ドラえもんの劇中劇

登録日: 2017/06/14 Wed 23:55:18
更新日:2021/03/16 Tue 21:54:43
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漫画ドラえもん』には、数々のヒーローが登場する。
基本的には、一コマ程度の一発キャラだが稀にストーリーに大きく関わる事もある。
出番は少なめの割には作り込まれたパロディがあったりするのは、作者の拘りだろうか。

並び順は「藤子・F・不二雄大全集」掲載の『ドラえもん』の登場順。

ライオン仮面
あやうし!ライオン仮面」登場(1971)
フニャコフニャ夫が「少年ザンネン」に連載している漫画作品。詳しくは該当項目にて。
その名の通り、ライオンのような姿のヒーローで弟にオシシ仮面、いとこにオカメ仮面がいる。
ライオン仮面とくらやみ団の戦いを描く人気漫画だが、作者のアイディア不足により場当たり的な展開になってしまっている。
ライオン仮面の弟のオシシ仮面はわずか二コマしか登場していないにも関わらず、フィギュアが発売されるなどカルト的な人気を持つ。
尚、元ネタは『怪傑ライオン丸』や『白獅子仮面』かと思いきや実は彼等よりも登場は先である。

スーパーダン
「スーパーダン」登場(1972)
空を飛べばロケットより速く、ピストルの弾丸もはじき返す、その強さ。
悪を滅ぼす男、その名はスーパーダン。
モデルというか、見ためもスーパーマンそのものなヒーロー。
ジャイアンが大ファンで彼を真似ては騒動を起こす。
名前の由来はスーパー男(ダン)だろうか。

ウルトラワン
「ウルトラワン」登場(1970)
に似た顔のウルトラマンのようなヒーロー。見た目はウルトラセブンに近い。
怪獣との戦いの最中に、ドラえもんの道具で現実に引っ張り出されてゴミ捨ての手伝いをさせられてしまうが、後を追ってきた怪獣と戦って見事勝利した。
その後、テレビに戻っていったが番組が終わっていたので次の番組に出演してしまった。

ウラトルマン
「まほうのとけい」登場(1971)
見ためは耳まで裂けた口のウルトラマン。
カブト虫のような怪獣と戦っている。
時間を戻せるまほうのとけいで何回も戦う事になり、最後にはくたびれて怪獣と一緒に寝てしまった。
ちなみに、次の番組はニュースだが時間が戻った時には怪獣がアナウンサーを脅して引っ込めさせていた。

あらわし仮面
「正義のみかたセルフ仮面」登場(1976)
その名の通り、荒鷲の仮面を着けたヒーローで、が武器。
悪魔っぽい格好の悪の組織と戦っている。
のび太が夢中になっており、セルフ仮面誕生のきっかけになった。
ドラえもんは番組に夢中になるのび太を見て「よくあんなものに夢中になれるな」「ある意味では、しあわせな人だ」と、何とも冷ややかであった。

ブルトラマン
「本物ライト」登場(1972)
のび太が持っているヒーローのおもちゃ。
名前はウルトラマンのようだが姿はミラーマンに似ている。
本物ライトで本物になったジャイアンの怪獣と戦った。

モライもんとヒロイもん
ナイン・テン
プラスチックの靴
「百年後のフロク」登場(1976)
22世紀でセワシくんが取っている、未来の「小学四年生」の連載漫画。
「モライもんとヒロイもん」は、ドラえもんの自己パロディで、四角いドラえもんと長細い顔のドラえもん風のキャラが登場している。
「ナイン・テン」は同時期に連載されていた聖日出夫の漫画『ツー・スリー』が元ネタ。
宇宙を舞台にした野球漫画で「あんちゃん、ぜったいに三振取るからな」と何とも熱い台詞が目を引く。
「プラスチックの靴」も同じく同時期に連載されていた飛鳥幸子の漫画『ガラスの靴』が元ネタ。
登場人物はロボットだが「バレエは心で踊るんだ!」とは、これ如何に。

冒険太郎
「オーバーオーバー」登場(1976)
のび太が読んでいた漫画。
勇ましい顔つきの少年が表紙に描かれている。読んでいるとハラハラドキドキするらしい。
値段は150円。

ベルデカ
悪魔のパスポート」登場(1976)
のび太が欲しがっていた漫画で、3日のうちに売り切れてしまうほどのものすごい人気漫画。
元ネタは、当然『がきデカ』で表紙には少女が「死刑!」をしている絵が描かれている。
表紙にはバラの絵も描いてあるため、おそらく『ベルサイユのばら』の通称である『ベルばら』と『がきデカ』の合成語だろう。どっちも4文字で語感が似てるし。
1970年代に汚れ系ギャグキャラの萌えキャラ化をやってのけるとは、さすがというほかはない。

スペースシンドバッド
週刊のび太」登場(1978)
のび太が作った同人雑誌「週刊のび太」に掲載された漫画。
ジャンルはSFで、迫力ある宇宙冒険物。笑いや涙ももりこんで250ページ読み切り。
実は「まんが製造箱」が手塚治虫の絵柄や作風を分析して作った漫画で、キャラも『鉄腕アトム』そっくり。
一応、手塚先生そっくりの能力を身につけた未来の道具が作ったとはいえ、著作権的にかなり危険な代物。
そもそも「有名作家の作品がなければ訴求力が弱い」という理由で出した道具なので、
回覧式の同人誌でお金はとっていないとはいえ、勝手に大御所の名前を利用しているという時点でアウトである。

実は、人工知能に手塚治虫の画風とプロットの分析を行わせ漫画を描かせるという取り組みが21世紀に入って実際に行われている。
ある意味、時代を先取りしたエピソードと言える。

十甲田山
やさい戦艦トマト
「あちこちひっこそう」登場(1977)
のび太とドラえもんが「ひっこしセット」で、裏に引っ越した映画館で上映されていた映画。
元ネタは、高倉健主演の『八甲田山』と『宇宙戦艦ヤマト』。
「十甲田山」は、ポスターに吹雪の中の2人の男性が描かれており元ネタに近いが、「やさい戦艦トマト」は文字通り戦艦がトマトになっており、内容が実に気になる。一応、「人気バツグン」らしい。

スタージョーズ
「ドラ焼き・映画・予約ずみ」登場(1978)
大評判の映画で、指定席券は一月先まで売り切れ、立ち見の人が廊下まであふれているほどの人気作。
元ネタは当然『スター・ウォーズ』で、ダース・ヴェイダーの顔がなぜか骸骨
この後も別作品で名前が度々登場するほか、「天井うらの宇宙戦争」や大長編『のび太の宇宙小戦争』などのスター・ウォーズのパロディ作品が登場する。

ウルトラ・ボーイ
「主役はめこめ機」登場(1978)
テレビの人気番組で、タイトルからおそらくスーパーダンの少年版だと思われる。
敵は宇宙人で、この回ではシャンデリア型UFOが襲ってきた。
この回ではスネ夫がテレビ局の社長に頼まれたとして出演していたが、単なる群衆の中の一人(要はエキストラ)だったので恥をかくことになった。

宇宙ターザン
「宇宙ターザン」登場(1978)
ターザンを主役に据えた、OKERA-PRO製作のSF特撮番組。ターザンが恐竜を従えて悪の組織と戦う。放映時間は17時から30分。
以前は人気番組だったようだが、現在は下火になり視聴率が低下。制作費が削られてぬいぐるみは継ぎ接ぎが目立ち、セットは骨組みが見えるほどに状況は悪化している。
のび太が大ファンで、「ターザンはあこがれの英雄」「ぼくもおとなになったら宇宙ターザンになるぞ!」と言う程熱狂的に応援している。
視聴率低下から打ち切りになりかけたが、ドラえもんの道具で本物の恐竜を使って撮影できるようになり、視聴率40パーセントを越える人気番組になった。

その後、「時門で長~~~い一日」で再登場。敵が操るものなのか、怪獣と戦っている。
ここで、実は生放送である事が明らかになり、のび太が「三十分でおわるのはつまんない」と時間の流れが緩やかになる道具「時門」を使ったため、次回以降に登場するはずの怪獣と次々に戦うはめになり、6匹以上の怪獣と戦わされた末に疲れすぎで入院してしまった。
生放送で不足の事態に備えてのものと思われるが、2ヶ月以上先の怪獣を用意していて、それを問答無用で次々に投入するスタッフはまさに映画の鬼である。

ターザン役の俳優は、突然現れてのような話をするのび太を子供だからと無下にせず信用してくれる鑑のような人物。
しかし、時間が余っている事に気づいた時に、放送中なのに「あれ?時間がまだたっぷりあるぞ?」と口を滑らせてしまううっかり屋な所もある。

のび太ウォーズ
「アニメ制作なんてわけないよ」登場(1980)
自宅でアニメ制作を始めたスネ夫に張り合って、のび太が作ったアニメ。
SFものの長編アニメで、のび太がブラックホールを舞台に宇宙魔人と戦う話。
声優も一流で、小原乃梨子や大山のぶ代などが参加している。
…実は、これらの作業はすべてアニメを作る道具「アニメーカー」が行ったもので、のび太は「SFがいい。ぼくが主人公になって、宇宙で活躍するの」という最底辺のアイディアを出しただけである。音声も機械が電気的に合成したもの。
にも関わらず、「僕なりに苦労したからね」などど大見得を切ったが、スタッフロールの名前が全てアニメーカーだった(ボタン押しのみドラえもん)ため、総ツッコミを受けることになった。

ボロコン
「時間貯金箱」登場(1977)
のび太達が7時半から見ようとしていたロボットの特撮番組。
元ネタはもちろん『がんばれ!!ロボコン』。

スターマン
「イメージ灯」登場(1978)
『バビル2世』のポセイドンの頭に星をつけたような姿をしている。
番組を見逃したドラえもんがのび太に話を聞こうとしたが、のび太は話が下手なため全く伝わらなかった。
ロボットのようだが、最後に挨拶をしているのでもしかしたら宇宙人かもしれない。

宇宙大魔神
「超大作特撮映画「宇宙大魔神」」登場(1979)
出木杉作の自主制作特撮映画。ドラえもんの道具をフル活用しているため、演出がアマチュア作品としては派手になっている。
宇宙大魔神によって蹂躙される地球を救うため、超人ウラドラマンに見出された子供達が少年レインジャー部隊となって大魔神の星へと乗り込む。

エスパー少年隊
「わりこみビデオでテレビ出演」登場(1979)
主役で隊長のケン、ヒロインのユリー他2名からなる4人チームのヒーロー。必殺技はサイコウエーブ。
敵は魔界の王ダサーイで、町に巨大な火の玉を落として焼きつくそうとしたり、人質を取るなどの極悪人。
「わりこみビデオ」でのび太をケン隊長に合成した結果、全くしまらない番組になってしまった。
服装からして元ネタは恐らく『サイボーグ009』。

コンドルマン
「フクロマンスーツ」登場(1980)
ミミズクのような姿の悪の組織と戦う正義のヒーロー。
決め台詞は「悪はほろびた。さらばさらば」
同じ鳥モチーフのあらわし仮面と違って、こちらはライダーマンやシルバー仮面のように顔の口の部分が出たデザイン。
普段は頼りなさげな青年を演じているが、一度悪が現れればコンドルマンスーツで変身して戦う。
ヒロインのマリちゃんは、コンドルマンの正体に会いたいと想っているが、それが隣にいる彼と気付くのはいつの日か。
名前からして元ネタは恐らくおそらく『正義のシンボル コンドールマン』。

ドラヤキ百科
「ポカリ=百円」登場(1980)
ドラえもんの愛読書(?)
ドラえもんが読んでいる本らしいと言えばらしいが、実に内容が興味深い。
全国各地のドラ焼きが網羅されているのだろうか…?
ちなみに、これの登場するタイトル「ポカリ=百円」とは、ジャイアンに一発殴られると「イシャ料しはらい機」から100円もらえるという意味で、某清涼飲料水が100円で買えるという意味ではない*1

バンダム
「プラモが大脱走」登場(1982)
宇宙を舞台にしたロボットアニメ
プラモは大変な人気で、あののび太でさえ早起きして行列に並ぶほど。
全36種類で主役のバンダムのほか、「ZAB」や「GUZU」などがある。
例によってスネ夫が数を揃えたりジオラマ写真を撮ったりして自慢していたが、ジャイアンに「自分の家をバンダム本部にする」として丸ごと奪われてしまった。
元ネタはもちろん『機動戦士ガンダム』。
後に「キャラクター商品注文機」にも名前のみだが登場。同じ名前の作中作が二度登場する珍しいパターンとなった。

鉄人戦士
「時差時計」登場(1983)
のび太が楽しみにしているテレビ番組だが、タイトルとを持った主人公らしき人物が黒装束の人物と戦っている一場面しか登場せず、詳細は不明。

うる星ケニヤ
「空ぶりは巻きもどして…」登場(1984)
スネ夫が買った長編アニメのビデオ。
まだ一般に発売されておらず、しかも劇場公開に先だって入手した。
元ネタは『うる星やつら』と『少年ケニヤ』だと思われる。両方ともこの年に画化されている。

ミケちゃんマン
「クロマキーでノビちゃんマン」登場(1983)
三毛猫の着ぐるみを着たヒーロー。
作中では巨大ゴキブリ怪人を倒した。
敵も味方も役者の顔が出ており、コントのようにも見えるが、恐らくシリアスなストーリーではなく、東映不思議コメディシリーズのようなものなのだろう。
元ネタは「世界の北野」ことビートたけし扮する『タケちゃんマン』。巨大ゴキブリ怪人はブラックデビルかもしれない。

ジャンボーグX
すっとびけん太
「バリヤーポイント」登場(1982)
前者はジャイアンが、後者はスネ夫が所持していた漫画。
元ネタは前者は間違いなく『ジャンボーグA』。後者は一見『かっとび!童児』のようだが、当時はまだ発表されていない。
のび太は2人が出してきたこれに引っかかり自滅してしまった。

愛フォルティシモ
「大人気!クリスチーネ先生」登場(1982)
ジャイ子が書いた漫画。
ジャイ子本人も自信作といい、まんがを見る目だけは確かなのび太にさえ「ジャイ子が……、こんな美しい物語を……あの顔で………」と言わせる程の力作。
少女雑誌「ラフレジア」の新人賞に応募し、残念ながら落選となったが編集長からの直々の電話で「すばらしい才能のひらめきが感じられる」と認められた。
ジャイ子は元々ギャグ漫画家を目指していたが、同人仲間の茂手もて夫に「こんなすばらしいストーリーははじめてだ」と絶賛された「お兄ちゃん」や、読む前にのび太が泣いた悲しい悲しいメロドラマ「ジャイ子さん」など、こちらの方に才能があったのだろう。

魔女っこノブちゃん
「魔法辞典」登場(1982)
女の子に人気の、魔法少女もの番組。
「テケレッツノパー」の呪文でいじめっ子をやっつける。
女の子向けの番組だがのび太は夢中になっており、「男でも女でもおもしろいものはおもしろい」と言う台詞は現代に通じる名言。
元ネタは恐らく『魔女っ子メグちゃん』。

ガラスのカメ
「自動返送荷札」登場(1984)
スネ夫の持っている漫画。
あまりの面白さでひっぱりだこになる程の人気。
元ネタはもちろん『ガラスの仮面』で、ワクワクする内容らしい。
元ネタでは「ガラスの仮面」という言葉は物語がしばらく進んでから登場するが、こちらはいきなり表紙にガラスでできた亀が描かれている。

宇宙戦士ジュゲム
「上げ下げくり」登場(1984)
毎週ハラハラさせるという内容の、テレビ番組。
名前はガンダムのようだが、番組を見ると登場キャラは『重戦機エルガイム』に似ている気がする。
しかし、のび太は「おもしろいおもしろい」と面白がっているが、そんな気楽な雰囲気には見えない。

エスパー君
「自動買いとり機」登場(1983)
あの「ライオン仮面」以来、久しぶりに登場したフニャコフニャオの漫画。
表紙には、作者の相方A氏の漫画『ウルトラB』が成長したようなキャラが描かれている。ちなみに、登場はこちらが先。
ボロボロになるまで読み込まれており、少なくとも「ライオン仮面」のような事態にはならず、最後まで完結したのだと思われる。

宇宙探偵サラバ
「一発逆転ばくだん」登場(1984)
のび太が毎週楽しみにしているテレビ番組。
名前に「探偵」とついているが、宇宙怪物と戦っている。
宇宙怪物と戦っている最中、のび太が誤って「一発逆転ばくだん」を爆発させてしまったために宇宙怪物に逆転負けを許し、そのまま番組終了になってしまい、観ていたドラえもんも「なんてことしてくれた!!」と泣きながら怒っていた。
「宇宙ターザン」もそうだが、この世界の特撮番組は生放送中継が主流なのだろうか?

ウルトラヒーロー
「ウルトラヒーロー」登場(1984)
名前の通りウルトラマンがモデルの番組だが、話の中に登場するのはスネ夫の怪獣コレクションのみ。
ゼットンのような怪獣やミクラスっぽい怪獣が登場している。
表紙や作中に少し登場しているヒーローはのび太の妄想の産物であり、本人でない。

ゼイ肉マン
「タイムふしあな」登場(1984)
のび太が「一週間この日をまちかねていたのに」と言う程楽しみにしている番組。
しかし、登場したのは番組終了後の「おわり」の部分のみで、ゼイ肉マン本人は一切登場しない。
わかっているのはモデルが『キン肉マン』だという事だけという謎の番組。
とりあえず面白いらしい。
ちなみに本家では主人公がウルフマンにこう呼ばれていた。

スーパーコアラッコ
「アニメばこ」登場(1985)
コアラがサングラスマントで変身したヒーロー。パーマン2号のコアラ版といったところだろうか。
「ずっこけているけどいざとなると大かつやく」との事で、人気を受けてOVA化された。
ただ飛んでこちらに向かってくるだけの場面で「すてき」「かっこいい」と歓声が上がるあたり、人気ぶりが伺える。
この話では、他にも「アストロ学園」「ギャグラくん」「暗黒死神島」「星くずのアダージォ」「マシュマロウーマン」といった作品が登場した。
ちなみに、このビデオこそがあの有名な「3人用のビデオ」である。
直接関係はないが「やわらか戦車」で知られるFlashアニメーターのラレコも「コアラッコ」という作品を製作していたりする。

宇宙剣士バイロン
時空パトロール7
未来図書券」登場(1989)
ハラハラコミックに連載されているフニャコフニャオの漫画。
12月号で最終回を迎え、最後のクライマックスは大変盛り上がった。
「ライオン仮面」の頃と比べて画風が変化しており、色々と試行錯誤があった事が伺える。
「時空パトロール7」は一月号から始まる新連載だが、「未来図書券」で1月号を取り寄せたのび太が自分の漫画として世に出したために盗作扱いされ、ボツになるという酷い結末になった。
この話のラストはのび太の盗作漫画を見たフニャコフニャオが、(自分の漫画なのに)原作に描かせてほしいと頼む「ライオン仮面」を思い起こすような結末になっている。

タンキくん
「タイム・ルーム 昔のカキの物語」登場(1988)
のび太はもちろんドラえもんも発売を待ちかねているギャグ漫画。
第八巻まで刊行されており、中々の長期連載。
部屋をタイムマシンにする「タイム・ルーム」で過去に行った時に、子供のころにパパに持ち去られてしまった。
パパも大好きで夢中になって読んだ、時を越える名作。
元ネタは『ドラえもん百科』で知られる片倉陽二の漫画『のんきくん』だろう。

虹のビオレッタ
「虹のビオレッタ」登場(1988)
「クリスチーネ剛田」ことジャイ子が描いた漫画で、こづかいをためて 自費出版 した。1冊500円。
いつものごとくジャイアンの強引な売り込みでみんなから敬遠されてしまったが、とあるマンガコレクターから高い評価を受け、将来値うちものになるもしれないと言われたとたん、お客が殺到した。

どくろ山のたから
「宝さがしごっこセット」登場(1977)
のび太が「こんなおもしろいマンガははじめてだ」と言うほどの漫画。
主人公の少年が、倉の中で古い地図を見つけて、その謎をといてついに宝を発見する話。
この話に影響されたのび太は物置をあさり、あげくの果てにはママに「うちも倉をたてよう」と言い出した。
ドラえもん「あんなこと本気にするばかがいるか」

ムテキマン
「平和アンテナ」登場(1981)
子供達に人気のテレビ番組。
どんな宇宙怪獣が出ても恐れず、必ず悪を滅ぼす無敵のヒーロー。
宿敵アクマーンとの激闘を繰り広げる。
アクマーンの繰り出す怪獣と対決が始まろうとした時、のび太が誤って「平和アンテナ」を作動させたため二人が和解してしまい、番組は終了してしまった。
怪獣に逆転負けをして終了した「宇宙探偵サラバ」に比べれば、まだましな終わり方であろう。
なお、『ボボボーボ・ボーボボ』の作者・澤井啓夫氏による同名の読み切り作品が存在するが、当然ながら無関係である。

ウルトラセブンイレブン
「テレビとりもち」登場(1981)
怪獣と戦う巨大ヒーロー。
燃える街でサソリのような怪獣と戦っていたが、Aパートのラストで炎の中に投げ込まれてしまった。
テレビを見ていたジャイアンは「テレビとりもち」でテレビから商品を取りだそうとしていたので「早くコマーシャルになれ」と不機嫌な様子だった。
その後、ジャイアンはCMに目がくらんでテレビとりもちを突っ込むも、急にBパートが始まってしまい怪獣にテレビの中に引きずり込まれてしまった。
『ドラえもんコミッククイズ』によれば、この後実は生きていたウルトラセブンイレブンがジャイアンごと怪獣をボコボコにしたらしい。
ちなみに、この名前は当時セブンイレブンが東証一部に上がった事からきており、実は時事ネタである。
大山版アニメでは流石に「ミラクルマン」に変更されている。

ちなみにこの回は作中で数多くのコマーシャルが流れるのだが、それらも大概パロディだらけである。

Drストップ アバレちゃん
まんがのつづき」登場(1982)
「週刊少年ジャブン」に連載されている島山あららによる漫画。
いま大人気の漫画で、女の子のロボットが主人公。
島山あららは他にも、「少年キャベジン」「少年ホリデー」「少年チャンポン」「てれびさん」と多数の連載を抱えており、しかもアシスタント無しで一人で描いている。
元ネタはもちろん『Dr.スランプ アラレちゃん』だが、作品だけではなく作者まで登場するのは珍しい。
補足として『アラレちゃん』劇場版DVD-BOXが発売された際に『Dr.マシリトアバレちゃん』という短編アニメが実際に制作されている。

かめライダー
アサレちゃん
オハゲのO太郎
キャラクター商品注文機」登場(1982)
ジャイアンやしずかがグッズをコレクションしているキャラクター。
「かめライダー」はジャイアンがグッズを集めており、スクーターのようなバイクに乗っている。
恐らくはカメの改造人間なのだろう。ショッカーの怪人「カメストーン」がヒーローになったらこんな感じかもしれない。
銃を武器にしており、ある意味平成ライダーを先取りしている……のかもしれない。
「アサレちゃん」はチェックの帽子とオーバーオールの女の子のキャラで、しずかがグッズを集めている。
グッズからはどういう作品か読みづらいが、元ネタの『あさりちゃん』や『アラレちゃん』のようなギャグ漫画ではない感じを受ける。
「オハゲのO太郎」は、みんなとコレクションの話が出来ないのび太が全財産の 37円 を持ってグッズを買いに行った文具店で、売れ残りでよければ一冊十円でいいと言われて出されたもの。姿は文字通り毛のない『オバケのQ太郎』。
20年前に流行った漫画で、さすがにのび太も買わなかった。
37円で買い物に行くのび太ものび太だが、こんなもの置いている店も店である。今だったらネットオークションにかけてプレミアをつけるとか出来たろうに…。

建設巨神イエオン
「キャラクター商品注文機」登場(1982)
まさかの『伝説巨神イデオン』のパロディ。
イデオンがハチマキを絞めて両手に金槌とノコギリを持つという、凄い姿をしている。
お世辞にも子供向けとは言えないイデオンが、少し手を加えただけでここまでくだらなくなるとはまさにギャグ漫画の真骨頂か。
名前、デザインともに秀逸。意外としっくり来てしまうのはイデオンが元々レスキューロボとしてデザインされていたと言うのも一因かも。
のび太と鉄人兵団』の小説版にも名前だけ登場した。


ショコラでトレビアン
アンコロモチストーリーズ
日出処は天気
ペロペロキャンディキャンディ
「まんが家ジャイ子先生」登場(1982)
いずれも、ジャイ子が書いた漫画。
妹の漫画を雑誌に載せてやりたいというジャイアンの頼みで「すりこみ製本機」で雑誌に載せたはいいが、編集部へのお礼の電話やファンレター、はては原稿料などの様々な問題が発生して騒動になった。
「ショコラでトレビアン」以外は、単なるプロの真似であり出来も正直よくなかったらしく、
改めて読み直したジャイ子は「よくこんなまんがが雑誌にのったものだとおもうわ」「あたしの書きたかったまんがはこんなものじゃないんだわ」と思わず雑誌を叩きつけ、
感想を聞かれたスネ夫からは開口一番「ひっでえまんが!!」「へたくそでシッチャカメッチャカでよくもこんなはじ知らず」とまで言われてしまった。
しかし、読者の生の声を聞いて、「はっきりいってくれてよかった。これで目がさめたわ」と、一からやり直す決意を固めたジャイ子は実に男らしい。女だけど。
元ネタはそれぞれ『アンドロメダ・ストーリーズ』『日出処の天子』『キャンディ・キャンディ』。

UFOレンジャー
「ハロー宇宙人」登場(1976)
「われわれは地球の平和を守るため、毎週戦っているのだ!!」という、メタい決め台詞で戦う戦隊ヒーロー
戦隊ヒーローなのに、メインが自ら戦闘機に乗ってのドッグファイトという実に斬新な設定。
しかし、この番組が偶然外から覗いていた火星人に、地球人は野蛮人だという誤解を抱かせてしまった。
顔のトランプのマーク、4人組という事から元ネタは間違いなく『ジャッカー電撃隊』……に一見思えるが、実はこちらの方が1年早い。
なお、わさドラ版アニオリ回の「額縁をくぐって海へ」では、スペードが赤、ダイヤが青、クラブが緑、ハートがピンクと明確に『ジャッカー電撃隊』を意識したカラーリングとなっていた。放送局も同じだからこそ、ここまで出来たのだろう。



◇【番外】藤子・F・不二雄氏の原作以外における『ドラえもん』劇中劇

ドラゴンファンタジー
ザ☆ドラえもんズ スペシャル』「勇者のび太」登場
ドラクエ等のファンタジー戦記を彷彿とさせる雰囲気の映画作品。
TV放送された際に「超巨大スクリーン立体テレビ」によって、のび太とドラメッド三世が映画世界に入り込み
ヒロインのキス目当てに主人公に成り変わったが、それが思わぬトラブルを招く事態に……

スーパーファイター
『ザ☆ドラえもんズ スペシャル』「仮面の独裁者」登場
明らかに『ストリートファイター』がモデルの格闘ゲーム。
仮面の独裁者・ギガを倒すため世界中から集まったファイター達が戦うという内容で、和洋入り混じった奇妙な世界観が舞台。
作中ではゲームで連戦連敗ののび太達が戦いのコツを得るために「魔法辞典」でゲームの世界に入り込んだ。

魔法の(マジカル)マリー
『ザ☆ドラえもんズ スペシャル』「破壊神を倒せ!」登場
魔法少女もののTVアニメで、ゲーム媒体のメディアミックスもされている人気作。ドラ・ザ・キッドも実は隠れファン。
のび太達は新発売のゲームを「テレビとりもち」で入手しようと目論むも、
誤ってアニメの悪役「破壊神グレートダーク」を現実世界に呼びこんでしまい、危うく世界が本当に滅びかけるところであった。

電網戦隊 あやとり5
アニメ版『あやとり世界の王様に』登場(2010)
戦隊ヒーローものの特撮アニメで、ベルトのバックルから取り出した糸を束ねて光り輝く巨大なあやとり紐を作り、悪を倒す。
ナレーション曰く「戦士たちは絆の糸で、力を一つにするのだ!」。
必殺技は「一富士、二鷹、三なすび」。

となりの般若ちゃん
アニメ版「へやこうかんスイッチ」登場(2016)
エピソード自体は原作にもあるものだが、これ自体はオリジナル。
スネ夫が読んでいたもので内容は不明。般若のお面を着けた女子高生らしきキャラクターが表紙に描かれている大変シュールな漫画。
のび太が「読みたかった奴だ」と言っていることから、人気のある漫画らしい。
ちなみに 2巻 。1巻はジャイアンが持っていた。
なお、「能面を着けた女子高生が主役」の漫画は存在している。それのパロディかもしれない。

⚫️『アバンジャーズ』の超人バルブとキャプテンイタリア
⚫️小動物
⚫️かめライダー02
⚫️測量戦隊キラメジャー
アニメ版「キャラクターグッズを作っちゃえ!」登場(2020)
「キャラクター商品注文機」に登場した、バンダム・アサレちゃん・かめライダー・建設巨人イエオンは、わさドラでは、時代背景と版権を考慮して、これらのキャラクターに変わっている。
それぞれ『アベンジャーズ』の超人ハルクキャプテン・アメリカ、『仮面ライダーゼロワン』、『魔進戦隊キラメイジャー』が由来。小動物だけは名前がなかったが、デザインはアニメ映画版が話題になった『すみっこぐらし』そっくり。
「かめライダー02」に関してはデザインは原作のかめライダーとそんなに変わっていないが、後に本家で仮面ライダーゼロツー」が本当に登場したという点が話題になった。

◆【番外】台詞/流行語パロディ

「しらん!記おくにない!」「わすれた!」
「Yロウ作戦」登場(1978)
かの大政治スキャンダル「ロッキード事件」にて、証人喚問された小佐野賢治氏の有名な台詞。
大人の薄汚い世界の出来事を子供たちの世界に当てはめ、皮肉った名作。
作中に登場する「良集書(作中表記)」も「ピーナッツメモ」と呼ばれる領収書が元ネタ。

「お母さんお母さん」
「どこへ行ったのでしょうねと、大さわぎしたムギワラ帽子」
「谷へおとしたあの帽子」
あの日あの時あのダルマ」登場(1976)
映画やドラマにもなった小説『人間の証明』の台詞。
とてものび太のものとは思えない、高等な台詞である。どこで覚えてきたのやら。
ママには見事にスルーされた。

「ワー、やめろ!!」「機長!!なにをするんだ!!」
のび太航空」登場(1982)
のび太が開業した飛行機をハイジャックしたジャイアンが、トイレの我慢の限界に達して操縦を放棄したのび太に向かって墜落しながら言った台詞。
いわゆる「逆噴射事故」として知られる「日本航空350便墜落事故」で、ボイスレコーダーに記録された副操縦士の「キャプテン、やめてください!」という台詞が元ネタ。

「一分間時間をください、やめるように説得します」
「普通の男の子にもどらない」登場(1985)
(その気もないのに)ファイナルコンサートを行って、カムバックという形でコンサートの人気を上げようともくろむジャイアンが、アンコールを行おうとした時にドラえもんが言った台詞。
元ネタは第35回紅白歌合戦で、「これをもって引退となっていた」都はるみに対して起こる会場からのアンコールの声に応えるようにと、白組の司会だった鈴木健二氏が言った有名な台詞。
都はるみもついにこれに応え、紅白歌合戦史上初のアンコールを行った。
こちらでは、同じような台詞なのに「アンコールをやめさせる」という、真逆の使い方をしているのがポイントである。



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最終更新:2021年03月16日 21:54

*1 余談だが、このタイトルは単行本収録時に新たに付けられたものであり、その単行本発売前には某清涼飲料水の価格が改定されて100円になるという出来事があったため、その事を意識して改題されたと思われる。