アイナ・サハリン

登録日:2010/03/21 Sun 07:30:18
更新日:2024/04/24 Wed 14:28:18
所要時間:約 4 分で読めます





機動戦士ガンダム」とほぼ同時期の出来事を描いた『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』のヒロイン。
CV:井上喜久子(当時17+14歳)

搭乗機
高機動試験型ザク
アプサラス
アプサラスⅡ
アプサラスⅢ


ジオンの名門サハリン家再興のため、技術将校である兄・ギニアスを献身的に支える健気で優しい女性。
家庭的な不幸の中で、長年サハリン家に仕えるノリス・パッカードのことは親のように思っている。

パイロットとしても優秀なようで、高機動試作型ザク​リック・ドムの開発テスト機)に搭乗し、稼動実験中にテリー・サンダースJr.が所属する連邦軍の哨戒部隊と遭遇。サンダース機以外を殲滅した。*1
更にシロー・アマダの乗った先行量産型ボールと交戦するが、相打ちとなる。
本来は敵同士だが、宇宙空間で二人で協力し合って難を逃れたことで、風変わりな敵の士官シローへをする。

地球降下後は、ギニアスを支えるため、ギニアスが完成を目指すアプサラスのテストパイロットに志願、テスト飛行を行っていた。
しかし、「謎の巨大兵器」捕獲のため罠を張っていたシローの第08小隊の策に嵌まったアプサラスは航行不能に陥り、機体に張り付いたシローの陸戦型ガンダムもろとも中破して雪山で遭難してしまう。凍死しそうなシローを救い出し、互いに想いを告白。
その後はシローに代わってガンダムを操縦、ビームの動力で作った即席の露天風呂に二人で入るなど、完全な恋人関係になる。
その後、『ギニアスに忠実なだけの人形の様な自分』でいたくないと初めて本心を打ち明けるも、ジオンの救援が来たため、岩陰に身を隠したシローに心で泣いて別れを決意した。

遭難中に連邦兵であるシローと共にいるところを撮影されていたため、ギニアスから詰問を受ける。このころから信頼していた兄に対して強い不信感を抱く。

物語終盤、オデッサから多くの敗残兵が逃げ込んできたことによってラサに存在していた秘密基地の所在が露見し、地球連邦軍の総攻撃を受ける。

アイナは完成したばかりのアプサラスⅢのパイロットとして病状の悪化したギニアスと共に乗り込み出撃する。
この搭乗直前には、
「負傷兵の治療に杜撰に劇薬を投入して羞じない医務官」
「戦意も体力も喪失してグダグダの兵士」
「共にアプサラスを開発していた研究者たちを『アプサラスは自分だけのモノだ』という理解不能な理由から全員抹殺するギニアス」
などを理解し、兄への敬慕も完全に捨て去る。
手すりに背を預けて立つこともままならない兄をまたいで通る辺りが、兄への敵意を示していた。

アイナは傷病兵の乗った病院船(仮)のザンジバル級機動巡洋艦ケルゲレンが宇宙へ脱出するまでの時間稼ぎのつもりで一時休戦を連邦軍へ呼びかける。
突然の休戦の申し出に困惑する連邦軍を信用させるため、彼女はアプサラスのコックピットを開け身を挺しての説得を試みた。
もっとも、彼女のせいというわけではないがケルゲレンは後述の件を無視しても武装解除せずMSまで積んでおり、現実世界に置いて考えると病院船という主張は難しい、と視聴者からつっこまれていたりする。
宇宙世紀ではこれでも病院船という主張が成立するのかどうかは不明。

しかし、アイナがコックピットを離れた隙に、アプサラスの全てのコントロールを支配下に収めたギニアスは自らアプサラスを操縦、連邦MS隊を焼き払う。
これで「ジオンが申し込んだ休戦協定をジオンが破って連邦部隊を壊滅させた」という裏切り行為となり、アイナの訴えた休戦協定はここで破綻。
連邦軍司令官のイーサン・ライヤー大佐がそれを許すはずもなく、*2報復として病院船をジム・スナイパーにより撃墜する。

……まあジオンの自業自得と言えばそれまでであるが。
アイナも兄の精神状況は把握していたはずなのに、まったく無警戒でニコニコしていた。搭乗直前までの悟りも全く生かせていなかった。見ていて下さい。これが私の戦争です!」じゃないよ。
そもそもライヤー大佐が信用しなかったのだって、ジオンは先のオデッサ作戦と退却途中で二回も核兵器を使って南極条約を破っていたんだから、ジオンの言いだした虫のいい休戦協定をそのまま信じる方がどうかしている。
自分がどう見られているか、自分がなにを見てきたのか、それらを何ら把握しなかったアイナが「甘かった」のだ。

やけくそになったアイナは兄にそそのかされて逆恨みを爆発させ、イーサンに報復しようとするが、メガ粒子砲を放つ寸前にシローのEz8が視界に入り我に返る。
制止しようと投降を迫ったアイナはギニアスの狂気の銃弾に倒れ、そのまま開放したアプサラスのコクピットから転落する。

だが、アイナが胸に忍ばせていた懐中時計で銃弾が防がれ、更にシローの乗るガンダムEz8の手に受け止められた事で奇跡的に一命を取り留める。
そして兄の狂気に走った殺戮を終わらせるべくアイナはシローと共にEz8で特攻をかけ、ギニアスもろともアプサラスを撃破。もつれ合って火口に落下した際にアプサラスの爆発炎上に巻き込まれ、二人は以後行方不明になる。
敵方のパイロットと恋仲になるというのはガンダムシリーズのみならず、ロボットアニメ系では結構多いが、最期まで主人公と運命を共にするアイナのようなヒロインは意外と珍しい。たいていは死に別れる。

後日談である『ラストリゾート』では、山奥でひっそりとシローとともに、彼の子供を身篭って幸せに暮らしている。

ちなみに展開が異なる小説版では、彼女が産んだ女児は『キキ』という名前である。
本人の性格もアニメよりかなり無感情気味*3で一般兵たちの間では密かにアイスドールというあだ名で呼ばれていた。


ゲームにおける出番

ガンダムシリーズ中でもゲームへの出演率が多い。

"ギャザービート系"と言われる携帯機Gジェネシリーズではシローと共に扱いが大きく、彼ら二人をチームにするとお互いにゲーム中最大の命中/回避補正を得られる。

第08MS小隊という作品自体が一時期を除いてあまり参戦していないが、参戦している場合は(説得による隠し要素になる場合も含め)最終的には自軍へ参加する事が多い。
その場合の乗機はアブサラスIIか宇宙用高機動試験型ザク等。
珍しい例としてはスパロボOEでは名前が出るだけで本人は一切登場しない。
ゲーム開始時点で雪山までのイベントが終わっており、そこまでのシローとの会話もあってジオン軍を抜けた。
アプサラスIIIが登場したのでアイナが乗ってるんじゃないかとシローが思ったら、ギニアスにお前のせいでアイナがいなくなったと文句言われるという。
もう会えないかと思っていたがEDで連絡が付いたという所までで本人が出る事はなかった。

』でもアプサラスⅡに乗って参戦。必ず仲間になり、パイロット能力は微妙だが『激励』『祝福』『愛』等の有用な精神コマンドを覚える為Gファイターメタスに乗のせた諸兄も多いのではないだろうか。説得次第ではアプサラスも一緒に手に入るが、機体サイズLの当たりやすさとメガ粒子砲の劣悪燃費で使いにくく、アプサラスと択一で撃墜した場合に落とす「EWAC装置」の方が嬉しい為落とされる事が多い。むしろ普通に手に入る高機動型ザクの方が…*4。本作では同じようなロミジュリ展開のダイモスとの絡みが多く、敵陣営との恋に悩む一矢に優しく助言する甲斐甲斐しいアイナ様が垣間見える出番は少ないけど


余談

  • フィギュアも幾つか発売されているが、中でもノーマルスーツver.はピッチピチで非常にエロい。

  • ガンダム芸人としても知られる土田晃之は、彼女から自分の娘の名前を「あいな」に決めたという。波瀾万丈で苦労しそうな恋愛の末『ラストリゾート』の様な素晴らしいハッピーエンドを迎える事を祈る。


<主な台詞>

「花火師に、なれるかしら」

「離れなさい!死にたいのですか!」

「私、ギニアス兄さんの人形なんかじゃない!」

「私達二人、この世に残った最後の男と女なら良いのに…」

「…親代わりのノリスの事、何も知らない」

「止めることなんか…できない。もし…もしもノリスに何かあったら…私が殺したんだ。その時は…一人では逝かせない……!」

「…かわいそうに。だから、こんな鉄の子宮が必要だったのね」

「さようなら、兄さん」





見ていて下さい。これが私の追記・修正です…!

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最終更新:2024年04月24日 14:28

*1 ただし彼女の側にもザク三機の護衛・僚機がいて、この護衛部隊も全滅している。差し引きでジム隊とは相打ちと言える

*2 元よりイーサンも守るつもりも無かったが

*3 というよりギニアスが肉体を病んだ幼少期の事故を引き起こしてしまった自責の念により己が希薄な人物像になってしまっている

*4 弾数の多いマシンガン、威力の高いバズーカとバランスの取れた武装、改造次第では高機動の名前に違わぬ運動性能…とこちらが採用されることが多い