テレビとりもち

登録日:2011/01/09(日) 06:17:29
更新日:2025/04/27 Sun 08:43:15NEW!
所要時間:約 4 分で読めます




Q.ドラえもんのひみつ道具で何が欲しい?

A.このひみつ道具以外、何を選べと言うのだ!?





テレビとりもちとは、ドラえもん第26巻で登場したひみつ道具である。


【概要】


新発売のボードゲームをスネ夫に自慢されたのび太は、ママに頼んで買ってもらおうとするも断られてしまう。新発売のロボットのおもちゃをねだっても断られ、コケコーラが飲みたいともねだったが、ついに「やたらに欲しがるもんじゃありません!!」と怒鳴られてしまう。

欲しい物がいっぱいあるのに買って貰えない…そう嘆くのび太を見たドラえもんが取り出したのが「テレビとりもち」である。

【道具の解説】


道具として言うなれば、モニター内に映っている物や人物を、先端にとりもちがついた棒をモニターに突っ込んでくっつけると……
なんとそれをゲット出来ると言う、驚きの道具なのだ。

実際に撮影に使われていた現実の物を取るのか、テレビ内にあるものを具現化するかは定かではないが、
とりあえずはゲットしたものは紛い物とかではなく本物らしい。
これさえあれば、食糧危機も解決だ
ただ、前者に準する描写があったことは確か。

【考察】

注意すべき点は、作中のようにラーメンがおいしそうと思って取ろうとしたら、うっかりこぼしてしまいがちなので取るものはよく考えよう。
動物番組とかのCMで使うとえらいことになる。

さらに注意すべき点は、これを使って出した品物でデパートを開こうとしたジャイアンが、特撮番組「ウルトラセブンイレブン」の世界に入り込んでしまった*1ように、モニター内に引きずり込まれる可能性だ。



え、 今何て言ったかって?




『モニター内に引きずり込まれる』場合である。

そう、賢明なwiki篭りなら理解できたであろう。

この道具はなんと『二次元を行き来出来る可能性を秘めたひみつ道具』なのだっ!
しかもこのひみつ道具が掲載された時は1981年。
なんと藤子先生はこの頃から私たちのである「モニターの壁を超える」事を考えていたと思われる。流石は国民的漫画家、時代を先取りしている。
ただし、二次元に行く場合にはアニメによってはに瀕するので(特にSchool Daysひぐらしのなく頃にプリキュアなどバトル系全般で、特に進撃の巨人なら尚更)、
ひだまりけいおんらき☆すたあたりにしようか。

え? アニメ作品に使っても、引き寄せるのはセル画じゃないかって?
それとも甲虫王者ムシキングのゴミの森*2同様、落ちてきた毒液や部品を浴びる事になるって?
ひみつ道具にそんなリアリティは求めてはいけない。

なお、作中でテレビに映ったアイドルを引き寄せて迷惑をかける描写があるが、
この通りにアニメヒロインやエロゲーヒロインを引き寄せても上手く行くか行かないかは、その人次第だろう。
その結果は(F先生)のみぞ知る。

あくまでこれは「モニターの壁を超える」道具なのを忘れないで貰いたい。
さて、最後に一つ訊こう。

貴方が欲しいひみつ道具は何だろうか?


【アニメでは】

登場エピソードは大山版・わさドラ版で各1回ずつアニメ化されている。
「ウルトラセブンイレブン」は当時セブンイレブンが東証一部に上場したことをネタにしたネーミングのため、大山版では「ミラクルマン」、わさドラ版では「かめライダーセイヤー」に変更された。

わさドラ版は2021年1月16日に放送。
映画「のび太の宇宙小戦争2021」とのタイアップを兼ねたものとなっており、しずかちゃんの好きなアイドルが同作の主題歌「Universe」を歌ったOfficial髭男dismに変わっており、メンバー全員が本人役でゲスト出演している。
なお、映画は新型コロナウイルスの影響で公開が1年延期されたこともあり、2022年1月にも再放送が行われた*3

+ わさドラ2021年版初放送時についての蛇足
本話には謎の新商品であるたくあんガムが登場しわさドラ版でも視聴者を困惑させるのだが、2021年の放送時には、さらなる仕掛けが施されていた。
翌週に放送された「ドライブはそうじ機に乗って」で鏡をテレビにした瞬間、約30年ぶりの新フレーバーいぶりがっこ味が何の予告もなく発表され、先週の放送内容を覚えていた視聴者やテレビとりもちの原作を知るファンを更なる混沌のズンドコに叩き込んだ。

また、ラーメンのCMで登場する男性が小太りの眼鏡姿*4から孤独にグルメを楽しむサラリーマンっぽい人に変わっていたりする。

わさドラ特別編では暴走したドラえもんを止めるため、これを使いパーマンを召喚した。

【余談】

おそらく元ネタとなった「とりもち」だが、漢字で書くと「鳥」である。「鳥」や「取り黐」ではない。
鳥黐とはかつて鳥を捕獲する際に使用されていた道具で、本作の道具同様棒の先に粘着性の物質をつけてそこに鳥をくっつけて捕らえる。
昔は駄菓子屋でも売られていて、虫捕りの道具としても使われていたが、虫を剥がす際に羽根や足が千切れる恐れがあるため、標本採集には向かなかった。
現在は使用禁止のため代替品しか見ることはできないが、昭和時代はバリバリの現役の道具だったようでこれを用いて鳥を捕らえていた。
特に作者が若い頃だと食料に事欠く時代だったため使用や実際に見た経験もあることだろう*5
とりもちを扱ったひみつ道具は他にも、「影切りばさみ」で切り取った影が反乱を起こした際に捕まえるための「かげとりもち」、「タイムホール」で繋げた過去の時代から物体を取り寄せる「タイムとりもち」が存在する。



追記、修正はたくあんガムを食べてからお願いします。


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最終更新:2025年04月27日 08:43

*1 同じく「ウルトラセブンイレブン」を見ていたドラのびは、番組内の怪獣に追われるジャイアンを見て不思議がっていた。

*2 ゴミ問題を風刺したエピソードで、「永遠に朽ちるない木、プラスチック」というセリフがある。

*3 こちらは本来再放送予定だった「まあまあ棒」がトンガの海底火山噴火を連想させることから急遽延期となり、その穴埋めも兼ねている。

*4 当時ラーメンのCMに出演していた大橋巨泉がモデルと思われる。

*5 F先生は1933年生まれのため、戦前・終戦直後の困窮期を経験している。