマンを全滅に追い込んだ。

女帝ジューザ(演:高都幸子)
番組中盤で帰還したバイラムの首領。
ジェットマンを圧倒し、クセモノ揃いの幹部陣を従わせる実力者であったが、当の幹部たちには疎まれており、ジェットマンとラディゲの共闘に敗れ、早々に物語から退場した。


★次元獣
バイラムの尖兵である怪物。
次元虫という生物を特定の非生物に寄生させて作り出す。作中ではゴミジゲンドライヤージゲン等の善良な次元獣も登場していた。
物語後半ではマリアが開発したバイオ次元虫を使い動植物の要素を付加して強化された「バイオ次元獣」が登場した。


★グリナム兵
バイラムの戦闘員。
グリナムの種という種状の物体から生まれる。
が武器。



◎裏次元ディメンシアの戦士

バイラムに滅ぼされた裏次元ディメンシアの生き残り。
バードガルーダの提供者で鳥人の変身能力を有している。
演者のうち2人は過去の戦隊シリーズで出演経験があり、残る1人も翌年でレギュラーに抜擢されたため、全員が戦隊メンバー経験者となった。


★レイ(演:石渡譲治)
リーダー格でグレートイカロスの合体を可能にするも死亡。ブルースター育ちの青い戦士とは無関係。


★カンナ(演:前田賀奈子)
レイの恋人だが結局死亡。姿レーシングクラブに所属する太極拳使いとは無関係。


★ダン(演:藤原秀樹)
アコにアプローチをかけたり仮病を使いデートする(別次元ファッションでレストラン)などしていたが結局死亡。
メンバー中、本編で唯一変身した戦士。翌年のエトフ族ナイトとは同じ名前で役者も同じ。



【ロボット】


ジェットイカロス

ジェットマンの専用メカ「ジェットマシン」5機が合体する巨大ロボ。多彩な武器を持つ。
よく腕がもげたり必殺武器の剣が折れたりジェットマンの変身が解けたりするが、歴代戦隊ロボでも弱い方だからなのかバイラムが強すぎるからなのかは解釈が分かれるところ。
必殺技はバードニックセイバー。


★イカロスハーケン

ジェットマシンがジェットイカロスとは異なる態勢で合体した巨大戦闘機。必殺技はジェットフェニックス。


★ジェットガルーダ/バードガルーダ

ディメンシア製の鳥/鳥人型巨大ロボ。
人型のボディと動物の顔を併せ持つ戦隊ロボは以外に珍しい。
必殺技はガルーダクロー。


★グレートイカロス

ジェットイカロスとジェットガルーダが合体した超巨大ロボ。
必殺技はバードメーザー。


★ハイパーハーケン

イカロスハーケンとバードガルーダが合体した超巨大戦闘機。
必殺技はハイパー・G・アタック。


★テトラボーイ

AI搭載の初の三号ロボ。素早い攻撃と巨大ビーム砲「テトラバスター」への変型が特徴。
明らかに変型前と変型後でサイズが違う。



海賊戦隊ゴーカイジャーにて◆


翼は永遠にを参照。



機界戦隊ゼンカイジャーにて◆


ゼンカイジャーがジェットマンギアでジェットマンの力を発動。なんと、最終回の再現シーンの幻影でレンアイワルドを攻撃するというものである。
なお、発動直前にレッドホークがゼンカイザー、ブラックコンドルがレンアイワルド、イエローオウルがジュラン、ホワイトスワンがマジーヌ、ブルースワローがガオーンに乗り移っていたが、五人は乗り移ったメンバーのポジションを演じている。よくできてやがる…
因みにフリントは雷太の妻サツキ、ブルーンはひったくり犯、ゾックスはひったくり犯の被害者役であり、神父役は偶然側にいた一般人キカイノイドが担当した。そして何故か小田切長官ポジはハブられている…

この回の終了直後、徹底比較としてジェットマンギアの元ネタであるジェットマン最終回「はばたけ!鳥人よ」がYouTubeで配信された後、全話配信が始まるという前代未聞の展開が起きた。





「良項目が目に染みやがる。綺麗な項目だ…」
「ああ。Wiki篭りたちが追記・修正してきた項目だ…」


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