ゲゲゲの鬼太郎 大海獣

登録日:2013/08/21 Wed 01:58:56
更新日:2025/02/11 Tue 17:34:33
所要時間:約 6 分で読めます





1996年7月6日公開のアニメ『ゲゲゲの鬼太郎』シリーズの劇場版第5作。
同年から放送開始された第四期TVシリーズの劇場版三作品の一作目にあたる。
夏休みの東映アニメフェアの一本として上映され、同時上映は同じく劇場版一作目である『(超)! 劇場版地獄先生ぬ~べ~』。
奇しくも、妖怪を題材とした作品二作が同時に上映された形となった。

南国と日本を舞台とした物語で旧作に登場したキャラクターもゲスト登場。
作中には自然を蔑ろにする人間の環境破壊へのテーマも見られる。

原作の『妖怪軍団』と『大海獣』を混ぜ合わせたストーリーである(ただしチンポは『鬼太郎の世界お化け旅行』のキャラであり、原作ではどちらの作品にも未登場)。
ちなみに『妖怪軍団』は第三期でも映画化されている。

DVDでは翌年の『おばけナイター』『妖怪特急!まぼろしの汽車』等と一緒に収録されている。


【ストーリー】

とある夏の日、川村メグミという少女から行方不明になった彼女の父の捜索依頼を受けた鬼太郎は、
川村氏を探すためはるばる南国にある南方妖怪の総本山バルル島へとやってくる。

島の住人達から不老不死の妙薬を探しに来た日本人達が島の聖地を守る妖怪アカマタに捕えられたことを聞いた鬼太郎は
アカマタの下を訪れるが、妖気を奪われてしまい敗北。
捕まった鬼太郎はアカマタ達に「命の水」を飲まされ巨大な海獣に変えられ、日本攻撃に協力させられてしまう。


【登場人物】


鬼太郎
CV:松岡洋子
皆さんおなじみの主人公。
今作でもやはりちゃんちゃんこはチート。
アカマタに妖気を奪われたうえ海獣に変えられてしまう。「命の水」を飲まされてから変身するまでの目が赤くなり手の皮が剥がれるシーンはトラウマ物。

目玉おやじ
CV:田の中勇
鬼太郎の父親。
姿を変えられてしまった息子を敵と勘違いしたが、後に正体を知り鬼太郎を元に戻すため奔走する。

ねずみ男
CV:千葉繁
日本人に雇われバルル島のガイドをして金をだまし取っていたが日本人共々捕まえられる。
相変わらず口から出まかせが多いが鬼太郎の変身する様子を間近で見た為、後半は脱走して目玉おやじに知らせに来る等活躍もしている。

ねこ娘
CV:西村ちなみ
戦闘では相変わらずその爪で敵を容赦なくひっかく。

○一反木綿
CV:龍田直樹
バルル島まで鬼太郎を運ぶがキジムナーの攻撃で焦げる。

○砂かけ婆
CV:山本圭子
子泣き爺と共に鬼太郎を助ける為に奔走。
戦闘でも頼りになる。

○子泣き爺
CV:塩屋浩三
鬼太郎を助けるため協力。戦闘でも強い。

○ぬりかべ
CV:龍田直樹
ねこ娘達を助けに現れるが海獣鬼太郎の光線で毛だらけにされる。出番が少ない。

○井戸仙人
CV:八奈見乗児
目玉おやじに鬼太郎を元に戻す方法を教える。
後にテレビシリーズにも登場する。

○川村メグミ
CV:中山真奈美
鬼太郎に父の捜索を依頼した少女。

○川村(父)
CV:島田敏
メグミの父。
植物学者でありバルル島を訪れて島民とも仲良くしていたが、森に踏み入って行方不明になった人々を探してアカマタに捕えられてしまった。
担当声優の島田氏は後に、6期で子泣き爺・ぬりかべを演じることになる。


◎南方妖怪
○アカマタ
CV:古谷徹
南方妖怪のリーダー格。
妖怪の妖気や人間の生気を吸い取ってしまう能力を持っており鬼太郎を倒した。
古くから島の聖地を守っていたが、勝手に入り込んで来る日本人達の行動に我慢の限界を迎え日本攻撃を開始する。
日本人を嫌ってはいるが聖地を守ることを使命としているだけで根は悪い妖怪ではなく、鬼太郎に許され和解した。
今作では肌が真っ赤。

チンポ
CV:古川登志夫
南方妖怪の一人。第三期の劇場版ではリーダーだったが、今作ではアカマタの手下になっている。
腰布の下にある三本のナニから風を起こして飛行したり火炎弾を乱射したりする。空中で腰布を開いてナニを見せつける姿はもはや清々しい。
一方でリモコン下駄の直撃や砂掛けなどやたらと急所を攻撃されている。
今作では旧シリーズより肌が黒くなっている。
名前や姿のせいもありトリビアの泉で紹介される等地味に知名度が高い。
担当声優の古川氏は後に5期で蒼坊主、6期ねずみ男を演じることになる。

○ヤシおとし
CV:郷里大輔
南方妖怪の一人。
でかい頭から三本のヤシの木が生えており名前の通りそこからヤシの実を落として攻撃する。上二人に比べると人間を襲う姿はかなり物理的に痛そう。
終盤丸焼きにされるが生きていた。

キジムナー
CV:佐藤正治
南方妖怪。
数十体居り、その内一体が主にしゃべる。
ハンドボール大の毛玉に顔と手足が生えた愛嬌のあるデザイン。口から火炎を吐く。
ジャングルに住み相手を集団で襲うが、髪の毛針で針山にされたりする場面が多い。


○海獣鬼太郎
鬼太郎が「命の水」を飲まされて変貌した姿。
全身に緑色の毛が生え、セミクジラかホッキョククジラのような口と小さな尻尾を持つ。推定200m級の巨体を持ち、口から出す光線は浴びた物を毛だらけにしたり、鉄を曲げる。
鬼太郎は日本人がバルル島に入らないよう説得しようとしていたが、意識が朦朧としていたためか自身の変化に気付かずに日本に上陸してしまい大きな被害を出してしまう。
目玉おやじが井戸仙人から教わって作ったココの実と薬草を混ぜた薬を飲んでようやく元に戻った。

○ゼオクロノドン
南方妖怪達が神と崇める古代生物で、ゼウグロドンによく似た骨格をしているが、プロポーションは現生のナガスクジラ類にも似ている。
聖地の奥にあるプールに全身骨格が奉られており、そのプールの水が不老不死の妙薬の「命の水」である。人間は海獣鬼太郎自体をゼオクロノドンとしていたが、この矛盾(?)の理由は不明。
ゼオクロノドンの呼称はアニメ一期に由来する。『墓場鬼太郎』ではゼウグロドンの呼称が実際に使われたが、大海獣/鯨神をゼウグロドンと同定するには至らなかった。

シロナガスクジラ
鬼太郎を救ったゼオクロノドンの子孫達。鬼太郎がアカマタ達を許す理由にもなった。
鬼太郎を救った理由は厳密には不明だが、今までのシリーズの描写からすると、ゼオクロノドンや大海獣が関係している事、鬼太郎自体が動物達から好かれている事、鬼太郎が化け鯨や鯨の霊達から仲間と認識されている事、神仏や霊的や他の妖怪的な第三者(達)の加護があった、等があっても不思議じゃない。


追記・修正は「命の水」を飲んで海獣になってからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • ゲゲゲの鬼太郎
  • アニメ
  • アニメ映画
  • 鬼太郎第4期
  • 映画
  • 劇場版
  • みんなのトラウマ
  • クジラ
  • 東映アニメフェア
  • 南方妖怪
  • 怪獣映画
  • 大海獣
  • ゼオクロノドン
  • 環境問題
  • 星山博之
  • 勝間田具治
  • 東映
  • 東映アニメーション
  • 東映動画
  • 1996年
  • 劇場版ゲゲゲの鬼太郎
最終更新:2025年02月11日 17:34