ビームライフル

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ビームライフル - (2021/08/05 (木) 10:58:08) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2011/04/03 Sun 14:03:45
更新日:2024/03/20 Wed 08:43:07
所要時間:約 7 分で読めます






シャア「火力が、ち、違いすぎる…!」


ビームライフルとは「機動戦士ガンダム」シリーズに登場する武器の一つ。
ロボット物の基本である「光線銃」に分類される。(正確には粒子加速ビーム砲)

●宇宙世紀(U.C.)

◇一年戦争
ミノフスキー物理学から生まれ、絶大な威力を誇り、一定以上の飛翔で減衰し元のミノフスキー粒子の状態に戻る事で流れ弾被害が生じないメガ粒子のビーム兵器「メガ粒子砲」。
その破壊力たるや、物理的な装甲では防げず、当時最高レベルの強度を誇るルナ・チタニウム製の装甲さえ簡単に溶かしてしまう。
しかしミノフスキー粒子を縮退変換させて生成するメガ粒子の発生システムは巨大かつ高出力が必要であり、当時は戦艦の主砲としてしか運用ができない物であった。

しかし地球連邦軍はミノフスキー粒子をメガ粒子に縮退する直前の状態のまま保持し貯蓄するパーツ『エネルギーCAP*1』技術の開発に成功。
これは「メガ粒子発生装置の省略化」と「MS用携帯ビーム兵器の実現」を意味していた。

遂に開発されたビームライフルは連邦軍の試作MS「RX-78 ガンダム」と「RX-77 ガンキャノン」に実装。
その威力はザクⅡを一撃で撃破する程で、その光景を見たシャア・アズナブルも、「あのモビルスーツは戦艦並みのビーム砲を持っているのか…!」と驚きを露わにしている。
これは「戦艦並の威力を持つビーム砲を持っている」ではなく「戦艦並の出力設備が無いと使えないはずのビーム砲をMSが持っている」という解釈が正解な模様。

しかしエネルギーCAPが内蔵型のため、エネルギー切れの場合は母艦で中身である縮退寸前のミノフスキー粒子を再充填する必要性や、
非常に高価な点、更に特定環境下の照準のブレやエネルギー減衰の発生など欠点もある。

連邦軍はこれらビームライフルに加え、威力と引き換えに命中率と量産性に優れた小型の「ビームスプレーガン」をも同時開発し、量産型MS「ジム」に配備。
ジオン公国では当初機体に直接搭載するメガ粒子砲や専用のジェネレーターを使用するタイプの「ビームバズーカ(U.C.0120年代以降の同名カテゴリの武装とは異なる代物)」を開発していたが
ガンダムの出現に驚き、ビームライフルの開発にシフト、完成品はゲルググなどに配備した。
が、研究は難航して完成が遅れ、しかも小型化に失敗して取り回しが悪く、その他の要因も加わって(ゲルググの項目参照)結局戦局を覆すには至らなかった。

ビームライフルとメガ粒子砲の境「ジェネレーター直結式の物がメガ粒子砲、ジェネレーターに関わらず使えるものがビームライフル」とされていたが、一年戦争以降はその境が曖昧になる。


◇U.C.0083
ガンダム開発計画が発動し、新たな「ガンダム」が設計・開発。それに伴って新しいビームライフルも製造された。

それまで内蔵されていたエネルギーCAPを外付けのマガジン状にすることで、使用後の付け替えや複数携行による発射回数の増加が可能になった。
このマガジン型外付けエネルギーCAP「E(エネルギー)パック」型ビームライフルは、その後の一般普及型ビームライフルの主流となる。
という訳でEパック自体はただの「取り外しの利くE-CAP」でしかないのだが、一部では「全てのEパックがライフルの稼動動力全般を担うパーツである」みたいな誤解がされている点に注意。
Eパックの中にはライフル自体の稼動動力供給もするモデルは有るが、
それは腕部・手部にビーム兵器用エネルギー供給経路の無いガンダムMk-Ⅱの様に設定で特別に言及されている機体が使用するライフルのEパックだけで、
ほとんどのEパックを使用するライフルではライフル自体の稼動エネルギーは手部を介してMS本体から供給されていてEパック自体には動力供給機能は無い。
またEパックはその用途上、MSの手で扱うサイズや形状の維持をしなければならない制限が付くため、大型銃器内蔵ならば内蔵E-CAP式の方が内容量などの性能を上回る事も有った。
後述のグリプス戦争期やネオジオン紛争期の高出力MSの用いる大型の専用ライフルなどがその典型である。

◇U.C.0087-0088
多種多様なMSの開発に伴い、より小型化した「ビームピストル」や「ビームガン」。
小型ジェネレーターを内蔵し高い出力を誇る「ビームランチャー」など様々なタイプが出現。
ビームライフルっぽい物でも、実際にはメガ粒子砲となっている「ナックルバスター」もある*2

ガンダムMk-Ⅱの物はEパック内の粒子使用量を調整する事で威力と発射回数をトレードオフにする出力調整機能を採用 。
Ζガンダムのビームライフルはウェイブライダー時の使用に考慮し「伸縮機能」を搭載。
更にガンダムMk-Ⅱと同規格のEパック、「ビームバヨネット機能」「高威力」と最新技術を惜しみなく注ぎ込んだものと言える。
第一次ネオ・ジオン抗争になると開発競争は更に激化。MSと同様に「高威力」「多機能」が求められた。

ΖΖガンダムの「ダブルビームライフル」は内蔵された小型ジェネレーターに加え、
本体からのエネルギー供給もあり百式の「メガ・バズーカ・ランチャー」に匹敵する火力を持つ。

こうなるともはや「ビームライフル」と「メガ粒子砲」の区別は殆どない。
だがのGフォートレス形態時には機首を構成するブロックのためライフル後部にコクピットがあり、
明らかに人命を考慮していない『欠陥品』である。

この時代のビームライフルは過剰な特殊化のせいで特定の機体専用となっているものも少なくなく、汎用性は低い。

対ビーム防御技術も一年戦争時代と比べると発展しており、Ζガンダムキュベレイのような高級機には外装に高性能な耐熱・対ビームコーティングが施され、ビームライフルやメガ粒子砲の直撃を受けても容易には継戦能力を失わないようになっている。


◇U.C.0093-0096
ネオ・ジオンのMS製作所でもあったアクシズが連邦の支配下に置かれたため、
新たに旗揚げされた新生ネオ・ジオンはMS生産をアナハイム・エレクトロニクス社に発注することになる。
アナハイム社は連邦軍のMS生産も行っていたため、実質的にアナハイム社がMS生産体制を独占した。

そのため、連邦軍とネオ・ジオンの両者のMSに武器の互換性が出来てしまい、
「連邦軍のνガンダムがネオ・ジオンのギラ・ドーガのビームマシンガンを使う」という状況も発生した。

高出力化も更に進み、νガンダム用の大型ライフルは当時の戦艦の艦砲射撃に誤認される程の威力を誇った。
先述の通りEパック式ではなく内蔵E-CAP式であるが大型銃の為Eパック式の性能を上回っていた。

この時代のビームライフルで特筆すべきものはユニコーンガンダムの「ビームマグナム」であろう。

「ビームマグナム」は通常より大容量の弾薬型専用Eパック(通称・マグナム弾)を使用し、
更に一回の発射でパック一つを弾薬の様に丸々使い切り排莢するが、その威力は通常のビームライフルの約四倍。
MAすら一撃で大破させ、効果範囲も広く、MSならばほんの僅か掠めた程度ですら深刻なダメージを与える(ただしシナンジュを除く)。

扱いは難しいが、Eパック形式のビームライフルでは最大威力のモデルと思われる。NT-D未発動のユニコーンモードでも使用が出来る本兵装だが、
デルタプラスは両腕でマグナムを保持しながら発射し、右腕部がオーバーヒートして破損、シルヴァ・バレト・サプレッサーも一射するだけで腕を破損し交換していた。
ユニコーンガンダム以外で、ビームマグナムを発射しても無事だった機体は、ガンダムデルタカイ、右腕をドーベン・ウルフのものへと交換したガンダムMk-Ⅱ以外確認されていない。


◇U.C.0123-0153
恐竜的進化から更に成熟してMSは小型化したが、出力は更に上昇。
しかし実体シールドと原理が異なる事で高性能な新機軸防御装備『ビームシールド』の普及によりビーム兵器の優位性は以前より低下した。
しかし、そこに波紋をもたらす兵器が登場した……

サナリィが開発した可変速ビームライフル『ヴェスバーV.S.B.R.(Variable・Speed・Beam・Rifle)』である。

これはメガ粒子ビームの射出速度や収束率を無段階調整変化させる事で攻撃特性を変えられるビーム兵器で、
高速・高収束の貫通重視状態ではビームシールドを突破し、そのまま機体を撃破することが可能で、
低速・低収束状態では榴弾のように、甚大なダメージを与える事が可能な「効率的な武装」である。
一応こいつもジェネレーター直結式なので、ビームライフルではなくメガ粒子砲の範疇になるのだが
F91ではサナリィが独自技術として開発したとされる大容量メガコンデンサ*3を用いる事で脱着機構を採用し数発は分離状態で射撃出来るようにはなっている。

これは革新的な技術であり、アナハイム・エレクトロニクスやブッホ・コンツェルンもこの技術を採用し、数々の試作品を制作している。
後の宇宙世紀150年代でも相変わらず猛威を振るっており、時代を超えたベストセラーとなった模様。

更にアナハイム・エレクトロニクスはヴェスバーを超える兵器としてネオガンダム用に、
ジェネレーター内蔵型ビームライフル装置『ジーバードG-B.R.D.(Generative-Beam・Rifle・Device)』を制作している。
ジェネレーター直結だから一応手持ち式メガ粒子砲なはずだが、名称はビームライフルなので、この辺りになると「機体に固定されている物がメガ粒子砲、手持ちで扱うものがビームライフル」という扱いなのかもしれない。
この類の武装の先駆者はZガンダムのハイパーメガランチャーである。


ザンスカール戦争の頃になると技術も成熟。
VガンダムV2ガンダムガンイージの「ビームライフル」は小型でありながら拡張性が高く、
グリップ部分だけでも小型のビームピストルとして機能した。

またVダッシュガンダムが使用していた解放バレル型ビームライフル「ビームスマートガン」は
設計こそ30年以上前の古いものだが高い威力を誇り、これを元にV2アサルトの「メガビームライフル」は開発されている。

「メガビームライフル」はスマートガンの二倍以上の威力、更にケタ違いの命中精度や高い速射性を誇り、
宇宙世紀最高のビームライフルと言っても過言ではない。


◇U.C.0153以降~U.C.0223
ザンスカール戦争以降の宇宙戦国時代では、
大幅な技術衰退を経てビームライフルを含めたビーム兵器全般は希少化したものの、
宇宙世紀200年代を舞台にした作品では普通に普及した状態で登場しているので、
時代が経過するにつれて復活を遂げたと見られる。

U.C.0200年代を舞台とする小説「ガイア・ギア」では、マハが使用する量産機ガウッサから、試作機で主人公機でもあるガイア・ギアαもビーム・ライフルを所持しており、他の宇宙世紀作品同様、標準的な武装である事が窺える。

U.C.0223年を舞台とする実写ドラマ「G-SAVIOUR」では、フリーダム(劇中では実弾マシンガンを装備していたが、これはサイドガイアに配備されていた機体が経年劣化と整備不良のせいでビーム兵器を使えるほどの出力を確保できなかったため)や各種セイバーシリーズなど、セイバーチームが手がけた機体がよく装備している。

また、実体弾マシンガンが基本装備となるブグもビームライフルを選択すること自体は可能*4であり、
装備すること自体はこの時代の大体の戦闘用MSなら可能なようだ。


アナザー系のビームライフル



やはり格闘大会とだけあり当初はモビルファイターにはほとんど搭載されていなかったのだが、
ジェントル・チャップマンが射撃偏重の機体で9・10・11回の三連覇を達成。
これを契機に各国が射撃戦を重視したモビルファイターの開発に走るようになり、軍拡競争にも似た状況が生まれてしまった。

こうした流れと、ガンダムファイトを当初の理念に回帰させるため、
12回大会では東方不敗マスターアジアが参戦、見事優勝を勝ち取って大会を格闘重視に引き戻したという経緯がある為、
作中の13回大会では主要なモビルファイターはビームライフルを所持していない。

しかし、マスターアジアが12回大会で地球の惨状を目にして後にデビルガンダムを求めるようになるなど、
ビームライフルの影は薄くとも、より危険な武器を暴発させる遠因となっている。

また、ブッシやノブッシなどのMSはガンダムファイトに関係ない純粋な兵器である為、これらには欠かせない武器である。
同様にデスアーミーとその派生も棍棒型のビームライフルを使用する。


基本的に宇宙世紀と変わりなし。
一応建前上はミノフスキー粒子が無いので荷電粒子系の何かを撃ち出すビーム兵器と言う事になってはいる。
一応外伝漫画に登場するガンダムグリープがバスターメガ粒子砲という武装を装備しているがミノフスキー粒子との関係あるかは不明。

リーオー等の初期量産機から終盤に登場したビルゴⅡに至るまで幅広くビームライフルを装備しているが、
ガンダムの構造体『ガンダニュウム合金』が凄まじい堅牢さを誇るため、ほぼダメージを与えられていない。
例外はトールギス専用のドーバーガンぐらい。

ウイングガンダムの主武装「バスターライフル」はこれと比較しても別格の存在として扱われている。

これは物質化直前の高密度エネルギーを充填されたカートリッジを使用した兵器で、
そのカートリッジのエネルギー総量は中規模都市のエネルギー消費量に匹敵する。そのために最大出力では3発しか発射できない。

勿論その威力は桁違いで、ビーム光軸から半径150mは激烈なプラズマ過流が起き、灼熱の奔流が数十kmまで続くので
直撃せずとも周囲のMS含めた効果範囲が一瞬にして跡形もなく消滅する上に圧倒的な防御力を誇るビルゴのプラネイトディフェンサーすら機体諸共破壊できる程。

原型機であるウイングガンダムゼロの「ツインバスターライフル」に至っては、
二丁を連結し並列化することで18kmのスペースコロニーや遥かに巨大な資源衛星を粉砕する規模の出力を生み出す程。




基本的に宇宙世紀と変わりなし。こちらはルナチタ(ほぼ別物だが)やミノ粉の様な物が有る事が文字設定や作中描写で示唆されており、
ディバイダーのビームマシンガンの基になった武装やヴァサーゴのメガソニック砲の解説に「メガ粒子砲」というワードも存在しており
ニュータイプと言った言葉も登場するようにA.C.系世界よりは宇宙世紀に似せた世界設定。
旧・新連邦軍や革命軍量産型MSの標準装備として広く普及している。

ただし整備に一定以上の技術力やコストが掛かる為かバルチャーや個人MS乗り、サテリコンの様なレジスタンス組織の間では
ほぼ使われておらず(主人公のフリーデンチームは例外)基本的には連邦軍・革命軍双方の正規軍所属MSでしか運用されていない。
こちらもガンダムタイプは異常に堅牢な為、モブ量産機のビームライフルでは直撃した所で各ガンダムには全く有効打を与えられなかった。

一方、ガンダムタイプは通常の物より強力な「バスターライフル(前作とは関係ない)」を装備している。
これは通常のビームライフルより高出力かつ、各ガンダム専用に開発されている為、各ガンダムによって形状や特性が各々異なる専用品となっている。

例えば
ガンダムエアマスター…機体と同じルナチタニウム製の為軽量で連射・速射性能が非常に高い
ガンダムダブルエックス…信頼性の高いシンプルな構造と長銃身による高いビーム収束率で通常の数倍の破壊力
等、それぞれ独自の性能を持たされている。



黒歴史の設定上、一般的なビーム兵器の機能については(恐らく)宇宙世紀のものと変わりない。
ただし∀ガンダムのビームライフルは金属粒子を固有振動によって収束して発射する『共振粒子砲(リフューザー)』である。
その威力はメガ粒子砲である、過去世界のビームライフルと比較すると余りにも高く、大気中ですら減衰せずに以上なビームの速度、射程を誇る。
また、音声入力によるセッティングのみでビームにビームを当てて相殺させる動きをもこなすことが可能。



基本構造は、荷電粒子やプラズマなどを発射するというもの。携行式のビームライフルは基本的に荷電粒子。
発射されるビームは、荷電粒子砲なら緑、プラズマ砲や複列位相エネルギー砲などは紅白と色分けされている。一斉発射のシーンはとてもカラフル。
に内蔵されていたり、別の武装と連結して使用出来たりと、ビームライフルの機能も有する複合兵器を持っているMSも多く登場している。
ハイペリオンガンダム等の一部の機体を除いて発射エネルギーを本体から供給する仕様となっており、
これを踏まえてか歴代作品と比べてその威力の高さと、エネルギー消費の激しさが強調される描写が多い。

ちなみに、この世界におけるガンダムタイプのほとんどが持つフェイズシフト装甲が「実体弾や物理攻撃には強いがビーム兵器には弱い」という性質を持つため、
戦闘で切札的な運用をされることもあるが、オールドファン的には「今までビームは防がれるので接近戦」が基本だったのに特効兵器がビームライフルという事で、かなり戸惑いがあった模様。



劇中で発射しているビームは高密度圧縮されたGN粒子。
主役機であるガンダムエクシアダブルオーガンダムダブルオークアンタの装備『GNソード』はと銃の複合武器であるが、
ソードモードがメインである上、他のガンダムが持つビームライフルもスナイパーライフルサブマシンガンなど一風変わったものが多く、
全体的に正統派なビームライフルを装備する機体は量産機がほとんどで、主役側が正統派のビームライフルを使用することが少ないという珍しい作品になっている。



宇宙世紀のモデルと同じく、荷電粒子を発射する。
ミノフスキー粒子の存在は不明だが、連邦軍の主砲としてメガ粒子砲が使われているので大体立場は近いだろう。

当初は連邦側はビームスプレーガンを主力として使用していたが、出力は低く、ヴェイガン機の装甲にダメージを与えることはできなかった。
ガンダムAGE-1初起動直後、AGEシステムがドッズライフルを作成。後の主流となる。
ドッズライフルはAGEシステムがガフランとの戦闘データを基にして造り出した武装で、
どこぞのヤマトのごとく発射するビームをドリル状に回転させる事で貫通力を高めている。

通常モードの他、バレルを回転させてフォアグリップで両手で保持する精密射撃モード。
バレルを取り外したハンドガンモードに組み換えが可能だが、後者は劇中では使用されていない。

また、A.G.世界の手持ち銃に共通する特徴として、撃発は機体と銃との無線通信によって行う、というものがある*5

ヴェイガン側は一貫して掌部ビームバルカン系統や胴体部の固定式ビームキャノンを使用しており、
ドッズ効果はないものの威力が段違いであるため数十年にわたって使用され続けている。
銃器型の携行式ビーム砲を持つ機体はゼイドラ、クロノス、レギルスくらいである。

なお、小説版のみの設定では「ドッズ」とは「Drill-Orbital Discharge System(機械穿孔電子軌道放出システム)」の略称で、
AGEシステムによって実現されるまでは理論科学の域を出ていなかったらしい。
ビームを受けた相手はこのDODS効果によって共振粒子のボルテックスへと呑まれてしまい、分子崩壊してしまう。
このため「ライフル」の意味は従来通り「小銃」に留まる模様。



何を発射しているのかは明言されていないが、
宇宙世紀から未来の世界なので恐らくはミノフスキー粒子であろう(宇宙世紀技術の発展はNGだが、使うのはOKのようだし)。

この時代にはユニバーサル・スタンダードと呼ばれる国際標準規格が存在しており、殆どの工業製品が互換性を持っている。
ビームライフルも例外ではなく、劇中ではトワサンガ製のG-セルフがアメリア製のビームライフルを何の問題もなく使用している。

登場機体が多いだけあって、普通のビームライフルから、
サブマシンガン、バズーカ、ガトリングガン、ショットガン、手脚への内蔵式、ビームサーベルやビームワイヤーとの複合型など種類が多く、
戦闘になると非常に多彩な火器を見ることができる。

また、レクテンとネオドゥが使用する溶接機も、緊急時はビームライフルとして使用可能。



P.D.世界の兵器は基本的に実弾や鈍器を用いており、ビーム兵器の類は放映当初見受けられなかった。
この事に関して劇中で明確な描写はないが、製作スタッフによると「本作の世界観ではエネルギー兵器の類は普及していない」との設定らしい。
また、メタ的なことを言うと長井監督が「戦艦がビーム1発で落ちるのはおかしい」との考えを持っていたことが原因。

このような事情から一期ではビーム兵器は一切姿を見せなかったが、
二期にて登場したモビルアーマー・ハシュマルがビーム砲を装備して食料プラントに対して使用し、それを防ごうとMSが割って入り直撃した。
しかし、この世界のMSに採用されているナノラミネートアーマー装甲の表面は特殊な鏡面構造となっていた為、装甲部分には一切ダメージを与えることは出来なかった。
破壊出来たのはナノラミネートアーマー加工が施されていない携行武装やマニピュレーター手部などごく一部のみである。
ただし熱量は防げないようで、コクピットにいるパイロットは人体に影響はない程度の高温を感じている描写がある。
実際の所、モビルアーマーのビーム兵器搭載は「対MS」よりも虐殺のための対人用の模様。先述の通り最初にビームで狙ったのもMSではない。

ハシュマルのビームがどの様な原理のビームを用いているのかなどの具体的な文字設定は現在公開されていない。


◇ゲームでの扱い


本編同様、ビームサーベル、バルカンなどと共に多くのMSの基本装備扱い。
基本的に射程2~4の中距離に対応し、射撃武器の中でも威力と命中率のバランスが良い。
射撃の能力値がまだあまり育っていないパイロットでも比較的使いやすい武装といえる。
しかし、射程距離や威力ではバズーカやミサイル、メガ粒子砲といった他の射撃武器に劣る。
中距離での戦闘に危険が伴う、またはビーム耐性持ちの敵が増えると存在感が薄れることも。

他の射撃武器より火力で劣るのはGジェネと同様。
しかし、このシリーズでは移動後に使用できるP武器とそうでない武器に分かれており、ビームライフル系は大半が前者なので効率の良い進軍には欠かせない。
ただしガンダムDXのバスターライフルや、ゼロカスのツインバスターライフル等、一部のビームライフル系兵器は長射程で非P武器になっている。
また改造やオプションパーツ装着以外で機体のエネルギーの上限を強化できない中、ビームライフルは基本的に弾数形式で使用回数も多いのも利点。

  • VSシリーズなど
多くの機体のメイン射撃武器として活躍する。
バズーカやミサイルなど大型の実弾を破壊しつつ、相手に命中する度に怯みやそこそこのダメージを与えられる使いやすい武器。
連続で直撃させないと怯みや大ダメージが狙いにくいマシンガン、弾速が遅くビームに迎撃されるバズーカよりも汎用性が高い。
SRPG系の作品よりもビームライフルの強さがストレートに伝わりやすいシステムといえる。


◇余談


一般的な荷電粒子砲と同じと説明・解釈している資料も多々ある。


また、実はビームライフルは実在する
とはいっても武器ではなく純粋なスポーツ用で、当たり判定のためのレーザーを射出するもので殺傷力は当然ない。
言ってみれば銃の形をしたレーザーポインターでしかないのだが、目に当てると視力障害を引き起こす可能性がある。
ゴルゴ13 にはこれを使ってターゲットを失明させる殺し屋が登場する。
そして、フィクションではなく実際にそれを軍事目的とした「目潰し用レーザー銃」の開発が検討された時期もあったのだが、
  • 特別な技術を必要とせず、とても安価に作れる
  • 簡単に人間を活動不能に陥れる
  • 受けた人間が、治療不可能かつ重大なダメージを受ける
といった理由により、実現は可能だが製造はタブーとされている。



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