獣神サンダーライガー(プロレスラー)

登録日:2012/06/30 (土) 19:48:42
更新日:2024/03/14 Thu 16:37:26
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◆獣神サンダーライガー

「獣神サンダーライガー(じゅうしんサンダーライガー)」は、日本のプロレスラー。
新日本プロレス所属。
世代と団体の垣根を越えてJr.ヘビー級戦線の頂点に君臨し続ける生きる伝説であり、その偉業と活躍は確実に日本マット界史上に残っていくであろうと云う位の人物。
正体は闘魂三銃士の一年先輩で、現在でも「NOAH」で活躍する佐野巧真(佐野直喜)と同期であった山田恵一であると思われるが、ライガーは「山田は死んだ。(修行先の)リヴァプールの風になった」と発言しているので詮索しないであげよう。

その名の通り、山田が敬愛する永井豪原作のアニメ『獣神ライガー』のタイアップキャラクターであり、アニメの展開に合わせて獣神ライガー→獣神ファイヤーライガー→獣神サンダーライガーへと名前とコスチュームを変化。
アニメ放映終了後も変身を捨てず、逆にアニメのタイアップキャラクターである事実を知るファンも少なくなっているのはご愛嬌である。



【略歴】
※山田時代は割愛。

1989年4月24日、東京ドームの小林邦昭戦にてデビュー。
以後、Jr.戦線のトップ選手としてエル・サムライ(松田納)、金本浩二、大谷晋二朗、高岩竜一、ケンドー・カシン(石沢常光)らと新日Jr.伝説の時代を作り上げる。

中の人と思われる山田○一が素顔の時代から、既に新日のJr.戦線は第二の黄金期を迎えていたが、上記の面々が鎬を削った90年代中盤は連日、高度な読み合いと受け身の取れない大技が飛び交う、異常進化を遂げた攻防が繰り広げられていた。
同時代の「四天王プロレス」と並び90年代の「2.9」で大技を返し合うプロレスの極致であり、現在のマット界を担うトップ選手(国内外問わず)は、殆どが「新日本Jr.を参考にした」とインタビューで答える程の影響力を与えている。

新日生え抜きの選手のみならず、同時期に参戦していた外国人勢の顔ぶれも凄まじく、後にWWEでトップを取るクリス・ベノワエディ・ゲレロクリス・ジェリコらが有名。
彼らはその技術と攻防を米マットに持ち込み、現在まで続く変革を起こしている。


新日所属レスラーの面々との試合ではマスクマン軍団のリーダーとしての役割が有名であったが、同時代のユニットとしてはワイルド・ペガサス(ベノワ)、2代目ブラックタイガー(ゲレロ)、ディーン・マレンコとの「Jr.フォーホースメン」も忘れてはならない存在である。

……こうして、過去最大の隆盛を迎えた新日Jr.であったが、総合格闘技との中途半端な融合や交流など、新日本の迷走に巻き込まれる中で殆どの人間が新日本を離脱する等、崩壊を迎える。
プロレス人気も低迷する中、ライガーと金本に4代目タイガーマスクらを加えた面々が試合その物のレベルを維持。
「NOAH」マットが誕生すると、強力な外敵として参戦する等、交流と共にレベルの底上げに尽力する。

基本的にベビーフェイス(善玉)路線だが、1999年秋シリーズに当時新日本が業務提携していたWCWからベノワ、マレンコが久しぶりの限定参戦。当時ややマンネリに陥っていた新日Jr.に強烈なインパクトを残す。


それに触発されたライガーは、当時の新日Jr.を「ぬるま湯」と一刀両断。

自身はチャンピオンでありながら無期限のシリーズ出場辞退、海外遠征中にベルトを一時期奪取されたりしながらもその年暮れに帰国すると、
翌2000年1月4日ドーム興行に金本を挑戦者に迎え戦線復帰。
黒コスチュームに身を包み、掌打と垂直落下式ブレーンバスターの圧倒的な説得力でこれを下し、その後役半年に渡ってJr.の壁として立ちはだかった。

00年代中盤には再び黒コスチュームに身を包みヒール(悪役)軍団「C.T.U.」のリーダーとして新日本のプロレス路線への正常化を目論んだりもしていた。

「C.T.U.」解散後は再び白いコスチュームのベビーフェイスに戻り、蝶野長州らと「レジェンド」を結成。

現在はタイトルマッチ等からは一歩引いた立ち位置ながらも、プリンス・デヴィッドらの登場により盛り上がりを見せる新日Jr.の重鎮として尚も活躍を続けている。

2015年8月には新日本所属でありながらWWEのブランドの1つNXTの初PPVに登場するという快挙をなし遂げた。
現在のWWEはNXTのみ、しかも有名選手に限っては他団体に専属契約してなければ出場できるという特例があるが、
れっきとした他団体所属でありながらWWEに出場するのはライガーが史上初である。
しかもWWE側から「日本のレジェンドレスラーとして、ライガー選手を招待したい」のオファーによるもので
彼の知名度は海外においても如何に高いかがうかがえる。

一方で非常に喋りが達者なことを活かし、バラエティ番組などにも積極的に出演。
クイズ☆タレント名鑑などでは罰ゲーム執行人として人気を博す。

2019年3月、翌年の1月の東京ドーム大会をもって長きにわたる現役生活を引退することを発表。引退までの間、新日本のみならずZERO1やみちのくプロレスなど縁の深い他団体にも参戦。
そして同年10月14日の両国国技館で因縁深い鈴木みのるとの最後の一騎打ちが実現。バトルライガーとして挑んだこの試合は鈴木みのるが勝利。最後にはみのるが座礼を持って健闘を讃えるという衝撃的な幕切れながら、多くの人を感動させた。
同年、WWE殿堂入り。

2020年3月にはyoutuberデビューし、「チャンネル登録者数100万人」を目指して活動中。
修業時代や現役当時の裏話、レジェンドレスラーの逸話、様々なレスラーとの対談、趣味である食虫植物の育成、「あのプロレス技って本当に痛いんですか?」と言うスタッフにその身をもって教えるなど、様々な動画を配信している。

【プロフィール】
リングネーム:獣神サンダー・ライガー
本名:獣神サンダーライガー
ニックネーム: 怒りの獣神、ジュニアの象徴、リビング・レジェンド
身長:170cm
体重:95kg
誕生日:1989年4月24日(山田は64年生まれ)
出身地:永井豪宅、もしくは広島県広島市、福岡県福岡市

入場テーマ曲:怒りの獣神

Jr.の歴史上、最高峰、かつ最強のレスラーであり、全盛期にはレスリング技術やパワーのみならず、飛び技や格闘技もこなす万能選手だった。
高校時代には既に国体に出場する程のレスリング選手であったが、身体が小さく入門を断られた山田は単身メキシコに渡り、独自にプロレス修行をした後に新日本に社員として入社……ハンデを実力で覆してレスラーとなった苦労人であり、その過程でヘビー級にも負けない肉体とパワーを身に付ける。
特に、同じく藤原喜明の下で技術を学んだ鈴木みのるや共に骨法を学んだ船木誠勝は、後に新日を離脱し「パンクラス」を設立するが、元々は先輩の山田恵一をエースとして迎えたいと云う想いすらあったと云う。


普段のライガーとしては、わかりやすいプロレスに収支している印象だが、実際は「抜き身のナイフ」を持つと評される実力者であり、格闘技に行き詰まりを感じていた鈴木みのるをプロレスに引き戻したり、Uインターとの対抗戦でプロレスから離れていた佐野をプロレスに引き戻したのは、いずれもライガー(山田恵一)であった。

……一方、まだ受け身も知らない若手時代の蝶野にパワーボムを仕掛けて首に一生物の古傷を作ったり、現在は新日のメディカルトレーナーを務める三沢威を本気の浴びせ蹴り一発で再起不能に追い込んだりと、過激なプロレスの旗手らしく、やや後ろめたいエピソードも持っている。

身長の割に、不釣り合いに体重が重いが、コスチュームの下は見事にビルドアップされた筋肉の塊であり、Jr.王者としてヘビー級王者の橋本真也に挑んだ際には、見事な肉体美を披露している。

嘗てはベテランながら流行にも敏感で、最先端の技を積極的に取り入れる傾向があった。



【主な得意技】
※マジで一部のみ。

●垂直落下式ブレーンバスター
現在の流行を根付かせた張本人で、現在の主流となったスライド式の考案者。
危険極まりない雪崩式の元祖でもある。

●ライガーボム
ジャンピングパワーボムの原型となった技。
ランニング式だとサンダーライガーボムに名称が変わる。

●掌打
骨法の技。
現在は一発に重みを置いた使い方をする。
引退後にYoutubeチャンネルで威力を披露した際は大型のミットを持って受けようとしたスタッフ、そのスタッフを後ろから抑えていたスタッフを2人まとめて吹き飛ばす、リンゴを粉砕する等の破壊力を見せ、
真壁刀義も威力を身に持って知っている為か、後に自分のYoutubeチャンネルでその事に言及した際は威力を測定した事を指して「やらなくても分かる(あんだけ喰らったら痛いのだから)」と断言していた

●浴びせ蹴り
骨法の技。
最近は見せないが、本気で打った場合は相手を殺しかねない危険技(試合では基本的に手を抜いた形で仕掛けていた)。

●C.T.B
ヒール時代の決め技。
アトミックドロップの体勢から反転させてのフェイスバスター。

●シューティングスタープレス
後方一回転しながらのボディプレス
この技の元祖であり、元ネタは「南斗水鳥拳」である。

●スターダストプレス
捻りを加えたムーンサルトプレス
元祖のライガー自身も一度しか披露していない難度の高い技だったが、内藤哲也が継承。引退試合が行われたイッテンゴで内藤が餞別として久しぶりに披露した。

●ルーテーズ・プレス
空中胴締め落とし。
古典的な技。






【余談】

○自他共に認めるオタクで、特撮好き。
後輩のAKIRAがズ・ザイン・ダ役で『仮面ライダークウガ』に出演した際にはグロンギ語をマスターして控え室のAKIRAを強襲して驚かせた。
粘土で自作の怪獣フィギュアを作成する趣味がある。そのクオリティはプロ顔負けで、ゴジラの初期デザイン案を立体化するなどチョイスもマニアック。
大改造!!劇的ビフォーアフターで新日本プロレス選手寮のリフォームが取り扱われた際は腕前を買われて選手寮玄関に飾る新日本プロレスのエンブレム(の元型)製作を依頼され、今でも選手寮玄関扉にはライガー作のエンブレム*1が鎮座している。

○既に、プロレスラーとしては頂点を極めている為か、個人よりも全体を見据えた行動も多く、外敵として参戦した際には格下相手にも「負けブック」を飲む事も少なくない。

○後輩の武藤敬司と同様に、実は薄毛やハゲに悩んでいた。
マスクの後ろから生えている長髪も昔は地毛だったが、現在はマスクから直接生えている。

〇すでに大ベテランでありながら、現在も新日本プロレスの寮に住んでいる。
正確には、シーズンになると自宅がある福岡から遠征してくる形。
専用の個室を持ち、中は自作の怪獣フィギュアで埋め尽くされている。

○「みちのくプロレス」の発展にも手を貸したが、同じ時期(90年代)に奥さんがスペル・デルフィンの追っかけになった。

○ずば抜けたスター性とタレント性の持ち主であり、テレビ番組にゲスト出演した場合にはプロの芸人も顔負けのリアクションを取る。「相席食堂」に出演した際には、罰ゲームの執行人という印象から懸念されていたが、本職に勝るとも劣らないリポーターの技術を発揮。千鳥の二人からは「中アナウンサー入ってない?」「地方で一本やってるうまさ」と讃えられた。

◯ギミックほど正体を明かしたり素顔を晒すことに抵抗はないらしく、ロケ番組に素顔のまま現れたり、修正済みながら撮影中にマスクを脱ぐことがある。引退後に「くりぃむナンチャラ 」に出演した際には、いきなりマスクを脱がされ終始オオカミの被り物で収録に参加。企画アシスタントをやらされたり終盤のマスク争奪戦では堂々と素顔で挑むなど、世界的なレジェンドとは思えない扱いだったため、くりぃむ上田から突っ込まれた。また、「クイズ☆正解は1年後」では罰ゲーム執行されるかどうかの判定ゲームとして素顔のライガーが執行予定者に挨拶して、正体を見抜けたらセーフで罰なし、見抜けなかったらアウトで掌底の刑と言うクイズを行った事もある。*2

○山田恵一時代に光文社『ジャストコミック』連載の漫画『スープレックス山田くん』(作画・国友やすゆき)の主人公のモデルになっている。

○ドラマ「世にも奇妙な物語」に出演した事もある。(1991年放送「覆面」)
  • ストーリー
入院中の弟がいるプロレス練習生の主人公(演:二橋進)。主人公の先輩であるライガーは弟を励ますために勝利を約束するが、事故で意識不明となってしまう。
そこで、代わりに主人公がライガーの覆面を被ってリングに立つが……





追記修正やれよ!ぶち殺すぞ!!


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最終更新:2024年03月14日 16:37

*1 ライガーが粘土で製作した物を型にして強化プラスチックで仕上げた形

*2 本人がプロレスマニアのケンドーコバヤシだけが見抜いて実際に罰免除となっている