胡蝶しのぶ

登録日:2017/01/19 Thu 13:00:00
更新日:2025/08/30 Sat 15:43:14NEW!
所要時間約 11 分で読めますよ






人も鬼もみんな仲良くすればいいのに
冨岡さんもそう思いません?



胡蝶(こちょう)しのぶとは、漫画『鬼滅の刃』の登場人物である。


◆目次

◆プロフィール

誕生日―2月24日
年齢―18歳(享年)
身長―151cm
体重― 37kg
出身地―東京府 北豊島郡 滝野川村(現・東京都北区滝野川)
趣味―怪談話
好きな食べ物―生姜の佃煮
CV:早見沙織


◆概要

鬼狩りの組織・鬼殺隊における最高位隊士の称号を持つ九人の一人で「蟲柱」。

また、竈門炭治郎たちの同期の一人・栗花落カナヲの育手(新人隊員候補の教育係)にして、「蝶屋敷」という鬼殺隊専用の治療院の統括者としての顔も持つ。


◆外見

女性に弱い我妻善逸には「顔だけで飯が食える」と最低な太鼓判を押されるほどの美女。
しかし、光の無い瞳がまるで蝶の複眼のように描かれておりどこか怖い。

頭髪については、の髪飾りで後ろ髪をまとめ、やはり蝶の羽を模した柄の羽織を着用している。ちなみにしのぶが義務付けたのかは判らないが、継子の栗花落カナヲをはじめ、蝶屋敷に勤める少女たちは皆しのぶと同様に色違いの蝶の髪飾りを着用している。
毛先の色は薄紫。後ろ髪は夜会巻きでギチギチに纏めており、下ろすと鎖骨までの長さになる。

服装は男女兼用の隊服で手と頭くらいしか出ておらず、男を誑かすタイプでもなく、セクシーなセリフやポーズも無い……にも拘らず、初戦闘回最後のページの大ゴマなど、なぜだか妙に色っぽいと評判。


◆人物・性格

一人称は「私」。
二人称は、姉には「姉さん」、継子であるカナヲのことは下の名前の呼び捨てで、産屋敷耀哉には「お館様」。それ以外の大抵の相手には苗字か名前に「さん」「くん」付け、または「あなた」だが、とある相手にだけは「お前」。
ちなみに竈門炭治郎のことを最初は「坊や」呼びだったのが、柱合裁判時には「竈門くん」になり、蝶屋敷では「炭治郎くん」と、何気にヒロイン属性を垣間見せている。

初登場時にも人も仲良くできればいい」と口にしていたが、その表情から何となくサイコっぽいオーラを醸し出していた。
だが活躍する直前に発売された単行本のカバー下では(表面上は)、上記の発言に同意してくれない水柱・冨岡義勇つんつんしながらしつこく同意を求めるなど、「あれ、実は単なる天然?」という感じだった。しかし……。
やっぱりサイコさんでした。

しかも、会話は成立するがその思考回路は超ハード(主に鬼にとって)。
しのぶ様「鬼とは仲良くしたいけど、人を殺したならちゃんとその償いをすべき。だから、殺した人数分鬼を拷問します。一緒に頑張りましょう!(要約)」(曇りのない眼で)

更に相手が不死身の鬼だからと、眼球や内臓を抉りだしたり、人間相手だったら後遺症が残るようなことをしようとしたりしているにもかかわらず超笑顔
拒否すると十二鬼月並みの殺気を発するというアグレッシブこの上ない人だが、言っていることは概ね間違っておらず、パッと見は朗らか。
しかし、発言や雰囲気の所々からあふれ出るサイコ感がしのぶさんの言動に恐怖を纏わせるという、狂いっぱなしのサイコとはベクトルが明らかに違う。
それと合わせて独特の色気の持ち主で、そんなサイコっぷりに魅了される人もちらほら……いや、結構いた

しかし実のところしのぶさんの掲げる「鬼と仲良く」という信念と実際の行動には、いくらかの矛盾が散見されていて……。



◆戦闘能力


私は柱の中で唯一鬼の頸が斬れない剣士ですが
鬼を殺せる毒を作ったちょっと凄い人なんですよ


しのぶのは切っ先と根本以外刃が存在せず、ほとんど反っていない奇妙な形状になっており、柱の刀に共通する「悪鬼滅殺」の文字もスペースが足りないため、根元の両側にそれぞれ「悪鬼」「滅殺」と刻まれている。

腕力は柱の中では最下位で、柱の中で唯一鬼の頸が斬れない剣士を自称しているが、しのぶの本領は使いであること
薬学に長じ、鬼さえ殺す藤の花の毒を作り出しており、全集中の呼吸で身体能力を底上げし、鬼の身体に毒を送り込み殺すのがしのぶのスタイルなのだ。
しかも毒は戦う鬼に応じて調合を変えており、鞘に納刀することで調合を行う仕掛け。
鬼の頸を落とすことはできずとも突き技の威力、速度はズバ抜けており、水の呼吸の突き技「雫波紋突き」より速い。
その最高速度は上弦の鬼でさえ「今まで会った柱の中でも一番」と認めたほど。

なお、毒殺に特化しているためか言わずもがな毒で殺せない・殺しきれない相手は天敵中の天敵。低級の鬼ならばいざ知らず十二鬼月、それも上弦ほどの鬼ともなると毒に対する抵抗もそれなりのものとなるようだ。
その他草履の踵に刃を仕込み、奇襲めいた蹴りを放つなどダーティな戦術も駆使する。

『音柱』宇髄天元が藤の毒を塗布した苦無を鬼の討滅に活用するなど、他の隊士にも何らかの形で毒を提供しているという可能性もある。
そもそも頸の切断以外で鬼を殺せるというのは、鬼殺隊の永い歴史に於いて「ちょっとすごい」どころではない画期的な発見だったに違いない。
18歳の若さで柱の一角に据えられていたのはこの功績によるものも大きいと考えられる。
また、剣士としての実力だけなら柱よりも1つ下の階級である甲の位の者でも太刀打ちできる腕前であるしのぶだが、鬼殺隊の頂点の立場に立つ者として必要不可欠な

  • 後輩の性格、長所、短所を全て理解し、1人1人に合ったやり方で最大限力を引き出す能力
  • 柱から最下位の癸を含め、敵の血鬼術によって任務で怪我を負った全ての隊士達に対し適切な治療を施し、アフターケアを含め最も効率的に身体を元の状態に回復させる能力
  • 宇髄や風柱・不死川実弥、岩柱・悲鳴嶼行冥のような、屈強な強面・荒々しい気性を持っている者にも臆せず堂々と意見を物申す心の芯の強さ
  • 個人的な感情を抜きにして、客観的な立場から物事を見ることのできる冷静な視点

など、戦闘とは別の意味で鬼殺隊を支える上でなくてはならない存在となっており、しのぶさんの人柄も相まって柱も含め大変慕われており重宝されている。


◆流派

蟲の呼吸は、水の呼吸から派生した花の呼吸……から更に派生した呼吸で、これにより瞬間的に身体能力を強化している。
華麗な足さばきにより、相手の攻撃を軽やかに回避しつつ、隙を見て高速の突きを放つ……まさに「蝶のように舞い、蜂のように刺す」を体現したような呼吸。

前述の通り、鬼の頸を斬る腕力が無いしのぶは毒殺によってそれを補っているため、この呼吸は最初から鬼の頸を斬る事を想定しておらず、体中に毒を射し込む事に特化している。
「鬼の頸を斬る」事を目的とした従来の呼吸とは一線を画す異色の呼吸で、鬼殺しの毒を開発したしのぶ専用の流派であるといえる。
また、型の呼び名も他の多くの呼吸のように「(通し番号)ノ型」ではなく「(虫の名前)ノ舞」となっているのも特徴。




◆活躍

那田蜘蛛山編にて、十二鬼月が存在する可能性が高いと判断したお館様の命を受け、那田蜘蛛山への増援として本部から冨岡と共に派遣される場面で初登場。
早速読者から「危険人物」という評価を受けたしのぶであったが、場所を移し他の柱が一堂に会したことでそれが一変。
というのも、基本、他の柱が禰豆子を炭治郎の訴えも聞かず、ただの鬼と認識しているのに対し、しのぶは炭治郎の言葉に耳を傾けていたから。
また、実弥が禰豆子の入った箱を勝手に持ち出し、あまつさえ刀を突き刺した際には怒りの表情を見せていることなどから、「かわいいサイコ」から「柱の中で二番目にまともな人」と印象が変化した。
炭治郎の言葉に耳を傾けるようになる前にも、鎮痛剤入りの水を飲ませて一旦落ち着くように諭すなど、素のしのぶは理知的に物事を判断できる人物と言える。
実際、しのぶは相手がどういう性格の人物かを的確に見抜く眼を持っているようで、機能回復訓練で炭治郎に置いて行かれ、半ば腐っていた善逸と嘴平伊之助をやる気が出るように言葉だけで誘導*2し、9日という短期間で「全集中・常中」を会得させてしまっている。


無限城決戦


可哀想に 何かつらいことがあったんだね…

聞いてあげよう 話してごらん

つらいも何もあるものか
私の姉を殺したのはお前だな?この羽織に見覚えはないか


その後もちょくちょく単行本の幕門に登場したり柱稽古では裏方に回ったりなどしていたが、無限城に落とされた後、140話にて遂に姉の仇である『上弦の弐』童磨と遭遇する。
狂気の救世思想に苛立ちながら童磨に羽織のことを詰め寄り、彼こそが姉の仇と確信した瞬間激昂。普段の笑顔の仮面を完全に捨て、無言で剣による突きを撃ち込み毒が効くかどうか試すも、上弦特有の再生力により瞬時に免疫を造られ解毒される。
内心そのことを予期していたのか冷静さを保ちながら、5度に渡り毒を撃ち込み続けるが、足掻きもむなしく悉く毒を克服され、逆に自身は童磨の血鬼術に侵され肺を腐敗させられてしまう。
更に鉄扇による斬撃で致命傷を負ってしまったことで遂に心が折れかけるが、目の前に現れた姉の幻影に叱咤を受け、致命傷を負いながらもしのぶは立ち上がった。
なお姉からの言葉は「致命傷を負った?血鬼術に侵された?関係ない、柱なら立って戦え(要約)」と『鬼滅の刃』らしく超スパルタな内容であった。

死力を振り絞って立ち上がる姿を見た童磨にドン引きされながらも、更にスピードを上げて頚を狙った決死の一撃を叩き込むことに成功する。
……が、既に毒に対し高い免疫を得ていた童磨の前には無力で、急所である頚への毒すらも恐ろしい速さで解毒されてしまった。

(幸せの道はずっとずっと遠くまで続いているって 思い込んでいた)

(破壊されて初めてその幸福が 薄い硝子の上に乗っていたものだと気づく)

(そして自分たちが救われたように まだ破壊されていない誰かの幸福を)

(強くなって 守りたいと思った)

(そう約束した)

走馬燈のように、鬼に姉以外の家族が皆殺しにされた事と、そんな窮地を悲鳴嶼に救われた事。
「他の人達に自分たちのような思いをさせないためにも1体でも多く2人で鬼を倒そう」という姉との誓いを胸に戦い続けたことを思い返しながら、更にしのぶは振り返る。

(そう 私怒ってるんですよ炭治郎君)

(ずっとずーーっと怒ってますよ)

そう回顧すると、両親、きょうだい、これまで育ててきたカナヲ以外の幾人もの継子達が殺されたこと、そして蝶屋敷にいる鬼に身内を殺された少女たちの無念に対する怒りを沸騰させながら、しのぶは毒づく。


(ほんと頭にくる ふざけるな馬鹿)

(なんで毒効かないのよコイツ 馬鹿野郎)


目の前に映る毒を瞬時に解毒し、満面の笑みを浮かべる童磨の姿に怒り心頭で愚痴る最中、待っていたのはしのぶの必死の戦いにいたく感動した童磨の狂った救世思想だった。
因縁の仇に抱きしめられ、仇に命を脅かす敵とすら見なされず、しのぶの戦いに賞賛という名の侮辱を投げかける童磨に対し、彼女は一言だけ、完全にキレた表情で告げる。

言い残すことはあるかい?聞いてあげる!

地獄に堕ちろ

その瞬間、戦いの場に辿り着いたカナヲに指文字で何かを送った瞬間童磨により鯖折りにされ致命傷を負い、そのまま童磨の肉体に吸収される形で捕食され死亡。
「吸収」という今までに見ない形の捕食故に生存も望まれたが、間もなく鎹鴉が他の隊員に拡散したため読者の望みは絶たれ、無限城の決戦における最初の柱の犠牲者になってしまった。

因縁の相手に奥の手を使われて、ほぼ敗北が決まった上で相手から殺される前に自身の全てを侮辱されるような形でなぶられて、やれることが憤怒の表情で相手に悪態をつくしかない状態で惨殺されるという最期はこいつに似ているが、そのキャラはしのぶと違うどころか悪意そのものと言えるほどの邪悪で、全ての被害者の報いを受けて散るという爽快感の溢れる決着だった。
他方、このやり取りの場合胸糞悪いというレベルを遥かに越えた展開というほかはない。





◆余談


  • 内心では怒っていても表向きは鬼と仲良くしようとしているしのぶがいきなり禰豆子に切りかかってきた理由は「冨岡さんを天然ドジっ子だと思っており、鬼の前でぼぉっとしているから助けに入った(それなのに邪魔されたのでむっとした)」とのこと……ドジっ子て。

  • 天然だったためか、ネーミングセンスには難があったようでペットとして飼っている金魚の名前は「元気で丸々と大きく育ってほしい」という理由からフグ
    また、名前すら付けてもらっていなかったカナヲを蝶屋敷に迎えるにあたり命名することになった場面でも、当初は「スズメ」「ハコベ」「タナゴ」「とびこ」「カマス」が候補だったらしい。なお、しのぶさん本人は天然であることは頑なに認めていない。

  • 番外編『中高一貫!キメツ学園物語』では女子高生として登場。
    薬学研究部とフェンシング部を掛け持ちしている。
    小説版の文化祭エピソードでは文化祭実行委員を務めており、ハイカラバンカラデモクラシー(ちなみにメンバーは炭治郎、善逸、伊之助、宇髄)が文化祭でド下手くそな歌と演奏を披露するのを断固阻止しようと奮闘したが失敗に終わり、悔しい思いをした。




必ず私が追記するから
カナヲが修正してとどめを刺してね

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最終更新:2025年08月30日 15:43

*1 弱点である太陽が昇って食すのを諦めたため。

*2 善逸には「“一番”応援しているから頑張って」と手を握り、伊之助には「君には無理だから出来なくてもしょうがない」と挑発。