征竜(遊戯王OCG)

登録日:2013/07/16 Tue 22:07:37
更新日:2025/04/26 Sat 16:51:37
所要時間:約 35 分で読めます




征竜(せいりゅう)」とは、遊戯王OCGドラゴン族のモンスター群である。


【概要】

地属性の4つに存在するドラゴン族のモンスター群。
第8期4番目のパックである「LORD OF THE TACHYON GALAXY」で登場した。

「征竜」と名のついたカードを指定するサポートは存在しないが、最上級・下級の各征竜がそれぞれ類似した効果を持っている。
また、下級の征竜は同じ属性の最上級の征竜を特殊召喚する効果を持っている。

そして遊戯王OCGの歴史においても屈指の壊れカード群であった。
上記のようにカテゴリではないため、個々のカードパワーで環境を荒らしまわったという点で特筆に値する。

特に語りぐさになるのが、本体が禁止されて消滅した【カオス】と違い、自身や周りのパーツが規制されても新たなパーツを見つけては環境に残り続けた点。
また、登場当時としては考えられない程のアドバンテージ獲得能力に長けたテーマでもあった。

発売直後の環境が全盛期であり、その圧倒的な強さたるや同期の《魔導書の神判》入り【魔導】との2強環境を作り上げてしまった
それ以外のデッキはせいぜい(特殊召喚対策に長けた)【ヴェルズ】くらいしか太刀打ちできず、直前の環境で活躍していた【3軸炎星】【海皇水精鱗】【マシンガジェット】といったデッキは、環境の片隅に追いやられることになる*1
当時、【征竜】【魔導】以外のデッキは、これらの対策を徹底的に行った上で、たまに入賞する程度の立ち位置になってしまった。
こうした影響もあり、カオス時代等と並ぶ暗黒期扱いされることも多い。
一方で、属性サポートとしての強さや、征竜魔導内のメタの変遷等を評価する声もある。
(これらについては後述)


最上級の征竜

いずれも『LORD OF THE TACHYON GALAXY』で登場。
共通して以下の効果を持っている。

このカード名の(1)~(4)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からこのカードと○属性モンスター1体を墓地へ捨て(、××を対象とし)て発動できる。
(固有の効果)。
(2):ドラゴン族か○属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキからドラゴン族・○属性モンスター1体を手札に加える。

一見してややこしいが、4つの効果を持っている。

第一の効果は、自身と同じ属性のモンスターと自身を手札から捨てると何らかの固有効果を生み出すもの。
不要なモンスターを切りながらデッキを回しに行けるため、最上級モンスターでありながら腐りにくい。
同一ターン中の併用はできないが、墓地に落ちたら第二の効果で蘇生できる。
手札2枚が必要だが、結果的に大したディスアドにはならない。

第二に、自身と同じ属性のモンスター、またはドラゴン族モンスターを手札or墓地から除外することで、自身を特殊召喚できる効果。
墓地からでも出てこれるので、墓地さえ肥えていれば破壊されようが何度でも戻ってくることができる。
どの征竜も最上級モンスター相応のステータスを持っており、そのまま打点として使うほか、S召喚X召喚の素材としても活用しやすい。

第三に、方法を問わず特殊召喚された場合、相手のエンドフェイズに手札に戻ってしまう効果。
基本的にデメリット効果となるが、第一の効果に繋げられるメリットもある。

第四に、自身が除外されると同属性のドラゴン族モンスターをサーチできる効果。
「征竜」自体がドラゴン族のため自身をサーチでき、他の征竜の除外コストとして無駄なく活用できる。
特に《封印の黄金櫃》との相性は抜群。発動した時点で1枚サーチし、ターンが経過すれば手札に加わる。

ただし、これらの効果はターン中に1種類しか発動できない。手札から捨てた征竜を墓地からそのまま蘇生させるような動きはできないため、よく考えて使用する必要がある。

遊戯王OCGには「なぜ同名ターン1の制限を付けなかったんだ」といわれるカードが時折登場するが、付いていてもダメだった連中もこのように存在する。


  • 巌征竜(がんせいりゅう)-レドックス
効果モンスター
星7/地属性/ドラゴン族/攻1600/守3000
(1):手札からこのカードと地属性モンスター1体を墓地へ捨て、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。
それを特殊召喚する。
(2):ドラゴン族か地属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキからドラゴン族・地属性モンスター1体を手札に加える。

地属性担当。
「征竜」の中で最高の守備力を持つ。
固有の効果は、自分の墓地のモンスター1体の蘇生
他の「征竜」と比べると打点が貧弱だがその分効果の汎用性が破格。
守備力については3000ラインであるため《増殖するG》や《クリムゾン・ブレーダー》を警戒した動きをするために使われやすく、壁役としては環境にも十分通用する性能。

地味に再録の機会に恵まれず、4征竜の中では唯一テキストが刷新されていなかった。
第12期で無制限に緩和された後、2025年2月25日発売の「QUARTER CENTURY ART COLLECTION」で再録され、ようやく第9期以降のフォーマットに改められた。

  • 瀑征竜(ばくせいりゅう)-タイダル
効果モンスター
星7/水属性/ドラゴン族/攻2600/守2000
このカード名の(1)~(4)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からこのカードと水属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。
デッキからモンスター1体を墓地へ送る。
(2):ドラゴン族か水属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキからドラゴン族・水属性モンスター1体を手札に加える。

水属性担当。
固有の効果は、自分のデッキのモンスター1体を墓地へ送る
制限カードの《おろかな埋葬》と同等の効果であり、《巌征竜-レドックス》と並ぶ汎用性の高さを誇る。
純構築だと直接手札に加えられる《嵐征竜-テンペスト》の影にやや隠れがちだが、ドラゴン族以外も落とせるのでどちらかというと出張時に輝くカード。

特に「海皇」や「水精鱗」と相性がよい。固有効果はもちろん、打点の底上げからX素材までこなす。


  • 焔征竜(えんせいりゅう)-ブラスター
効果モンスター
星7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800
このカード名の(1)~(4)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からこのカードと炎属性モンスター1体を墓地へ捨て、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。
それを破壊する。
(2):ドラゴン族か炎属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキからドラゴン族・炎属性モンスター1体を手札に加える。

炎属性担当。
「征竜」の中で最高の攻撃力2800で、《神竜騎士フェルグラント》も墓地2枚と引き換えに相打ちに持っていける。

固有の効果は、フィールド上のカード1枚の破壊
破壊するカードの種類に指定は無く、どんなメタカードだろうと永続系ならばこれでだいたい潰せる。
特殊召喚を封じる《大天使クリスティア》や《センサー万別》も怖くない。
「このカードメタとしてどうだろう?」→「ブラスターで(突破できる)」
は当時お約束の流れだった。
そのため全盛期の【征竜】はいかにしてこのカードを手札にキープ&温存するかが重要な焦点になっていた。

2023年4月1日の改訂でマスターデュエルでの改定に続きOCGの方でも制限カードとして禁止解除が決定。
恐らく同時期に炎属性が大幅に強化された為、それに合わせての制限復帰だと思われる。
これにより【不知火】等が間接的に強化されたと言える。
また、破壊耐性持ちの増加による単体除去の相対的な弱体化や、《ダイナレスラー・バンクラトプス》や《黄金卿エルドリッチ》等容易な除去力を持った最上級モンスターが登場しており、なおかつ各種素材にすると高い攻撃力を活かせないという環境の変化もある。


  • 嵐征竜(らんせいりゅう)-テンペスト
効果モンスター
星7/風属性/ドラゴン族/攻2400/守2200
このカード名の(1)~(4)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):手札からこのカードと風属性モンスター1体を墓地へ捨てて発動できる。
デッキからドラゴン族モンスター1体を手札に加える。
(2):ドラゴン族か風属性のモンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを手札・墓地から特殊召喚する。
(3):このカードが特殊召喚されている場合、相手エンドフェイズに発動する。
このカードを手札に戻す。
(4):このカードが除外された場合に発動できる。
デッキからドラゴン族・風属性モンスター1体を手札に加える。

風属性担当。
固有の効果は、ドラゴン族1体のサーチ
キープしていない色の「征竜」や、規制後は「征竜」以外の《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》といった中核のドラゴン族サーチする潤滑油として活躍。

特に風属性テーマかつキーカードにドラゴン族を擁する【ドラグニティ】と相性が非常によく、《封印の黄金櫃》で共通サーチ効果を活用する【征竜ドラグニティ】が成立。《魔導書の神判》導入直後の魔導に食い下がる活躍を見せていた。
当時の【ドラグニティ】ではレベル6の《ドラグニティアームズーミスティル》をサーチできる貴重な手段であった。
風属性なのもメリットで、墓地に行った《幻獣機ドラゴサック》をコストにできるため、墓地のドラゴン族の消費を節約できた。

他の征竜ともども禁止カードになるも、2018年10月1日の改訂でなぜかこいつだけ真っ先に制限復帰した
様々な憶測を呼んだが、「固有効果がドラゴン族を指定するもので他の征竜に比べれば汎用性が低い」「攻撃力2400でステータスがそれほど恵まれていない」「同時期にプッシュされた『ドラグニティ』の強化」というのが主な理由とされている。


下級の征竜

いずれも『スペシャルカードプレゼントキャンペーン』で登場した。
共通して以下の効果を持っている。
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):ドラゴン族か○属性モンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「(○属性の最上級征竜)」1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

「征竜」がその力を周囲の環境に還元するために解き放ち、転生した姿らしい。この後再び力を蓄え元の「征竜」へと戻っていく。

「子征竜」の通称から勘違いされがちだが、上記の通り下級征竜は上級征竜の転生体である。
征竜はこうしたサイクルを繰り返しながら自分のテリトリーに恵みを与えているようだ。

……と、設定的には非常に美しい生物なのだがOCG的には征竜環境を作り上げた諸悪の根源だったりする。

何が悪かったといえば「手札・墓地に存在しないといけない」「特殊召喚効果を使うと他の効果が使えなくなる」という最上級征竜の弱点を補ってしまったのである。自身の効果で墓地に行きつつ他の「征竜」のコストになり大量展開させつつ、《超再生能力》のカウントを稼ぎ大量ドローするというわけのわからない事が出来るようになってしまった。

力を還元したという設定の割にステータスもそこそこ優秀だったりするため、単体のカードとしての性能も地味だが馬鹿にできない。

ついにはあの《ダーク・ダイブ・ボンバー》をも上回る早さで、4種まとめて禁止された。
その後、最上級征竜の禁止と共に無制限カードとなった。
最上級征竜がいなくては実質下級バニラなので当然といえば当然である。
設定どおり転生したと言えるだろう。尤も、長い間元の姿に戻れなくなってしまったが。

詳しくは後述。

  • 地征竜(ちせいりゅう)-リアクタン
効果モンスター
星4/地属性/ドラゴン族/攻1800/守1200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):ドラゴン族か地属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「巌征竜-レドックス」1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

デッキから《巌征竜-レドックス》を特殊召喚する。
《巌征竜-レドックス》とは対照的に、下級征竜の中で最高の攻撃力を持つ。というか本人より攻撃力が高い
また、《巌征竜-レドックス》は角が折れているのに対し、こちらは鋭く生え揃っている。
フォッシル・ダイナ パキケファロ》などで特殊召喚を封じられた時に召喚され、そのまま殴り掛かる姿も見られた。

そのため【メタビート】側はこいつにモンスターを殴り倒されないようにする必要があった。事故ってもただでは転ばないのが「征竜」の恐ろしさの1つであった


  • 水征竜(すいせいりゅう)-ストリーム
効果モンスター 
星4/水属性/ドラゴン族/攻1600/守2000
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):ドラゴン族か水属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「瀑征竜-タイダル」1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

デッキから《瀑征竜-タイダル》を特殊召喚する。
下級征竜の中で最高の守備力を持つ。
準アタッカークラスの攻撃力・下級ブロッカーとして及第点の守備力を生かして盤面を支えることも。

【メタビート】にとってはこの守備力がいやらしく、突破するために四苦八苦するはめに。
こいつの処理に手間取っている間に返し札が飛んできて全てが無に帰すこともしばしばあった。


  • 炎征竜(えんせいりゅう)-バーナー
効果モンスター
星3/炎属性/ドラゴン族/攻1000/守 200
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):ドラゴン族か炎属性モンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「焔征竜-ブラスター」1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

デッキから《焔征竜-ブラスター》を特殊召喚する。
攻守ともに貧弱ではあるが、守備力200という点から《真炎の爆発》に対応しているのは嬉しい。

対応する《焔征竜-ブラスター》が2023年に制限復帰し、《風征竜-ライトニング》に続いて再び転生できるようになった。
また、下級征竜で初めて再録されたカードでもあり、その再録には初登場から実に10年半もかかっている。


  • 風征竜(ふうせいりゅう)-ライトニング
効果モンスター
星3/風属性/ドラゴン族/攻 500/守1800
このカード名の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):ドラゴン族か風属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「嵐征竜-テンペスト」1体を特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

デッキから《嵐征竜-テンペスト》を特殊召喚する。
2018年で《嵐征竜-テンペスト》が制限カードに復帰したため、「子征竜」の中では先んじて転生できるようになった。

攻撃力500という点から《デブリ・ドラゴン》を筆頭に低ステータスのサポートカードに対応している。
おかげで《ブラック・ローズ・ドラゴン》でせっかく敷いた布陣をふっとばされることも。


相性の良いカード

モンスター

ご存知ドラゴン族デッキのお供。
手札・墓地から「征竜」を特殊召喚できるのはもちろんの事、特殊召喚時の除外コストを各最上級「征竜」のサーチ効果の発動トリガーとする事も可能。後に一時禁止カードになる程のカード。

しかし、全盛期の【征竜】は並外れた展開力や自己再生能力ゆえに、スロット圧迫を避けるために採用しないこともザラであった。どういうことなの……。
光と闇の竜》同様に《エクリプス・ワイバーン》との相性でサーチできるため、そちらと一緒に使われる事が多かった。


ルールの難解さで知られる最上級ドラゴン族
【征竜】は召喚権をあまり使用せずにモンスターを展開できるので、アドバンス召喚を狙いやすい。(特に全盛期)

幻獣機ドラゴサック》の効果で呼んだ幻獣機トークン2体がリリース要員として最適。
また、《エクリプス・ワイバーン》でサーチができ、その《エクリプス・ワイバーン》は子征竜で墓地に送って征竜で除外できる。
そのため1枚だけの採用でも特に問題は無い。

この点を利用し先攻1ターン目にこのカードを出すギミックは、
ライダー突破には概ねなんらかの下準備が必要なことが多いためかなり切り返しが難しく、【征竜】の重要な戦術の一つとなっていた。
このような本来扱いづらいモンスターを軽々と出せてしまうあたりに「征竜」の強さが現れている。


ドラゴン族バニラの最上級モンスター。高い攻撃力を持ち遊戯王を代表するカードの1枚
だがその用途は専らコストである
《竜の霊廟》で落とすバニラとして使ってよし、《トレード・イン》で切るレベル8として使ってよし、墓地に行った後は「征竜」の特殊召喚コストとして除外してよしとかなり無駄がない。アレ?ちょっと待て

《調和の宝札》や《竜の霊廟》《竜の渓谷》で《伝説の白石》を墓地に落とせばそれだけで手札に来るので、墓地の《伝説の白石》と手札の《青眼の白龍》で一気に特殊召喚用除外コストの2枚が揃う。
一応《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》や《D・D・R》等で特殊召喚されることもあり、高い攻撃力を活かすこともあった。

このカードを使用したデッキがトップメタになり喜ぶ者がいた一方で、コストとして運用されるという一見ぞんざいな扱いを嘆く声もあった。


  • エクリプス・ワイバーン
墓地に送られた際に、デッキから光属性か闇属性のドラゴン族・レベル7以上のモンスターを1体除外する効果、
除外された際に、上記の効果で除外したモンスターを手札に戻す効果を持つ。
上記のモンスターを間接的にサーチするために使用された。


  • 幻木龍&幻水龍
当時「子征竜」失った「征竜」のお供の代表格。
場の水属性・ドラゴン族と同じレベルになる起動効果を持つドラゴンと、地属性モンスターが存在する場合に特殊召喚できるドラゴン。
特に《瀑征竜-タイダル》と《巌征竜-レドックス》のシナジーに優れ、お手軽にレベル8のSモンスターやランク7~8のX召喚が狙えた。


《竜の渓谷》及び《嵐征竜-テンペスト》でサーチできる為、1~2枚ほど投入される事が多かった。
ドラグニティのチューナーモンスターはレベル1~3まで存在しており、どれを採用するかはEXデッキ次第である。
なお、効果を利用しやすい【征竜ドラグニティ】でもなければ、レベル1で最も攻撃力が高い《ドラグニティ-コルセスカ》を採用するのが主流であった(【征竜ドラグニティ】の場合は《ドラグニティ-ブランディストック》が採用されるケースもあった)。
レベル3チューナーである《ドラグニティ-ピルム》を入れることもあった。


三幻神の1つ。
リリースが3体必要な重いモンスターであるが、その役割は征竜ミラーにおけるメタ。
征竜はメタの突破力に長けたテーマであるのだがその大半は《焔征竜-ブラスター》と《幻獣機ドラゴサック》の攻撃力と除去能力に依存している部分が大きい。その弱点を的確に付けるのがちょうどオベリスクだったというわけ*2

当時天敵たる強力な除去効果のシンクロが第一線から退いていたのもあり、登場当時の簡単に除去されるから弱いという評価から一転、
神の名の元に征竜と共に征竜に鉄槌を下した。
本来コストが重すぎる全体除去も征竜にとっては軽いコストかつ有用だったので征竜のミラーが当たり前のように起こる都合上状況次第で、
オベリスクで相手のオベリスクを効果で除去(ゴッドハンドインパクト)することも普通に起こりえた。
暗黒期に比べればわりかし正常な環境の遊戯王からみたらバブル期の日本みたいな話ではあるが。
全盛期の征竜に《ブラック・ホール》はもちろん、手札コストが重い《ライトニング・ボルテックス》、挙句にはTCGではまず敬遠されるギャンブル効果の《No.7 ラッキー・ストライプ》まで採用されていたのはこれの影響もあった。

唯一の欠点は当時サーチする手段がそれこそ2ターンと遅すぎる封印の黄金櫃ぐらいしかなかったため、実質ドローするしかなく、さらに性質上ピン刺しが殆どのため手札にくるかは完全に運次第だった点か。
一応《超再生能力》の存在から1ターン目以降ならデュエル中に引き当てるのはそこまで難しくはなかったのだが、如何せん当時のインフレにインフレしていた背景から実際に採用するかは環境の流れや個人の判断によるところが決して少なくなかった。


3年半ぶりに戻ってきた征竜が早速目をつけた新しいおもちゃ仲間。
ダークマター・エクリプスを駆使して《破滅竜ガンドラX》を確保し、場にATK8000のモンスターを用意*3した上で《破滅竜ガンドラX》を特殊召喚し、効果ダメージで先攻ワンキルを狙う。
2024年1月にOCGでもエラッタが実装されて不可能となる。


  • ネメシス
下級は除外されたドラゴン族を回収でき、「征竜」のコストにもなる。
特殊召喚モンスターの方はサーチ効果に繋げられ、《アークネメシス・エスカトス》なら「征竜」のコストにもなる。


  • 焔聖騎士
《焔聖騎士-ローラン》はコストにすることでサーチ効果を発動でき、除外された戦士族は《焔聖騎士-リナルド》や《焔聖騎士-モージ》で回収できる。


EXモンスター

  • No.7 ラッキー・ストライプ
レベル7モンスターを3体も要求するランク7Xモンスター
X素材を1つ取り除くことで、サイコロを2回振り、大きい方の出目の数×700の攻撃力となる。さらに出目の合計が7なら全体除去、《死者蘇生》《天使の施し》のいずれか1つと同じ効果を使える。

そもそも遊戯王OCGに限らずTCGは確実性のない運の絡む効果は敬遠される傾向にあり、特に勝利を第一にするガチ環境では顕著である。
さらにこいつの場合☆7モンスター3体と他のランク7より素材が重いため余計に使いづらく、ロマンカード以上の評価を得るのは非常に難しかった。
ところが、征竜環境においては上記オベリスクを突破できるカードとして一躍大抜擢されてしまったのである。

運次第とはいえ7の目の効果による全体除去、単純にステータスアップで4000オーバーになることでオベリスクを破壊できる可能性は、失敗するリスクに見合うだけのものだった。
もちろん《ライトニング・ボルテックス》を筆頭に全体除去をメインデッキに採用する事は多かったのだがそれらが手札に来るかはあくまで運。
必要な時に呼ぶことができるメリットは、失敗するリスク以上のリターンがあったのだ。
実際世界大会でも登場し、使用した選手は見事7の目を打ち出しファンサービスを披露。暗黒期のなかでの貴重な正の面もある一枚。


レベル7の最上級征竜2体を並べる事でX召喚できる。
遊戯王の中でも最上級のコントロール奪取効果を持つ。
このせいで当時絶版状態だったザ・ヴァリュアブル・ブック14は品薄になってしまい、(当時の)シングル価格も高騰していた。
【征竜】がミラーするとかなりの確率で《No.11 ビッグ・アイ》の奪い合いが始まる
そのため「《No.11 ビッグ・アイ》を出すときはライフを削りきれる時にする」というプレイングが生まれた。
下級征竜と一緒に規制され制限カードとなり、その後15/04/01に無制限カードとなった。
攻撃力2500以上の闇属性ということで対魔導のために、相手が何も出していない先攻1ターン目に出されて《闇のデッキ破壊ウイルス》のコストにされることも。


同じくランク7のエクシーズ。
優秀な除去能力を持ってメタを突破したり場を掃除するのが主な仕事。
さらに当時は最悪牽制、時間稼ぎとして先手で場にだしても優秀だった。
さらに幻獣機トークン2体生成を利用し、アドバンス召喚のリリース要員等の展開補助として活用できる。
このカードにエクシーズして盤面を整えることが【征竜】の基本戦術。
当時普通のデッキでは出すのに苦労するこのカードをとりあえず出すことができた辺り、征竜のヤバさを物語っている。
ぶっちゃけ本職である【幻獣機】より出しやすい上に活躍の場が多い。別名「幻征竜」
墓地に落ちた後も《嵐征竜-テンペスト》の特殊召喚コストになるという優秀っぷり。
規制が進むにつれ出しにくくなったため、最終的には1枚のみの採用になっていった。


子征竜規制後に採用されるようになったXモンスター。
出し方は色々あるが《瀑征竜-タイダル》と《巌征竜-レドックス》を除外して《幻水龍》と《幻木龍》をサーチしてから出す方法が使われやすい。
他のデッキではエースのような扱いをされやすいが、征竜では数ある駒の一つに過ぎない所が恐ろしい所。
こいつを突破した所で次の手がドンドン飛んでくる。突破できなければもちろん負ける。
征竜で使われるようになってからシングル価格が一気に高騰したが、レアコレに再録され落ちついた。


征竜はレベル7のため上記の伝説の白石の他に、《焔征竜-ブラスター》からサーチすることもできる《ガード・オブ・フレムベル》や、
《竜の渓谷》からサーチできる《ドラグニティ-コルセスカ》、持て余した《エフェクト・ヴェーラー》などを利用すれば簡単に出せる。
戦闘破壊に成功すれば相手の上級モンスターの展開を制限することができ、デッキによっては一方的に殴り殺される。
逆に征竜側もやられると厳しいが……それはつまり征竜メタは征竜と言う事。どうかしてるぜ!
おかげで「《増殖するG》を打たれても止まれるように、まずはこいつに負けない《巌征竜-レドックス》か《焔征竜-ブラスター》を出す」というプレイングが定番化した。それに対抗して「最初の《巌征竜-レドックス》や《焔征竜-ブラスター》には《増殖するG》を打たない」なんてプレイングまで。
このカードも高騰していたが、上記のフェルグラ同様レアコレに再録された為、現在の相場は落ちついている。


  • ドラゴン族Sモンスター
決闘竜や《スクラップ・ドラゴン》を始めとするドラゴン族Sモンスターにはレベル8が多いため、
クリブレと同様の方法で簡単に出すことが出来る。
更には墓地に行った時に征竜の除外コストにもなり役に立つ。
次々とエース級の強力なドラゴンを繰り出す様はボスラッシュのようで圧巻。やられた方はたまったものではないが。


周辺パーツをどんどん規制され本体も制限カードになり、遂に死に絶えたと思った征竜を蘇らせた大宇宙の闇の力。
4000という高い攻撃力とモンスターへの2回攻撃効果、X召喚時「コスト」としてデッキのドラゴン族を3種類墓地に送ることで相手のデッキからモンスター3枚を除外する効果を持つ。つまり《エフェクト・ヴェーラー》などでは墓地送りを止められない。
理論上、自分の場・手札・墓地・除外ゾーンにカードが存在せず、相手フィールドに5体のモンスターがいるという絶望的な状況でもRUM-七皇の剣の発動に成功すれば逆転1ターンキルが可能と、とんでもないことが可能とされている(妨害を考慮しない場合だが)。
《嵐征竜-テンペスト》の緩和によって再びコンボが狙えるようになり、1キルのお供として使用された結果、このカードも禁止カードに指定された。


魔法・罠カード

  • 封印の黄金櫃
デッキから最上級征竜を除外する事で、その征竜のサーチ効果を発動させる事ができるため実質的には速攻サーチカード。
2ターン後に手札に加える効果はおまけ。ほぼ無償のおまけで征竜が手札に入るのは明らかにずるい
このせいでザ・ヴァリュアブル・ブック9が(ry
最上級征竜と一緒に規制され制限カードになっていたが、後に解除された。
以前《ネクロフェイス》でやらかして制限食らったこともあるがほぼ同じ理由で規制されたことになる。
その後も様々なデッキで活用され、2025年1月現在は再び制限カードになっている。


  • 超再生能力
引けるのはエンドフェイズだが手札コストorリリースの消費分を補い余って逆に増やす事ができる。大抵の場合は2枚、上手く展開しきった後に6ドローとかザラ。
手札が限られている状況だとどれだけ引けるかは不安定な欠点こそあるが、このカードを使った後に同名カードを引いた場合でも発動できてしまうため、たとえ一枚当たりの枚数が少なくとも、逆に多ければ多い程、運よく連打に成功した場合はそのターンのドロー枚数が凄い事になる。むしろデッキ切れやサーチ先切れに注意すべき。
このアド製造能力はさながら魔導書における《魔導書の神判》。
あちらと違い《超再生能力》そのものを引けるかどうか、効果で手札にどんなカード来るか、効果で何枚引けるかはあくまで運任せで不安定だが、質より量を実現するとち狂ったアドバンテージ獲得量からやはり「決まれば勝ったも同然」である。
むしろシリーズカード以外の妨害カードが高確率で手に入る可能性があるのは審判にはないメリットであり、エンドフェイズに引いても相手ターンにも発動できる《エフェクト・ヴェーラー》等の手札誘発を構えられては堪ったものではない。
墓地にリソースが溜まっているだけでも厄介な征竜で手札まで補充されてしまうのは相手にとって絶望以外の何物でもない。
さらに追い打ちをかけるように6枚以上引いて手札が溢れても征竜は墓地もリソースなので…
大量ドローに一回でも成功したが最後、「手札には制限クラスの魔法や手札誘発がたくさん、墓地は大量のドラゴン族」なんて状況に容易になってしまう。
下級征竜が禁止になった際に一緒に規制され制限カードになったが、現在は規制解除されている。


  • 七星の宝刀
手札か場の☆7を1枚除外することで2枚ドローできる。征竜のサーチ効果も使えるため実質手札が1枚増えるという優れもの。
征竜と同じ弾で登場した為、元々征竜を意識してデザインされたカードと思われる。子征竜で呼んだ親を除外してドロー、親をサーチすれば、次のターンになってしまうが墓地の子供をコストに親を出せる上に手札はほとんど減らない。なんじゃそりゃ。
最上級征竜と一緒に規制され一時は制限カードに。
しかし元々これだけの性能をもってしても全盛期は事故を避けるためにピン刺しが普通だったのに加えて、最上級征竜達の規制が進むに連れて彼らを除外する旨味が無くなって来たため投入率は低下。
その為か14/04/01に準制限になり、さらに同年7月に制限解除されることとなった。


  • 竜の渓谷
手札1枚をドラグニティかドラゴン族限定《おろかな埋葬》に変えるフィールド魔法。
墓地肥やしはもちろん、ドラグニティのチューナーをサーチしてシンクロにつなげることも可能。
もともと手札を捨てるデメリットが大きいカードだったのだがんなの墓地も手札な征竜にとってそのデメリットはないも同然だったため子征竜の禁止以後、長く採用された結果2014/07/01からは制限カードに。
本来は1:1のサーチ手段に過ぎないドラゴン&ドラグニティは完全なとばっちりであった。
その後2017/10/01に遂に制限解除。ドラゴン&ドラグニティデッキには朗報と言える。
ちなみに海外では一時期禁止カードに指定されていた。その後日本より早く制限解除された。


  • 竜の霊廟
ドラゴン族版《おろかな埋葬》。通常モンスターを墓地に送れば、さらにもう一枚墓地へ送れる。
征竜の墓地コストを稼ぐのに適したカード。特に【青眼征竜】ではかなり強力。
《竜の渓谷》と一緒に2014/07/01からは制限カードになる。その後は2015/10/01で準制限カードで準制限カードを経て16/04/01に制限解除された。


  • D・D・R/異次元からの帰還
《D・D・R》や《異次元からの帰還》などを使えば、除外した征竜を再利用しつつ再び墓地に戻せる。
特に《異次元からの帰還》は親が規制され低下した爆発力を補うゲームエンドクラスのカードとして悪用され禁止カードに。


  • 異次元からの埋葬
除外された征竜を墓地に戻せる。
それでも3枚戻せばそこからランク7が出てきたりするのでもうね……。


デッキの特徴

征竜を自身の効果で複数並べて殴り、ランク7Xモンスターを出すのが主戦術。
最上級モンスターを次々と展開する様は中々に爽快かもしれない。

しかし、このデッキのヤバさはそういうことではない。

改めて最上級征竜の効果を要約すると

  • 全員がドラゴン族で統一されている+ドラゴン族か同属性がコスト →同名カードも含めて全ての征竜が他の征竜の発動コストになれる。 
  • 特殊召喚すると相手のエンドフェイズに手札に戻る →素材にすれば関係なしor墓地が肥えてればまた出せる。
  • 自身が除外された際に、同じ属性のドラゴン族をサーチ →『場合』なのでタイミング逃しなし。自身をサーチできるので途切れにくい。
  • 自身と+1枚を手札から捨てることで使える固有の効果 →ターンを跨げば墓地から蘇生可能。

これがどういうことかと言うと

【例】
墓地に《巌征竜-レドックス》《嵐征竜-テンペスト》《焔征竜-ブラスター》が存在。
 ↓
《巌征竜-レドックス》《嵐征竜-テンペスト》を除外して《焔征竜-ブラスター》を特殊召喚。
 ↓
除外された2体の効果で、それぞれ地属性ドラゴン風属性ドラゴンをサーチ。
 ↓
【結果】:最上級を特殊召喚+2枚サーチ。

モンスターを特殊召喚したら手札が増える。しかも墓地さえ肥えていれば始動に必要な手札は0。
2枚目の同名カードもサーチ可能で、ご丁寧に手札から発動する効果まで持っている。
文字通り墓地も手札であり、下手するとあの八汰ロックを食らってもリカバリーできる
頭おかしい。

ただし、各征竜の効果は1ターンに1度しか発動できない。
上記の例だと、2枚目の征竜をサーチしても、そのターン内は効果も使えない。
「《焔征竜-ブラスター》の特殊召喚時に2枚目の《焔征竜-ブラスター》を除外して、3枚目の《焔征竜-ブラスター》をサーチ」といったことも出来ない。
さらに、サーチ効果はあっても除外はされていくので、効果を使うほどに墓地リソースも減っていく。
「墓地の征竜を蘇生しようとしたら《D.D.クロウ》食らった」なんて時は蘇生も出来なければサーチも出来ない。悲惨。
この辺りが弱点といえば弱点であり、規制後は「色減らし」として対策の一部になっていた。



……逆に言えば、墓地さえ肥えていれば毎ターンの上記のような展開が可能。
さらに、制限されるのは「自身の効果」による特殊召喚。他のカード効果でなら複数体並べられる。



そして、これを下級征竜は両方やってしまったのである。




上記の例で行くと、
【例】
墓地に《巌征竜-レドックス》《嵐征竜-テンペスト》ブラスターが存在。
 ↓
《巌征竜-レドックス》《嵐征竜-テンペスト》を除外してブラスターを特殊召喚。
 ↓
除外された2体の効果で《地征竜-リアクタン》と2枚目の《嵐征竜-テンペスト》をサーチ。
 ↓
《嵐征竜-テンペスト》をコストに《地征竜-リアクタン》の効果発動。デッキから2体目の《巌征竜-レドックス》を特殊召喚。
 ↓
【結果】:最上級が2体特殊召喚+次のターン用の征竜と除外コストが揃う。

仮に、手札から展開したとしても、サーチ効果で手札消費もリカバリー可能。何だこれ。
並べた征竜は《No.11 ビッグ・アイ》なり《幻獣機ドラゴサック》になるのが基本。
通常召喚も残ってるのでチューナーを出してS召喚も可能。
ドラゴン族チューナーでドラゴン族シンクロを出せばコストも賄えて一石二鳥。
《幻獣機ドラゴサック》のトークン2体とレベル3チューナーで《氷結界の龍 トリシューラ》も出せる。こいつもドラゴン族なのでコストになる。

加えて言うなら上記のはあくまで一例。
サーチするカードを変えたり、他の魔法・罠を絡めたりで柔軟な動きが出来る。
もはやデッキも手札状態。書いてて意味わかんなくなってきた。

まとめると、手札・墓地から除外し尽くさなければその展開力が衰えず、それでもデッキに残っていれば復帰される可能性が高い。
そして、現実のデュエルはその前に押し切られるのが大半である。


弱点

いかに強力であれ、弱点もある。
マクロコスモス》などの全体除外カード、逆に除外を防ぐ《王宮の鉄壁》《王家の眠る谷-ネクロバレー》、
特殊召喚を防ぐ《ヴェルズ・オピオン》や《昇霊術師 ジョウゲン》など。
ただし、これらは《焔征竜-ブラスター》の手札効果や《幻獣機ドラゴサック》、汎用カード等で突破されることも多い。
それら含めて初手《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》で「モンスター」を宣言してしまえば、次のターンはほぼ動けなくなる。
当時はそれが簡単にできるデッキはなかったが……



情報が出た当初は、下級征竜の存在が明らかになっていなかった事もあり、
どちらかと言うと「征竜単体で組んでも面白い、各属性デッキへの出張要員」として注目されていた。
恐らくコナミも属性統一デッキの強化パーツぐらいにしか思っていなかったのだろう。
そもそもこの時期は《魔導書の神判》という完璧無比なぶっ壊れに話題が持っていかれ気味で、ほとんどの人が【魔導書】だけが環境を支配すると信じて疑わなっかた。

しかしその予想を裏切るように、下級征竜の登場や征竜同士のシナジーの強さ、それによってもたらされる《超再生能力》の爆発的ドロー性能が判明すると【征竜】デッキが本格的に開発され、瞬く間に【魔導書】に対抗する勢力として降臨。
4色の下級征竜が揃うやいなや、同時期に登場した《魔導書の神判》と共に文字通り環境を二分した。
発売直後こそ(前環境で活躍していた)【3軸炎星】【ヴェルズ】などが喰らいついていたものの、根本的なデッキとしての強さの格差の問題やプレイングが洗練されていくに連れて差がついていった。

実際、当時の環境は【魔導書】と【征竜】しかいないと言っても過言ではないレベルであり、
他のデッキはというと、両者に比較的相性の良い【ヴェルズ】、征竜を取り入れた【3軸炎星】【水精鱗】【ガジェット】などがごくたまに入賞するくらいであった。

更に世界大会であるWCS2013では出場者のデッキが【魔導書】と【征竜】の2種類だけというとんでもない状態に*4
ちなみに優勝したのは【征竜】。日本で発売が先行していた【魔導書】デッキの強化パーツが大会では使えなかったためそもそも征竜を選択する人がほとんどだった。

その滅茶苦茶な強さから2013年9月1日のリミットレギュレーション改訂で全ての下級征竜が禁止カードにされた
征竜への唯一の対抗手段とされた《魔導書の神判》も含め、計5枚のカードが直接禁止に叩き込まれたのである。これは歴代最多禁止。
同時に、いずれもDDBの290日をはるかに超える早さと寿命の短さで、(当時の)歴代最短禁止も更新*5








……それでも止まらなかったのだが。
下級征竜判明前に言われてた欠点を含めてもかなり強いことが知れ渡り、この後も環境トップの一角を走り続けることになる。

当時の【征竜】デッキを組むにあたっての最大の悩みは、征竜達の入手の難しさであった。
というのも、最上級の征竜は全員スーパーレア、下級の征竜も期間限定の配布パックのみに収録されていたからである。
また上記の通りEXデッキや魔法カードが事実上絶版だったりするのにも悩まされた。

ついでながら、彼らが初登場した『LORD OF THE TACHYON GALAXY』は、他のスーパーレアもなかなかの粒揃い。
征竜との相性の良い《七星の宝刀》は勿論、
  • ターン制限の無い破壊効果を持つランク6エクシーズの《ガントレット・シューター》
  • 璃緒が使用した、相手の効果を封じ自らの攻撃力を上げることが出来る、鳥獣族デッキで役立つ《零鳥獣シルフィーネ
  • 上記2枚に比べ効果は1ランク落ちるもののイラストアドの高い《CX(カオスエクシーズ) ダーク・フェアリー・チア・ガール》
等、スーパーレアの外れがそんなにないパックとして有名であった。
そんな中外れ扱いだった《風霊神ウィンドローズ》も、エレメントセイバーのお陰で多少価値が出た。あくまで多少だが。
ちなみに征竜や《七星の宝刀》も含めここに挙げたスーパーレアはその後再録されているものの、《CX ダーク・フェアリー・チア・ガール》だけは相変わらずこのパックからしか出ない珍妙な事となっている。
もっとも、当時のシングル価格でそれなりの値が付いていたのは、征竜と《七星の宝刀》くらいであったが。

一応、海外版の『Lord of the Tachyon Galaxy』では最上級征竜は全員レア、下級征竜は全員ノーマルで収録されているが、
収録枚数自体が日本版より多い事や海外版特有の封入率の偏りから、日本語版と比べてハードルが下がったかどうかは微妙なところ。実際「1ボックスに親征竜が1枚しか入ってない」という話がよく聞かれた。

また、2013年の秋からは征竜のtin缶が発売された。
シークレットで征竜が確実に封入されているので持っている人も持っていない人もお勧めな一箱
……だったのだが、ほぼ同時期から、ショップデュエルのノーリミットデュエル以外では海外版のカードは使用禁止となってしまった。

後に最上級の征竜がGOLD SERIES 2014に再録された為、日本語版も容易に入手できるようになった。
その為、メインデッキだけなら比較的安価で組めるようになった。(EXデッキはそれなりにかかるが)



経歴

  • 2013年2月~9月
『LORD OF THE TACHYON GALAXY』発売。
《巌征竜-レドックス》《瀑征竜-タイダル》《焔征竜-ブラスター》《嵐征竜-テンペスト》が初登場。
その前後にスペシャルカードプレゼントキャンペーン第一弾・第二弾で、
《地征竜-リアクタン》《水征竜-ストリーム》《炎征竜-バーナー》《風征竜-ライトニング》が初登場。
発売直後からすぐに各地の大会で成果を挙げ、環境トップとしてその名を轟かせていく。

余談として、征竜が登場する直前の改定はあの《未来融合-フューチャー・フュージョン》がちょうど禁止指定を受けたタイミングである。
【ドラゴン族】系列における未来融合はほぼほぼ「デッキからドラゴン族を5枚落とすカード」としてしか扱われていなかったため、
もし禁止化が遅れていた場合カード1枚から征竜がズラズラ並ぶという悪夢の光景が広がっていただろう。

  • 2013年9月1日
《炎征竜-バーナー》《水征竜-ストリーム》《地征竜-リアクタン》《風征竜-ライトニング》が禁止カード化。
関連カードでは《超再生能力》と《No.11 ビッグ・アイ》が制限カードになった。

散々猛威を振るい、世界大会で一般・ジュニアの両部でともに【征竜】が優勝したことを受け、子征竜が一気に規制された。
即禁止するぐらいなら最初から作るなと誰もが思ったろう。
これにより安定性と展開速度を多きく落とされることに。

しかし、この時点ですでに征竜のパワーは広く認識され、この程度ならば止まらないと予想する声も多かった。
事実、この後も上級征竜をメインに環境に残り続けた。

尚日本と海外の禁止制限リストが明確に分かれるようになったのはこの回からで海外は汎用パーツに大幅な規制が入っている。
征竜自体も子征竜や《超再生能力》、《封印の黄金櫃》などが規制されたものの親征竜は12枚健在で、その上で征竜に有効な《奈落の落とし穴》と《強制脱出装置》が汎用除去規制の一環として制限カードになった。あと《マクロコスモス》や《ソウルドレイン》まで規制されていた。
おまけに10月には海外ではカード化されてなかった《第六感》が「発売と同時に制限カード」と言う扱いで登場したため征竜に対抗できるデッキがなく、征竜ゲーと化した
その結果1月改訂にて日本より早く征竜に大幅な規制が入れられる形となった。


  • 2014年2月1日
《巌征竜-レドックス》《瀑征竜-タイダル》《焔征竜-ブラスター》《嵐征竜-テンペスト》が準制限カード化。
また、強力なシナジーを持っていた《七星の宝刀》《封印の黄金櫃》が制限カードに、《異次元からの帰還》は禁止カードとなる。

メインの4体が準制限、さらには相性のいい魔法・罠も一気に規制される。以前と比べて遥かに色が消えやすく取れる行動範囲が狭くなりがちに。
これで止まるかと思いきや、空いた枠に墓地肥やし等の相性の良いカードを突っ込み粘り続ける。
その後も相変わらず環境上位に残っていた。


  • 2014年4月1日
《巌征竜-レドックス》《瀑征竜-タイダル》《焔征竜-ブラスター》《嵐征竜-テンペスト》が制限カード化。
一方、《七星の宝刀》は準制限に緩和された。

全員が制限となり、同名カードが1枚ずつとなった。
これによって色減らしをモロに受け、後続が途切れやすくなり連鎖的に墓地リソースも限られるようになり、大幅な弱体化を余儀なくされる。
さらには、【アーティファクト】の登場、マドルチェ先史遺産が強化され、強力なライバル達に押される形となったのだが……。

それでも【青眼征竜】という形で結果を残す。
当時の環境の最大勢力であったシャドールと相性が良いのも要因なのだが、相性がいいだけで勝てるほど甘い連中ではないのに……。

この時点で8種類の征竜の内、半分が禁止、半分が制限カードになったことになる。
サポートカードも軒並み規制されている。

そこまでやったのにまだ環境上位デッキとして存在。どういうことなの……?


  • 2014年7月1日
《竜の渓谷》と《竜の霊廟》も制限カード化。代わりに宝刀は解除される。

あまりの暴れっぷりに、とうとうコナミはドラゴン族全体を殺しにきた
ドラゴンサポートも兼ねて登場した征竜がドラゴン族を潰して回る姿は皮肉としか言いようがない。
特にドラグニティ使いは泣いていい。

この状態ですら、すぐに聖刻との混合や《クリバンデット》や《ダークフレア・ドラゴン》を駆使するデッキが考案される。
ライロ征竜】も普通に運用可能であった。

つまりこの改定、他のドラゴン族には大打撃だが、肝心の征竜は「なんとか生き残れないこともない」程度ものだったのだ……

……と、かなりの不安を抱かせていたが、流石にクリバン頼みだと安定感はガタ落ちしたらしく、登場から一年半の時を経てようやく環境からはほぼ消滅
次は自分らが生贄になるんじゃないかと戦々恐々していたライロや他のドラゴン使いも胸を撫で下ろした。

普通のデッキはカテゴリ指定サポさえ規制すればちょうど良く止まるのだが、カテゴリ専用サポを持たない征竜は【ドラゴン族】全体を巻き込んだ規制によってようやく停止。理不尽すぎる。

しかし、征竜魔導から加速した環境は最早留まる事を知らず、既に強力な新テーマが活躍し始めていた――


  • 2014年10月1日~
シャドールクリフォート(遊戯王OCG)等の強力な新テーマが活躍する環境に(弱体化した)征竜は遂についていけなくなった。
また、環境の方は新儀式テーマネクロスが登場して環境を文字通り青一色に染め上げる。


  • 2015年1月1日~
影霊衣の影響で儀式サポートが軒並み規制される。
他の儀式召喚デッキにとってはとばっちりというレベルじゃなく、多くの決闘者は征竜による巻き添え規制を思い返したことだろう。

征竜関連では《No.11 ビッグ・アイ》が準制限に緩和。
ランク7も出し辛くなり、弱体化を重ねて征竜もようやく許された………。


終焉「ただいま」
ダークマター「はじめまして」

と思ってたら暗黒物質とカオスを纏って復活の兆しが。

当時の環境はスキドレや虚無空間全盛であるにも拘らず、通ればほぼ確実にワンキルできる圧倒的な爆発力からチラホラと【ダークマター征竜】が入賞していた。
流石に環境トップを取る力は無かったがそれでもたまに優勝するというレベルで復活してきており、
改めて征竜のしぶとさを多くのデュエリストに知らしめた。
征竜は4枚しか残ってないのにどうなってんの。

もはや何をどうしても滅ぶ気配が無いので、征竜はもう「概念的な何か」であると言われていたが────


2015年4月制限

四征竜 全員禁止

流石にコナミもこいつら放置しておくとどうなるか解らないと思ったのか、はたまたこいつらのせいで新規ドラゴン族やレベル・ランク7サポートのデザインが狭まっているとおもったのか、
2015年4月のリミットレギュレーションで全員禁止カードに指定される。
そして入れ替わりに下級征竜四体が禁止から一気に無制限に緩和された。DDBを上回る速度で禁止になった子征竜だったが、禁止から一気に無制限になったのもDDB以来の二例目となった。
あっちは別物とも言われるエラッタを食らったがこっちはテキストが事実上インクの染みになっていた。
子征竜の無制限化により、当分は最上級征竜が制限復帰することはないと思われる。

上記の改定後、子征竜だけを投入した【新制限対応征竜】を組む人も見かけられた。
効果が使えない(サーチ対象が禁止なので意味が無い)子征竜は実質バニラサポートのないバニラ同然。
幸いステータスには恵まれているので、相性の良いカード(《デブリ・ドラゴン》等)を入れておけば、何となく形にはなる。
無論、ネタデッキの域であり、環境には全く影響を与えなかったが。

子征竜統一にこだわらない場合、《地征竜-リアクタン》《水征竜-ストリーム》が比較的有用な部類に入る。
前者は地属性・ドラゴン族の下級モンスターでは最高の攻撃力を誇り、《同胞の絆》で守備力2000かつ他のドラゴンを攻撃から守る《ゴーレム・ドラゴン》も特殊召喚できる。
後者は水属性・ドラゴン族の下級モンスターの中で最高の守備力であり、《幻界突破》を共有できる《竜胆ブルーム》と併用すれば攻撃力2000のアタッカーとして使える。

規制によって通常の環境からは完全に消えたが、禁止カードが使える環境(遊戯王の日や特殊制限の非公認大会)で【征竜】を使う人は少なくなかった。「かっこいいドラゴンをバンバン並べる」と言うのはやはり魅力的なのだろうか。
しかも、《天使の施し》や《苦渋の選択》、《次元融合》なども使えるので、下手したら全盛期以上の力を出せる。未来融合は弱体化してしまったが。

OCGの歴史に残る四体の竜は、多くのプレイヤーに使用され、数々の伝説とトラウマを残し二年と少しの生涯を終えたのだった。
属性・ドラゴン族のサポートとしてもお世話になったデュエリストたちは感謝を送り、無限に湧くゾンビの如く相手にしてきた者はほっと胸を撫で下ろした。

今まで有難う征竜…
二度と帰ってくるな!

……でも設定的にまた力蓄えて復活してきそうな気がする。








  • 2018年10月1日~
《嵐征竜-テンペスト》
制限復帰
約3年の時を経てまさかの復活(1体だけだが)。
「一種類だけなら(=征竜同士で組まなければ)単なる属性サポート」という声がそれなりにあったが、まさにその通りの形で帰ってくることとなった。
《嵐征竜-テンペスト》が選ばれたのは「環境的に風属性の影が薄い」「固有効果含めてドラゴン族向け」「同時期に相性の良い新規カードが登場した」といった推測がある。

色々言われていたが、1種類あればできる《破滅竜ガンドラX》を駆使した先攻ワンキルが早速考案された。
【ガンドラ1キル】も一部で結果を残し、改めて征竜のしぶとさと懐の広さを知らしめた。


  • 2019年1月1日~
前述したガンドラ1キルの抑制として《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》が禁止カードに指定された。
守護竜やヴァレットなどドラゴン族自体は数を増やしており、ドラゴン族全体の抑制も兼ねていると思われる。


  • 2019年4月1日~
同じく汎用ドラゴン族かつガンドラ1キルで使用された《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》が禁止カードに指定された。


  • 2019年7月1日~
遂に《破滅竜ガンドラX》も禁止カードに指定された。
しかし、改定後も【ドラゴンリンク】が環境で結果を残すなど、ドラゴン族全体の勢いは止まっていない。
8月には新たなドラゴン族テーマの「ドラゴンメイド」が登場し、そちらでの活躍も期待される。


  • 2020年4月1日~
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》がエラッタで同名ターン1を付与されて制限復帰(後に順を追って緩和)。


  • 2023年4月1日~
《焔征竜-ブラスター》が制限カードに緩和。
単体除去の価値が低下したことなどが緩和理由として推測されている。
また、同時期に炎属性が強化されたこともあり、商業上の都合もあるだろう。


  • 2024年1月1日~
《巌征竜-レドックス》が制限カードに緩和。
OCGでも征竜3種類が再び使用できるようになった。


  • 2024年4月1日~
《瀑征竜-タイダル》が制限カードに緩和。
OCGで漸く征竜全員が再び使用できるようになった。


  • 2024年7月1日〜
四征竜全員が準制限カードに緩和。
同時期にトーナメントパックで《瀑征竜-タイダル》がブルーシークレットレア仕様で再録された。水属性強化の波か。


そして────────────


2024年10月制限

四征竜 完全緩和

約11年という長い時を経て、再び親子共に3枚ずつ積むことが可能になった。
高速化した現代の環境では当時のように圧倒的とはいかないだろうが、エラッタで弱体化された訳ではないので各種属性サポートや征竜デッキとしてカジュアルマッチ等で存分に使い倒してやろう。


まとめ

全盛期の強さももちろんだが、征竜の異常性はどれほど規制されても環境に残り続けたことだろう。
8種類のカードの内、4種が禁止カード・4種が制限カード、24枚中4枚しか使えない(2015年環境)という、前代未聞の厳しい規制を食らっても戦い続けたのだから恐ろしい。
  • 『四肢をもぎ、翼を剥がし、牙を抜いたのにまだ強かった』
  • 『ドラゴン族のサポートにデッキに入れたら、ドラゴン族が征竜のサポートをしていた』
  • 『首を落としたら、首だけで他のドラゴンに寄生して暴れた』
  • 『巣を焼き払ったら、胴体を暗黒物質で再構築した』
などと表現される。大体あってるから怖い。
さらには、征竜が活躍していた頃は、新たなドラゴン族サポートやランク7エクシーズが出るたびに「征竜のおもちゃが増えた」と皮肉られた。
新たな種族「幻竜族」の登場にこいつらの影を見る人も多い。というか「新規ドラゴン族を出しても征竜のおもちゃになるから幻竜族なんて作ったのでは」などと言う人も。
登場時期とカードデザインの時間を考えるとあながち噂とも言い切れないかも。

しかし、征竜が禁止になったことで、心置きなくドラゴンサポートを出せるように。
実際、改訂直後のパックでレベル7の《真紅眼の黒竜》が大幅に強化された。《真紅眼の鋼炎竜》なんか征竜が生きている頃には刷ることすらできなかっただろう。
また親征竜禁止直後にランク7・ドラゴン族エクシーズで、ランク7エクシーズの攻撃力を更新した《覇王黒竜オッドアイズ・リベリオン・ドラゴン》が出たあたり、征竜がカードデザインに与えていた影響の大きさがうかがえる。
むしろ強化したかったから禁止カードにされたのか。

結果的に征竜は登場したシリーズカード8種類全てが禁止カード化された経験を持つ事となった。


功罪

先述の通り、【魔導】との二強環境と【征竜】が長期間環境上位に居座り続けたことは、やり玉に挙げられる機会は多い。

一方で、一つのデッキを長く環境で使えた事を喜ぶ声もあった*6

また、征竜魔導の二強環境についても、デッキの選択肢がある分後の時代よりかはマシとされる。
メタの読みやすさも相まってプレイングが重要視される環境を評価する声もあった。
「ミラーマッチをどう制すか」が重要となり、《オベリスクの巨神兵》が投入され、それに対抗して《No.7 ラッキー・ストライプ》が採用されるなど、従来の環境では考えられないようなカードが注目されたのは、メタゲームの面白さといえる

強力なデッキと称される一方、1属性につき1ターン1度効果の一つしか使えない制約を持つ複雑かつ変幻自在な動きのデッキのため、使いこなすには経験やプレイングセンスが要求される
特に下級征竜が規制されていた頃は無計画に除外を繰り返しているとすぐに墓地の餌が尽きてしまい、取れる戦法が無くなるため、目先の利益だけではなく状況に応じた先をきっちり見据えた展開が必要である。
魔導が規制された征竜一強時代も「プレイングがきっちり反映されるデッキだからこれはこれで面白い」という遊戯王環境に毒され過ぎた一理ある意見もあった。
「コンボが決まった時は美しい」なんて意見もあったが、「それは単に自分が一方的に蹂躙して楽しいだけだろう」という厳しい反論も当然あった。

そこらの相手ならアド差で押しつぶせるが、一方で互角の相手には考え抜いて最善手を撃たねば勝てない。
「征竜を好きで使う人にとっては楽しいデッキ」だったと言える。
とはいえ、当時は「そこらの相手」=「征竜以外のほぼ全て」だったため、征竜以外のデッキの使い手からの批判の声は強かった。

加えて最上級「征竜」はいずれも当時1箱に9種の中から3枚しか封入されないスーパーレアであり、4種を各3枚積みで12枚揃えなくてはならないことから値段が跳ね上がった。
また、書籍付属などのプロモーションカードなども多数投入されていたため、当時としては非常に高額なデッキになっていた。
大会で勝つための金銭的ハードルを引き上げてしまったことについては批判されるのもやむを得ないだろう。

また、商売的な理由もあるといえ征竜本体を規制しないで、キーカードとなったサポートカードを規制していたことも批判された。
そもそも「征竜用のサポートではない」のに巻き添えを食らった形となり、結果として【ドラグニティ】や【青眼の白龍】など「征竜を規制するために弱体化したデッキ」も数多くあったからである。

25周年を記念したプロモーションビデオ「Yu-Gi-Oh! CARD GAME THE CHRONICLES」では後半部分で征竜たちが紹介されているが、
そのキャッチコピーが「超常の災禍」であり、彼らが環境を荒らし尽くした実績を暗喩していることがうかがえる。
このPVで登場したモンスターの中で《瀑征竜-タイダル》が唯一の禁止カードであり、それを擁するテーマであることもネタを加速させている。


禁止から緩和まで軌跡

環境を荒らし回し、他のデッキを吸収しては生き残りつづけた存在ではあったものの、属性サポートとしても優秀で出張要員として多くの属性デッキを助けていたのも事実である。
遊戯王OCG光属性闇属性のサポートは充実しているが、で汎用性が有り、なおかつ使い勝手が良いサポートというのは当時は比較的珍しかった。
それだけに禁止化を惜しむ声も少なくなかった。

サポートのつもりが気付いたらデッキを乗っ取られたと言う声もかなり多いが、それは他の出張テーマでも起こりうる現象である。
特殊召喚コストがドラゴン族無しで各属性だけならと言われることも良くある。

しかし、最上級征竜が禁止カードになった第9期には、上記の「レッドアイズ」の他に「ブルーアイズ」も強化された。さらにストラクチャーデッキR 巨神竜復活では《復活の福音》を始めレベル7・8のドラゴンの強力なサポートが登場している。

こうした事情もあり、当時は全征竜の緩和は絶望的とも思われていた。
とはいえ、最近の禁止カードエラッタや環境のインフレを見るに、いつか彼らも帰ってくる日が来るかもしれない……と思ったら(後述)。

ランク7エクシーズ自体のパワーが相対的に落ちているのも釈放を求める声の一因だったが、
新マスタールールによって、トークン生成能力を持った《幻獣機ドラゴサック》と《No.42 スターシップ・ギャラクシー・トマホーク》が注目されている。
もし釈放されたら、この2種を経由してリンクモンスターを展開し、ランク7の苦手分野だった「初手での制圧能力」をカバーすることが可能。

さらに第10期には《氷獄龍 トリシューラ》が登場。素材の縛りはカード名の異なるドラゴン族3体とやや重い*7が、EXデッキのモンスターでデッキの征竜をピンポイントで除外する事も可能となっている。

封印されてなお力を蓄え続けていたが、2018年10月をもって《嵐征竜-テンペスト》のみが帰還することに。
1種類かつ1枚ならそれほど悪さはできないと言われている反面、《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》や《エクリプス・ワイバーン》とのコンボには1枚で十分。
前情報からほどなくこれらを駆使した先攻ワンキルが考案されている。

禁止解除後、広範なリクルート効果を内蔵したドラゴン族リンクテーマ【守護竜】が登場。
これらを駆使した新たなワンキルルートも編み出されている。
1枚で【征竜】と呼ばれることはないが、墓地尾生の信から《エクリプス・ワイバーン》を除外して《破滅竜ガンドラX》を確保しつつリンク素材になる動きは征竜なればこそ。

  • 『1枚ぐらいなら大丈夫だろうと思ったら、初手から破滅させにきた』

このまま環境に合わせて1種ずつローテするつもりではという見方もあったが、どの征竜でもできる【ガンドラ1キル】が知られてからは出戻りもあるという意見も。
今度も周りを犠牲に自分は生き残るという予想もある

結果は墓地肥やしの要《No.95 ギャラクシーアイズ・ダークマター・ドラゴン》とループコンボの申し子《ファイアウォール・ドラゴン》の禁止で《嵐征竜-テンペスト》はノータッチ。
《エクリプス・ワイバーン》+征竜に頼らないサーチ手段《妖醒龍ラルバウール》の登場もあって、《破滅竜ガンドラX》が原因で規制される可能性は下がったともとれる。

その後、《レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン》と《破滅竜ガンドラX》も規制され、ガンドラワンキルは完全に消滅することになった。
改定後は【ドラゴンリンク】が環境で猛威を振るうが、あくまでも潤滑油である《嵐征竜-テンペスト》を規制する必要があるかはコナミ次第だろう。
その後、【ドラゴンリンク】も守護竜2種が規制されて環境から激減、現状の《嵐征竜-テンペスト》はドラゴンサポートの選択肢といった立ち位置に収まっている。

この頃になると、環境のインフレやゲーム性の変化もあって、「全種類を緩和しても当時ほどの活躍は見込めない」「1ターンに1つしか効果が使えないのはパワー不足」といった声も度々見られるようになってきた。

マスターデュエルでは配信開始当初からOCG同様《嵐征竜-テンペスト》のみ制限カード、残りは禁止カードと言う状況だった
が、なんと2023年2月の改定によりまさかまさかの《焔征竜-ブラスター》の制限復帰が決定。OCGでも2023年4月にブラスターが制限復帰したため、遂に征竜2枚体制が可能になった。
……のもつかの間2023年12月から、なんと残りの《巌征竜-レドックス》《瀑征竜-タイダル》も制限復帰が決定し数年ぶりに4枚体制が可能となった。
ドラゴン族はもちろんのこと、属性やランク7という部分が噛み合うクシャトリラとの相性が注目されている。
それでもいまいち活躍が見られなかったためか、ついに2024年1月に親征竜全員がまとめて無制限に。再び全盛期の【征竜】を組む事が可能となった。
遊戯王も12期に突入し、全体のカードパワーが「征竜」に追いついた或いは上回ったと判断されたのだと思われる。

マスターデュエルの環境に置ける構築だが、流石に過去の構築がそのまま通じる訳もなく、【ドラゴンリンク】を絡めるなど構築は変化が必要。
征竜現役時には存在しなかったカードも積極的に使っていこう。
汎用制圧を出せる程度の展開力はあるため、現状では中堅程度に留まっている

OCGにおいても2024年1月に《巌征竜-レドックス》、2024年4月に《瀑征竜-タイダル》が制限復帰し全員が釈放された。
強化された【アームド・ドラゴン】を絡めた構築が入賞するなど、現在でも構築やプレイング次第では活躍できるだけの素地はある。

2024年1月27日に発売された『LEGACY OF DESTRUCTION』にて、炎属性・ドラゴン族のテーマ「天盃龍」が登場。
【天盃龍】はレベル7or10のシンクロ召喚に長けたテーマであるため、レベルが噛み合う征竜との相性は悪くない。
大会で入賞するレシピでは(一番効果を活かせる)《焔征竜-ブラスター》が選択肢になる程度に留まっているが、改めて属性・種族サポートとしてのポテンシャルを証明して見せた。

2024年7月1日には、OCGでも四征竜全員が準制限カードに緩和され、環境の変化を如実に感じさせる結果となった。

2024年10月1日、遂に四征竜全員が完全緩和と相成った。また同時期には風属性デッキの「スピードロイド」、水属性デッキの「クリストロン」にそれぞれ新規が発表され、本来想定されていたであろう各種属性サポートとしても今後の活躍が期待される。
勿論、当時の環境に想いを馳せながら、親子勢揃いの【征竜】として組んでみるのもまた一興だろう。


まさかのリメイク

  • 征覇竜(せいはりゅう)-ブレイズ
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/炎属性/ドラゴン族/攻2800/守1800
レベル7モンスター×2
このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
自分の手札・フィールドのカード1枚と相手フィールドのカード1枚を破壊する。
(2):ドラゴン族か炎属性モンスターを自分の手札・墓地から2体除外して発動できる。
このカードを墓地から特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合にEXデッキに戻る。
2023年Vジャンプ付録にて、なんと《焔征竜-ブラスター》がXモンスターとしてリメイク。
自分の手札・フィールドのカードと相手フィールドのカードそれぞれを1枚ずつ破壊する効果、手札か墓地からドラゴン族か炎属性のモンスターを計2体除外して墓地から復活する効果を持っている。

リメイク元である《焔征竜-ブラスター》の固有効果である破壊効果を受け継いでいるが、《焔征竜-ブラスター》との違いは対象を取らない効果であること。
汎用Xモンスターとして比較した場合、同ランク帯の《幻獣機ドラゴサック》や《撃滅竜ダーク・アームド》も同じく破壊効果を持つが、対象に取る+攻撃制限と若干の制約を持つためこちらの方が対応力は高いものの自身の手札かフィールドのカードも破壊する必要があり、あちらと異なり連続して破壊を放てないため一長一短か。
実は単独で除去効果を撃ちつつ《天霆號アーゼウス》を出せるランク7はこのカードが初。

(2)の効果は征竜達の共通効果に似た自己蘇生効果であり、蘇生後はフィールドを離れた場合にEXデッキへと戻る。
使用済みの《灰流うらら》などでコストを賄えるだろう。除外された場合に効果を発動できるカードならばアドバンテージを回復できる。
ちなみに(1)の効果には名称ターン1制限が無いため、(1)でこのカードと相手のカードを破壊し蘇生→蘇生したこのカードをL素材などで場からどかしてEXデッキへ戻す→再度X召喚して除去という小技も。

総じて(1)(2)のどちらも【征竜】と非常に相性は良く、採用は充分に検討できるだろう。


テーマ化

こうして長い月日を経て全員釈放されるも割とインフレの波に置いてけぼりを食らった征竜であったが、12期の『ALLIANCE INSIGHT』で複数の新規カードをもらったついでに遂にテーマ(カテゴリ)化。
独自のエクシーズモンスターや専用の魔法カードを手に入れ、ようやくインフレした環境に付いていけるだけの力を取り戻した。
ちなみに前述のブレイズは征竜ではなく征"覇"竜なのでサポートを受けられない。残念。

さっそく【天盃龍】【アームド・ドラゴン】【真紅眼】などを絡めた構築が考案されており、今後の活躍に期待される。


下級モンスター

光属性と闇属性の子征竜が追加された。
対応する親征竜は全てエクシーズモンスターであるため、固有効果はリクルートではなく「征竜」をサポートする効果となっている。
また、新たな共通効果として、「自身とドラゴン族或いは自身と同属性のモンスターを墓地から除外して対応する親征竜を特殊召喚する」効果が与えられている。

  • 光征竜(こうせいりゅう)-スペクトル
効果モンスター
星2/光属性/ドラゴン族/攻 600/守1000
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):ドラゴン族か光属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨てて発動できる。
デッキから「光征竜-スペクトル」以外の「征竜」モンスター2体を手札に加える。
(2):ドラゴン族か光属性のモンスター1体とこのカードを自分の墓地から除外し、自分の墓地の「極征竜-シャスマティス」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
光の子征竜。
子征竜としての固有効果はスペクトル以外の征竜2体のサーチであり、新たな【征竜】における展開の要となる1枚
サーチ先は、親征竜と子征竜の指定がないのが強み。子征竜なら即座にリクルートが、最上級征竜ならコストにしたモンスターを用いて特殊召喚のリソースとすることが可能。


  • 闇征竜(あんせいりゅう)-ネビュラス
効果モンスター
星2/闇属性/ドラゴン族/攻1000/守 600
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):ドラゴン族か闇属性のモンスター1体とこのカードを手札から捨て、「闇征竜-ネビュラス」以外の自分の除外状態の属性が異なる「征竜」モンスター2体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
(2):ドラゴン族か闇属性のモンスター1体とこのカードを自分の墓地から除外し、自分の墓地の「凶征竜-エクレプシス」1体を対象として発動できる。
そのモンスターを特殊召喚する。
闇の子征竜。
固有効果はネビュラス以外の属性の異なる征竜2体を除外から戻すリソース回復効果。
発動してしまうと攻撃できない縛りが付くため、同レベルを帰還させてシャスマティス等のエクシーズ召喚に繋げるのが主な使い道。


エクシーズモンスター

  • 極征竜(きょくせいりゅう)-シャスマティス
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/光属性/ドラゴン族/攻3000/守1600
ドラゴン族レベル7モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):自分・相手ターンに、デッキからレベル7の「征竜」モンスター1体を墓地へ送り、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。
この効果は、デッキから墓地へ送ったそのモンスターの、自身を手札から捨てて発動する効果と同じになる。
(2):このカードが戦闘または相手の効果で破壊された場合に発動できる。
自分の墓地・除外状態のレベル7の「征竜」モンスター1体を特殊召喚する。
光の親征竜。親征竜の中では最大の打点を持つ。
お互いのターン、フリーチェーンでメインデッキから任意の親征竜をコストで墓地に送ってX素材を取り除き、その親征竜の「自身を手札から捨てる事で発動する効果」を発動できる効果と、
自身が戦闘・効果で破壊されると墓地・除外状態の親征竜をフィールドに蘇生できる効果の2種。
単純に考えれば、墓地肥やし墓地から指定なしの特殊召喚ドラゴン族1体サーチフィールドのカードを1枚破壊のうち好きな効果をフリーチェーンで使用できるというもので、【征竜】の新たな切り札と呼んで差し支えない。
自分のカードを増やす効果ばっかりで相手に干渉できるのがブラスターしかいないのは内緒だ!

相手ターンにも発動できるので、ブラスターを実質的にフリーチェーンの除去として運用できる。
他にも、自分ターンにタイダル、相手ターンにレドックスの効果を使用することで、蘇生制限を満たす任意のモンスターを疑似的にリクルートが可能。

  • 凶征竜(きょうせいりゅう)-エクレプシス
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/闇属性/ドラゴン族/攻2700/守1900
ドラゴン族レベル7モンスター×2
このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがX召喚した場合、自分の墓地・除外状態のレベル4以下の「征竜」モンスター1体を対象として発動できる。
そのモンスターにカード名が記されたレベル7かランク7の「征竜」モンスター1体を自分のデッキ・除外状態から特殊召喚する。
その後、対象のモンスターをデッキに戻す。
(2):相手が魔法・罠カードの効果を発動した時、このカードのX素材を2つ取り除いて発動できる。
その発動を無効にし除外する。
闇の親征竜。
召喚されると墓地・除外状態の子征竜をデッキに戻して、デッキ・除外状態の対応する親征竜を特殊召喚できるリソース回復効果と、素材を取り除いて相手の魔法・罠の発動を無効にして除外する効果を持つ。
素材を取り除いて発動する(2)の効果は特に指定や制限が設けられていない汎用効果なので、【征竜】以外の【ドラゴン族】でも使えるサポートカードとしての性質も持つ。

  • 超征竜(ちょうせいりゅう)-ディザスター
エクシーズ・効果モンスター
ランク7/光属性/ドラゴン族/攻 0/守 0
ランク7モンスター×2
このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。
(1):このカードがX召喚した場合、自分の墓地・除外状態のレベル7の「征竜」モンスターを4体まで対象として発動できる。
そのモンスターをこのカードのX素材とする。
その後、このカードがX素材としているモンスターと同じ属性を持つモンスターを相手のフィールド・墓地から全て除外できる。
(2):光・闇・地・水・炎・風属性の「征竜」モンスターを全てX素材としているこのカードは、攻撃力・守備力が4600アップし、他のカードの効果を受けない。
現状、唯一対応する子征竜を持たない光属性の征竜。
ランク7モンスター2体を素材にするというかなり重い召喚条件が課せられており、実質レベル7モンスターを4体要求される。
レベルを持ったモンスターではX召喚できないため、X召喚の際は勘違いしないように。
また、X召喚した際は、素材となったXモンスターが持つX素材は引き継がれない。

効果は墓地・除外状態の親征竜を4体までX素材にして、対応する属性を持つ相手のモンスターをフィールド・墓地から全て除外する豪快な除去効果と、
6属性の親征竜6体全てをX素材にした場合、攻守が4600になり完全耐性を獲得する効果の2種。

(1)の全体除去は墓地も巻き込む上に対象を取らない除外であり、6属性を揃えている状況であれば神属性以外のモンスターを全て除去できる。
なお、(1)の効果はレベル7の「征竜」を1枚以上素材にできない場合は全体除去効果が使えない。
この効果を狙う場合は、必ず墓地か除外状態の親征竜を用意してからX召喚しよう。
一方で、全体除去は「征竜」以外のカードの属性を参照できる。
また、X素材を回収する際は耐性を持たないので、相手の妨害には注意すること。

(2)の効果はX素材に全親征竜が揃っている場合の自己強化。
(2)の効果は一見ロマンに思えるが、シャスマティスとエクレプシスを両方を並べられる状況であれば自然と達成できるだろう。
もっと言えば、スペクトルと手札コストがあれば実現可能であるため、実は全然難しくない条件である。
完全耐性・攻守4600は非常に脅威的であり、デッキによってこのカード1枚で膠着状態に持ち込める。
ただし、コストでのリリース、X素材を取り除くことでの弱体化、プレイヤーに除去を強制させる効果は防げないので過信は禁物。
壊獣】【百鬼羅刹】、《魔砲戦機ダルマ・カルマ》などは天敵と言える。
また戦闘破壊耐性はないため、高攻撃力を実現可能な《アクセスコード・トーカー》などに戦闘破壊される可能性はある。

全体除去、高攻撃力・完全耐性の獲得と豪快な効果を持つが、相手の行動を直接妨害する効果は持たないため、このカードのX召喚に拘らない方が良い場面もある。

魔法カード

  • 超竜災禍(ちょうりゅうさいか)
速攻魔法
このカード名の(1)(2)の効果は1ターンに1度、いずれか1つしか使用できない。
(1):自分の手札・墓地・除外状態の「征竜」モンスター1体を特殊召喚する。
その後、自分フィールドの「征竜」モンスターのみを素材として「征竜」Xモンスター1体のX召喚を行う事ができる。
(2):自分メインフェイズに墓地のこのカードを除外し、自分の除外状態の「征竜」モンスターを任意の数だけ対象として発動できる(同じ属性は1体まで)。
そのモンスターを墓地に戻す。
初の征竜サポート魔法。
自分の手札・墓地・除外状態の征竜1体を特殊召喚してそのままX召喚を行えるX召喚サポート効果と、墓地のこのカードを除外して除外されている属性の異なる征竜達を墓地に戻すリソース回復効果の2種。
現状サーチする手段が乏しいものの、速攻魔法なので相手ターンでもシャスマティスやエクレプシス、ディザスターの正規X召喚を狙えるのが強み。


追記・修正は征竜リメイクとなるXモンスターの揃い踏みを心待ちにしながらお願いします。

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最終更新:2025年04月26日 16:51

*1 これらのデッキも征竜との相性はよく、むしろ直前の環境よりも強化されていた。

*2 本来の召喚コストと通常召喚権が必要な重い制約は征竜にとってライダーと変らないも同然というとち狂った価値観が前提だが

*3 リンク先の攻撃力を自身に加算する「アークロード・パラディオン」がメジャー

*4 【メタビート】も1名いたようだが1回戦敗退だったようだ。

*5 今は某気ぐるみと某猿が更新している。

*6 OCGの環境デッキは半年~1年程で複数回規制されて環境から脱落するケースが多く、1年以上も環境上位に居座り続けた征竜は異例であった(他にも【ティアラメンツ】などの例もある)。それを環境の固定化と嘆くか、規制されたパーツの差し替えだけで済む(=デッキ構築費用の節約ができる、好きなデッキを使える)と捉えるかは人による。

*7 単に特殊召喚するだけならば種族は問わないが、ドラゴン族モンスター3体を素材にしなければ効果を発動できない