冥府の使者ゴーズ

登録日:2010/06/11 Fri 11:54:10
更新日:2025/07/10 Thu 16:25:51
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自分(LP:2700)の場には《青眼の究極竜》のみ。


相手(LP:4600)の場にカードは無し。





あ な た は 攻 撃 し ま す か ?



















冥府の使者ゴーズ
効果モンスター
星7/闇属性/悪魔族/攻2700/守2500
自分フィールド上にカードが存在しない場合、相手がコントロールするカードによってダメージを受けた時、このカードを手札から特殊召喚する事ができる。
この方法で特殊召喚に成功した時、受けたダメージの種類により以下の効果を発動する。
●戦闘ダメージの場合、自分フィールド上に「冥府の使者カイエントークン」(天使族・光・星7・攻/守?)を1体特殊召喚する。
このトークンの攻撃力・守備力は、この時受けた戦闘ダメージと同じ数値になる。
●カードの効果によるダメージの場合、受けたダメージと同じダメージを相手ライフに与える。

【概要】

2006年9月発売の『遊戯王R 3巻』付属カードで登場した闇属性悪魔族の最上級モンスター。
その性能により遊戯王OCGの環境を激変させたカードである。

最上級モンスターだが、自分フィールドにカードがない状態で戦闘・効果ダメージを受けるだけという緩い条件により手札から飛び出してくる。
相手がフィールドに何も出さずにターンを終了したら、このカードの存在を疑った方が良いと言われるほど。
その影響力たるやフィールドが空の状態でターンを渡すだけでブラフが成立するほどであった。
現在ではフィールドがガラ空きの状態で発動できる《拮抗勝負》や《無限泡影》といったカードも増えたため、より警戒すべき状況となっている。

さらに戦闘ダメージを受けることで特殊召喚した時には、そのダメージと同じ攻守を持つ《冥府の使者カイエントークン》がオマケで付いてくる
例えば《青眼の究極竜》で殴れば《冥府の使者ゴーズ》と攻/守4500になった「カイエントークン」が出てくる。
うかつに殴ると攻撃力の高いモンスター2体を並べられるため、一気に形勢逆転もありうる。
《冥府の使者ゴーズ》が登場した第5期においては破格の強さであった。

「《冥府の使者ゴーズ》を出されることを想定し、攻撃力の低いモンスターから攻撃する」*1(通称「ゴーズケア」)というのは当時のプレイヤーの間では広く知られたプレイングの定石の1つである。
採用率が減るにつれ、どちらかと言うと「フリーチェーンで手札から未知のモンスターを特殊召喚される→勝てずに攻撃中断」という展開を警戒して高攻撃力から動かした方が良いことが増えてきたが、今でもこの考え方が染み付いたままのプレイヤーも多い。

ダメージステップに特殊召喚されるため、《奈落の落とし穴》や《激流葬》などのカウンター罠以外の召喚反応罠にもかからないのは地味ながら見逃せないメリット。
また、モンスター効果による特殊召喚であるため《神の宣告》にも引っかからない。でも《神の警告》と《神の通告》には注意な!

ちなみに、類似する特殊召喚方法でこちらより緩い召喚条件を持つ《トラゴエディア》や《護封剣の剣士》も登場。
攻撃する際にはこれらの可能性も考慮する必要がある。


忘れられがちだが、効果ダメージを受けた場合でも特殊召喚できる。
バーンデッキが相手の場合などでは使う機会があるかもしれない。

特殊召喚するには魔法・罠を使いきった上で直接攻撃を受ける必要があるので、手札にある場合発動条件の厳しい罠や、フィールドに残り続ける永続魔法・罠は安易にセットや発動をしない方が良い。


《冥府の使者ゴーズ》は闇属性であり、「カオス」や《ダーク・アームド・ドラゴン》のコストに利用でき、「カイエントークン」は光属性
相打ちにしようと攻撃して「ダメステいいっすか?」等と言われればもはや絶望的。

相手が《冥府の使者ゴーズ》を握っているかどうかよく考えないと実に痛い目に会う。
また手札にあると実に心強い1枚でもある。まさに最後の砦。このカードのおかげで1ターンキルを防げる事も多い。
バトルフェイズ中に特殊召喚する場合は基本的に守備表示で特殊召喚した方がいい。
攻撃表示で特殊召喚すると《エネミーコントローラー》の二つ目の効果、《超融合》などによって更なる追加ダメージが出る恐れがあるからだ。

なお「カイエントークン」も《冥府の使者ゴーズ》も共に星7なので、レベル1チューナーと組み合わせれば強力なレベル8シンクロモンスターを呼び出せる。
《冥府の使者ゴーズ》自体はランク7を扱うデッキとも相性が良い。

このカードは多くのプレイヤーに広く使われたため、制限カードに指定される。
その後も影響力は依然高く、要対策カードの1枚として扱われていた。

しかし、13/09/01にて準制限カードに14/02/01に無制限カードに緩和された。
この頃は征竜が大活躍していた時期であり、1ショットキルの抑止力として緩和された物と思われる。

その後、更に環境が高速化、盤面を制圧して勝利するデッキが増えたことで、このカードだけでは相手の攻勢を止めきれない状況が激増。
こちらもモンスターをどんどん展開したりしなければ相手に好き放題されて逆転が難しい布陣を敷かれてしまうのである。
こうしてフィールドがガラ空きでターンを渡すことのリスクが大きくなりすぎてしまい、《冥府の使者ゴーズ》も採用率を大きく落とす結果となった。

応募者全員パックV JUMP EDITION 2にてアスモ&ディウストークンと共に抽選で1000名に配布されることになり、数万円で落札された例がある。
しかし、プロモーションパックにてカイエントークンが収録されることになった
大枚はたいてヤフオクで落とした人や高価買取していた店は悔しいでしょうねえ
現在は200~300円もあれば買えてしまうだろう。

対策

全盛期は《マインドクラッシュ》や《氷結界の龍 トリシューラ》などでハンデスしてしまうのが最も確実だった。
また、相手フィールドにカードがあれば特殊召喚効果を発動できないので、魔法・罠を残しながら封じられる《心鎮壷》なども採用されていたことがある。

直接的な対策が無理な場合でも、複数のモンスターで攻撃する場合に「カイエントークンを後続のモンスターで戦闘破壊できるよう、攻撃力の低いモンスターから攻撃する」、「敢えて最後のモンスターだけ攻撃せずにバトルフェイズを終える」などのプレイングも見られた。
あるいは、モンスター1体の攻撃力を相手ライフ以上にして一撃で殴り倒す、という光景も。

現在となってはバトルフェイズにモンスター除去ができたり(手札からの)モンスター効果の発動を無効化できたりするテーマも多く、専用の対策は必要ない。
そもそも展開完了後の攻撃力が高すぎる、連続攻撃・全体攻撃効果を持っているなどで、カイエントークンが出てきてもそのままゴーズともども戦闘破壊して攻撃を継続していればライフを0にできる、ということさえある。
テーマ内で該当する状況にならなくても、《神の通告》などのモンスター効果の発動を無効化できる汎用カードも存在しているため、敢えて対策するにしても過去よりはるかに対策が容易になっている。


【漫画でのゴーズ】

初出は『遊☆戯☆王R』特別編。
作中では、ダイレクトアタックを受けた際に発動する罠カード【冥府につづく階段】によって、
バニラカードである《冥府の使者ゴーズ》《冥府の使者カイエン》が呼び出されるという設定だった。

上級バニラモンスター祭りな闇遊戯のデッキ……事故らないのは王の運命力のなせる技か。

テュアラティンによって消滅させられたり、ゴーズの姿となった《邪神アバター》によってカイエンを斬殺された挙げ句、
《THE トリッキー》との連携攻撃を阻止され返り討ちになったりとなかなか不遇な扱いだった。

キーカードと相方を統合する形でOCG化したので上方修正がはかられているといえるが、唯一の難点は『《冥府の使者カイエン》のカードがない』という点だろうか。


自分フィールドにカードが存在しない場合、相手のコントロールするカードによってダメージを受けた場合、追記、修正する事ができる。

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最終更新:2025年07月10日 16:25

*1 ただし、「ゴーズ本体(2700)に勝てないモンスターだけ、かつ3体以上並んでいる場合」は、複数体残してもカイエンを倒す1体しか攻撃できない都合上、2番目に高いモンスター→3番目以下→1番上という順番がベストになる。