超新星フラッシュマン

登録日:2009/08/05 Wed 20:54:37
更新日:2025/03/06 Thu 18:39:31
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1986年 2号ロボ初登場 80年代戦隊 80年代特撮ヒーロー ※土曜夕方18時です。 ある意味イエローが主役 もう一度ローリングバルカンだ!→普通に勝つ コードネーム呼び戦隊 スーパー戦隊シリーズ タイトルに戦隊がない テレビ朝日 ビターエンド フラッシュ宇宙の超新星 プリズムパワー マン戦隊 メリーバッドエンド ラスト7話は戦隊屈指のシリアス長編 ラストは鬱←わずかながらの希望 レジェンド戦隊 中村容子 中田譲治 井上敏樹 出渕裕 危険の意味なんて忘れたのさ 吉田真弓 垂水藤太 宇宙 島田満 広瀬匠 広瀬裕 悲しい結末 意外な国で大人気な作品 改造実験帝国メス 昭和戦隊 曽田博久 東映 植村喜八郎 残留孤児 特撮 田中公平 石塚運昇 石川県 石渡康浩 第10作 終盤は鬱展開の嵐 自重しない回転 自重しない宙吊り 自重しない崖→水落ち 藤井邦夫 超新星フラッシュマン 超新星鬼 鈴木武幸 顔出し悪役が歴代1位の多さ



ある日、地球から5人の子供が宇宙の果てに攫われた。

そして、20年後…!


1986




Λ▽Λ



超新星!


フラマン!!

画像出典:超新星フラッシュマン 第1話『急げ!地球を救え』より、(1986年3月1日放送)
©テレビ朝日・東映・東映AG



『超新星フラッシュマン』とは、東映製作の特撮テレビドラマスーパー戦隊シリーズ第10作。
1986年(昭和61年)3月1日から1987年(昭和62年)2月21日までテレビ朝日系列で全50話放送された。



【概要】

これまでのシリーズにおける戦隊結成の経緯は、「軍からの選抜」「平凡な民間人がある日突然血筋や素質を見抜かれる」といった、言ってしまえば“巻き込まれ型”が中心だったのに対し、本作では「メンバーが自発的に戦隊を結成する」という新たな試みがなされた。

また、主人公達5人は厳密にいえば地球人であるものの、宇宙育ちであり地球のことを全く知らず、「地球以外の文明圏からやって来た」というのも重要なポイント。
これもシリーズ初の試みであり、ある意味“ファンタジー戦隊”としての要素も併せ持つ。
後年の戦隊にも「異世界からやって来たため地球の文明のことを知らない」というカルチャーギャップが描かれた作品はいくつかあるが、
このフラッシュマンは文明を知らないまま育った故か、ヒーローとしてのフィジカルの強さに反して精神年齢が低く、IQが溶けるような会話を繰り広げることもしばしば。
基本設定こそシビアであるものの、それとは正反対の呑気さ・無邪気さから来るギャグ描写も本作の特色の一つとなっている。

超電子バイオマン』から劇伴を手掛けてきた矢野立美氏は、主にアイディアの枯渇を理由に本作の担当を辞退。
代わりに、同時期に挿入歌などを手掛けて親交のあった田中公平氏がBGMを担当することとなり、結果として本作は田中氏がBGMを担当した唯一の東映特撮作品となった。
全体的にポップな感じの楽曲が多い一方で、いわゆる処刑用BGMは燃える曲調のものが多く、今なお高い人気を誇る。

主題歌を作曲したのはゴダイゴを解散してソロ活動を開始したタケカワユキヒデ氏で、3年連続で歌謡・ニューミュージック出身の人物が起用された*1。歌唱は北原拓氏。
タケカワ氏の息子は父が歌うと信じ込んでおり、後楽園ゆうえんちのショーで北原氏」が歌っているのを見て「歌わせてもらえなかったんだ」と父親に言ったという。

ナレーターには後にラジオ番組『JET STREAM』の2代目パーソナリティを務める小野田英一氏が起用された。

また、本作は『科学戦隊ダイナマン』からキャラクターデザインを担当した出渕裕氏が最後に関わった1980年代戦隊でもある。
マスクから素顔が見えて変身前のキャスト者との一体感を強調した「シャットゴーグル」などのアニメを意識した演出も採用されている。
これには一人ずつ行うパターン*2、最も多用されたサイコロの5の形のように行うパターン*3、その他には5人が並んで行うパターン*4、5人が頭を付け合って星型で行うパターン*5があった。
マスクから素顔が見える演出は後に『救急戦隊ゴーゴーファイブ』や『忍風戦隊ハリケンジャー』、メタルヒーローシリーズのレスキューポリスシリーズでも取り入れられている。

ちなみにシャットゴーグルに使っていたマスクはほとんど変身でしか使った事がない。というのもマスクが前半分しか無く、後ろは下面(マスクの内側に被る全身タイツの頭から胸の部分だけ切り取ったようなもの、首の部分の白か黒の生地がそれ)が丸見えだかららしい。
また、ジン役の垂水氏によると「俳優は床に寝た状態で特効スタッフがワイヤーを引いてゴーグルを閉じる」という撮影方法だったらしい。

各話完結がベースになっているのは従来同様だが、これまで以上に伏線の張り方が緻密で、作品の根幹を司る要素が時間を掛けて丁寧に解き明かされていく見ごたえのあるシナリオとなっている。
詳しくは後述するが、終盤の展開には当時ビックリした視聴者も多かったのではなかろうか。
そして、何と言ってもシリーズ初の2号ロボが登場するというのもポイント*6

「47戦隊47都道府県」では石川県を担当。本放送時は前作で一度放送が終了していたけど
UFOの展示で有名な宇宙科学博物館コスモアイル羽咋がある事が由来か。


【あらすじ】

全宇宙を旅し、様々な生態改造を続けてゆく『改造実験帝国メス』。
彼らの指揮下であるエイリアンハンターの一団は、辺境の星『地球』で現地生物の収集を行った。
時は地球暦1966年、その中に人間の子供達も含まれていた…
攫われた幾人もの子供達のうち、わずかに5人だけが異星人・フラッシュ星人に救われ、遠く離れたフラッシュ星系の5つの星へ分かれて育てられた。

それから20年。
成長した5人は自分達をさらったメスが地球侵略を計画していることを知り、養親の説得を振り切って地球に帰還、親子の絆を引き裂いたメスへの怒りとともに、地球を守るべく、フラッシュ星のテクノロジーで武装した戦士・フラッシュマンとして戦う。


◎登場人物

フラッシュマン

後述の通り、個々・全体の名乗りはそれぞれある事はあるが、5人揃った場面で全てを披露した事は一度も無い。

ジン/レッドフラッシュ
演:垂水(たるみ)藤太(とうた)

23歳。フラッシュ星系の母星・フラッシュ星で育ち、彼らの科学を学んで育ってきた、フラッシュマンの天才的頭脳派のリーダー。
「地球を守る」という使命感は非常に強く、それゆえかフラッシュマンのメンバーの中でも精神年齢は突出して高い。
剣術が得意で、メカにも秀でている。個人武器は真紅に光り輝くプリズム聖剣で、必殺技はファイヤーサンダー(強化前)/スーパーカッター(強化後)。
エイリアンハンターに誘拐された日の事や自分の誕生日は覚えている*7


ダイ/グリーンフラッシュ
演:植村喜八郎

22歳のサブリーダー。
岩山のフラッシュ星系の衛星・グリーンスターで育てられ、その環境のためか生身でも驚異的な怪力を誇る。
元々拳で戦うのが得意のパワーファイターだが、とある地球人との出会いからボクシングに興味を持ち、自らの戦闘スタイルに取り入れる(なお、彼にボクシングを教えてくれた人は翌年の赤だったりする)。
個人武器は両腕に装着されるガントレット・プリズムカイザーで、必殺技はローリングナックル(強化前)/スーパーピストン(強化後)。
一見無口で無愛想に見えるが、愛嬌があって楽天家。自然を愛する一面も持つ。また、どういうワケか金管楽器と妙に縁が深い。テンションが上がるとそれに合わせて声のトーンまで上がるタイプ。
銀帝軍ゾーンとは関係ない。
演じた植村氏は本作後小田切長官役の三輝みきこ女史と一条総司令役の手塚秀彰氏や、烏丸所長役の山路和弘氏のいる劇団「青年座」に入団*8。人命救助で表彰されてニュースになった事もある。
なお、ダイは『海賊戦隊ゴーカイジャー』にも登場し、フラッシュマンの大いなる力を授けている。


ブン/ブルーフラッシュ
演:石渡康浩(現・石渡譲)

20歳。砂漠の惑星であるフラッシュ星系の衛星・ブルースターで育つ。
そのため、水一杯で30日くらいなら生きていけるサバイバリティの高さと驚異的な俊敏性を持っている。また、どんな壁や柱も自由自在に張り付いてよじ登ったり出来るという特技を持つ。
個人武器はスターダーツという六芒星状の手裏剣だが、最大の武器は自身の周囲をプリズムエネルギーで包み込み生成するプリズムボール。
ブルーはこの状態で自由自在に飛び跳ねてゾロー兵を吹っ飛ばす。必殺技はハリケーンボルト(強化前)/スーパーサイクロン(強化後)。
性格は調子に乗りやすい少年タイプ。
ブンでブルーな後輩とは無関係


サラ/イエローフラッシュ
演:中村容子

20歳。寒冷の惑星であるフラッシュ星系の衛星・イエロースターで育った為、寒さに強い。あれ、イエロースターは土星みたいな惑星だからフラッシュ星人は住めないはずでは?
寒冷地で育ったためか薄着の恰好が多く、序盤は黄色のレオタード、中盤以降はミニスカートで過ごしている。
情緒豊かで心優しい性格。
また、必殺のローリングバルカンを放つ際には照準確認を担当し、フラッシュキングのコズモソードを射出するのも彼女の担当だったりと、チームの参謀役のような役目も担う。
変身前はショッキングビーズというスケバン刑事じみたビー玉攻撃でゾロー兵を弾き飛ばし、変身後はバレエダンサーのような華麗な動きで戦う。
クールな性格だが意外とノリがいいのか、獣戦士ザ・ネンジキの角が願うを叶うと知るや水着やオシャレな服を願ったりしている。
メノンガメガネで心を読まれた際は激しく激高して仲間への連絡もせず敵を戦い、駆け付けた4人の制止を振り切った挙句、ピンクのフラッシュホークを奪って追いかける向こう見ずな一面も見せた。
個人武器は吹雪を放つ二対のプリズムバトンで、必殺技はスーパーブリザード(強化前)/スーパーバージョン(強化後)。
終盤は実質的な主役。


ルー/ピンクフラッシュ
演:吉田真弓

20歳。超重力のフラッシュ星系の惑星・ピンクスターで育ったため、驚異的な身体能力を誇る。シリーズでも屈指の本格的な武闘派ピンク戦士。
が、性格は明るく元気で明朗活発であり、ツンデレ気質だったり男勝りだったりと割と属性過多。また、食いしん坊だが味音痴なのが玉に瑕。
地球の重力下であれば圧倒的なジャンプ力を発揮出来るどころか、空中を浮遊するくらい朝飯前。重力って何だっけ……
変身前はショッキングハートというハート型の投擲爆弾のような武器を使って戦う。
個人武器は両脚に装着するプリズムブーツで、自慢の重力制御能力が更にパワーアップし自由自在の空中浮遊キックを繰り出すことが出来る。必殺技はジェットキック、ボンバーキック(強化前)/スーパータップ(強化後)。
その柔軟性と身体能力の高さゆえ、水泳が得意。ある回では本格的なハイレグ水着を披露したことも。
サラとはフラッシュ星にいた頃からの親友であり、二人揃って悪ノリしたり暴走を始めると周りの男性チームでも止められなくなる事もしばしば。
後半以降は、前年の『電撃戦隊チェンジマン』のチェンジマーメイド・渚さやか同様に、ハイレグなパンチラアクションを披露した。
ちなみにリアルではピンクファイブ等のスーツアクターを務めた人(『光戦隊マスクマン』以降はアクション監督を担当)と結婚したという。
初期版がド迫力過ぎた為か5人の中で唯一OPのキャストカットが変更されている。

残念ながら全員の両親を見つける事は出来ず、唯一サラだけが判明する事となったが、そのサラも両親と顔を合わせる事は出来なかった。
しかし、あれから恐らく反フラッシュ現象を克服し、皆両親に会えたことを願わずにはいられない。


マグ
CV:丸山裕子

フラッシュマンをサポートする高性能ロボット。
腹部にモニターがあり、映像を映しだせる他、目から麻痺光線を出す機能もある。
一人称は最初は「俺」、その後は「僕」。
初登場時は至って無機質なラウンドベースの警備用ロボであり、フラッシュマン達5人は無断でラウンドベースに侵入していたことから、当初は彼らを敵とみなして攻撃していた。
そのため、何度もフラッシュマンにボコられては破壊されるもシレッと復活し、また襲いかかってくるというヘンな光景が繰り広げられていたが、
プログラムがインプットされたフロッピー(どう見てもCD-ROMだが)が発見され、それを挿入することによってようやく仕様通りに動くようになり、フラッシュマンに協力するようになる。
ロボットなのに割とカッとなりやすい性格で失言や失態も多いが、ここぞという時にフラッシュマンのピンチを救うなど真っ当に貢献している場面もちゃんとある。


改造実験帝国メス

大帝ラー・デウス
声:石塚運昇

改造実験帝国メスの支配者。
顔は白い仮面、体は巨大な鎧に覆われている。
たまに仮面がひび割れて素顔を覗かせることがあるが、その顔は非常に怖い
自分自身を完全な生命体にして全宇宙に君臨する為に、長い年月をかけて多くの人間を各惑星から捕獲し、大博士に改造して改造実験を行わせてきた。
幹部らには基本的に寛容かつ落ち着いた態度で接することが多いが、怒ると一気に容赦がなくなる。

大博士リー・ケフレン
演:清水綋治

宇宙最高の頭脳を誇る大博士で、メスにおける実質的な作戦主導者。
遺伝子シンセサイザーを操って生命の改造を行い、今までにも多くの改造生命体や獣戦士を作り出してきた。
己の才に絶対的自信を持ち、文字通り生命改造実験に全てを捧げた狂科学者だが、自らを「命の芸術家」と称し、その独自の美学ゆえに他の幹部の作戦の進め方に真っ向から異を唱えるなど意外な一面も。

レー・ワンダ
演:広瀬和久(現・広瀬裕)

ケフレンが作り出した幹部待遇の生命体。当時の戦隊シリーズでお馴染みとなる、広瀬悪役第1弾。
巨大な翼を利用した滑空攻撃や、掌や目から放つ破壊光線が主な武器。
5種類の宇宙生物の遺伝子から作られた合成生命体だが、素体となった生き物はいずれも醜く、自分の美しさに自信を持っていたのにその事実を知らされてガチで凹んでしてしまうなどナルシスト気味な性格
中盤にて強化改造を施され、妖獣士ワンダーラへの変身能力と、時間を三秒止められる「タイムストップ」が使用出来る様になった。
獣戦士を巨大化させる際の「クラーゲーンッ!!」「フラッシュマンを、倒せーっ!!」という号令が他の幹部に比べてヤケにテンションが高いため、ネタにしていた子ども達も多かったらしい。

レー・ネフェル
演:萩原さよ子(現・萩原佐代子)

ケフレンが作り出した幹部待遇の生命体。
顔は人間だが、体は右半身が豹、左半身は鎧の様な姿をしている。
常に携帯する金属棒からムチ状の光線と、指先からのショック光線が主な武器。
中盤に強化改造され、妖獣士ネフェルーラに変身できるようになった。
このネフェルーラ、最初はいかにもなヒョウの獣人といったものだったが、想定外に可愛くなりすぎてしまったとの事で後に凶暴な顔付きへと変更された。
強化改造後は「妖獣幻覚」という幻を見せる能力を使えるようになった。
何気に、自分から進んでフラッシュマン達に作戦の内容をベラベラ喋っている場面が結構多いのだが、独特の美しい雰囲気ゆえかポンコツ的な印象は薄い。
基本的には生真面目なキャラだが、たまに天然ボケ的な面白発言を繰り出すことがある。
何年か前の戦隊で発明センターに出入りする似た顔のヒロイン戦士がいたが気のせいだろう。
後に中の人がイメージDVDを発売した際には、このキャラクターを連想されるヒョウ柄のタイツ姿がジャケットを飾った。
ちなみに何かとネコ科に縁のある萩原女史であるが、彼女自身はネコが大の苦手である。

レー・ガルス
ケフレンが作り出した幹部待遇の生命体。
姿は完全に怪物であり、知能も低く、人間の言葉を話さない。
その代わり半身が機械と融合していることから生み出されるパワーは絶大である。
28話で他の幹部に先がけて強化改造でパワーアップし、炎を身にまとう攻撃でフラッシュマンを苦しめたほか、必殺のローリングバルカンにも耐えるなど大健闘を見せたが、そのままもう一発撃ったら普通に爆散し、幹部の中では唯一の中盤退場となった。喋れないキャラは動かしづらかったのだろうか……。*9
……と書くとみっともなく映るが、上述の強化改造はエネルギーフラワーのおぞましさや命を捧げての強化に怖気付くネフェル達をよそに自ら志願して行われたものであり、ローリングバルカンを受けても尚力尽きるまで戦おうとした事からラー・デウス直々にクラーゲンを召喚させる等、組織への忠誠心は随一である。

クラーゲン
地球のクラゲを元に作られた巨大な一ツ目の生物。
巨大な眼光から、倒された獣戦士にエネルギーを照射し、再生巨大化させる。が、その代償として自らは縮んでしまい、基地に戻ってエネルギーを補給し直す必要がある。ネフェルの肩に乗って引き返す姿はなんか可愛い。
見た目はかなりキモいが、どうやらメスのメンバーにとっては愛玩動物のような存在らしく、とても可愛がられている。
後述のサー・カウラーの初登場回では、野生の本能で彼の接近を察知し、恐怖のあまり失禁しながら逃げ惑っていた。そのせいか、他の幹部とは違いカウラーには全く懐く様子がない。
ちなみにその尿はかなり臭いらしく、主にブルーフラッシュが被害を受ける羽目に。


こちらも戦隊シリーズでお馴染みとなる、ジョージ悪役第1弾。後に声優に転向するのも納得のダンディな美声である。
暗黒のハンターとして名を馳せる宇宙人で、ジン達を誘拐した張本人でもある。
メスに招かれ、配下のエイリアンの傭兵部隊を率いて、リー・ケフレンとは別に暗殺・テロ・謀略などといった数々の作戦を遂行していく。
詳細は個別項目を参照。

放送当時は女性人気が高く、彼をモチーフとした「坂浦」というキャラクターが出てきた少女漫画もあった程だったという。
2年後には大教授として一握りの天才が支配する組織を結成する事になる。
ちなみにその組織にはワンダも幹部として参加していた

ボー・ガルダン
演:岡本美登

カウラーの副官として、共に宇宙を荒らしまわっていた男。
顔の右半面を覆う痣からの炸裂光線と、2本のガルドロッドが武器。



【必殺武器】

ローリングバルカン
5人の共通武器である大型砲「バル」を合体させた必殺武器。
イエローフラッシュが標的を捕捉し、レッドフラッシュの号令で5色のプリズムエネルギー光線を発射。獣戦士を粉砕する。
第32話でのパワーアップ以降、発射時にフラッシュ星系が浮かび上がるようになった。
発射シーンはかなりアップテンポな専用BGMも相まって、否が応でもテンションが上がる。
第28話・第49話で2連発*10した際、律儀にBGMも2回鳴ったのはしばしばネタにされる。
後の『機械戦隊ゼンカイジャー』ではギアトリンガーと形状が似ていたからか、フラッシュマンのセンタイギアでこの能力を発動した。

実は撮影で使っていたローリングバルカンのプロップは非常に重量があるもので、映像では5人がかりで担いでいるように見えるが、支柱がないと支えられないほど困難な作業が要求される物だった。
プリズムエネルギー光線が発射される際に砲身が回転するが、あれも人力によるもの。
ただ、デジタル加工技術のない時代故に画面に映りこんだスタッフの姿を消せないため、苦肉の策で背後のスタッフが映らないようカメラのアングルを斜めにして、プロップにつなげた10メートルの鉄棒を黒い背景の裏から人力でスタッフが回したという。
これらの苦労が無ければローリングバルカンは成立しなかったのだ。


【巨大ロボット】

フラッシュキング
タンクコマンド、ジェットデルタ、ジェットシーカーの3機が合体したロボ。非常に独特な合体機構をしているため、今なおファンから語り草にされる。
スターコンドルから射出されるコズモソードを構え、高速回転しながら獣戦士を斬り裂く「スーパーコズモクラッシュ」が必殺技。
第15話で獣戦士ザ・ズコンダと相討ちとなる形で破壊される。戦隊ロボの初の大破は、多くの視聴者にトラウマを植えつけた。
詳細は個別項目を参照。

フラッシュタイタン
かつてフラッシュ星の英雄タイタンが使っていた、貨物輸送トラックが巨大化したような見た目をしたマシン。戦隊シリーズ初の2号ロボになる。
タイタンがとある事情で命を落とした後、彼に絆されてメスを裏切ったレー・バラキによって保管されていた。
タイタンボーイ/グレートタイタンに変形・合体する。

タイタンボーイ
フラッシュタイタンのトレーラー前部が変形したロボ。素早い動きを活かした手数の多さで戦うが、攻撃力は低く決定打に欠けるのが弱点。また、バランスが悪いのか、よく敵に転ばされている。

グレートタイタン
タイタンボーイがフラッシュタイタン後部のコンテナと合体して完成する。
胸部のプリズムから放つ「タイタンノバ」が必殺技。その大きさだけで敵を威圧し、実際劇中では無敗
その後のシリーズでも時折お目にかかれる、“敵が可哀想になってくるくらいの最強チートロボ”の先駆けと言えるだろう。


【メカニック】

フラッシュホーク
フラッシュマン五人が乗るバイク
乗るメンバーによって武装が異なり、レッドはホークバルカン、グリーンはホークミサイル、ブルーはホークロケット、イエローはホークマシンガン、ピンクはホークレーザーを搭載。
それぞれのマシンはパーツに互換性があり、6話では「5人が各々のフラッシュホークから無事だったパーツをかき集め、壊れた箇所を修理する」という場面がある。


【変身プロセス】

腕を交差させ「プリズムフラッシュ!」の変身コードの後、ファイティングポーズを取る。
変身ブレスの三角の部分が光るとそれぞれの育った星が一瞬現れ、ジン・ダイ・ブンは大の字に、サラとルーは小の字のポーズを取って下からスーツが装着される*11。最後にシャットゴーグルで変身完了。
5人一斉変身時は通常と同じように大の字・小の字のポーズを取り、それぞれの色の光に包まれてスーツが装着され、最後にシャットゴーグルで変身完了となる。

前作『チェンジマン』同様、尺の都合でメンバーそれぞれが個別に名乗りポーズを披露する機会は殆どなく、それぞれの主役回などで稀に披露される程度に留まっている(レッドフラッシュだけは毎話のEDでお目に掛かることが出来るが)。
各メンバーが最低一回は名乗りバンクを披露していく中、何故かグリーンフラッシュだけは主役回になっても一向に名乗りを披露する気配がなく、初披露はなんと2クール目を過ぎてからだった(これは2号ロボの初登場回より遅い)。



【ラストに関するネタバレ】






























実はケフレンも先代の大博士によって改造された人間(地球人)。







「反フラッシュ現象」
フラッシュ星で育った者は、他の星に長く居続けられない体質から起きるショック現象。
第44話で現地の生物に触れると電流が走り(これは治まったが)、第45話では草花も枯らし、第46話では水、第47話では太陽光、第49話では酸素も受け付けなくなり、血圧や体温も上昇する。

かつて地球を訪れたタイタンも、この現象が原因で戦闘力が低下して命を落とした。
このことを知ったフラッシュマンはメスとの戦いだけでなく、20日以内に地球を去らねばいけなくなった*12
最終回でメスを倒しながらも反フラッシュ現象は解決できず、地球を去り、フラッシュ星に戻ることになる。
「いつか、フラッシュ星の科学で反フラッシュ現象を克服してまた地球に来よう」というジンの言葉に希望を抱いて、彼らは戦い疲れた体を休め、カプセルの中で眠りについた。
その後、『高速戦隊ターボレンジャー』第1話や『ゴーカイジャー』に客演していたことから、ひょっとしたら無事に克服出来たのかもしれない。


時村博士
演:石濱朗

序盤からフラッシュマンに協力している博士。奥さんと誘拐されてない娘が2人いる。
20年前に子供をエイリアンハンターに誘拐され、それ以来タイムマシンの研究をしている。
タイムマシンの開発のみならず、遺伝子シンセサイザーの複製品を一人で造るなど何気に凄い人。

「誘拐されたのは男の子」と語っていたが、奥さんは「女の子だった」と証言しており、かなり記憶が曖昧。
しかし、カウラーが死ぬ間際にサラに明かしたところによると、正解は奥さん。
実はイエローフラッシュことサラが彼の誘拐された子供。つまり彼女は時村博士の長女だったのだ。
だが何故男の子と勘違いを……?


【客演】

海賊戦隊ゴーカイジャー

役者の都合か反フラッシュ現象の設定の問題でレジェンド回が作り難かったのか、いつの間にかバスコ・タ・ジョロキアに大いなる力を奪われていた。
バスコはわざわざフラッシュ星まで行って奪ってきたのだろうか……?
ただ、レジェンド大戦には参戦しており、先述のように反フラッシュ現象を克服して地球に帰ってきていた可能性も十分に考えられる。
しかし、第49話にダイが登場。
レンジャーキーを通して見守ってきたゴーカイジャーに正式に大いなる力を与えた。
まさかのゲスト登場に当時のファンは大歓喜である。


【余談】

実は本放送(テレビ朝日系列局での放映)の最終回のみで流された、普段と違う特別仕様のエンディングが存在する
ジンたちがカプセルの中で眠りにつき、これまでの回想シーンが流れ始めたところで、スタッフのクレジットがロールテロップで表示され、最後に「おわり」の表記が画面中心に配置されて終わり…というものだった。
最終回Bパートのラストでスタッフクレジットをロールテロップで流し、CMを挟んで次作の予告時間を長めに取る」というスタイルをスーパー戦隊で初めて導入したのがフラッシュマンだった。『マスクマン』では取り入れなかったが『ライブマン』以降は殆どの作品の最終回で主題歌や挿入歌をバックにこのスタイルが取り入れられている。
なお本作の場合、系列外ネット局では通常どおり本編の後にエンディング曲となっており(「おわり」の文字も画面右下)、後年のネットでの再配信やソフト化された際も同様だが、この特別仕様エンディングはDVDで特典映像として収録されている。何故系列外の地域だけ違う扱いとしたのかは不明。

後年、『鳥人戦隊ジェットマン』や『仮面ライダー555』『暴太郎戦隊ドンブラザーズ』等の数多の東映特撮で伝説を築くことになる脚本家の井上敏樹氏は、本作でスーパー戦隊シリーズに初参加。
流石にこの頃はまだ内容が極端に陰惨だったりとか食事シーンがヤケに多かったりとかはしないが、主人公達が屋台でラーメンを食べる描写があったりする。
また、平成ライダーシリーズで井上氏と縁が深かった長石多可男監督も脚本などで参加している。

『ダイナマン』以降、主にメタルヒーローシリーズ等を手掛けるようになっていた名物監督・東條昭平氏が本作でスーパー戦隊シリーズに復帰。
彼の担当回は、基本的にアクション女優が無茶振りさせられる傾向にある。

巨獣特捜ジャスピオン』など、日本特撮のファンが多いことで知られるブラジルでも放送されていた他、本作のファンがとりわけ多いのは意外なことに韓国
現地タイトルは『地球防衛隊フレシメン』で、配給を担当したのは現地法人の大映ビデオプロダクション。
韓国はかつて日本の風俗文化の流入制限が行われ、和製実写ドラマの展開が不可能だった過去がある。
その頃は様々な作品が非合法に輸入・ローカライズされていたのだが、巨大ロボット等の特撮シーンが含まれていることから、大映ビデオプロダクションは本作を「アニメ」として韓国公演倫理委員会に申告することで公的なローカライズに成功したそうである。
数々の戦隊シリーズ作品が同様の方式で輸入されていく中、本作は「一定以上の世代の韓国人でフレシメンを知らない者は存在しないのではないか」と評されるほどの人気を誇り、
後年になって大映パンダ社に名を変えて復活した大映ビデオプロダクションが正式に東映とのライセンス契約を結び、新装版DVDが改めて再販される*13など謎の愛されっぷりを発揮している。
ジンを演じた垂水氏も韓国での『フラッシュマン』人気を知っているようで、「肉親探しという物語が、情を重視する韓国の人々に好まれたのではないか」と分析している。
そのため、後にパワーレンジャーシリーズが韓国で放送された際には、スーパー戦隊のリメイク作品だと知らなかった視聴者の間で「フレシメンのパクリだ」と言われたこともあったとか。


輝く明日へ追記・修正!

09.電撃戦隊チェンジマン←10.超新星フラッシュマン→11.光戦隊マスクマン

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最終更新:2025年03月06日 18:39
添付ファイル

*1 『バイオマン』が加瀬邦彦氏、『チェンジマン』が大野克夫氏。

*2 初変身時に使用した他、主に個人の変身時やメンバーが誰か欠けた時に一斉に変身した時に使用された。5人連続のパターンもある。終盤ではレッドのみの場合が多かった。

*3 上段がグリーン・イエロー、それに重なるように下段がブルー・ピンク、更にそれに重なり中心がレッド。完了後にレッドがアップになる事が多かった。

*4 奥からピンク・イエロー・ブルー・グリーン・レッドの順。

*5 時計回りにピンク・イエロー・ブルー・グリーン・レッドの順。

*6 もっとも、当時はまだ“スーパー合体”の概念が無いため、交代制のような形でそれぞれ巨大化した怪人と戦う。後半以降フラッシュキングは合体シークエンスを省略してロボ形態のまま登場する場合が多かった。

*7 ただし、誘拐されたシチュエーションは睡眠時だったり、エイリアンハンターに追いかけられていたり、母親と絵本を読んでいた時だったりと回によってまちまちである。

*8 後にタイムイエロー/ドモン役の和泉宗兵氏もマネージメント契約を結んでいる。

*9 退場間近になるとスーツが目に見えて色褪せている等、耐久度の問題もあったと考えられる

*10 それぞれ強化レー・ガルス、ザ・デウスーラに対して使用

*11 この時胸部とマスクの中の回路が見えるように数回点滅する。

*12 第46話で20日、47話で15日、48話で7~6日、49話で4~1日。

*13 韓国バージョンの戦隊主題歌は、より童謡っぽいアレンジに改変されたものが使われるのが当時のお決まりだったが、再販にあたり、現代風にリアレンジされた主題歌が新規で用意されるほどの優遇ぶり。