新ゲッターロボ

登録日:2010/02/25 Thu 20:31:54
更新日:2025/04/13 Sun 16:20:40
所要時間:約 6 分で読めます





生命(いのち)は、純粋になるほどに強大な宇宙を求めていく


ゲッターの行き着く先

大いなる意思の戦い

ここに存在する意味


ただ一つの道…



新ゲッターロボは2004年に発表されたOVA作品である。

◆概要

OVAゲッターシリーズ第3弾。
三作目にしてようやく、流竜馬率いるおなじみの三人が主役になった(ただし、一人は巴武蔵と車弁慶を掛け合わせた新ゲオリジナルキャラ)。
前作の『真ゲッターロボ対ネオゲッターロボ』のような健全さは無くなり、ダメな大人達バイオレンスな事を繰り返す不健全な物語に仕上がっている。
漫画版ゲッターの「悪」の部分が多々取り上げられており、とてもじゃないがTVシリーズのゲッターファンおよび子供には無闇に見せられない作品でもある。

監督は前作・前前作『真(チェンジ!!)ゲッターロボ 世界最後の日』(4話以降)の川越淳、シリーズ構成は『サイボーグ009(平成版)』の大西信介。

音楽は前作の信田かずおに加え、影山ヒロノブをはじめとした音楽ユニット・TRY FORCEが担当。
これまでのゲッターに比べると歌が多く、その中でもOP曲「DRAGON」とゲッター大暴走・竜馬大喜びの「DEEP RED」は人気がある。最終巻の映像特典に収録された水木一郎アニキの「伝説~Legend~」も名曲。
ちなみに本作の挿入歌はどういうわけか「愛」と「正義」の2単語をセットでやたらdisる歌が多い。しかし同時に「悪」を許さないという内容も盛り込まれており、まさに本作の価値観を端的に象徴する歌詞といえよう。
また、「DRAGON」のイントロには読経のようなコーラスがあるが、
内容は「ゲッター頼光弁慶ベアー隼人竜馬武蔵坊早乙女鬼切り大雪山」(冒頭)、「晴明持国天広目天増長天多聞天ドラゴン」(間奏)
と、ゲッター関連の単語を並べて言っている。なお、読経らしくするために本物の僧侶に読んでもらっているとのこと。

こんな作品でも小学生だらけの『スーパーロボット大戦NEO』に参戦した…
周りがほんわかしてる為、原作での狂気や凶暴性は薄れていいるものの、要所々々でその鱗片は垣間見る事が出来る。
こんな子供達の良い見本にならない大人達と一緒にいたエルドラン組とかの将来が不安である
しかもNEO以降『世界最後の日』ばかりが参戦しており、X-Ωにすら出ていない。

作中には他の石川作品のネタが盛り込まれていて、知ってる人はニヤリとする要素満載。

  • 平安時代に空飛ぶ戦艦出したいなぁ
 ↓
 柳生十兵衛死すから持ってこよう

  • 竜馬を生身で活躍させたいなぁ
 ↓
 魔空八犬伝から持ってこよう

 ↓
 虚無戦記から持ってこよう

こんな感じ。


◆ストーリー

新宿歌舞伎町でボロ道場を営み借金取りやヤクザと喧嘩するはみ出し者・流竜馬。
ゲッター線を狙い革命を起こさんとする神隼人
女好きの暴れ者で今や生臭坊主の武蔵坊弁慶。
三人のダメ男は、早乙女博士と言う変態博士に見初められ、
何故か毎回の如く早乙女研究所を狙う謎の怪物「鬼」に対抗するために、
それぞれの思惑を胸に(何も考えて無い奴もいるけど)殺人ロボ「ゲッターロボ」に乗り込む。

行くも地獄、拒むも地獄。
悪鬼羅刹が待ち受ける、この修羅道に飛び込んだ三人の行く末やいかに……?


◆登場人物

ゲッターチーム

CV:石川英郎
ゲッターチームその1 「怖い大人」

やっと主人公を務める事になったおなじみの男。
今作では漫画版のバイオレンスな面をさらに強化したかのような性格をしている。
(実際読者層もあって、初代漫画版の竜馬は原作未読の人たちが思っている程ドSではない)
登場当初だけは原作初期のようなイケメンだが、ドンドン顔がいかめしくなっていくのはいつものことですな。
私生活ではツケを連発するわ、借金返さないわ、貸主のヤクザに土下座するわ、断られたら暴力振るうわでダメ人間の一言。
ゲッターに乗るのも、本人的には「ゲッタートマホーク!」とか叫んで敵をぶち殺すのが楽しい、みたいなどうしようも無い理由から。
それでも熱い義侠心は持ち合わせており、中盤でやっとまともな戦いの理由を見つける。
ゲッター線というタチの悪いヤンデレに狙われている。

まあ何だかんだ言ってもアニメ版やマンガ版、他OVAの竜馬達と同じ正義感と思いやりを見せるシーンもある熱い漢である。
パンチ一発で人(主に隼人)をマトモに戻す能力を持つ。♪悪を許すなゲッターパンチ
偽誓約書や中国製のトカレフを見抜く目を持つが、チェンゲでは余裕で行っていた整備が出来ず投げだすなど、学力に関しては歴代竜馬の中で一番低いようだ。
スパロボNEOでは『機動武闘伝Gガンダム』のドモン覇王大系リューナイトの月心と仲が良い。


CV:内田直哉
ゲッターチームその2 「危ない大人」

前二作とうって変わって竜馬同様、漫画版の狂人な面をさらに強化したかのような性格
これまで鳴りを潜めてた漫画版初期の「危険人物」としての隼人をクローズアップ。
他の二人はいざ知らず、本作の隼人は国家を敵に回すテロリストでマジもんの悪人である。
第二話「隼人が来る」での初登場&暴走っぷりは思わず残虐行為手当を支給したくなるほど。

「パァスワードを教えてくれないかァ?」
目だ。耳だ。鼻!
「力だぁ!こいつは俺の力だぁぁぁ!!」
「ヒャヒャヒャヒィーハハハァァ!!」

しかし、竜馬に人格矯正パンチ鉄拳制裁されて三話からまともになる。でも根本的には狂ってる。

ゲッター線というタチの悪いヤンデレの真実を狙っている。


  • 武蔵坊弁慶

ゲッターチームその3 「汚い大人」

本職はお坊さんだか以前は人の家畜を勝手に喰らい、バイクをちょろまかし、女は寝盗る…という割とどうしようも無い生臭坊主。
旅の和尚さんことお師匠に改心させられ真人間となる修行をし、どうにか半人前くらいの大人になっており、お師匠にも大変懐いていた。
しかしそれでも竜馬の口車に乗り、女性の前でズボンを下ろす変態さん。しかしこの時は相手が悪かった。
そんな弁慶でも本作のゲッターチームじゃ癒し系担当。
敵であろうと死人の前では念仏を唱えたり、鬼化したお師匠を必死に説得し、仕方なく殺めた際は涙を流すなど一番の良識人
清明との戦いでも民間の死傷者が出る事を恐れ、巻き添えで消滅した新宿の姿を見てゲッターロボの破壊を考えたほど。
何気にゲットマシンの修理もできる器用さを見せたこともある。竜馬より確実に頭が良い
終盤では竜馬ですら「こいつァここでただ1人マトモだったってワケよ」と言う始末。
名前は巴武蔵と車弁慶。外見は山岸漠と歴代ゲッター3パイロットをミックスした感じ。大雪山おろしも使える。

ゲッター線というタチの悪いヤンデレが怖い。


ゲッターに協力する人々

CV:有本欽隆
ゲッター線というタチの悪いヤンデレを発見してしまった人。
漫画初期のような自己中な面を更に強化したような人格で、目的の為なら一切手段を選ばない。
「ゲッターとゲッターチームさえあれば他は何もいらない」と、ヤンデレを研究してる内に本人もヤンデレになってしまった。
この博士がゲッターを作ったものだから、宇宙中の色んな人が迷惑してる。


  • 早乙女ミチル
CV:本田貴子
あ…あれ?ミチルさんは僕らのオアシスだったハズじゃ…
東映版従来のOVAにおけるミチルさんとは全く違う*1黒いミチルさん。
本作では鬼を研究している早乙女研究所の女性科学者として登場。親子仲は最悪。
弁慶の一物を冷たい目をしながら蹴りあげるドS、その立ち振舞いはまさに女王様。
しっかりしてるように見えて、鬼と間違えてゲッターをさんざんに誤爆する困ったちゃん。

ゲッター線というタチの悪いヤンデレとはあまり関係ない。3年後は髪が伸びた。

  • 早乙女達人
CV:山野井仁
チェンゲ、ネオゲでスルーされたミチルさんのお兄さん。鬼と戦い続けた歴戦の勇者である。
ショットガンで狙撃するなかなかイカした兄貴だったが、鬼に襲われたことでまた鬼へと変貌。
しかし、完全に鬼と化してはいなかったため、自ら傷をつけて竜馬に鬼獣を倒させた。
「俺の屍を越えていけぇぇぇぇぇ!!」
「先に地獄で待ってやがれぇぇぇぇぇ!!」
ゲッター線とかいうタチの悪いヤンデレのタイプではなかったらしい。
元気? 子供をこんな野蛮なアニメに出せるか!!


CV:朴ロ美
平安時代で鬼と戦っている男装の麗人。そうです、どっかの偉人パロディゲームより早く女体化してたんですねぇ。
さらに宿敵の鬼のボスが子安氏なので、あの作品と同じ構図という偶然(?)も。

鬼陣営

いわゆる鬼。人を襲い、対象を噛む事で自身と同じ「鬼」を増やす事が出来る。
早乙女博士によれば塩基配列自体は地球の動物と大差ないらしい。野生動物並から人間に近い知能の個体と様々。

CV:子安武人
鬼をけしかける平安の人、陰陽師と言う名の人外。ゲッターの例に漏れず変身後がキモい。
下記の四天王からゲッターの事を聞いていて、鬼を現代に送り込んでいた。
鬼の都『黒平安京』の支配者。侍らせていた女達(鬼)に
「ゲッター舐めると痛い目見るっスよ?マジで」
と忠告されたにも関わらずゲッターを舐めて負けた
時空を越えて何度もゲッターの前に立ち塞がるので、「粘着野郎」のあだ名を頂戴した。


  • 多聞天
CV:玄田哲章
宇宙の平和を乱す悪いゲッターを懲らしめに来た正義の神様その1。
ヒーローチーム「四天王」のリーダー格。デカい金色。他の三人とは文字通り格が違う。
惑星すらも超えるほど巨大化する事が可能で、剣の一振りで星すら切り潰す。
悪いゲッターに説教したら、「ワケのわかんねえ事いってんじゃねえ!」と理不尽な逆ギレをされ、
グェッタービームの直撃を受けて下半身がぶっ飛んだ挙句、しまいにゃ聖ドラゴンに握り潰された。
ちなみにスパロボNEOでは存在そのものをカットされている。


  • 増長天
CV:屋良有作
正義の神その2。真っ黒な見た目で体に竜が巻き付いているカラスっぽいやつ。
ゲッター線の暴走で研究所地下から這い出てきたプロトゲッター軍団を1人で全滅まで追い込んだ。
「フェッフェッフェ」が主な台詞。「ええい、うっとおしい!」の一言だけで屋良さんを使ったような物。
ダブルトマホークブーメランの余波でバラバラになったしょっぱい奴。武器は錫杖。


  • 持国天
CV:銀河万丈
正義の神その3。白いボディにロン毛の一番ヒロイックな外見をしている。
ドリル使ったり、剣使ったり、雷降らせたりと忙しい。
ゲッター3の大雪山おろしで入滅。


  • 広目天
CV:郷里大輔
マッシブな見かけの割に飛び道具を連発する正義の神その4。
見た目は虚無戦記の猿羅神。絵巻や竜巻を使った戦法を得意としている。
技の見かけは派手だけど、あんまり効果ないよねぇスティンガー君?
う、うん。そうだねコーウェン君 でも声が似てるね
ゲッター2との竜巻対決で体をあらぬ方向まで捻じ曲げられ、更にドリルでブチ抜かれて入滅。




◆登場メカ

  • プロトゲッター(量産型)
白いアイツ。『ネオゲ』同様大量に生産され、ゲッター炉心で動いているのだが、鬼にはまるで敵わなかった。

  • プロトゲッター
漫画版ゲッター1に形状が似ており、一部媒体では「旧ゲッター」などと呼ばれたりする。
早乙女達人が動かし唯一鬼獣とも戦えていたが、達人が鬼になってしまったため竜馬の新イーグル号に鬼獣諸共両断され役目を終える。

普通の人間が乗ったら死ぬので、普通じゃない人間を乗せる必要がある欠陥マシン。
今作では特に「三つの心が百万パワー」といった所に重点が置かれている。前二作と違って、炉心を替えるだけで乗り換えない。

  • ゲッター聖(セイント)ドラゴン(仮称)
めちゃデカいゲッター。詳細一切不明。
未来の世界で地獄のような世界を作り出してた。

  • 鬼獣
今週の悪者。鬼が天空から召喚し、貪り食われることで融合して操る怪獣ロボット




ああそうだ、大事な物を忘れていた。


ゲッター線


今作最大のキーワードにして、諸悪の根源たる非常にタチの悪いヤンデレ。
鬼が攻めて来るのも、なんかトチ狂った陰陽師が攻めて来るのも、神が攻めて来るのもみんなこいつのせい
「人類は、竜馬は私と一緒にずうっと戦って進化するのが一番幸せなの!他の生物は知らない、みんな死んじゃえ!」とでも言いたげな振舞いで
数多くの宇宙人さん達を滅ぼした悪魔。
竜馬はやがてこれがもたらす地獄変に抗うため、ある決意を固める。




「いずれ俺はその地獄ごと……ゲッターをぶっ潰す!!」






──竜馬よ、これがゲッターに見込まれた者の宿命(さだめ)なのか──



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最終更新:2025年04月13日 16:20

*1 11話の回想シーンはアニメ版に似ている。